救済の鎖 ―Property of Nao― ~レズの魔の手に堕ちる王子様~ 作:嫌われた勘のいいガキ
静香のマンションのドアを開けた瞬間、凛の鼻を突いたのは数種類の香水とゴムが混ざり合った、この部屋特有の「淫らな匂い」だった。
「いつまでご主人様を待たせてるんだよ、凛」
靴を脱ぐ間もなく待ち構えていた麗奈が凛の胸ぐらを掴み、ベッドルームへ連行すると力任せに突き飛ばした。
「あっ⋯⋯」
制服のままベッドのシーツに沈み込んだ凛を、麗奈が馬乗りになって見下ろす。その指先が凛の整った顔立ちをなぞるように這った。
「くくっなんだよその顔。学校じゃ『王子様』なんて呼ばれてチヤホヤされてるくせに、ここに来る時は怯えた子猫じゃないか。⋯⋯制服のボタンが一つ外れてるけど、まさか来る途中で我慢できなくなって自分で弄ってたんじゃないだろうな?」
「んなっ! ⋯⋯そんなこと⋯⋯っ!」
「否定すんなよ凛。アンタのその淫らな身体が、一番よく知ってる――だろ?」
麗奈はニヤニヤと下卑た笑みを浮かべ、凛のスカートの中に手を滑り込ませた。太ももの内側をわざと爪を立ててなぞり、蜜で湿り始めた下着を指先で弾く。
「ひ⋯⋯っ、あ、んっ!」
指先が下着越しに凛の秘部に装着された「バイブ内蔵型クリトリスキャップ」に触れる。硬質な機械の感触が、凛の最も敏感な場所に絶えず微細な振動を送り続けていた。
「おいおい、なんだよこれは。学校にいる間もずっとこんなもん嵌めてたのか? 王子様が授業中もこれに震わされてイきそうになってたんだな。⋯⋯なぁ凛。今、どれくらいの出力なんだ?」
麗奈が嫌がらせのようにキャップの角を指でグイと押し付ける。
「あ、あ、ああぁっ! や、やめ⋯⋯っ、それ、は⋯⋯っ!!」
凛は腰を跳ねさせ、涙を浮かべて麗奈の手首を掴もうとする。だがその背後から静香が凛の耳元で囁く。
「ダメでしょ、凛ちゃん。私達に逆らったらどうなるか、分かっているわよね? 」
「⋯⋯ッ」
静香はリモコンを取り出すと、それを見つめる凛の目の前でゆっくりと出力を上げていった。
「あ、あ、ぁ⋯⋯っ、ん、んんっ! あぁぁーーっ!!」
キャップが猛烈な高周波振動を開始し、凛のクリトリスを直接、そして執拗に叩き伏せる。拘束されていないはずの凛の身体が、逃げ場のない快感の檻に閉じ込められたように激しく硬直した。
「くふふ、いい反応だぜ。ほらスカートがバイブの音で震えてんぞ。これじゃ、奈緒にバレるのも時間の問題だったんじゃねぇの?」
麗奈が凛のスカートを捲り上げ、震え続ける下着を露わにする。
「な、奈緒には⋯⋯っ、バレて、ない⋯⋯っ! おねがい、出力を、下げて⋯⋯っ、あ、あ、あぁぁぁっ!!」
「お願いの仕方がなってないわよ、凛ちゃん」
静香は出力をさらに一段階上げ、凛の震える太ももを優しく撫でた。
「『私は奈緒に隠れて、機械でイかされるのが大好きなメスネコです。もっといじめてください』⋯⋯って、ちゃんと言いなさい。そうすれば、下げてあげるわ」
「⋯⋯っ、そ、んな⋯⋯っ、あ、あ、あ、あああぁぁっ!!」
クリトリスを直撃する暴力的かつ精密な振動。凛の脳内は快感の信号で飽和し、逃げ場のない熱が全身の末端まで駆け巡る。言いたくない。人間が口にしていい言葉じゃない。
けれど静香の指がリモコンのダイヤルに再びかかったのを見て、凛の心はあっけなく折れた。
「い、いやぁっ! い、いいます、いうから⋯⋯っ! あ、あ、あぁぁぁっ!!」
凛は快楽と恐怖と屈辱が入り混じる歪んだ表情で、震えながら声を搾り出した。
「わ、たしは⋯⋯奈緒に、隠れて⋯⋯っ。き、機械でイかされるのが、だ、だいすきな⋯⋯メス、ネコです⋯⋯っ! だから、もっと、いじめて⋯⋯、ください⋯⋯っ!!」
「ちゃんと言えたわね。私たちに逆らわず従順に従ってさえいれば楽になれるわよ」
静香が満足げに微笑みリモコンの出力を微かに下げる。だが振動は止まらない。絶頂の淵で生殺しにされるような感覚に凛はシーツを掴んで激しく喘ぐ。
「いつまで感じてんだよ。ほら来な、お客様がお待ちだ」
麗奈が凛の細い腕を乱暴に掴み、部屋の中央に設置された三脚付きのカメラの前へと引きずり出した。無機質なレンズの向こう側では静香が管理するレズネットワークの専用ルームに、リアルタイムで数十人の「観客」がログインしている。
「おい、凛。画面の向こうを見てみな。日本中⋯⋯いや、世界中の悪いお姉様方が、お前のその高潔そうな『王子様』の化けの皮が剥がれるのを今か今かと待ち望んでるよ」
麗奈がカメラのモニターを凛の方へ向ける。そこには凛の姿を待ちわびる女たちの、卑俗で欲望に満ちたチャットログが流れていた。
『早く制服を脱がせて』『マジで〇〇高校の制服じゃん』『顔だけでいける』『王子様の泣き顔が見たい』『オナニーさせてほしい』『オナニーさせるなら制服着たままを希望』『正面から見るとホント顔良いね』
「⋯⋯あ、あぁ⋯⋯っ」
凛は絶望に顔を伏せる。自分の知らないところで自分の身体が娯楽として消費され品定めされている。その事実に吐き気がした。
「ほら、凛ちゃん。貴女のストリップショーを楽しみにしている方々へ、最高のサービスをしてあげなさい。自分でその制服を脱いで中身をすべて晒すのよ。⋯⋯それとも奈緒ちゃんにこのライブのURL、今すぐ送って招待した方がいい?」
「⋯⋯っ!!」
静香が手元の端末を弄りながら、慈愛に満ちた笑みを向ける。凛は奈緒をこの汚らわしい観客の一員にさせたくない一心で、震える指先を自分のブラウスのボタンにかけた。
「⋯⋯っ、う、あ⋯⋯」
パチン、と一つ目のボタンが外れる。 学校では女子生徒たちの羨望の的である凛とした糊のきいた真っ白なブラウス。それが一つ、また一つとはだけていくたびに白い肌の面積がましていく。その様子が超高画質のカメラを通じてネットワークの女たちに配信され、見られているという事実がコメントとなって顕在化する。
『もっとゆっくり!』『震えてるの可愛いね♡』『ドチャシコれる』『ブラ紐見えた』『めっちゃ顔を赤いじゃん』『エロすぎ』『こっちを見なさい』『クソ可愛い』『ぶち犯したい』
麗奈が加速するチャットを読み上げ、凛を嘲笑う。
「ほら、指示通りにしろよ。カメラをしっかり見つめて一箇所ずつ、丁寧に『王子様』を捨てていくんだ。⋯⋯くふふ、いいよ凛、アンタ最高にエロいよ」
凛は絶望に唇を噛みスカートのジッパーをゆっくりと下ろした。プリーツスカートが脚を伝って床に重なる、その感覚が妙に鮮明で嫌でも自分が裸になっているという感覚を突きつけられる。
「手で隠すなよ! アンタの発情したエロい身体をしっかり晒しな!」
響く麗奈の怒声、最後に残った薄い下着を脱ぎ去る時、凛はたまらず涙をこぼした。
(奈緒⋯⋯ごめん、ごめんなさい⋯⋯っ)
完全に全裸になった凛は、エアコンの風が直接肌に触れる感覚に身を震わせる。隠す場所のない羞恥。カメラのレンズは凛の震える指先、屈辱に尖った乳頭、そしてクリトリスキャップの振動で蜜に濡れそぼった秘部を、容赦なく舐めるように記録していく。
モニターの端で加速度的にチャットログが流れる。
『王子様のエッチな全裸きちゃぁあああ!!』『なんでクリキャップしてんの?w』『ド変態やん』『王子様系美少女が震えながら全裸になるの……最高すぎるっしょ』『めっちゃ乳首ビンビンに立ってるw』『何度見ても良い身体してるわねぇ』『王子様、ちゃんとマン毛処理してるんですね(笑)』『てか、濡れてない?』 『顔とのギャップ、えぐっ!!』『クソエロい乳首してる、しゃぶりたい』
「よくできました。⋯⋯さあ次はその姿で自分を慰めてごらんなさい。⋯⋯これは貴女の、ネコとしての仕事よ」
静香が満足げに頷く。カメラの録画ランプはずっと前から赤く点灯しており、凛が自らの矜持をかなぐり捨てて服を脱ぎ去る屈辱的な映像は、デジタルデータとして静香たちのサーバーに、そして世界中の飢えた女たちの手元に消えることのない「記録」として未来永劫、残り続けるのだ。
「な、ぁ⋯⋯っ、あ⋯⋯」
全裸になった凛は隠す場所のない自分の身体と、レンズの向こうにいる無数の欲望に震える。一度でもこうして晒されてしまえば、もう二度と「清廉な凛」には戻れない。取り返しのつかない破滅を突きつけられ彼女の心はガタガタと崩れ落ちていく。
「ほら、足を肩幅より大きく開いて、自分の一番卑しい場所をカメラに突き出しなさい。⋯⋯凛ちゃん、視聴者の皆様に、自分の『ナカ』がどうなっているか、よーく見せてあげるのよ」
「⋯⋯ぁ⋯⋯ぅ⋯⋯」
だが凛の指は震えたまま、太ももを固く閉じて動けなかった。頭では分かっている。従わなければもっとひどい目に合わされる。それでも恥ずかしさに耐えかねた凛の身体は硬直して動かない。
「うっ、⋯⋯っ、で、できない、です⋯⋯」
「できない? 凛ちゃん、まだ自分が選べる立場だと思っているの?」
静香が手元のタブレットを凛に向けた。そこにはリアルタイムで更新されるチャット欄が、罵詈雑言と欲望で埋め尽くされている。
『早く見せろ!』『可愛い王子様のオマンコ、見せてごらん』『指で広げて中まで見せろ』『拒否するなら動画バラまきなよw』『JKマンコ舐めさせてぇ』『公開オナニーまだー?』『マゾのくせに拒否るとか躾がなってないわね』『泣き顔エグかわいい』
「ほら、観客は待ちくたびれてんだよ! さっさとその見苦しい脚、割り開きな!」
麗奈が凛の足元を力任せに踏みつけるような仕草を見せ、激しい言葉の礫を投げつける。凛の身体は物理的な暴力以上にその剣幕と「次に何が起こるか」という恐怖に支配され、膝が折れるように床に沈み込んだ。
「あ⋯⋯っ、う⋯⋯っ」
「凛ちゃん。タイムリミットよ。⋯⋯さあ、言いなさい。『私は、奈緒よりお姉様たちにマンコを見せるのが大好きなメスネコです』って。やらないなら⋯⋯分かってるわね」
「⋯⋯っ!!」
凛の瞳からボロボロと大粒の涙がこぼれ落ちる。拒絶の言葉を飲み込み、震える脚を広げ指先を自らの秘部の入り口へとかけた。もはや抵抗する力など一滴も残っていない。凛は自分の身体を、そして人生を、自らの手で切り売りすることを選ばされた。
「わ、たしは⋯⋯っ、な、奈緒、より⋯⋯お、お姉様⋯⋯お姉様たちに、ま⋯⋯マンコを、みせるのが⋯⋯だいすきな⋯⋯メスネコ、ですっ!!!」
凛が魂を削り取るような叫びと共に、自らの秘部をこれ以上ないほど無防備に割り開くと、モニターのチャット欄は一斉に盛り上がった。
『キターーー!!王子様の自白!!!』『舐めたい』『なおって誰』『メスネコ宣言頂きました』 『エロいよあの真っ赤な粘膜、ヒクヒク動いてて最高に卑しい』 『マンコって言った瞬間に蜜が溢れたw』『めっちゃエッチ』『あぁ~たまんない。このマゾネコほんといやらしい』『これで王子様は無理でしょ』 『学校の女子が見たら卒倒するね、この無様な格好』『犯したい』
レンズの向こう側にいる無数の「お姉様」たちが、凛の最も隠すべき場所をまるで市場の肉のように品定めし嘲笑っている。凛はその言葉の暴力に晒され、羞恥のあまり全身を真っ赤に染めながら溢れ出る涙で視界を滲ませた。
「良かったわね凛ちゃん。お姉様たちがこんなに喜んでくれているわよ。⋯⋯そのまま卑しいマンコがどれだけ『使い物』になるか、皆さんに証明しなさい」
静香が冷徹に告げると同時にリモコンのボタンを操作した。凛の秘部に装着されたクリトリスキャップが、引き上げられた出力で高周波の唸りを上げる。
「あ、あ、あああああぁぁぁっ!!」
「ちゃんと声を出せよ、自分の指でマンコをかき回して、イキ狂う姿をしっかりと見せな」
麗奈の罵声に追い立てられた凛は震える指先を今さっきまで晒し出していた自身の熱いナカへと無理やり沈めた。
「⋯⋯っ、ん、んんぅーーっ!! ⋯⋯っ、あ、あ、あぁぁぁっ!!」
自分の指が粘膜をぐちゃぐちゃとかき回す生々しい音がマイクに拾われ、スピーカーを通して部屋に響き渡る。その卑猥な音を聞かされるたびに凛の心はさらに磨り潰されていった。
『もっと奥まで突っ込んで!』『公開オナニーで感じる⋯⋯王子の姿か?これが』 『指三本いけるだろ、王子様w』『ドチャエロい』 『顔をもっと見せて! イキ顔をしっかり!』『王子様のアクメ顔みたい』『凛々しい女のネコ堕ち最高だわ』『イクまでやらせて』
チャット欄の要求はエスカレートし、凛はそれに応えるように自らの指を激しく、そして深く動かしていく。静香が操る機械の振動と、自らの中指が内壁を抉る快感。それは奈緒との思い出をすべて汚し、塗りつぶしていく汚濁の波だった。
「⋯⋯っ、ふ、あ⋯⋯ぁ、あ⋯⋯っ!」
激しく身悶え声にならない悲鳴を上げる凛。その表情が羞恥で歪み思わずカメラから顔を背けようとしたその時、麗奈の細長い手が凛の顎を掴み、強引にその顔をレンズへと固定した。
「逃げるなよ。その無様なツラが、このショーのメインディッシュなんだからな」
「ひ⋯⋯っ、あ、あぁ⋯⋯っ!」
「凛ちゃん、仕上げよ。絶頂する時は皆様にちゃんと報告しなさい。『イキます』って、自分から宣言するのよ。⋯⋯さあ、言いなさい!」
静香がリモコンの出力を最大へと跳ね上げる。限界まで充血した秘部を機械の超高速振動が容赦なく叩き伏せた。
「あ、が⋯⋯っ、あ、あ、あああぁぁぁっ!!」
「ほら、言えよ! 言わなきゃ終わらないよ!」
脳内を快感の嵐が吹き荒れ、視界が白濁していく中で凛は震える唇を無理やり動かした。もはや「王子様」としての矜持など、粉々になって消え失せていた。
「い、イキ⋯⋯っ、イキ、ます⋯⋯っ! お姉様、たち⋯⋯っにみられて、わ、たし、の⋯⋯マンコ⋯⋯イキますっ!!」
「よくできました」
静香の冷たい称賛と同時に、凛の身体が弓なりに弾けた。麗奈の手によって顔をカメラに押し付けられたまま、凛は衆人環視の中で派手に絶頂を晒し出した。
『最高! 完全にメスの顔じゃん』『王子様の完全陥落キターーー!!』 『王子様陥落www』 『涎エロ⋯⋯これぞメスって感じ。保存余裕でした。』『ブラボー! ブラボー!』『Don't stop! More! I want to see her cry while cumming!』『スクショ捗るわ』『今夜のおかず決定』『She's broken... so delicious.』『うちの子とヤラせたい』『貸し出しないの?』
「ふふ、オーディエンスは大喜びよ。凛ちゃん、貴女のこの姿はもう、消したくても消せない共有財産になったの」
静香の言葉が、絶頂の余韻に震える凛の耳に呪いのように突き刺さる。 レンズの向こう側では今の無様な姿を何十人もの人間が保存し何度も見返している。英語のコメントが混ざっていることが、この羞恥が言葉の壁さえ超えて拡散されている事実を突きつけていた。
「あ、あ⋯⋯う、ぅ⋯⋯」
凛は麗奈に顔を掴まれたまま涙で視界を滲ませ、モニターに流れる自分への罵倒を直視させられる。
(奈緒⋯⋯ごめんなさい⋯⋯。わたし、もう、普通の女の子には⋯⋯戻れない⋯⋯っ)
自分を「王子様」と呼び、清らかな憧れを抱いている奈緒。その奈緒が絶対に見てはいけない姿が、今、デジタルデータの海へと永遠に放流されてしまった。凛の心は、身体の芯から這い上がる絶望と、機械的に与えられ続ける快感の残滓によって、ドロドロに溶け出していくのだった。