皇都トウヨキコヤミ。
100万都市にして、文化の中心地。
件の高級服店のまあまあお偉いさんに捕まっている。
ちょっと、下着を三人分買いたいだけなのに・・・。
兎に角、みんなを連れて戻ってきた。
「それでどの様なものをお探しでしょうか?」
ファリーから聞いて知ってはいるが、他にも何かないか?と、いう事だろう。
「主に彼女達用の下着をお願いしたい。舶来品の良いものが有るとか?」
「それでしたらこちらへ。女性スタッフがご案内致します」
「その他にも、外出用の服一式をコーディネートしてほしい。普段使い出来るもので」
「でしたら、こちらなど如何でしょうか?」
女性達とは別のコーナーへ案内された。
ドレスなどの他にも色んな種類の服がある。
使い勝手や威力など、スペック重視で選べばいい装備と違い、好みで選ぶとなると勝手が違う。
俺には分からん。
大体、お金は足りるのだろうか?
今まで得てきたお金はほとんど手付かずではあるが、あまり金策はしてこなかったので、そんなに潤沢と言う訳ではない。金貨20数枚と銀貨じゃらじゃら。頼むぞ、三割引き!
「お兄ちゃん!」
「どうした?!」
びっくりして大声出して、走っちゃったじゃないか。
奥の方からカーテン越しに顔だけちょこんと出したフィーアを見つけた。取り敢えず、何とも無さそうではあるので、
「こんなお店で大声出すんじゃありません。俺まで大声出しちゃったじゃないか」
「これ見て。可愛い?カワイイ?」
カーテンを捲って半裸姿を見せてくる。
「分かった、分かった。可愛い、カワイイ」
そう言ってカーテンを閉じる。
下着を見せたかった様だ。ブラとパンティを着けている。
フィーアは言動こそ子供っぽいが外見は立派な大人である。むしろ、年齢以上に艶かしい。恥ずかしいからよしなさい。
「これね、体型に合わせて伸縮するんだって。凄いよね」
「素材は良いものを使っておりますが、最後の縫製等は自前のドワーフ職人に拠る防具製造を行っておりますので、サイズの心配は御座いません」
フィーアの後ろから店員さんが教えてくれた。
へえ、いいね。体型を気にする御婦人にも、さぞ好評なんだろう。
色やデザインのみ考えればいいのなら、贈答品としても需要有るんだろうな。
考えた人、使ったドワーフ職人、デザイナー天才。
「で、いいの有ったのか?」
「有り過ぎて選べない。お兄ちゃん、選んで!」
店員さんの方を向いて、
「これ、上下で幾らするんですか?」
恥ずかしいけど、聞いてみた。支払い時に足りません。が一番恥ずかしい。
「ピンキリではありますが、今、先程のお嬢様が試着なされたセットであれば、1万ナール以下で御座います。他の物も今ご紹介させて頂いている物は、同程度のものばかりで御座います」
店員さんの営業力ハンパねえな。こちらの財布具合、見透かされているみたいで怖いんですけど。
「フィーア、三着ずつ選ぶように、碧、紅にも伝えて」
「はい。紅ちゃ~ん・・・」
嬉しそうにカーテンの奥に入っていった。
ざっと十万。頑張って働かないとなぁ。
せっかくだ。それに合う服も買っちゃえ。
何がいいかな?こんな感じでどう?
フィーア(ちょっとえっちぃ感じ)
薄黄色のノースリーブブラウス
(胸元パックリ開いてるよ!)
白のホットパンツ
黒いニーハイブーツ
(ファリーのを見て欲しくなったらしい)
碧(シックなお姉様)
黒のチュニックタートルネック、左胸から下へ釦有り
濃い藍色のタイトスカート
濃い銀のハイヒール
紅(清楚なお嬢様)
純白のフリル付き長袖シャツ
純白のプリーツミニスカート
シルバーの編み上げロングブーツ(膝下まで)
締めて込み込み91000ナール。何か金策考えないと。
このあと、ウコムの町の古着屋、防具屋を回った。
各人に革のジャケット、手甲、ブーツを買う。
紅には古着屋に角隠しのカチューシャが有ったので、即購入。一個しか無かったのだが、碧さんは遠慮した。何としてでも探すと言ったら、恥ずかしいので要らないと言われた。
中古屋に寄ってフィーアの日用品を買い揃え、
「取り敢えず、これで一応は色々揃ったかな?碧さん、何かあれば言ってね。買い渋ってるんじゃなくて、忘れてるだけだから」
「はい、お任せ下さい。主様」
「ありがとう、お兄ちゃん。もう迷宮、行く?」
落ち着きなさい。フィーアよ。
ん?いつから主様になったんだっけ?
家に帰ったらもう夕方になっていた。
「今すぐ夕飯の用意しますね。少し寛いでいて下さいね」
「じゃフィーア、雷のバスタードソードと装備の確認、しに行くか?」
「うん!」
「それなら私も」
「いや、俺のパーティー戦闘の確認も兼ねてる。いきなり三人はキツイ」
「そうですか・・・」
しゅん、としてしまったが、俺に余裕の無い状態での戦闘はマズイ。こればっかりは我慢してほしい。
「じゃ済まないが、留守番頼む。すぐ戻るよ」
「はい、いってらっしゃいませ」
アイダの迷宮の1階層に来た。
スローラビットだ。
「どうだ?使い方とか、呪文とか分かるか?」
「お爺ちゃんがね、剣に魔力こめて振れ。って。それで効果有るから、って」
「何だあの爺さん、テキトーなのか、適当なのか?ま、やってみるか?スローラビットだから、まずヤラレはしないだろうが、俺が後ろに控えている。安心して思いっきりやればいいぞ」
「うん!行っくぞ~」
「わ、バカ。だからって走るんじゃない!」
必死で追いかけた。
追い付いた時には、倒していた。
「全く、走って行くんじゃない。何が有るか分からないんだから、リーダーの命には絶対従うんだぞ。あと、他の冒険者と鉢合わせになる事も極力避けるように。トラブルの元だからな」
「あい・・・」
しゅん。
しょうがないな・・・。
「それにお前の戦い振りを見たいって言ったのに、見れなかったじゃないか。で、魔力は込められたか?」
明らかにあっ。て顔をした。
「忘れてたんか~い」
「ででででも、倒したよ!」
「怖くなかったか?」
「ん・・・ちょっとだけ」
「そうか、良く頑張ったな。偉いぞ」
「えへ。じゃ次!」
「待て」
「魔力込めるやり方は分かるのか?」
「分かんな~い」
・・・コイツは。
「貸してみ。お腹に気持ちを集中して、剣に力を貸し与える様なイメージで」
・・・パチ、パチパチ!
剣に稲妻がまとわりついた。
力を抜いて剣を払い、フィーアに返す。
「ん?こう?む~んんん!」
・・・パチ、パチパチ、バチバチ!
「おお、いいぞ」
この子、かなりセンス、いいぞ。
「んじゃ、行くぞ。こっちだ」
今後はちゃんと付いてくる。良い子だ。
ボス部屋へ向かって歩き出す。
しばらく歩くと接敵した。
「良し、やってみろ。魔力込めてからな」
「うん!う~んんん!」