朝食後。
皇都に行ってみるかな?
「皇都の図書館へ行ってこようかと思う。碧、付いてきてくれるか?」
魔術書が有っても読めないからな。
「はい。お供致します。紅、フィーアちゃんの事、お願いしますね」
「はい。行ってらっしゃいませ。兄様」
紅は、その、何て言うか・・・無敵だ。
フィーアはまだ少し心配だが、紅が居てくれれば問題は無いだろう。
前に行った高級服屋の絨毯にワープした。
さて、図書館はどこだ?聞いてみるか?
「すみません、皇立図書館へはどうやって行けばいいか、教えて頂けますでしょうか?」
以前来た時にフィーアのフィッティングをしてくれた人を見つけて捕まえた。
接客中でも無さそうだったので大丈夫かな?
ここに立ち寄る積もりだったので、せっかくだからお見せしようと思い、買った服を着て貰っていた。
黒のチュニック、藍色のタイトロング、銀のハイヒール。
パリコレですか?
「あら、いらっしゃい。先日はありがとうございました。まあ、着て貰っているんですね。とても素敵ですね」
「ありがとうございます。私も碧も、とっても気に入っているんですよ」
「今日は図書館でえと、ですか?」
なんだ、図書館でえとって?
こちらの世界ではそんなデートが流行っているのか?
てか店員さん、まだ言い慣れてへんやん。
「はい。そんな所です。また今度、お金が貯まったら来ますね」
テケトーに流した。
「ま、ありがとうございます。ってえっと、図書館ですか。でしたら、この道を・・・」
「ありがとうございました。ではまた」
店には入らず、さっと道へ出た。
結構歩いた。
道中、紅の事を話した。
「その、済まない。決して碧の事、嫌いになったとか、そう言うんじゃ無いんだ」
「いいえ。私は、誓ったんです。主様のモノになると。だから、愛してさえ頂けたら、何も言う事はないんです」
「勿論、変わらず愛してるよ。でも、いいの?こんな男で?」
「主様、人族の種族固有ジョブ、についてはご存知ですか?」
「人族にも有るのか?知らなかったよ」
「なるほど、そうですか」
なるほど?
「で、何なの?」
「いえ、恐らくそう遠くない未来、獲得されると思います」
何か、引っ掛かるけど、碧はニコニコしているし、いいか。その内分かるって言ってんだし。
別に触発された訳では無い?が、碧さんは上機嫌で俺の右腕を掴んで腕組み、恋人の様に振る舞った。
そうして歩いている内に着いた。結構、大きな建物で、辺りを歩く人も何となく、上流階層ぽい出で立ちだ。
今日のコーデは正解だったな。
まずは受付か。
「すみません、ここは誰でも利用出来るのでしょうか?」
「いらっしゃい。皇都にお住まいの方ですか?」
「いえ、ですが、領民です」
「でしたら、インテリジェンスカードを確認させて頂いても?」
「ええ、勿論」
そう言って左手の甲を上にして前に突き出す。
ファーストジョブ、魔法使いにしておいた方が良かったかしらん?
「確認しました。
禁書閲覧をご希望でしたら、その際、またお声掛け下さい。
写しを取るのもご自由ですが、その際はこちらで用意した物のみご使用下さい。それ以外の持ち込み、持ち出しは禁止とさせて頂いております。
どうかご了承下さい。よろしくお願いいたします」
「親切に教えて下さり、恐れ入ります」
と、ここで少し音量を下げて、
「所でここには、魔術書の類いは蔵書されていますか?」
以外にも普通の音量で、
「御座いますよ。初級魔法、中級魔法まででしたら、魔法関係のコーナーに。上級魔法関係は禁書扱いになっておりますが・・・」
教えてくれた。
まあ、魔法自体、秘匿されている訳では無いんだ。
教える位、何て事はないんだろう。使えるか、どうかは別の話だ。それこそ、魔法使いになる方法こそ秘匿されているんだろう。
で、魔法書は・・・有った。
初級魔法、中級魔法、上級魔法とある。
特殊な魔法、等量交換とか、鑑定何かは・・・無いな。
あ、上級魔法は別書参照。と記載されている。らしい。
他にもスキル系の記載も有る。
という事は記載されたスキルを有するジョブの記載も有る訳で・・・。単に魔法使いのスキル名のみ確認出来ればいいや、と思って来たが、以外と役に立つぞ。
神官/巫女。錬金術士。商人。etc...
とは言っても、戦乙女や刀鍛冶については何の記載も無かった。しかし、巫女や鍛冶師についての記載は有るらしい。何かしら役に立つ事も有るのでは無いだろうか?
と思っていたら碧が鍛冶師の記載部分をガン見していた。
「何か役に立ちそうな記載は有った?」
「はい。これは素晴らしいです。また来ても宜しいでしょうか?」
「勿論、構わないよ。いつでも言ってね」
「はい。ありがとうございます」
「また来ましょうね。で、一旦今日は帰りましょうか?」
「え、まあ、もう日が・・・お夕飯!」
「せっかく皇都まで来たんだ。何か出来合いの物を買って帰ろうか?紅とフィーアが何か作ってくれているかも。がっつり系では無く、一品だけ買って、足りなければ兎肉がまだ有るし」
「分かりました。もう少し、お買い物デートですね?」
「そうだね。あの服屋で美味しいものを売ってるお店を、教えて貰おう」
「はい」
果たして、紅、フィーアは野菜スープを作ってくれていた。
俺達は買って来た鶏肉の足と野菜スープを、これまた皇都で買って帰ったパンと一緒に頂いた。
夕食後、ステータスを確認していたら、何やらジョブが増えていた。戦士、剣士のレベルも上がっているからな。
賞金稼ぎ?剣人?これらスキル・効果も研究しないとな・・・俺、こういうの苦手なんだよな~。ゲームだと、勝てなければレベル上げてく方だったんだよね。
取り敢えず、剣士と戦士は外して剣人、魔法使いを設定しておく。
「・・・様。兄様?!」
「うあおぅ。はい。ゴメン。何かな?」
「実はフィーアちゃんが、兄様にお話が有るんです」
何だろう。こういう女子同士の結束は怖い。
「お兄ちゃん、いい?」
「勿論だとも。俺に出来る事なら何なりと」
あ、また安請け合いしちゃったかな?
まあ、でもいいさ。本当に出来る事なら何だってしてあげたい。
話は二人で。と言われ、俺の寝室に押しやられた。