朝。
フィーア改めフィナの元気な笑顔を見て、碧も紅も破顔した。
「みんな、おはよう」
「「「おはようございます」」」「主様」「兄様」「お兄ちゃん」
今朝も碧さんの手料理の味噌汁と漬物だ。
鬼人族(この村だけ?)が親日で良かった。
「みんなに重要なお知らせが有ります。この度、フィーアは改名し、“フィナ”となりました。みんなもそう改めるように」
「まあ、良かったわね、フィナちゃん」
「おめでとう。フィナ」
「ありがとう、碧お姉ちゃん、ありがとう紅ちゃん」
「ありがとう、お兄ちゃん。大好き!」
「あらあら、まあまあ」
「えへ」
「じゃ今日も頑張って迷宮探索行くよ!」
「「はい」」「行ってらっしゃいませ」
今日は4階層から始める。
前回、4階層までは到達していた。ここの魔物はグリーンキャタピラーだ。
「もう一度言って置くけど、ここからは同時に3体の魔物が出る。基本的に俺がヘイト管理するけど、注意はしてくれ」
「「はい」」
注意はしたが、戦乙女Lv7と魔法剣士Lv5だから、1対1なら負ける事はない。
不利な状況にならない様に気をつければ大丈夫だ。
いきなりグリーンキャタピラー、ニードルウッド、コボルトの3体が現れた。
「俺が前方中央で張る、お前達は左右に展開だ。行くぞ」
「「はい」」
まず、俺が前に出つつ、ウォーターストームを放つ。
一気に俺にヘイトが集まる。
その間に二人は左右に展開する。
サイドアタックを仕掛けながら、徐々に後ろに廻る。
お互い邪魔にならない様に気をつけて、互いのスキルをバックアタックで掛ける。
「斬奸」
「フルスラッシュ」
「
“
魔法使いのスキル獲得に気が持って行かれていたが、剣士がレベル30になった時に取得していたので剣士から剣人に変更していた。
因みに魔法使いは戦士の代わりに付けている。
「うん、ここいらも大丈夫そうだな。何か問題に感じる事はないか?」
「はい。大丈夫です」
「おっけー。もーまんたーい」
軽過ぎる気がしなくもないが、確かに大丈夫そうだな。
前回、ボス部屋付近まで来ていた様だ。
すぐに待機部屋に着いた。
「対ボスの戦略は同じだ。行くぞ」
「「はい」」
ボスのホワイトキャタピラーも楽勝だった。
唯一、俺が糸に絡まれそうになったくらいかな。
5階層に上がった時点で紅が声をかけた。
「すみません、兄様?」
「うん?」
「一度、2階層まで戻って頂いても宜しいでしょうか?」
「いいけど、どうしたの?」
「碧お姉様が、余裕があれば、ニードルウッドのドロップ品のブランチを取って来て欲しい。と仰っていたので」
「そうか。2階層へ行こう。の前にここの魔物を確認しておこう」
5階層はニートアントだった。
2階層。
今更2階層はヨユーだね。紅とフィナはどっちが先に敵を倒すか競争を始めている。
あっという間にボス部屋付近まで来てしまうので、少し遠回りした。
それがいけなかった。
行き止まりに来たので、引き返そうとしたら、後ろからニードルウッドに絡まれた。
と言っても、どうと言う事はない。
背後を突かれた事は反省点だが、Lv2ニードルウッド2匹なんか目じゃない。
すぐに2匹とも倒した。あっさりと。
俺自身はする事がなくて、不用意に壁に手を付いてしまった。
「うおっ?!」
手を付いた部分が一度奥へ引っ込み、
「キャッ?!」
ゴゴゴゴ
地響きの様な音がして壁が大きく開き、俺達はその中へ引きずり込まれた。
中は・・・暗い。少し広めの小部屋の様だ。
何か・・・ワサワサいっぱいいるぞ?
・・・魔物だ。それも大量にいる!
「モンスターハウスです!!」
「何だそれ。同時に2匹までじゃないのか?!」
「稀にこういった小部屋があるそうなんです」
冗談じゃない!
「部屋の真ん中に居るのはマズイ!角を取るんだ!」
「お兄ちゃん、こっち!」
「紅!」
「はい!」
「出来るだけ1対1の状態にして、囲まれるな!」
「兄様!このままじゃジリ貧です」
「くそっ、ウォーターストーム!・・・ぐはっ」
急激にMPが枯渇して、吐き気を催した。いや、吐いた。
吐くのはいい。ウォーターストームでも排する事が出来無かったのだ。マズイマズイヤバいヤバい。
一か八か、やるか?
「二人とも、これからデッカイの、撃つ。残敵頼む。紅はもしも俺が舌を噛み切ろうとしたら、口に指突っ込んで止めてくれ。行くぞ」
メテオクラッシュ!
念じた直後、死にたくなった。モーレツに。
もうどうでもええやん。
紅とフィナも一緒やし、寂しくないて。
っつ!アカンあかん!二人道連れだけは絶対アカンて!
ドドドドドと轟音を響かせて、巨大な溶岩が頭上から落ちて来た。
何とか殲滅出来た様だ。
俺は紅に抱き抱えられ、口に指を突っ込まれた状態になっていた。
リーフとブランチが大量に散乱していた。
後から考えれば、デュランダルでMP回復しながら魔法撃っていけば良かったのかも?それは二人には内緒だ。恥ずかしいので。
と言うわけで雑魚でMP回復しながら帰ることにする。
ボス部屋まで着いたので、サクっと屠ってやった。
ボスはワンドをドロップした。
リーフを回収した際、薬草採取士を獲得した。
ちょうどいい。5階層はニートアントだったか?
生薬生成で毒消し丸を作っておいた。