昼。アイダ5階層
「先程作った毒消し丸を二人にも10個ずつ渡しておく。ここの魔物は毒攻撃をする事があるので、異変を感じたらすぐ飲む、或いは飲ませて。と言ってもこの中で一番回避能力が低いのは俺だからな。一番気を付けないといけないのは俺かな?はは」
「いえ、攻撃回数が多いのは私ですから、私の方が」
「お兄ちゃんは私が守る!」
若干一名ズレているが、一番身体能力が高いのはフィナなので、まあいいだろう。
早速、ニートアントが2匹で現れた。
「俺が前でタンクする。二人は左右に展開。行くぞ」
出来るだけ短く指示を出し、突撃する。
走りながら、ウォーターウォールを放ち、蟻の視界を遮りつつ、ヘイトを集める。
魔法を使いながら、剣で攻撃しようと考え、ワンドを持って臨んだが、剣と持ち換えながら戦うのは難しい。
持ち換えるのにワンテンポ、ツーテンポ遅れる。
その位、今はいいが、その内致命傷になりかねない。
そう言っている間に2匹とも倒してしまった。
素手魔法&剣物理か、物理攻撃も魔法攻撃も出来る武器を探すか、はたまたどっちかを捨てるか、どうすればいいだろうか?
「ワンド&片手剣では駄目でしょうか?」
「片手剣だと物理ダメージがな・・・」
「腕力にBP振っちゃ駄目なの?」
二人にもキャラクター再設定の事は話している。
「それは根本解決にはならないんだよな」
「「「う~ん・・・」」」
碧さんにも聞いてみて、それでもいい案がでなければ、ファリーに聞いてみるか?
そう言えばしばらく会ってないな。どうしてるだろう?
しばらく戦ってみよう。
ニートアント2匹、ニードルウッド1匹のグループが現れた。ニードルウッドは水に耐性があるが、先に蟻だ。
左手のワンドを前にかざし、ウォーターストーム。
右手の剣でニードルウッドを牽制する。
ニードルウッドのヘイトを気にし過ぎたあまり、紅が相手していたニートアントのヘイトが紅に逸れた。
そちらの蟻のヘイトを回収しようと動いた時、もう片方の蟻が引かれて俺を刺してきた。
刺された事には気付いたが、すぐに傷んで来なかった為、戦闘終了後でいいか、と思って放置してしまった。
だが、あっという間に気分が悪くなってきた。
慌てて毒消し丸を出そうとしたが、上手く掴めず落としてしまった。
「紅」
叫ぼうとしたが、大声が出ない。
苦しくて膝をついた事で、紅が気付いた。
「兄様!?」
「毒!!」
「分かった!フィナちゃん、あとお願い!」
「承知!」
フィナは最小限の言葉だけで会話する。いい子だ。
蟻はほぼ死に掛けだったんだろう。すぐに沈んだ。
紅は直ぐに毒消し丸を取り出し、俺に飲ませようとするが、俺は上手く体が動かない。
紅は何の躊躇いもなく、口移しに飲ませてくれた。
俺が落ち着いてきた頃には、残った木もフィナが難なく倒していた。
「済まない、二人とも。刺された事には直ぐに気付いたが、まだ余裕があると思って放置してしまった。次からはまず大声で周知し、すぐに薬を飲むようにするよ。お前が言うなよ。って所だけど、みんなも気をつけて」
「「はい!」」
よしよし、いい子だね。二人とも。
所でこの世界にもアナフィラキシーショックとか、無いだろうか?
ちょっと怖いんですけど。
その後もしばらく戦ったが、今度は誰も刺されなかった。
果たして、ボス待機部屋まで来たので一旦家に帰った。
碧さんに聞いてみた。
「片手杖ならワンド、ロッド、両手杖ならスタッフでしょうか?スタッフであれば、殴る事も有るそうですが、攻撃力はどうでしょうか・・・」
「物知りだなぁ。碧さんは」
「流石お姉ちゃん、カッコいい」
「兄様が使うのであれば何が良いのでしょうか?」
「そうですね・・・やはりみんなの言う通り、片手剣&片手杖か、スタッフで魔法&物理かな、とは思いますが、どれも個々の威力は落ちる気はします。あとは物理又は魔法に振り切るか、でしょうか?」
「う~ん、難しいなぁ」
「魔物の構成に合わせて、と言うのもありかと」
「それが一番なんだろうけど、面倒なんだよな・・・」
「一旦保留、かな」