※この作品はR-18です。

ワルキューレの迷宮騎行   作:葵翠

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032 準備

紅宅、夕飯。

 

 

 また人が増えた。

 熊人族(ゆうじんぞく)ティナ・ティファニー23歳

 この世界の人間は美人が多い。この女性も例に漏れず、美人だ。焦げ茶色の髪で肩までの長さ。耳、しっぽは丸くてカワイイ。顔は丸く、目がくりっと丸いので、少し童顔かも。背は高い。俺より高いだろう。体は少しぽっちゃりしている。昔のアニメに登場するキャラのようで、所謂、“太ましい”と言った感じだ。無論、そんな事声に出して言わないよ?

 

 虎人族(こじんぞく)ミー14歳

 この子もカワイイ。見た目は幼い猫人族だ。

 色々大変な経験をして来たんだろう。少し精神年齢が低い気がする。10歳位下に思える。軽い幼児退行しているのだろうか?髪、体毛は虎縞で髪は肩の下まで伸ばし、目はクリックリ、鼻は丸く、口は猫っぽい。背はレナよりも一段低い。体は細いがこれは栄養が足りていないからだろう。

 

 

 やはりお腹が減っていたのだろう。二人ともよく食べる。

 た~んと、食いなっせ。

 腹が減っていてはロクな事を考えないからな。

 それでもティナは自分の分をミーに分けている。

 

「ティナ、お腹一杯になるまで食べろ。ミーはミーで何度でもおかわりして良いからな」

 

「いいの?いいって。姉々(ねぇね)」

 

「ありがとうございます。ありがとうございます」

 

 ティナは何度も礼をいいながら、箸は止まらない。箸じゃないけど。

 

「さて、食べながら聞いてくれ」

「ティナとミーは着の身着のままで、ここに来ている。当然、着替えやその他諸々揃える必要がある」

「明日にでも買い出しに行こうと思うが、生活スタイルから何から俺には全く分からないので、みんなも付いてきてくれるか?」

「「「もちろんです」」」

 

「よろしく頼むな。今日は疲れた。先に休ませて貰うよ。碧、あとは頼む」

 

 そう言って自室に戻った。女性同士、色々話して仲良くなってね。ああ、眠い。お休み~。

 

 

 目覚めるともう、完全に日は登っていた。前にもこのパターン有ったな。

 

「おはようございます。旦那様」

 なっ?旦那様?

 

「おはよーございます。兄々(にぃに)」

 こっちは、にぃに?

 もう、好きにして。

 

「昨日は良く眠れた?」

 

「ミーはあの後すぐに寝たので、大丈夫だと思います。私は、少しお三方に色々教えて頂いておりましたので、少しだけ、眠いかもです」

 

 うんうん、素直でよろしい。

 

 

「昨日言った通り、朝飯食べ終えたら買い出しに行こう。何が必要かな?」

 

「まずはお風呂ですね。あ、もう沸かしてあります。主様もご一緒なさいますか?」

 

「ば、ばばば馬鹿言うんじゃありません。二人で入ってらっしゃい」

 

「そ、そんな。とんでもない。私どもには勿体無い」

 

「主様は皆に綺麗で美しくあれ。と仰います。それを拒否なさいますか?」

 

「そんな。旦那様のご命令とあれば」

 

 もう、ほとんど悪代官やん。まあ、有無を言わせず言うこと聞かせるには手っ取り早いとは思うけど。

 

「は、はい。それでは頂いて参ります。ミー、行きましょう」

 

「うん、兄々(にぃに)。行ってきま~す」

 

「ああ、行っといで」

 

 碧も面倒を看る為、一緒に付いていった。

 

「ミーはあっという間に懐いちゃいましたね。兄様」

 

「全く。俺の事、飯を食わせてくれるおじさんか、何かだと思っているのか?」

 

「お兄ちゃん、猫人族って普通、警戒心の強い人種なんだよ」

 

「ふ~ん、そうなのか」

 

「所で兄様、確認しておきますが、二人を今後、どうするお積もりですか?」

 

「うん、そうだね。彼女達次第な所もあるけど、俺としては迷宮にも一緒に入って貰う積もりだよ。あと、夜の方は・・・。あ、ミーは勿論、手は出さないよ?」

 

「“は”という事はティナさんはするお積もりなんですね?」

「あ、勿論、反対なら手は出さないよ?絶対に。約束する」

 

「うふふ。いいんですよ?ちょっとだけ意地悪したかったんです。実は昨晩、お二人の気持ちは確認しておいたんです。お二人とも、迷宮も夜も大丈夫だそうです。尤も、夜の経験は無いそうなので、手解きが必要みたいですけど。ただ、ミーちゃんはよく分かってないっぽいですね。でも、そういうお優しい兄様、好きです」

 

 ちょっとだけレナが怖くなった。

 フィナも横で震えていた。

 

 

「そうか、それなら、武防具や綺麗な服なんかも必要だよね?」

 って、あれ?皆、二人が仲間入りする事、確定になってない?

 

 二人がお風呂から上がって、碧も含めみんな揃った所で一応確認はしておく。

 

「なんか順番が逆な気もするけど一応、聞くね。二人が我がパーティーの仲間になる事に反対の者はいるか?」

 

「・・・・・・居ないようだね」

 

「うん。決まりだ。ようこそ、我がパーティーに。これからよろしくね?」

 

「「「「「はい」」」」」

 

「じゃあ買い物に行くか。最初はどこがいいかな?」

 

「取り敢えずウコムの町で普段着と日用雑貨でしょうか?人数も増えますので、大きいお鍋も欲しいですね。そこで武防具、無ければミシフの街へ。この辺りで一旦戻ってお昼。最後に皇都の服屋、といった所でどうでしょうか?」

 

「オッケー。じゃみんな、用意して~」

 

「は~い」

 

「あ、ティナとミーはこの余り物のサンダル履いて。直ぐちゃんと足装備も買うからね」

 

「はい」

 

 

 まずはウコムね。

 ここはすぐ済む。大体、買うものは決まっているからね。しかし装備は考えないとね。

 

「二人は武器は何を使う?」

 

「私は普通です。盾とショートソードがあれば」

 

「ミーはね。うんとね。あのね・・・」

 落ち着け。ミー。

 

「爪みたいなの!」

 タイガークローってヤツか?そんなのあるのか?いや、使ってたってんなら存在はしてるのか。

 

「申し訳御座いません」

 

「ここには無いか。なら次はミシフだな」

 

「申し訳御座いません」

 

 こっちもダメか。じゃあ後は・・・

 

「兄様、こういうのはどうでしょうか?」

 そう言ってレナは長めのナイフを二本、指差した。

 なるほど、クロー位の刃渡りの手持ちナイフか。

 

「うん、いいよー」

 軽っ。いいのか?

 

「いや、待て。・・・あの、すみません」

 

 店員さんに聞いてみよう。

 

「はい、なんでしょう?」

 

「双剣、或いはカトラスなんてのは置いて有りますか?」

 

「おや、珍しい注文ですなぁ」

 

 あらぬ方向から声がした。振り返ると初老の翁が立っていた。え?全く気付かなかったんですけど?

 

「なかなか売れないので店頭には出して無かったんですよ。一対のカトラスが在るんですが、見てみますか?」

 

「是非お願いします」

 

「では取って参りますので、少々お待ち下さい」

 

 そう言うと初老の店員さんは奥へ引っ込んだ。

 数刻後、剣を二本持った店員さんが戻ってきた。

 

鋼鉄のカトラス 空き 空き 空き

 

「ほう、これがカトラスか、どうだ?」

 

「いいよー」

 本当に軽いな・・・ちっこいフィナみたいだ。

 

「これがいい」

 

「そうか。幾らですか?あ、いや、隣の防具屋で頭装備も購入するのですが」

 

 前に来た時、このオジサン、防具屋に居たので聞いてみたら、案の定、

 

「そうですか。どのような?」

 

「鬼人族の二本角が隠れるもの、獣人族の耳を被わないもの等は有りますか?」

 

「勿論、有りますよ」

 

 碧にはカチューシャ(レナのは既に購入済み)、フィナにはサークレット、獣人族の二人にはフェロニエールを選んだ。

 

 三割引き、マヂ神。

 

「みんな、何か違和感とか有ったら言ってね。サイズ補正掛かるとはいえ、頭装備は何か好き嫌いが影響しそうな気もするしね」

 

「兄々(にぃに)、見て見て~」

 

 ミーがウコムで買った装備も併せて着て見せる。

 

「おぉ。カワイイな」

「えぇ~」

「あぁ、ゴメン。カッコいい。強そうだぞ」

「えへへ~」

 ニコニコになった。めんどくさいヤツめ。

 

「取り敢えず、一旦戻って昼飯にするか。買い忘れないか?有っても昼飯後もまだ回るから焦んなくても大丈夫だからね」

 

 

午後。皇都の高級服屋

 

 まあ、長い。

 ここだけ予定時間を長めに取ってあるのも正解だろう。

 

 ミー以外はキャイキャイ言って楽しそうだが、ミーは少し飽きて来ている。四人+女性店員の着せ替え人形と化し、動けずにいる。

 

 で、こーなった。

 

 ティナ(悪役令嬢イメージ)

  黒のショート丈のダウンジャケット

  黒のオフショルダーワンピース

  (スカート部分はスリット入タイトロングスカート)

  黒のショートブーツ

   少しでも細く見せたくて全黒にしたそうだ。

 

 ミー(活発美少女イメージ)

  赤白のスタジャン

  薄桃色のワンショルダートレーナー

  デニムっぽい藍色のホットパンツ

  紅白縞のニーハイソックス

  赤い厚底スニーカー

   ティナとは対照的に白基調の明るい色彩で。

 

 勿論、下着も買いました。

 

 

 

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