紅宅、夕飯。
また人が増えた。
この世界の人間は美人が多い。この女性も例に漏れず、美人だ。焦げ茶色の髪で肩までの長さ。耳、しっぽは丸くてカワイイ。顔は丸く、目がくりっと丸いので、少し童顔かも。背は高い。俺より高いだろう。体は少しぽっちゃりしている。昔のアニメに登場するキャラのようで、所謂、“太ましい”と言った感じだ。無論、そんな事声に出して言わないよ?
この子もカワイイ。見た目は幼い猫人族だ。
色々大変な経験をして来たんだろう。少し精神年齢が低い気がする。10歳位下に思える。軽い幼児退行しているのだろうか?髪、体毛は虎縞で髪は肩の下まで伸ばし、目はクリックリ、鼻は丸く、口は猫っぽい。背はレナよりも一段低い。体は細いがこれは栄養が足りていないからだろう。
やはりお腹が減っていたのだろう。二人ともよく食べる。
た~んと、食いなっせ。
腹が減っていてはロクな事を考えないからな。
それでもティナは自分の分をミーに分けている。
「ティナ、お腹一杯になるまで食べろ。ミーはミーで何度でもおかわりして良いからな」
「いいの?いいって。
「ありがとうございます。ありがとうございます」
ティナは何度も礼をいいながら、箸は止まらない。箸じゃないけど。
「さて、食べながら聞いてくれ」
「ティナとミーは着の身着のままで、ここに来ている。当然、着替えやその他諸々揃える必要がある」
「明日にでも買い出しに行こうと思うが、生活スタイルから何から俺には全く分からないので、みんなも付いてきてくれるか?」
「「「もちろんです」」」
「よろしく頼むな。今日は疲れた。先に休ませて貰うよ。碧、あとは頼む」
そう言って自室に戻った。女性同士、色々話して仲良くなってね。ああ、眠い。お休み~。
目覚めるともう、完全に日は登っていた。前にもこのパターン有ったな。
「おはようございます。旦那様」
なっ?旦那様?
「おはよーございます。
こっちは、にぃに?
もう、好きにして。
「昨日は良く眠れた?」
「ミーはあの後すぐに寝たので、大丈夫だと思います。私は、少しお三方に色々教えて頂いておりましたので、少しだけ、眠いかもです」
うんうん、素直でよろしい。
「昨日言った通り、朝飯食べ終えたら買い出しに行こう。何が必要かな?」
「まずはお風呂ですね。あ、もう沸かしてあります。主様もご一緒なさいますか?」
「ば、ばばば馬鹿言うんじゃありません。二人で入ってらっしゃい」
「そ、そんな。とんでもない。私どもには勿体無い」
「主様は皆に綺麗で美しくあれ。と仰います。それを拒否なさいますか?」
「そんな。旦那様のご命令とあれば」
もう、ほとんど悪代官やん。まあ、有無を言わせず言うこと聞かせるには手っ取り早いとは思うけど。
「は、はい。それでは頂いて参ります。ミー、行きましょう」
「うん、
「ああ、行っといで」
碧も面倒を看る為、一緒に付いていった。
「ミーはあっという間に懐いちゃいましたね。兄様」
「全く。俺の事、飯を食わせてくれるおじさんか、何かだと思っているのか?」
「お兄ちゃん、猫人族って普通、警戒心の強い人種なんだよ」
「ふ~ん、そうなのか」
「所で兄様、確認しておきますが、二人を今後、どうするお積もりですか?」
「うん、そうだね。彼女達次第な所もあるけど、俺としては迷宮にも一緒に入って貰う積もりだよ。あと、夜の方は・・・。あ、ミーは勿論、手は出さないよ?」
「“は”という事はティナさんはするお積もりなんですね?」
「あ、勿論、反対なら手は出さないよ?絶対に。約束する」
「うふふ。いいんですよ?ちょっとだけ意地悪したかったんです。実は昨晩、お二人の気持ちは確認しておいたんです。お二人とも、迷宮も夜も大丈夫だそうです。尤も、夜の経験は無いそうなので、手解きが必要みたいですけど。ただ、ミーちゃんはよく分かってないっぽいですね。でも、そういうお優しい兄様、好きです」
ちょっとだけレナが怖くなった。
フィナも横で震えていた。
「そうか、それなら、武防具や綺麗な服なんかも必要だよね?」
って、あれ?皆、二人が仲間入りする事、確定になってない?
二人がお風呂から上がって、碧も含めみんな揃った所で一応確認はしておく。
「なんか順番が逆な気もするけど一応、聞くね。二人が我がパーティーの仲間になる事に反対の者はいるか?」
「・・・・・・居ないようだね」
「うん。決まりだ。ようこそ、我がパーティーに。これからよろしくね?」
「「「「「はい」」」」」
「じゃあ買い物に行くか。最初はどこがいいかな?」
「取り敢えずウコムの町で普段着と日用雑貨でしょうか?人数も増えますので、大きいお鍋も欲しいですね。そこで武防具、無ければミシフの街へ。この辺りで一旦戻ってお昼。最後に皇都の服屋、といった所でどうでしょうか?」
「オッケー。じゃみんな、用意して~」
「は~い」
「あ、ティナとミーはこの余り物のサンダル履いて。直ぐちゃんと足装備も買うからね」
「はい」
まずはウコムね。
ここはすぐ済む。大体、買うものは決まっているからね。しかし装備は考えないとね。
「二人は武器は何を使う?」
「私は普通です。盾とショートソードがあれば」
「ミーはね。うんとね。あのね・・・」
落ち着け。ミー。
「爪みたいなの!」
タイガークローってヤツか?そんなのあるのか?いや、使ってたってんなら存在はしてるのか。
「申し訳御座いません」
「ここには無いか。なら次はミシフだな」
「申し訳御座いません」
こっちもダメか。じゃあ後は・・・
「兄様、こういうのはどうでしょうか?」
そう言ってレナは長めのナイフを二本、指差した。
なるほど、クロー位の刃渡りの手持ちナイフか。
「うん、いいよー」
軽っ。いいのか?
「いや、待て。・・・あの、すみません」
店員さんに聞いてみよう。
「はい、なんでしょう?」
「双剣、或いはカトラスなんてのは置いて有りますか?」
「おや、珍しい注文ですなぁ」
あらぬ方向から声がした。振り返ると初老の翁が立っていた。え?全く気付かなかったんですけど?
「なかなか売れないので店頭には出して無かったんですよ。一対のカトラスが在るんですが、見てみますか?」
「是非お願いします」
「では取って参りますので、少々お待ち下さい」
そう言うと初老の店員さんは奥へ引っ込んだ。
数刻後、剣を二本持った店員さんが戻ってきた。
鋼鉄のカトラス 空き 空き 空き
「ほう、これがカトラスか、どうだ?」
「いいよー」
本当に軽いな・・・ちっこいフィナみたいだ。
「これがいい」
「そうか。幾らですか?あ、いや、隣の防具屋で頭装備も購入するのですが」
前に来た時、このオジサン、防具屋に居たので聞いてみたら、案の定、
「そうですか。どのような?」
「鬼人族の二本角が隠れるもの、獣人族の耳を被わないもの等は有りますか?」
「勿論、有りますよ」
碧にはカチューシャ(レナのは既に購入済み)、フィナにはサークレット、獣人族の二人にはフェロニエールを選んだ。
三割引き、マヂ神。
「みんな、何か違和感とか有ったら言ってね。サイズ補正掛かるとはいえ、頭装備は何か好き嫌いが影響しそうな気もするしね」
「
ミーがウコムで買った装備も併せて着て見せる。
「おぉ。カワイイな」
「えぇ~」
「あぁ、ゴメン。カッコいい。強そうだぞ」
「えへへ~」
ニコニコになった。めんどくさいヤツめ。
「取り敢えず、一旦戻って昼飯にするか。買い忘れないか?有っても昼飯後もまだ回るから焦んなくても大丈夫だからね」
午後。皇都の高級服屋
まあ、長い。
ここだけ予定時間を長めに取ってあるのも正解だろう。
ミー以外はキャイキャイ言って楽しそうだが、ミーは少し飽きて来ている。四人+女性店員の着せ替え人形と化し、動けずにいる。
で、こーなった。
ティナ(悪役令嬢イメージ)
黒のショート丈のダウンジャケット
黒のオフショルダーワンピース
(スカート部分はスリット入タイトロングスカート)
黒のショートブーツ
少しでも細く見せたくて全黒にしたそうだ。
ミー(活発美少女イメージ)
赤白のスタジャン
薄桃色のワンショルダートレーナー
デニムっぽい藍色のホットパンツ
紅白縞のニーハイソックス
赤い厚底スニーカー
ティナとは対照的に白基調の明るい色彩で。
勿論、下着も買いました。