※この作品はR-18です。

ワルキューレの迷宮騎行   作:葵翠

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033 パーティー

次の日の朝

 

 

 朝食を食べながら考えていた。

 

 二人とも見知らぬジョブを獲得しているが、ジョブチェンジする方法も知らず、お金も無かったんだろう。

 

「ティナ、ミー。二人は自分の種族の固有ジョブを知っているか?」

 

「虎王!」

「存じません」

 

「成りたい?」

 他の三人は気付いた様だ。

 

「成りた~い」

「私なんかでは」

 本当に正反対だなぁ。

 

虎王 Lv1

効果 腕力小上昇 体力小上昇 HP微上昇

スキル キルスラッシュ オーバーロード

 

熊王 Lv1

効果 体力小上昇 防御力小上昇 腕力微上昇

スキル ディフェンダー フラッシュ

 

「今二人は虎王、熊王にしたよ」

 

「何それ?兄々(にぃに)、そんな事出来るの?すご~い!」

「ご冗談を」

 

「ティナ、“ディフェンダー”って心の中で念じてみて?」

「え、何か呪文が目の前に!」

 

「じゃあ次は“フラッシュ”。さん、はい」

「え、えぇ?!」

 

「兄々、ミーも、ミーも!」

「はいはい。ミーはね。“キルスラッシュ”!」

「わっ、すご~い!他は?」

 

「あとはね、“オーバーロード”!」

「すごいすごい、兄々、神様?」

 

「呪文はちょっと難しいから、少しずつ練習しようね」

 

「うん!」

 ミーは超ご機嫌だが、ティナは驚きと嬉しさのない交ぜになった表情で混乱ぎみだ。涙ぐんでいる。

 

「兄々、迷宮行く?今から行く?」

「ちょっと待て。ちゃんとご飯食べてからな」

「うん!お皿洗い手伝う~」

 

 現金なヤツめ。

 

 

アイダ迷宮1階層

 

 黒魔結晶を買い忘れていたので、先に買ってから迷宮に入る。

 なんか、久し振りな気もする。

 いや、確かに最近、迷宮に入って無いよな。

 俺達の勘を取り戻す為にも、

 

「まずは一匹ずつね」

 

 すぐ先にスローラビット発見。

 

「ミー、一人でイケるか?」

 

「行く~」

 

 言うが早いか、飛び出した。

 

「わっ、わっ、体が軽~い」

 

 スローラビットの攻撃を軽く交わしながら、攻撃を当てていく。

 

「ミー、俺が敵を引き付ける。キルスラッシュ、ヤレるか?」

 

「やってみる!」

 

「・・・・・・キルスラッシュ!」

 

 恐らく、あと一撃通常攻撃が当たれば、煙化していたと思うが、気持ちよく決めて欲しい。

 

 ビンゴ!スローラビットが沈んだ。

 

「やった。やったよ、兄々!」

 

「よくやった。偉いぞ、ミー怖く無かったか?」

 

「うん!ヨユー!」

 

 この子達、何度も迷宮には入っている筈だが、嬉しいものは嬉しいらしい。

 

 

「次はティナね。またしばらく歩き回らないと、だけど」

 

「あの、左手の通路に居ますけど?」

 

「え、分かるの?」

 

「臭いで分かります。一般的には狼人族よりも熊人族の方が、嗅覚は優れていると言われています」

 

 止めなさい、そう言う誰かに喧嘩を売る様な事言うのは。

 

 しかし、これは僥倖だ。索敵能力の向上は時間短縮や、不意のバックアタック防止等、実に有用だからな。

 

「距離は?」

 

「左折して20メートル」

 

「よし、ではまずディフェンダー詠唱。のち、接敵直前にフラッシュしてヘイト集約。出来るか?」

 

「やります!」

 

「無理はするな。後ろにはみんながいる。落ち着いてやるんだ。いいな」

 

「はい。スゥ・・・行きます!」

 

 最初の呪文に少し手こずりはしたものの、戦闘自体は実に安定して見ていて安心出来た。メインタンク決定かな?

 

 こちらも難無く屠った。

 

「ティナもよくやった。怖く無かったか?」

 

「皆さんが後ろに控えて下さっていると思うと、安心感が全然違います。落ち着いてやれました」

 

「よし、では上の階層に上がろうか。ティナ、メインタンクやれるか?最初は俺がすぐ横に付いて指示する。不安だったり、分からない事が有ったら、その都度言ってね。疑問点を残したまま先に進むのは無しだ」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

「では3階層に行こう。魔物はスローラビット、ニードルウッド、コボルトから最大2匹、ボスはコボルトケンプファーだ」

 

 

アイダ迷宮3階層

 

「スローラビット、ニードルウッド。右、左に進んで50メートル」

 

「いいか、ティナ。さっきと同じ、ディフェンダー、接敵前にフラッシュ。魔物が一瞬怯んだ隙にバックに回る。後はアタッカーにボコッて貰う」

 

「はい」

 

「余裕があれば攻撃してもいいけど、タンクはヘイト管理が一番の役目だ。多少、攻撃を受けても平気な筈だが、俺もレナも”手当て”が使えるし、危なくなる前にフォローに入る。思いっきりやればいいからな」

 

「はい」

 

「よし、行こうか。距離は?」

 

「右30メートル」

 

「よし、行くぞ。ディフェンダー!」

 

「はい!・・・ディフェンダー!」

 

「突撃しつつ、フラッシュ詠唱始め!」

 

「はい!・・・」

 

「全員、突撃!」

 

「「ヤアー!」」

 

「フラッシュ!」

 

「ティナ、ニードルウッドのヘイト弱い!もう一度フラッシュ!」

 

「はい!」

 

「ミー、そこはフィナと位置が被る。もう少し右に回れ。フィナもミーにスペースを空けて!」

 

「はい。兄々!」「はい。お兄ちゃん!」

 

「よし、レナ。“斬奸”!」「はい!」

「ミー。“キルスラッシュ”だ!」「はい」

「続けてフィナ。“フルスラッシュ”!」「はい!」

 

 2匹とも霧と化した。

 パチパチパチ~!

「凄いぞみんな。パーフェクトだったぞ」

 

「やった~」「やりましたね」「おめでとうございます」

 

「ティナ、初タンクであの立ち回りは素晴らしい!索敵も完璧で無駄な時間・体力の大幅削減が出来たよ」

 

「ありがとうございます。私もお役に立てたんですね」

 

「ミーは?ミーは?」

 

「ミーもキルスラッシュ、カッコ良かったぞ」

 

「エヘ、えへへ~ドヤ顔フンス」

 

「良し、んじゃ、このままボスまで行ってコボルトケンプファー倒すぞ!」

 

「オオ~!」

 

 

 今日はウサギ肉のシチューだな。

 

 

 

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