朝。
色魔を付けていたとはいえ、一晩で5人はキツイ。
いや、一人二回ずつするからやん。とは思うが、一回ずつはちょっと申し訳無い。何か考えないとな。
とりあえず、温泉は毎日は止めた方がいいか?
ん?温泉?仕事?こんなんどうかな?
「なぁみんな、1つ提案なんだが、風呂屋をやる、というのはどうだろう?」
「お風呂屋さん?」
「今あの温泉使っているの、俺達だけだろ?もったいないよね?」
「ちょっと待って下さい、主様。使われていないのは村の民にそれだけの余裕が無いからであって」
「それだよ。つまり、余裕があればみんなも入りたいんだよね?なら余裕を作ってあげればいいんだよ」
「何をするんですか?」
「俺達があの温泉の維持管理を行う」
「でも私達には」
「そう、俺達は素人だ。専門知識は無い。でも、そもそもお風呂は有るんだ。何処かに知識は有るんだろ?」
「お爺様に聞けば何か分かると」
「どの道、許可を貰わないといけないんだ、爺様の所へ行こう」
「宜しくのぉ」
軽っ。いいのかよ?こんなんで。
「良い良い。ほったらかしにしておく訳にもいかんしの」
「風呂については作った男に繋ぎを付けておく。所で、どうするのじゃ?今、村人に余裕が無いのは変わらんぞ?」
「予約制にします。人数または家族単位にして、村長または碧に予約の申請を入れてもらえば良いでしょう。老人、子供は俺がフィールドウォークで送迎する」
「時間で割れば男女の問題も発生しない。また、俺の娘が背中を流す。ここが一番のセールスポイントかな?不埒な真似をする奴は殺すけどな」
「で、空いてる日は俺達が使わせて貰う。どうかな?」
「入浴料はどうする?」
「んなもん取るからみんな来ないんでしょ?取らないよ。管理運営費は村から出して。俺達の人件費はいらない。代わりに、村で獲れた作物を分けてほしい。そっちの方が嬉しい」
「そんなんで良いのか?お前達にあまり得が無い様に思えるがの?」
「今はそれでいいんだ。ここで村の皆さんの信頼を得られれば、そこから広がる道も見えてくるさ」
「なるほどの。あまり儲けを考えとらん、ちうこっちゃな」
「俺達は今、納税に向けて金を貯めている最中だが、逆に言えば、納税金さえ貯まれば、当分、食うに困らない。みんなと楽しく暮らせれば、それで十分だ」
「主様?」
「済まない、かなり拙速に決めてしまった」
「何の問題もありません、私達もお風呂に入れるのですから」
「色々準備に時間が掛かる。開店は一週間後だ」
「アイ、準備等は君を中心に進めてくれるか?俺含め誰を使っても構わない。ただ俺は出来るだけ迷宮でレベル上げをしたい」
「承知致しました」
「まずは誰が要る?」
「そうですね、レナをお願い出来ますか?最初は大勢は要らないと思います」
「判った。パーティーは組んだままにしていく」
「兄様、行ってらっしゃいませ。お気をつけください」
「ああ、行ってくる」
アイダ迷宮9階層
ここの魔物はミノだ。ただ迫力があるだけで特筆すべき事はない。
「テテ、誘導頼む」
「はい」
レナのポジションはミミが埋めた。
魔物は最多で4匹。4vs4。まだ余裕はある。
油断さえしなければ大丈夫だろう。
今朝はスタートが遅れたが、出来れば1日2層はクリアしたい。上の階層で多くの経験値を得たいのだ。
戦闘時間が伸びてしまっては意味無いけどね。
都合良くモンスターハウスでもあれば良いんだけどね。
うん?一応、行ってみるか?
「フィナ、2階層のモンスターハウス覚えているか?」
「うん、覚えてるよ」
「ホントか?偉いぞ!」
「こう見えて結構、記憶力いいのですドヤァ」
「よし、2階層へ行くぞ」
果たして、あまり収穫は無かった。
前回掃除してから、あまり日が経っていないので敵が前ほど多く無かった事、俺達のレベルが上がっていた事、などの為、それほど多くの経験値が入らなかったせいだ。そう甘くは無いと言う事だ。
諦めて地道に行こう。9階層へ戻る。
ボス待機部屋まで来た。ハチノスだ。
何て言うか、ボスの方が楽だ。一匹に集中出来る。
12階層までは楽勝だろう。
とにかく、油断無く行くさ。
アイダ迷宮10階層
さて、ここは?
チープシープだった。
今更羊にビビるかよ!
ひたすら刈りまくった。
「兄々お腹減った~」
ミミの腹時計が昼を告げた。
自宅。
「たっだいま~」
「お帰り、ミミちゃん」
「何か、レナ姉々がお家で待ってるの変なの~」
「フフ、そうかしら。おかしい?」
「ううん、お迎え、嬉しい」
「ミミちゃんが嬉しいと私も嬉しいわ」
何だこの甘々。幸せか?
食事しながら進捗を聞いた。
予約は票を作って村長宅に設置。
夕方頃アイが確認する。その日の予定と二三日先ぐらいまで。
時間被りがあれば調整。
利用者は退出前に軽く片付け。(軽くね。)
次の日の朝?昼ぐらいにこちらのメンバーで掃除する(当番決めるか?)
アイとレナは湯加減調整方法は教わった。
周知活動は村人でもあるアイ班、レナ班に分かれて行う。
後は準備と後片付けの時間を計る為、一度シミュレーションしてみよう。という事だ。
「そうだな、一度シミュレーションはしてみる必要があるな。アイ、日にちを決めてくれるか?みんなでやってみよう。その日に空いてる時間に周知活動も出来るかな?」
「はい、可能だと思います」
「問題点は何か有るか?」
「源泉の温度が季節、時間に因って少し高いです。川から水を引く作業が必要となるかと」
「無いの?」
「皆、時間や日を替えたり、あと、我慢して入っていた様です」
「俺が水の魔法で」
「既に兄様は冒険者。になっていますので、それは駄目です。誰かが影になって、というのも駄目です。恒久性がありません」
ま、そのくらい考慮したよね?
「作るか」
「途中までは作ってあるそうです。そこを延伸すればいいそうです」
「なるほど。良く判った。アイ、レナ、良くやってくれたね」
「姉々エライ」
お前は本当に軽いね。
「報連相は?」
「以上です」
「増員は?」
「今の所は」
「ヨシ、この後も引き続き、宜しくね」
「はい」