まだ居るんかぁ。
「盗賊の人数とかレベルとかって分かる?」
はてな?小首を傾げているように見える。
何となく分からない。って言っているのが分かる。
動作で意思が通じるのって何気に嬉しい。
「この馬車操れる?」
コクリ。
良し、いいぞ。
「俺が今から行ってくる。
俺が着いたって思える時間から1時間経っても戻ってこない、或いはこの幌の内側から捕まってる人達が現れて、その後ゲートが閉じたら全速で逃げて。自分の町まで帰れる?」
コクコク。
「いい子だ。馬は繋いで行くから」
そう言って馬車を降りる。
出来るだけ目立たないように、馬車の積み荷から大き目の布を取って頭から被る。ポンチョだね。
傍らの木に繋いであった馬を馬車に繋ぎ直す。
「馬の綱はこんな感じでいいかな?」
コクリ。
「良し。じゃ行ってくる。後は頼んだ」
もう返事も聞かずに走り出した。
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結構走った。
途中、ボーナス足装備を一から二に替えた。
《持久の靴》
スキル 長距離巡行
ボーナス装備のお陰で大分楽させて貰ったが、それでもしんどい。
さっき馬車を追いかけてた時よりもっと走ったしな。
そりゃそうか。後少しでアジトに着く様ならあんな所で途中休憩したりはしないだろう。
何となく、あの子を手込めにする為にわざと止まった気もするが。
ま、そのせいでこの俺に誅されたんだ。自業自得ってやつだ。
何とか広く開けた場所に出た。
と言っても真正面から突っ込んでいったりはしない。
森の木々から岩陰に潜み、様子を窺う。
しばらく観察して色々分かってきた。
盗賊どもはほぼ焚き火を囲んで酒をかっくらっている。
見える範囲でおおよそ20人。
一番強そうなのは盗賊Lv43のやつだ。一番偉そうだ。
恐らく捕まえた人達は一番奥の洞窟?洞穴の中にまとめて監禁されている。
見張りは二人ずつ。
何分か毎に交代しているが、時折、一人別に中に入っては別の男が出てくる。
恐らく中にも一人見張りが居ると思われる。
まずはボーナス足装備を再び一に戻す。
しばらく待つと、二人の見張りが何やら別の男に呼ばれ、一瞬持ち場を離れた。
チャンス!
すぐさま二人の横をすり抜け、洞穴の中に入った。
洞窟とか洞穴なんてもんじゃねえぞ。
恐らく迷宮だ。
人工の物っぽい床、壁、天井。
魔物でも出てくるんじゃね?
って、そうか。ゲームだもんな。
迷宮もあれば魔物も居るよね。
あまりにもリアルな光景につい、現実と混同してしまう。
一旦深呼吸して、気合いを入れなおす。