※この作品はR-18です。

ワルキューレの迷宮騎行   作:葵翠

41 / 69
041 銭湯

夕方。アイダ迷宮14階層

 

 ここはケトルマーメイドだ。

 サァさっくり行くよ!

 

「ディフェンダー!」

「行くぞ。サンドストーム!」

 

「熊猫機関騎巌掌(ションマオパンチ)」

 

「さんはい。フルボッコ!」

 

 ボスはボトルマーメイド。ケトルがちと大きくなっただけだ。

 

 12階層から随伴してくるお供の雑魚も、パンダさんが1箇所に纏めてくれるので非常に楽である。

 

 軽く一掃して今日はここまでにした。

 あと、二日もあれば冒険者だ。運用開始までには間に合うだろう。

 

 

帰宅。

 

「ただいま~。ネェ、姉々。聞いて聞いて~」

「ハイハイ、お帰りなさい。みんな」

 

「今日は何もやらかしてナイゾ」

 

「どうしたの?ミミちゃん」

 スルーされた。ぐっすん。

 

「あのね、今日、ミミ、ダイカツヤクだったんだよ~」

 む~ん。と胸を反り返している。エッヘン。

 

「どうしたの?」と、レナ。

 

「ミミとテテ姉々の合体技が炸裂したんだよ!」

 相変わらず、ミミの話は要領を得ない。

 テテが翻訳する。

「実は私とミミの共同固有スキルが、上手く戦闘に組み込める様になったんです。これも旦那様のお陰です」

 

「そうなんですか。それはおめでとう」

 

「えへへ~ミミ、エライ?偉い?」

 

「ええ。とっても偉いわね、ミミちゃん」

「これで兄様も安心して魔法に専念出来るんですね?」

 レナは俺に出来るだけ後方から攻撃参加して欲しいみたいだ。

 少しでも被弾率を下げて、安全にしたいらしい。

 愛いヤツめ。

 

「それで明日だが」

 

「はい、まず朝イチに掃除、湯加減の確認をしたのち、昼までの間に食事を済ませ、一旦時間が空きますので、そこで周知活動を行います。これは村人に知られている私とアイ姉様の班に別れて行います。アイ姉様の班に兄様、ミミちゃん。私の班にフィナちゃんとテテさんでお願いします」

 

「主に私の班はお年寄り、子供の多い家庭を廻ります。主様の介護、フィールドウォークが有る事を知って貰い、また、ミミちゃんの存在によって安心して貰います」

 

「私の班は若い世代の家庭を廻ります。お互い若い世代の者が行けば警戒心も薄れるかと」

 

「うん、完璧じゃない?あ、運用開始時、最初は村長さんに入って貰う?」

 

「そうですね。いいんじゃないでしょうか?」

 

「じゃあ、明日の周知活動開始位置は村長宅かな?」

 

「分かりました。ではそれでお願いします」

 

 今日はミミ、テテの日だ。いっぱい可愛いがってあげよう。

 

 

朝。自宅

 

「みんな、おはよう」

 

「「「「「おはようございます」」」」」

 

「準備出来たら行こうか?」

 

「はい」

 

 温泉の更衣室入り口にワープする。

「アレ、何て書いてあるの?」

 確か前にはあんな看板無かったよね?

 字が読めないので聞くしかない。

「温泉こちら。って書いてあります」

 

「ヘエ、いいね」

 

「まずは湯加減か。大体、熱くなってるんだよね。」

 

「はい、ですので、先日にも申しました、川から水を引く作業を昼にでも出来れば、と思います」

 

「判った。じゃ湯加減調整の方法については、その時に教えてくれるか?」

 

「はい、それではまずは掃除です。道具なんかはそちらの物置に有りますので、それを使って下さい」

 

「よ~し、やるぞ。みんな、頑張ろう、おー!」

「おー」

 

 デッキブラシの様な物を使う。

 木の部分はともかく、ブラシの部分は柔らかい竹の様な木の枝部分が使ってある。

 

 掃除に関してはレナが、湯加減に関してはアイが仕切っている。

 

 一通り済むとアイの号令で家に戻る。

 帰りは徒歩にした。しばらく使われていなかった為か、結構、道も荒れていたので、整備、石拾いやら、雑草抜き、トンボ掛け等やりながら帰った。トンボみたいなの、こっちにも有ったんだな。

 帰り道、ミミは例の鼻歌だ。

 

「♪おっふろ、おっふろ、うれしいな~。兄々と一緒でうれしいな~。姉々も一緒でうれしいな~♪」

 

「ミミちゃん、楽しそうですね」

 

「居てくれるだけでみんな笑顔になりますね」

 

「幸せの具現の様な気がします」

 

「おーい、ミミ~ちゃんとトンボ掛けてくれよ~」

 

「あい~」

と言いながら、ブンブン振り回して歩いている。

 

 もう1本俺も持っているので、いいけどさ。

 ホントにもー。愛いヤツめ。

 

 

昼。村長宅

 

 

「お主、剣士、とか言うとらんかったかの?」

 

「剣を使う冒険者です(まだレベル足りないけどね)」

 

「ま、何でもええけどな」

 

「これから二手に別れて周知活動に行ってきます。掲示板の方は?」

 

「あんな感じでいいのかの?」

 村長宅前の板張りの事だろう。

 

「結構です。ではあれを利用させて頂きますね」

 

「おう、宜しく頼むわな」

 

「はい、ではまた、開店日にお迎えに参ります」

 

 そう言って村長宅を後にした。

 

「では行こうか」

 

「俺はアイとミミと、老人・子供家族だな」

 

「はい」

 

 俺達アイ班は結構、好評だった。

 アイは顔見知りだし、ミミは愛らしい。老人にも子供達にも大人気だ。

 俺は、まあ、警戒されたが、そんな人には、ワープで入り口まで送ると、こりゃ楽だ。と受けは良くなった。

 

 レナ班はと言うと、こちらも上々だった様だ。

 美人三人に背中を流すと言われて嫌な気になる筈も無い。

 フィナの居る日を聞かれたり、テテは常駐しないのか?とか聞かれたりしたそうだが、適当に誤魔化しておいたそうだ。

 

 うちの娘に手出ししようもんなら、俺の火魔法がホントに火を吹くぜ。

 

 おおよそ周知活動は終わったので、温泉に戻ってきた。

 今度は俺とレナ、フィナの班。アイとミミ、テテの班に別れて、俺は水引きの残り作業に掛かる。アイ班は湯加減調整方法の講義だ。

 

「なんだ、あと、もうちょっとじゃないか」

 工事はほぼ終わっている感じだった。

 

 もう少しパイプを延伸して、アイ班の居る湯加減調整装置に繋ぐだけだ。

 パイプの通り道に溝を掘るのが大変なんだろう。

 それも俺の魔法とみんなの力作業で割と楽に出来る。

 皆、俺より力持ちだからな。種族差とはいえ、ちょっと悲しい。

 

 ともかく、パイプ等は全部揃ってたので、それ程苦もなく完成した。

 

 アイに試しに水を出して貰ったが、ちゃんと湯船まで水が流れたので成功だろう。

 

 これで準備は整った。

 何か忘れている事があっても村長さんにひっ被って貰おう。

 

「みんなお疲れ。何か忘れている事があったらその都度、修正していこう。今日はせっかくだし、入って帰ろう!」

 

「わ~い」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。