夕方。アイダ迷宮14階層
ここはケトルマーメイドだ。
サァさっくり行くよ!
「ディフェンダー!」
「行くぞ。サンドストーム!」
「
「さんはい。フルボッコ!」
ボスはボトルマーメイド。ケトルがちと大きくなっただけだ。
12階層から随伴してくるお供の雑魚も、パンダさんが1箇所に纏めてくれるので非常に楽である。
軽く一掃して今日はここまでにした。
あと、二日もあれば冒険者だ。運用開始までには間に合うだろう。
帰宅。
「ただいま~。ネェ、姉々。聞いて聞いて~」
「ハイハイ、お帰りなさい。みんな」
「今日は何もやらかしてナイゾ」
「どうしたの?ミミちゃん」
スルーされた。ぐっすん。
「あのね、今日、ミミ、ダイカツヤクだったんだよ~」
む~ん。と胸を反り返している。エッヘン。
「どうしたの?」と、レナ。
「ミミとテテ姉々の合体技が炸裂したんだよ!」
相変わらず、ミミの話は要領を得ない。
テテが翻訳する。
「実は私とミミの共同固有スキルが、上手く戦闘に組み込める様になったんです。これも旦那様のお陰です」
「そうなんですか。それはおめでとう」
「えへへ~ミミ、エライ?偉い?」
「ええ。とっても偉いわね、ミミちゃん」
「これで兄様も安心して魔法に専念出来るんですね?」
レナは俺に出来るだけ後方から攻撃参加して欲しいみたいだ。
少しでも被弾率を下げて、安全にしたいらしい。
愛いヤツめ。
「それで明日だが」
「はい、まず朝イチに掃除、湯加減の確認をしたのち、昼までの間に食事を済ませ、一旦時間が空きますので、そこで周知活動を行います。これは村人に知られている私とアイ姉様の班に別れて行います。アイ姉様の班に兄様、ミミちゃん。私の班にフィナちゃんとテテさんでお願いします」
「主に私の班はお年寄り、子供の多い家庭を廻ります。主様の介護、フィールドウォークが有る事を知って貰い、また、ミミちゃんの存在によって安心して貰います」
「私の班は若い世代の家庭を廻ります。お互い若い世代の者が行けば警戒心も薄れるかと」
「うん、完璧じゃない?あ、運用開始時、最初は村長さんに入って貰う?」
「そうですね。いいんじゃないでしょうか?」
「じゃあ、明日の周知活動開始位置は村長宅かな?」
「分かりました。ではそれでお願いします」
今日はミミ、テテの日だ。いっぱい可愛いがってあげよう。
朝。自宅
「みんな、おはよう」
「「「「「おはようございます」」」」」
「準備出来たら行こうか?」
「はい」
温泉の更衣室入り口にワープする。
「アレ、何て書いてあるの?」
確か前にはあんな看板無かったよね?
字が読めないので聞くしかない。
「温泉こちら。って書いてあります」
「ヘエ、いいね」
「まずは湯加減か。大体、熱くなってるんだよね。」
「はい、ですので、先日にも申しました、川から水を引く作業を昼にでも出来れば、と思います」
「判った。じゃ湯加減調整の方法については、その時に教えてくれるか?」
「はい、それではまずは掃除です。道具なんかはそちらの物置に有りますので、それを使って下さい」
「よ~し、やるぞ。みんな、頑張ろう、おー!」
「おー」
デッキブラシの様な物を使う。
木の部分はともかく、ブラシの部分は柔らかい竹の様な木の枝部分が使ってある。
掃除に関してはレナが、湯加減に関してはアイが仕切っている。
一通り済むとアイの号令で家に戻る。
帰りは徒歩にした。しばらく使われていなかった為か、結構、道も荒れていたので、整備、石拾いやら、雑草抜き、トンボ掛け等やりながら帰った。トンボみたいなの、こっちにも有ったんだな。
帰り道、ミミは例の鼻歌だ。
「♪おっふろ、おっふろ、うれしいな~。兄々と一緒でうれしいな~。姉々も一緒でうれしいな~♪」
「ミミちゃん、楽しそうですね」
「居てくれるだけでみんな笑顔になりますね」
「幸せの具現の様な気がします」
「おーい、ミミ~ちゃんとトンボ掛けてくれよ~」
「あい~」
と言いながら、ブンブン振り回して歩いている。
もう1本俺も持っているので、いいけどさ。
ホントにもー。愛いヤツめ。
昼。村長宅
「お主、剣士、とか言うとらんかったかの?」
「剣を使う冒険者です(まだレベル足りないけどね)」
「ま、何でもええけどな」
「これから二手に別れて周知活動に行ってきます。掲示板の方は?」
「あんな感じでいいのかの?」
村長宅前の板張りの事だろう。
「結構です。ではあれを利用させて頂きますね」
「おう、宜しく頼むわな」
「はい、ではまた、開店日にお迎えに参ります」
そう言って村長宅を後にした。
「では行こうか」
「俺はアイとミミと、老人・子供家族だな」
「はい」
俺達アイ班は結構、好評だった。
アイは顔見知りだし、ミミは愛らしい。老人にも子供達にも大人気だ。
俺は、まあ、警戒されたが、そんな人には、ワープで入り口まで送ると、こりゃ楽だ。と受けは良くなった。
レナ班はと言うと、こちらも上々だった様だ。
美人三人に背中を流すと言われて嫌な気になる筈も無い。
フィナの居る日を聞かれたり、テテは常駐しないのか?とか聞かれたりしたそうだが、適当に誤魔化しておいたそうだ。
うちの娘に手出ししようもんなら、俺の火魔法がホントに火を吹くぜ。
おおよそ周知活動は終わったので、温泉に戻ってきた。
今度は俺とレナ、フィナの班。アイとミミ、テテの班に別れて、俺は水引きの残り作業に掛かる。アイ班は湯加減調整方法の講義だ。
「なんだ、あと、もうちょっとじゃないか」
工事はほぼ終わっている感じだった。
もう少しパイプを延伸して、アイ班の居る湯加減調整装置に繋ぐだけだ。
パイプの通り道に溝を掘るのが大変なんだろう。
それも俺の魔法とみんなの力作業で割と楽に出来る。
皆、俺より力持ちだからな。種族差とはいえ、ちょっと悲しい。
ともかく、パイプ等は全部揃ってたので、それ程苦もなく完成した。
アイに試しに水を出して貰ったが、ちゃんと湯船まで水が流れたので成功だろう。
これで準備は整った。
何か忘れている事があっても村長さんにひっ被って貰おう。
「みんなお疲れ。何か忘れている事があったらその都度、修正していこう。今日はせっかくだし、入って帰ろう!」
「わ~い」