キザマ村
村の再建事業も軌道に乗ってきた。
俺達もしばらくは迷宮に入らずに、作業に従事している。
カズ君の家も取り敢えず、雨風は凌げるまでにはなった。
「兄々、ありがとう。大好き!」
ミミはそう言って、頬にキスしてくれた。
それだけで俺は大満足だった。
少しずつ、俺達は作業から離れ、迷宮探索を再開し始めていった。
アイダ迷宮25階層
久し振りの迷宮だけど、特に問題は出なかった。
ここの魔物はブラックフロッグ。でかいカエルだ。
火魔法でさっさと倒す。
12時にテテ、10時にレナ、2時にミミ、
7時にアイ、4時にフィナ。
6時に俺だ。
俺の魔法で先制し、怯んだ隙にテテが背後に廻ってフラッシュ、シールドバッシュでヘイトを取る。
パンダ攻撃のあと、アイは詠唱中断、レナ、フィナはサイドアタック、ミミもサイドアタックしつつサブタンクとして備える。
俺は後ろから魔法或いは物理のバックアタック。
ボスはフロックフロッグ。
俺、ファイヤーストーム、脇差し堀川国広にて剣将の螢。
テテはフラッシュ、シールドバッシュ、
テテ、ミミの
ミミは白虎変してからのキルスラッシュ、
レナは斬奸改、
フィナは剣状態でフルスラッシュ、雷撃剣、
アイはフリッシュヒンメルのバイセンヴォルフ。
その後、
俺は脇差し堀川国広にて剣将の螢。
フィナは鞭状態で紫電一閃。
数回繰り返して霧消せしめた。
まだ全然余裕はあるが、そろそろ装備は一新すべきだろうか?
テテはダマスカスのアームガード、鋼鉄の鎧。足は鋼鉄製にする?それともダマスカス製にする?
ミミ、レナ、フィナ、アイは硬革製装備に替える?それとも竜革製装備?
サブタンクのミミは竜革製にするか。
他のみんなは今のままで、徐々に竜革製にしていくか?一旦、硬革製の装備にするか?う~ん。難しいな・・・。
ロスを減らすなら竜革を目指すべきか。でもそんなに裕福って訳でもないしな~。
あ、コイケ夫人。アイの刀の御代。スキル結晶の依頼しなきゃ。
アポ取って、次、商人の方が来る日を教えて貰おう。
・・・・・・
コイケ夫人に村長経由で呼び出された。
怒られた。
伝言をポストに入れに来る暇が有るなら、中まで入れと。
「申し訳ありません。夫人」
今日はフィナとミミを連れて来た。
これでもしかしたら、叱責を免れないかなと期待したのだが、ダメだった。
伝言していたので、商人には会えた。
カナキ 男 55歳
防具商人Lv30
装備 なし
「お初にお目にかかります。カナキと申します」
「シンです。
「さぁさ、シン様は何だか難しいお話が有るんですって。私たちは向こうでケーキでも戴きましょうね」
「わ~い、ケーキだ~兄々?」
「良かったね。戴きな」
ミミもフィナも大喜びだ。
「まずは刀の代金ですが、30万ナールになりますが、この内、私共への手数料として500ナール、夫人の紹介料として1%の3000ナールを除きまして、296500ナールのお支払になります。どうぞ、お納めください」
「ありがとうございます。確かに」
流石に三割増は効かないか。
普通に売却して、25万ナールになったとしても三割増が有れば32万以上。
夫人への恩返し等に変わったと思えば安いものではないだろうか。
そもそも、商人への伝手を得られただけでも、僥倖と言えるだろう。
「次に、スキル結晶等もご所望だとか?」
「はい」
「一体どの様なものをお探しですか?」
「どの様なものがあるのかも、知らなかったりします。ですので、逆にどういったものがあるのか、教えて頂けますとありがたいです。」
「なるほど、ではまずは身代わりの・・・」
「あ、それは知っています。今2つは持っていますので、あと最低4つは必要です」
「え?奴隷全てにお与えになるおつもりなのですか?」
「パーティーメンバー全て奴隷ではありません」
「こ、これは大変失礼を。分かりました。あと、最低4つですね」
「あと、詠唱中断を2つ。他はよく知りませんので教えて下さい」
「詠唱中断はコボルトとウサギのスキル結晶が必要になります。他にはこんなのは如何でしょうか?・・・」
おおよそ、ざっくりと教えて貰った。
攻撃力、ステータスアップ、状態異常、耐性、属性付与、HPMP吸収等だ。
折角なので色々注文しておいた。
防御力アップ、耐性付与、攻撃力アップ等。
「それと、これはお伝えしていなかったかとは思いますが」
「はい、何でしょう?」
「防具の用立ては出来ますか?」
「私は一応、防具商人です。むしろ、本業とも言えます」
鑑定で分かってましたけどね。
「そうでしたか。あと、一度オークション会場へも行ってみたいのですが、案内して頂けませんか?」
「構いませんが、入場料千ナールかかりますよ?一度でも入札に参加すれば却って来ますけどね。ま、冷やかし防止策ですね。あ、防具でしたか、どの様なものを?」
「ダマスカスのソルレット、竜革製装備のジャケット、腕、足は5セット。これはすぐにでなくても。と、言ってもすぐに代金を用意出来ませんからね」
「今の29万が有れば?」
「もうすぐ納税の時期でしょう?あれはそちらへ廻すので」
「そうでしたか。ではいつ頃の納期にしますか?」
「2つ3つ揃い次第、連絡ください。あとは急がない程度に、1ヶ月位で何とかなりますか?」
「お安いご用です。オークションは頻繁に行われています。私は明後日のオークションに参加する予定なのですが、その時でも?」
「ええ、お願いします」
「では明後日正午、ここの門前で」
「承知しました。宜しくお願いします」
「ミミ、フィナ、そろそろ帰ろうか?」
「エエ~もっと居たい~ブーブー」
親戚ん家に遊びにきた小学生か?
「ええ~夕飯も食べて行って下さいな?」
「家に皆、待っておりますので」
そう言うと、
「もう、六人分用意してるんですよ?」
ここで、
「それでは私はこれにて」
と、言ってカナキ氏は帰ってしまった。逃げたな?
ずるい。逃げられないじゃないか。
しかし、当然、そんな事はお見通しです。
家を出る時、もしかしたら夕飯に誘われるかも知れない。皆呼べ。となる事もあり得るから、夕飯は保存の効くモノにしておいて。と言ってきたのだ。
「分かりました。皆連れて来ます。しばらくお待ちください。お前たち、良い子にして待ってるんだぞ」
と言って一度家に帰った。
キザマ村自宅
「やっぱりコイケ夫人に夕飯ご招待されたよ。みんな、大丈夫だろうか?」
「はい、今日は銭湯の予約も入っておりませんし、再建計画の作業ももう、終わっておりますので、行けますよ」
「じゃあ、行こうか」
「はい」
再びコイケ邸。
「いつもありがとうございます。コイケさん」
「いらっしゃい、アイさん、テテさん、レナさん」
全員の名前を覚えている辺り流石だ。
全員とハグしてくれる。
最後にハグしたレナの耳元で夫人が囁いた。
「貴女が一番なのかしら?」
レナはビクッとして顔を赤らめた。
夫人に何か言われて顔色を変えたのは分かったが、言われた内容までは聞き取れなかった。
「どうした?レナ」
「いえ、何でもありません」
とだけ言って、厨房の方へそそくさと行ってしまった。
何だか今日のレナは上機嫌だったような気がする。
全員か?