アイダ迷宮27階層
階層魔物はケープカープだった。
で、あるならボスはカーブカープだろう。
フォーメーションは少し変更した。
「12時にテテ、10時にレナ、2時にフィナ、
6時にアイ、4時にミミ。
8時に俺だ」
「最初に俺の目眩まし魔法、
次にテテのフラッシュ、
パンダ詠唱時間が足りなければ、もう一度俺の魔法、フィナの鞭の捕縛、
パンダ、
三剣豪、
で、フルぼっこだ」
「いいか?」
「「「「「はい!」」」」」
「行こう!」
「右100m先左40mに不明1、カエル2の集団!」
「不明は鯉だ。テテ、お前のタイミングでいいぞ」
「はい、左に折れる手前から行きます!」
「ディフェンダー。ゴー!」
「オーバードライブ!ファイヤーストーム」
「フラッシュ」
「レヴァンティン!シュランゲフォルム(蛇腹剣)!捕縛!」
「ファイヤーストーム」
「
「
三剣豪は三人が息ピッタリ、右側へすれ違いざまに横斬りしていく。
これにより、三人の位置が入れ替わる。
レナがフィナの位置に、
フィナがアイの位置に、
アイがレナの位置に。
そしてこれを3回繰り返す為、元居た場所に戻ってくる。
三人それぞれのスキル3回分より威力は高いのだろう。
この後、数回ぼっこ斬りしたら敵一団全滅した。
ボス部屋前まで来た所で一旦、家に戻った。
銭湯の予約が昼に一件入っていた為だ。
昼食係、銭湯係に別れる。俺は送迎があるので、銭湯係だ。
今日はカズ君とお爺さん、それと、村長の三人だ。
俺は村長の送迎、ミミはカズ君のお迎えに行った。
まったく、昼から温泉とはいい御身分だこと。
村長の背中を流しながら聞いてみた。
インテリジェンスカードの名前更新について。
以前、聞いたのは、
村長は出産後の命名時のみ可。(村長情報)
聖騎士は結婚、離婚時の、家名変更時のみ可。(家名のみ。コイケ夫人情報)
奴隷商人は奴隷解放或いは所有者変更時のみ可。(推測)
だった。
これ以外に方法は有る?出来るなら、そのジョブは?
しかし、村長はこれら以外の方法は知らないと言う。
可能性が高いのは奴隷商人だが、普通に聞いても奴隷商人のギルドに所属していない人間にはまず教えてはくれないだろうという事ぐらい。
あと、分かりそうなのは、聖騎士だろう、との事だ。
恐らく、ファリーの事を暗に指しているのだろう。
犯罪歴のある人間の名前を、奴隷商人が変更出来るというのはまずいだろう。
出来ない様になってるのか?
なら、聖騎士か?
やはりファリーか。
彼女がミシフを去って、どの位になるのか・・・。
少し遠いが、ノサヨ村、行くかな?
みんなにも聞いてみた。
名前変更の方法については話してない。糠喜びはさせたくないからな。
フリッシュヒンメルを返す、とだけ言っておいた。
色々、勘違いさせてしまうだろうか?
「ファリーお姉ちゃんに会いに?行きた~い」
フィナはイケイケ。
ミミ、テテは主人の昔の女?
アイ、レナは複雑な表情だった。
もうおれが悪者になるしかないのか。
「すまないな。長く留守にする事になるけど許して欲しい。どうにも会っておかないといけないんだ。時々帰ってくる様にはするから」
「主様、何を仰っているのですか?私は主様のモノです。少なくとも、私は主様について行きますよ?」
「私だって行きます!」
「兄々と旅行?行く~」
「私もお供します!」
「みんな一緒だね?お兄ちゃん」
「ありがとう、みんな。でも、みんな一緒となると、こっちをどうするか考えないとね」
「それは銭湯の予約を制限して一日一組のみ、とかにして、送迎だけを主様にお願いし、後は当番を残して主様は旅に戻る、としては如何でしょうか?」
「ですね。残った当番は次の便で兄様と一緒に帰る。そうすれば残る当番は次の日のお弁当を作って旅に合流。いいんじゃないでしょうか?」
何かいいね。そうしようか。
ファリーに会いに行くのはいいとして、名前変更出来るのが奴隷商人だけ。となった時、どうしよう。
奴隷商人の解放条件が判らないとなぁ・・・。
まあ、まずはファリーだ。可能なのが奴隷商人だと分かれば、奴隷商人になる条件を探せばいい。それもファリーが知っていればラッキーだ。
よし、行こう。
村長にノサヨ村まで旅に出る事、その間、銭湯は一日一組限りにする事、幌馬車を借りて行く事等を伝えておく。
少しの着替え、食料、毛布等を積んで、さあ出発だ。
次の日の朝出発する。
アイが少し待ってくれ、と言う。珍しい。
大抵、こういう時は朝早くから起きて、色々準備しているものなのだが、と思ったら、お弁当を作っていた。一人で。
「言ってくれよ。手伝うからさ」
と言うと、
「だから起こさなかった」
と言う。完璧主婦かよハート。
「よ~し、みんな、行くよ~準備はいい?」
ま、忘れ物があってもすぐに戻れるけどね。
まずは北に向かって進む。
ウコムの町を経由して、旧オメガの村(廃村)を抜ける。
オメガ村を抜けたあと、山越え。
山と言ってもそんなに高くない。丘に毛の生えた程度だ。
今日中に山は越えておきたい。
馭者席にレナ、フィナ。
荷台に俺、アイ、ミミ、テテが座る。
ここいらでお昼時だ。アイが作ってくれたお弁当を食べる。
終始ミミは上機嫌。と、なると、
「♪~旅行、旅行、うれしいな~。兄々と一緒でうれしいな~。姉々も一緒でうれしいな~♪」
こういう時、純粋に明るいミミの存在は有難い。
車内がし~んとなると、なんとなく、暗い雰囲気になってしまいそうなところを明るくしてくれる存在は貴重だ。
だが、テテとミミはファリーの事を全く知らない。
そのままにしておくのも申し訳無いので、話しておく事にした。
別に隠しておきたい訳でもないしな。
オメガ村を通過し、山に入るまでの間、話し始めた。
「ミミ、テテ。いい機会なので話しておきたい。ファリーってのは俺の命の恩人で・・・」
「ふ~ん、兄々はその人の事、好きなの?」
ミミは、ど直球、ど真ん中に投げてくるな~。
あまりに真っ直ぐで来たので、こっちもつい、打ち返してしまった。
「・・・そうだな。ちょっとでも選択を違えていたら、一緒に暮らしていたかも知れないな~」
空を見上げて、そう答えてしまった。
隣を見たら、ミミが目にいっぱい涙を浮かべて、
「兄々はその人の所に行っちゃうの?ミミの事嫌いになったの?」
それは少なからず、皆思っていたんだろう。
馭者席の二人も聞き耳を立てていた。
「ああ、ゴメン。そう言うんじゃないんだ。ファリーに会いに行くのは、突然居なくなった理由を聞きたいのと、フリッシュヒンメルを返すのが目的なんだ。」
本当はもう一つ、聞きたい事が有るんだけどね。
山の途中、何か庭園の様な施設が有るのを目にした。
「恐らく、霊園だと思います。無縁仏なんかを弔っている墓地です」
キザマ村の様な村中、皆知り合い、親類とかならともかく、多人種町とかで盗賊なんかに襲われて、亡くなった方々の埋葬はこうなるのかな。
あまり立ち寄りたくは無いな。早々に通過してしまおう。
山を降りた。
バンタ村だ。
今日はここまでだな。
村を見て廻ったが、特にめぼしいものは無い。そんなに大きくもない、只の農村だ。
当然、良い目では見られないので村長にだけ、挨拶して滞在の許可を貰った。
とは言ってもこの村に宿は無い。
余所者はくんな。って事だ。ま、そんなに旅人もいないだろうし。
村の端にキャンプする許可を貰って、ミミ、テテ、アイをキザマ村に帰し、俺、レナ、フィナが馬車の中で寝た。
次の日の朝。
だんだん、朝夕は肌寒くなってきた。
北に向かっているのも関係してるのかな?
まだ日も上り切らない内から出発する。
ベヤア村を前に休憩する。日も上り切った。
ここで、キザマ村に戻ってミミ、テテ、アイを回収する。
おおよそ、ここがノサヨ村との中間点となる。
少し寄り道するが、チクフ町に立ち寄る事にした。
この辺では割と大きな町だ。街って程じゃない。
ファリーに会いたい一心で、何の手土産も持たずに来た事に気付いたので、何か買って行こうと思ったのだ。
と言っても、現代日本じゃないんだ。
そうそう都合良く土産物屋何てものがある訳も無く。
そこいらの店で煎餅を買ってきた。
土産と言うより、俺の趣味かな?草加煎餅好きなんだよな。
よく、醤油なんて調達したもんだ。
きっと、醤油の様な何か。だろうけど。
そして、今日はここまでにする。明日はもうノサヨ村まで行けるだろう。
今度はレナ、フィナ、アイをキザマ村に帰し、ミミ、テテは馬車に残って貰う。
と、したが、ここチクフ村には宿があった。
馬車を厩舎に繋ぎ、三人宿泊した。
その後、ヅヤミ村を抜け、昼過ぎにはノサヨ村に到着した。
ノサヨ村はキザマ村と同じ位の広さ、人口の様だ。
村の東は海岸線が広がる。
しかし、ファリーの実家は少し内陸に在り、農家だとコイケ夫人は仰っていた。
よって、西側に移動した。