天才魔導師の彼女は、他人の精液で魔力を満たしている 作:おるかー
宿の狭い浴室に、乳白色の湯気が立ち込めている。
高級宿だけあって非常に手入れが行き届いており、綺麗な浴室だ。
俺は小さな木桶に湯を汲み、ルナの背中にゆっくりとかけた。
ざばぁ、と湯が流れるたびに、ルナの白い肌に張り付いていた他人の痕跡が剥がれ落ちていく。 太腿の内側にこびりついた、乾いてカピカピになった白濁。柔らかな臀部に残る、脂ぎった男の手形の赤み。それらが湯に溶け、排水溝へと流れていく。
「……んぅ。そこ、痛い。もっと優しく」
ルナが不満げに口を尖らせ、濡れた銀髪を鬱陶しそうに払う。俺はスポンジを持つ力を緩め、ルナのおまんこ――先ほどまで見知らぬ浮浪者の肉棒を貪り、今は赤く腫れあがっている場所を丁寧に拭った。
「文句を言うな。あれだけ乱暴に使われたんだ。腫れていて当然だろ」
「うー。あのおじさん下手くそだった。力任せだし、臭いし、リズム悪いし。……星2つ。次はもっとマシな人にしてよ」
ルナは事もなげに言い放つと、はぁと溜め息をつく。
ルナにとって、先ほどのセックスは食事の良し悪しを語るのと大差ない。あの時、あれほど「気持ちいい」と喘ぎ、男の汚い棒をねだった姿は魔力欠乏が引き起こしたもの。脳が快楽物質で麻痺していただけの一時的なバグだ。
ルナの正気が戻れば、ただの不快な作業記憶として処理される。
そのドライさが俺を救い、同時に俺の心を少しだけ抉る。
「……文句があるなら、自分で選べばいい」
「やだ。めんどくさい。グレイが選んで」
「じゃあ文句を言うなと言いたいが……善処しよう。今回は時間がなかったからしかたがない」
「うん。わかってる。嫌だからって、しばらく補給さぼってたツケ。もっと定期的に魔力補給しないと」
そんな会話をしながら、俺は汚れたルナの体を丁寧に洗う。これが俺達の関係だ。
「……でも、大丈夫か? こんな小さな体で連日セックスなんて」
「しょーがない。しんどいけど、我慢したらもっとしんどい」
そう言ってため息をつくルナ。
ルナは身長146センチと、二十二歳の大人の女性とは思えぬほど小柄で華奢な肢体だ。
ローブを身に纏い、日に当たることのない肌は陶磁器のように白く、薄い皮膚の下には青い血管が透けて見える。
膨らみかけの果実のようなバストは派手さはないが、形の良い桜色の先端がツンと上を向いて主張している。
くびれたウエストは俺の両手で輪を作れば隠れてしまいそうなほど細く、そこから緩やかな曲線を描いて安産型の小さなヒップへと繋がっていく。
それは、暴力的なまでに無垢な造形だった。数十分前、男の下敷きになり、大量の精液を注ぎ込まれた事実が嘘のような聖女のような佇まい。だがその両足の間から微かに漏れ出る白濁液だけが、ルナが背負う淫らな業を証明している。
「……ん、どうしたの? 手が、止まった」
「いや。……綺麗になったと思っただけだ」
「ふふ。でしょ。グレイが、いつも、綺麗にしてくれるから。グレイに洗ってもらうの、好き。……もっと、隅々まで綺麗にして」
ルナは甘えるように目を細め、俺に身を委ねてくる。
この距離感。この空気。俺とルナの間に、言葉はいらない。
俺たちの付き合いは長い。学生時代からの腐れ縁であり、互いの恥部も、弱さも、全てを知り尽くした仲だ。
かつては天才と落ちこぼれというレッテルを貼られ、周囲から浮いていた俺達。誰にも理解されないめんどくさがりのルナの世話を焼き、誰にも期待されなかった俺の背中をルナが必要とした時から、俺達は一蓮托生のパートナーになった。
俺達の関係を説明するには少し難しいだろう。恋人というには言葉にしたことがないし、されどその距離感は家族のもの。
俺はルナを愛しているし、ルナも俺を愛している。そんな複雑な関係は、とりあえず相棒という言葉で処理している。
だからルナが必要にせまられほかの男とセックスしようと、相棒だから何も思わない。そう思っている。
「……よし、外の汚れは落ちたな。次は中だ」
「ん。……分かってる。優しくしてね」
そんなことを考えていれば綺麗な銀髪も洗い終わり、いよいよ本番となる。
ルナは慣れた様子で俺の方を向くと股を大きく開いた。恥じらいはない。あるのは全幅の信頼のみ。
俺は指先に微かに力を込め、ルナの膣内へと侵入する。ぬるりとした感触。まだ熱を持っている膣壁が、俺の指を異物としてではなく、待ちわびたものとして優しく包み込む。
指を動かし、奥に残っていた白濁液を掻き出す。あの薄汚い男の粘液が、俺の指にまとわりつく。不快な感触だが、これをすべて取り除かなければ俺たちの夜は始まらない。
「……んッ、ぁ……♡ グレイの指……いい……」
先ほどまで、男の肉棒に貫かれて獣のように喘いでいた時とは違う。俺が清掃のために指を入れただけで、ルナは熱を帯びた、とろけるような甘い声を漏らす。これは演技でも、魔力欠乏の症状でもない。俺だけに向けられた本物の反応だ。
「……変な声を出すな。掃除中だ」
「だって……グレイだもん。……あのおじさんのと違って、グレイの指は、優しい……一番、気持ちい」
ルナは頬を赤らめ、俺の手首を小さな手でギュッと掴む。その瞳には、先ほどの虚ろな狂気はない。俺だけを映し、俺だけを求める愛おしい光が宿っていた。
「……ねえ、もういいよ。だいたい取れた」
「まだ残ってるかもしれない。念入りにやらないと」
「もういいの。……それより、早く終わらせて」
ルナが濡れた瞳で、懇願するように俺の唇を見つめる。
「……お口直し、したい」
その本心からの誘惑に、俺が逆らえるはずがなかった。
◇
風呂から上がり、身体を拭き終えた俺たちは、部屋の明かりを落としてベッドの上で向き合っていた。
湿った空気が少しずつ乾いていく中、俺はルナの濡れた銀髪をタオルで丁寧に拭ってやる。
高級宿のふかふかとしたベッドの上。
ルナは真っ白なYシャツ一枚だけを身に纏い、ぺたりと座り込んでいる。
湯気立つように上気した肌。濡れて頬に張り付く銀髪。そしてYシャツの裾から覗く、無防備で華奢な太腿。
そのすべてが、先ほどまでの汚された肉便器としての姿を完全に払拭して、俺だけが知るルナの姿だ。
「……ん。グレイ、もういいよ。乾いた」
「まだ湿ってる。風邪を引くぞ」
「平気。魔力満タンだから、病気なんて魔法で吹き飛ばせるもん」
ルナは猫のように身をよじり俺のタオルから逃れると、そのまま勢いをつけて俺の胸板へと飛び込んできた。
ドン、と小さな頭突きを食らう。だがそれは攻撃ではなく甘えの合図だ。
「……グレイ。いい匂い」
「石鹸の匂いだろ」
「ううん。グレイの匂い。……落ち着く。あの男の、脂っこい臭いとは違う。……私の大好きな場所の匂い」
ルナは俺の胸に顔を埋め、深呼吸をするように匂いを嗅ぐ。
その仕草一つ一つが、俺の心を締め付ける。
俺たちはただの相棒だ。正式に恋人というわけではなく、だから魔力補給のために他人と寝ることを容認している。
だがこうしてルナが他人との違いを言葉にしてくれるたび、俺は自分が特別であることを確認し、安堵してしまう。そんな卑しい男だ。
「……ねえ、グレイ」
「なんだ」
「魔力はいっぱいだけど……なんか、足りない」
ルナが上目遣いで俺を見つめる。
その瞳は、魔力欠乏の時の濁ったピンク色ではない。透き通るようなアメジスト色。
理性がはっきりとしている。計算もできる。
なのにその瞳は熱っぽく潤み、明らかに誘っていた。
「……ルナ。さっきも言ったが、俺とやっても意味はないぞ」
「ん」
「俺には魔力がほとんど。俺がいくら注いでも、お前の魔力回路は1ミリも反応しない。ただ体力を消費するだけの無駄な行為だ」
俺はあえて、突き放すような事実を口にする。
それが、俺が抱える唯一にして最大の欠陥だからだ。
ルナにとってセックスとは、食事であり生きるための補給作業だ。なら魔力ゼロの俺との行為は、砂を噛むようなもののはず。
だが、ルナはふわりと微笑んだ。
その笑顔は、あの浮浪者に見せた媚びた笑みでも、虚ろな笑みでもない。
年相応の、恋する乙女の顔だった。
「……知ってるよ。グレイのおちんぽは、栄養ゼロ。魔力ゼロ。よわよわちんぽ」
「それは言い過ぎだろ」
「ふふ。でもね、グレイは別。魔力補給のためじゃない」
ルナの小さな手が、俺のズボンの裾に伸びる。
その目は俺をじっと上目遣いで見て、とても可愛らしかった。
「他の男との交尾はただの食事。生きるための作業。味なんてどうでもいい、ただのカロリー摂取」
「…………」
「でも、グレイのは食事じゃない。好きな人とやる、
ルナは俺のズボンと下着を一息に引き下ろした。
拘束から解き放たれた俺のイチモツが、バクリと鎌首をもたげる。
ルナはその光景を、まるで宝石でも見るかのように、うっとりと見つめた。
「……ぁ……♡ グレイの、おちんぽ……だ♡」
ルナの瞳が輝く。
先ほどの浮浪者のものとは比べ物にならない、凶悪なまでのサイズと質量。これは俺の密かな自慢だ。
浮き出た血管の一本一本、亀頭の張り、そして男臭い香り。
ルナはそのすべてを目で愛撫し、熱い吐息を吹きかける。
「……大きい。太い。……かっこいい……♡」
「ルナ……そんなに見るな」
「見るよ。だって、私が好きなのはこのおちんぽだけ♡ あのおじさんの汚い棒なんかと比べちゃ失礼なくらい、立派で、綺麗……」
ルナの指先が、恐る恐る、けれど愛おしそうに俺の亀頭に触れる。
ビクリ、と俺の体が反応すると、ルナは嬉しそうに目を細めた。
その表情を見て、俺は真に理解させられる。
ルナが本当にセックスをしたいと思っているのは、世界でただ一人、俺だけなのだと。
もう相棒なんて言える関係ではないだろう。けど俺はこの関係を相棒としかいえない。
それが俺の卑しさだ。
「……いただきます。私の、大好きなおちんぽさん」
ルナは小さな口を限界まで開き、俺のちんぽに食らいついた。
――ジュポッ。
温かく、柔らかい口腔内の感触が亀頭を包み込む。
舌が這い、裏筋を舐め上げ、吸い付く。
その動きには、事務的な作業の気配は微塵もない。
ただひたすらに、俺の味がするという喜びを噛み締めているようだ。
「……んっ、ちゅ、む……っ♡ じゅる、れろ……ッ♡」
いやらしい水音が部屋に響く。
だがそれは、先ほどの浮浪者との行為で響いていた、ぬちゃぬちゃという不快な音ではない。
愛情と唾液が混ざり合った、甘露のような水音。
ルナは上目遣いで俺を見つめたまま、頬を大きく凹ませてバキュームする。
その瞳には、俺しか映っていない。
俺の快楽だけを考え、俺の精液だけを欲しがる、献身的な雌の瞳。
「……っ、ルナ、だめだ。そんなに吸われたら……」
「……んぅ? ……だめじゃない。……ぜんぶ、のんであげる……♡」
ルナは一度口を離すと、唾液でテラテラと光る俺のちんぽを見せつけるように笑った。
そして、亀頭の先端から滲み出た先走りの汁を、舌先でペロリと掬い取る。
「……ん、おいしい。……やっぱり、グレイの味が一番好き」
味などしないはずだ。魔力もない、ただの体液だ。
けれど彼女は、それをこの世の何よりも尊いものとして味わっている。
「……おじさんのなんかじゃ、お腹はいっぱいになっても、心は渇いたままだったの」
「ルナ……」
「満たして、グレイ。……あなたの、魔力のない、役立たずの精液で……私の心を、いっぱいにして……」
その言葉が、俺の理性の最後の一本を焼き切った。
役立たず上等だ。
魔力がなくても、俺はお前を愛している。その証明を今ここに叩きつける。
「……ああ。くれてやる。一滴残らずな!」
「……んッ!♡ きてっ! グレイの熱いの、ちょーだいッ!♡」
ルナは再び俺の肉棒を深々と咥え込んだ。
喉の奥、食道の手前まで突き入れ、喉の粘膜で亀頭を締め上げる真空フェラチオ。
ジュボッ! ジュゴッ! ズチュルルルルッ!
激しい吸引。
ルナの頭が前後に激しく揺れる。
銀髪が乱れ、よだれが口角から溢れ落ち、俺の太腿を濡らす。
汚い? いや、最高に淫らで、最高に美しい。
俺の欲望が高まるにつれ、ルナの喉の締め付けも強くなる。
彼女には分かるのだ。俺がイく瞬間が。長年の相棒である彼女が、それを見逃すはずがない。
「……っ、でる、ぞ……ッ!」
「……んーーーッ!!♡♡」
ルナは口を離すどころか、さらに奥へと俺を飲み込んだ。
逃がさない。一滴も零さない。
そんな強い意志と共に、彼女の喉が強く収縮する。
ドプッ! ドプュッ!
俺の股間が跳ね、大量の白濁液がルナの口内へと放たれた。
「―――んッ!? んぐッ、ごくッ、んくんくッ……!!♡♡」
喉が鳴る。
魔力ゼロの、ただの精液。
それをルナは、喉を上下させて必死に嚥下していく。
苦しそうな表情ではない。
まるで砂漠で水を飲むように、あるいは極上の美酒に酔いしれるように、目をトロンとさせて飲み干していく。
ドクドクと脈動が収まるまで、数秒間。
ルナは俺の全てを受け止め、飲み込み、そしてゆっくりと口を離した。
「……ぷはぁ……♡」
口元から、飲みきれなかった白濁がひとすじ、あごを伝って垂れる。
ルナはそれを指ですくい取ると、愛おしそうに舐め取った。
「……ん♡ ごちそうさまでした」
とろりと溶けた笑顔。
魔力の輝きはない。チョーカーの色も変わらない。
だが、その満ち足りた表情は、どんな高位魔法を使った時よりも輝いて見えた。
俺は、この顔を見るためなら、なんだってできる。
たとえ明日、また彼女が他の男に抱かれる運命だとしても。
今この瞬間、彼女の心を満たしているのは俺だけなのだという優越感が、俺の心を満たしていた。
「大丈夫か?」
「ん、問題ない」
ペロペロと唇の周りを舐めるルナは、ゆっくりと体勢を変えた。
「じゃ、本番♡ しよ」
「っ……」
そしてそう言ったルナは、ベッドに寝転がるとM字開脚の体勢になる。
ルナは己のちいさなおまんこを指でくぱぁと割り、男を誘う淫らな笑みを浮かべていた。