※この作品はR-18です。

湊友希那の異種姦シリーズ。   作:美肉。

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湊友希那と犬。

 音楽家・湊友希那は激しく息を吸いこみながら意識を取り戻した。身体の全ての機能が電源を入れたかのように唐突に回復していた。友希那は周囲を見渡した。周囲は薄暗かった。たった足先の、すぐ向こうの光景さえ視認することができなかった。ただ自分の身体だけは、何か光を放っているかのように視認できた。友希那は湿ったカチャカチャという音を頭上に聞きながら、自分の白く浮き出る裸体を視た。

「な――」

 それは友希那にとってありえないことだった。

 シャツやスカートどころか下着の類さえ全て脱ぎ取られている。つまり全裸だった。さらに、そのなんの隠蔽もなされていない素肌は拘束状態にあった。友希那は地面に尻を落とているが、その両腕は持ち上がっており頭上に手首が集結している。すぐ背後の鉄パイプらしき細長い物体が垂直に通い、その鉄パイプに接続された手錠に友希那は確保されていた。

「な、なによこれっ……」

 友希那は硬い声を漏らしていた。顔面が切迫し皮膚が硬かった。あまりにも非現実的な状況だったので、大げさに叫んだり絶望することさえなかった。冷静に状況を視ているものの全てが荒唐無稽で理解が追いつかず、とにかく友希那は両手を振るってみた。しかし手錠は堅牢だった。外見だけのオモチャの類ではない正真正銘の本物だった。次に友希那は立ち上がろうとした。しかし手首の位置が悪かった。頭のすぐ上に固定されているため、身体にとってその手首がむしろ邪魔な存在となり上手く立ち上がることができなかった。

 友希那は魚類のように裸体をくねくね震わせた。どれだけ抵抗しても手錠と鉄パイプが激突するカチャカチャという湿った金属音が鳴るだけだった。

(どうすれば……)

 友希那は力任せにどうにかすることを早々にやめた。すでに頭上の音が不快だった。何か嗤われているような気がする。とはいえこんな場所でただじいっとし続けるつもりにもなれなかった。場所がわからないため救助がくるのかどうかもわからない。ではどのように脱出するか、視えるわけもなく周囲に視線を配り、最後に前方をみつめた時に友希那は異質なものを視た。

 それは勘違いではなかった。視界の奥に何か揺らめく存在がある。揺らめく存在はゆったりとしているが確実な速度でこちらに近づいていた。

「……何?」

 視界の中に居物を視た友希那はざわついた。喉を引きつらせながら思わず声を出していた。(救助かもしれない)という安心感より(さらなる敵、あるいは自分をこんな拘束した犯人かもしれない)という危機感があった。友希那は目を凝らした。警戒心を湛えた眼力で前方を凝視した。臨戦態勢に突入していた。だがそういった身構える姿勢はたった脳内でのことだった。なぜなら友希那は今は拘束されている。立ち上がることさえままならない。そのため友希那は脳内でどうにか虚勢を張った。素肌がどれだけ分厚く強張り、表面にぶつぶつとした鳥肌が浮かび上がっても、喉元が凍え、腹の奥がひやりと重たく、けれど脳裡の奥の部分だけがカッと熱く浮き上がっていても、友希那はなんの緊急性もないような顔をした。

 じっと身構えているとやがて『それ』が出現した。

「な……」

 友希那は思わず喉を張った。声が飛び出ていた。『それ』は最初はただ周囲の薄闇が蠢いているだけのように友希那には視えていた。しかし一定の距離まで友希那に近づくと『それ』は唐突に闇をはらって姿を現した。上にかかった布を取り、隠された豪華景品が一気にあらわになるどこかのテレビのワンシーンに似た様相だった。友希那は狼狽えた。『それ』を前にして話しかけたり、自分の状況を説明しなかった。腕が不自由なため乳房や股間を隠すことができず、『それ』に視られていることについて羞恥心をあまり感じなかった。

 眼前、『それ』の正体は犬だった。

「ばうっ!」

 黒色の大型犬が友希那に向かって真っ直ぐ歩いてくる。のっそのっそと遅い歩みだった。友希那は犬のことをじいっと観察した。首輪はなかった。縦にも横にも大きな体躯はごつごつと筋張っており乾燥した大きな岩を思わせるが、足が動く度になめらかに隆起する背を視ると、そこに生き物らしい柔らかな印象を受けた。ポマードで撫で付けたような体毛は艶やかな光沢を帯び、身体が動く度にその光沢も揺らめいていた。(群れのリーダーなんだわ……)と友希那は直感した。(有能な群れの長なんだわっ……)と簡単に想像していた。この犬の背後に何百何千という部下あるいは息子あるいは舎弟の影が視えるような気がする。人間のように複雑な社会性を持たない代わりに、屈強な野生世界で生き延びたが故の図太い胆力が犬の身体には浮き出ていた。

「ぼうっ!」

 犬が吠えた。前に突き出すような声だった。友希那はたったそれだけで自らの肩幅がきゅっと縮まり、何かわからない腹部の不思議な位置が縮こまる体験をしていた。

 そして友希那は犬が近づいたことでその股間の部分に視線を配ることが可能になった。

 その『異物』について友希那はさらに本格的な恐怖心を据えることとなった。

「嘘……」

 勃起していた。

「ち、近づかないで!」

 友希那は喉を張った。それはほとんど反射的というか、本能が発する危険信号により突発的に声が飛び出ていた。しかし犬は止まらなかった。友希那の怒声など聞こえていないという様子で確実な歩みを続け、その体躯が狭く近づいてくる。竿を揺らしながら歩いてくる。四足歩行の間の部分でムクムク育つ陰茎は不気味な桃色を呈し、時おり威嚇のように友希那に向かって強張っている。

 その先端がどこを狙っているのか理解した時、友希那の背筋に一斉に悪寒が走った。

 その寒気はじんわりと背中一面の肌を重たく引きつらせ、友希那はドクンと大きく唸り上げる鼓動を意識した。

「こ、こないで、やめてっ……!」

 震えた声が響いた。それは虚勢など込められていないひ弱な声だった。体温が急激に低下しているが脈拍だけが逆らうように向上した。友希那はさらに焦った様子で「やめて……」と怒鳴り、「待って……!」と絶叫した。もちろんその声に芯は通っていなかった。けれどどうにか犬を追いはらいたかった。

 友希那は犬のことを睨みながら手首を動かした。両手を引き絞り、腰を吊り上げて犬から遠ざかろうとした。しかし友希那の身体は少しも動かなかった。ただカチャカチャという湿った金属音が頭上で嘲笑しているかのように連続するだけだった。全身の肌が狭まり、内側の肉が引き締まった。そのうち何か下腹部の位置に膨れ上がる違和感が広がり、友希那はそれを我慢することができなかった。

「ああぁっ……」

 消えてゆく友希那の声に合わせてシャーッ、という音がした。鋭いが少しくぐもった音だった。音に合わせて友希那を中心に地面に異変が起きた。黄色い透明な円、まるで花が咲き乱れてゆくようにじっとりと広がるそれはすぐさま薄らと湯気を立ち上げ、周囲に異質な香ばしさを散布した。

 それは友希那の尿だった。

「ああ、んんっ……」

 自らの膀胱から溶けるように流れてゆく尿を友希那は止めることなどできなかった。

 失禁してしまっている。緩やかに広がる黄色い液体はすぐに犬の足元にまで到達し、犬はすかさず足を止め、首を前方向に垂らした。黒光りする鼻頭が友希那が生み出した黄色い水面のすぐ上にまで伸びて止まった。次にクンクンという素早い音が立て続けに響いた。犬が友希那の尿を嗅いでいる音だった。

「やめて……」

 友希那は否定的に声を漏らした。何か平然とした様子で排泄物のにおいを確かめている犬に対し強烈な羞恥心を意識していた。犬はその友希那の声を命令だと勘違いしたかのように素早く舌を繰り出して、友希那の尿をベロンと一回舐め取った。

 友希那の尿を舐めた犬は顔を上げて友希那のことを視た。

 友希那もまた犬の目を視ていた。

 重油のような重たい質感だった。そのどす黒い眼球の中に友希那の姿が映っている。汗ばんだ裸体の上に薄紫色の長髪が歪みながら貼り付いている。目元は険しかった。何か、この数分で何十年も歳を取ったような様相だった。

 それから犬が「ぼううっ!」と叫ぶのと友希那が「きゃあっ!?」と悲鳴を上げるのが同時だった。

 金属同士の激突する湿った音が少し続き、犬はついに友希那の眼前にその鼻先を伸ばした。犬はその場で停止した。友希那はその場から動くことがほぼできないため、犬の顔面をかなりの至近距離でみつめることになった。自分を脅かし、失禁した尿まで嗅いだ変態気質の犬だった。そんな犬はほぼ無表情のまま友希那の前で停止しているが、瞳はどこか品定めをしているように視えた。

「な、なによ……」

 友希那がそのように毒づいた次の瞬間、友希那は犬の黒ずんだ口の奥から赤い舌が伸びるのを視た。

 次に友希那が感じたのは『温かさ』だった。左頬が下方向から拭われている。頬肉を押し退けるようなその乱雑なひと筆はもちろん犬によるものだった。舐め上げられた。犬は無造作に友希那の頬を一度だけ舌で舐め、それを合図にするみたいに今度は友希那を押し倒した。

「いやっ、やだっ、やめて!」

 犬は友希那に覆い被さるようにしたまま離れなかった。組み伏せられている。犬はいつの間にか友希那の足と足の間に身体を滑り込ませ、股間を友希那のそれに押し込んだ。膣の入り口、その少し上の位置に犬の大きな肉棒が乗り上げて、友希那はその熱気を感じていた。皮膚のすぐ下に熱烈な血脈が激しく通うことが一瞬で理解できた。犬は前足を友希那の太腿の上に乗せた。そのまま左右から臀部をそれらしく包み込んだ。両手の自由を失っている友希那には、女体の表面にのさばる魑魅魍魎の類を蹴飛ばすこともできず、ただささやかな抵抗として鉄パイプに手錠を打ち付けてカンカンと鳴らすだけだった。しかしそんなもので犬がどうにかなるわけがなかった。この犬は知っている。この場で、こうして不自由に過ごす雌は自分に反撃してこない、自分から逃れることもできないことを知っている。この犬は――。

「ひっ……!」

 この犬はヒトの雌との交尾をよく知っている。

 友希那は喉元を鷲掴みにされたような声を上げた。犬の身体が友希那に向かって倒れ込んでくる。前足が友希那の脇の下をこすれながら背中にまで軽く垂れていた。肉棒がついに狙いを定め、友希那の膜にその先端を乗り上げた。不快な熱だった。ただ皮膚に触れたのではない、粘膜同士が連結したことで通う熱は生き物としての垣根を越えた雄と雌の混ざり合いのことだった。そして友希那はこの目の前の、なんの精神的触れ合いもないただの犬についてひとつも許容していなかった。認めていなかった。そういった存在が今、不条理にも友希那の領域に踏み込んでさらに差し迫ろうとしている。

「やだっ、やだやだやだやだっ」

 最初は何かつっかえているみたいにぎこちなく入ってくるのだが一定の深さまで到達するとむしろ友希那の膣のほうが竿を招き入れるみたいに円滑に入り込んできた。

「やだっ、やめてっ、入ってこないでぇっ……!」

 潤った肉が竿の表面にこすれる柔らかい音が耳のすぐ近くで響いているような気がした。

「あああっ……!」

 それは埋めるといった具合だった。友希那の中心部分、ようやく自分を収めることができる領域をみつけたのでさっそく入り込んでみる、そういった気概と共に友希那は自分のあらゆる誠実さが破れてゆくことを意識した。見知らぬ犬によって破瓜を経験させられ、その肉棒による膣内拡張による激痛と喪失感が友希那の身体から力を溶かしていた。涙が滲む顔のすぐ横、左肩に向かって犬は自らの身体を伸ばしていた。顎先を肩口に乗せ、身体を完全に友希那に預けながらすぐさまパスパスという前後運動がはじまった。

「ううっ、やめて、こんなっ……」

 友希那の声色に涙の湿り気が滲んでいた。犬は動き続けていた。友希那の膣の入り口から奥深い部分まで、一気に何度も前後にゆさゆさ揺れてこすり当てていた。胎内ではぬるついた肉棒が引っ掻くように友希那の膣内を揺らし、こすれ合い、その摩擦の度に肉棒もまた巨大化していた。まるで言葉ではなく、態度で友希那の膣の具合を知らせているかのようにいちいち巨大化し、犬は時おりウウッ……、と呻いた。友希那はただ耐えるだけだった。身体を事実上手放し、開かれた股の部分で好き勝手に動き続ける犬のことを待っていた。それは何か妻のように思えた。仕事が遅い旦那のことを傘を持って駅で待つ。そんな大和なでしこ的な態度と、こんな理不尽極まりない行為が不思議に重なり、友希那は嫌嫌と頭を振るった。ウウッ……、と犬はまた呻いた。同時に腰の動きが加速した。それは何かなりふり構っていられない、といった切羽詰まった様子があった。友希那は目を見開いた。「まさかっ……」と尖った声を上げて股間を視た。気になるのは胎内だった。今まさに膣を内側から圧迫する肉棒が、急速に大きくなるだけではなく硬くなってゆく。それは今までの段階を含んだ少しずつの変化ではなかった。何かに急かされているかのように肉棒は友希那の内部で硬く育ち、それに呼応して犬の動きも加速していった。

「まって……」

 友希那はまた悲鳴を上げた。同時に犬の動きがさらに加速した。まるで友希那の『気づき』を誤魔化して、このまま終わらせようとしているみたいだった。

「やだ、それはっ、それは駄目よ、本当にっ……!」

 友希那は必死に叫んだ。また、あの金属同士の湿ったカチャカチャという音が鳴った。

 友希那は腹を反り上げて犬に視線を送った。引きつった点のような瞳が必死に訴えている。しかし犬は何もかもを無視して独走していた。雄としての終着点、頂とも呼べる射精まで一直線だった。

「だって、それは……」

 妊娠。

 という二文字が友希那の脳裡にすぐに浮かび上がった。それはどんな疑念や不安感より鮮明に浮き上がって友希那に対し強烈な威力を発揮した。犬からの胎内射精など未知の領域だった。射精されたとして、その後どうなるのかなんて見当もつかなかった。だた恐ろしかった。人間ですらない不快な存在に種付けをされてしまうなど、尊厳の汚辱では済まされないような気がした。

「止まって」

 それは人としての死のように思えた。

「止まって、止まって……」

 友希那は脳裡で(こんなところで終わるのか)と思った。瞬時に(終わるって何が?)と自問した。ゾクゾクと持ち上がる不思議な悪寒が続いている。友希那はすぐに(乙女としての終了)と自答し、(こんな知らない人ですらない動物に食い散らかされてしまう)と激しい脈拍を耳の裏に聞きながら想起した。(そんなの嫌……)とすぐに思い、友希那は実際に「嫌よ……」と口から声を垂らしていた。

「犬の子供なんて、そんなの、妊娠なんて、嫌っ……!」

 それが本心だった。

 どんな見栄も虚勢もない。ただこの犬のことが怖かった。やめてほしかった。近づかないでほしかった。そういう純度百パーセントの嫌悪感が友希那の身体に熱を与えた。鉄のような熱だった。友希那は自らに覆い被さる犬を凝視し、乱雑に手首を振り回した。手錠に捕まれた手首がのたうち、金属の湿った音が周囲に乱雑に響き続けた。「やめて! やめて!」と何度も絶叫した。「出さないでっ!」と悲鳴を上げた。

 しかし犬は止まらなかった。

 犬などに人の言葉がわかるわけがなかった。何か人を考慮するわけがなかった。犬は犬だった。犬は犬でしかなかった。雄の犬は溜まった性欲を雌で発散するしかなかった。それだけだった。犬としての常識がそういうものであり、それが正しさだった。

 そして友希那とはそんな犬の常識に巻き込まれたヒトでしかなかった。

「いや、妊娠なんてっ、犬なんてっ……」

 友希那は犬に対しどこか(犬のくせに……)と見下していた。「犬のくせに」と口にしたが、そんな態度がむしろ今、その犬に股を割られて入り込まれている状況の敗北感を強調しているように思えた。蹂躙だった。犬なんて人とは全く別種の存在だった。噛み合うことなどあり得ない相手だった。しかし友希那は今その犬と組み合わさって、まるで恋人みたいに身体を寄せ合っていた。

「そんなっ、そんなあっ……!」

 膣はそれが犬であろうと関係なく相手している。女性としての機能は正常に働いてしまっている。友希那は最後まで手首を振り乱していた。カチャカチャという湿った金属音が続いていた。けれどもう負けだった。股を渡すしかなかった。友希那には成す術がなかった。犬の前後運動がピタリと停止した。

「うううっ……」

 奥底から唐突に重たい流動するものが噴き荒れ、友希那は溺れるような感覚に包まれた。あらゆる憎悪も拒絶も全てまとめて押し流されていた。

 友希那は犬が痙攣していることを肌で感じていた。熱のある痙攣だった。奥まで差し込まれた陰茎はより膨らみを持って熱を放ち、友希那の内部にいくつか種を放出していた。それらは友希那の身体のあらゆる障壁をぬるりと通過して友希那の卵の部分まで飛び散った。

 友希那は息を吐いた。下腹部にブリュリュと凝縮する濁ったものたちの、その重量から逃れるような吐息だった。吐息は白く、薄らもうもうと立ち昇り、そんなものが犬に対する降伏の白旗のように視えた。犬が顔を持ち上げた。友希那は至近距離で、その瞳の中に映る自分のことを視た。荒れ果てた顔面にはどんな感情も灯っていなかったが、そんなことにさえ友希那は何も感じなかった。犬の食いしばった口の奥から、にゅるりと鮮やかな舌が伸びてきた。

 犬は友希那の頬を慰めるみたいに舐め上げた。友希那は身体を反らして犬の舌先から逃れた。その時、弱弱しい金属音がカチャリと少し鳴った。

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