※この作品はR-18です。

冒険者はつらいよ 冒険者歴10年選手の日常とエロス   作:みなぽん

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英雄になれなかった冒険者たちの、静かで確かな物語。そして性的営みの物語
ゴブリン退治、護衛、雑用――剣を振るう理由は名誉でも栄光でもない。十年を生き延びた冒険者アル ディーンは、積み重ねた経験と仲間との信頼だけを武器に、今日も危険な日常へ踏み出す。清楚な魔法騎士ミレーヌ、冷静な弓使いセルシア、優しき聖導女メイベル。派手なチートも奇跡もないが、知恵と連携、そして覚悟が命をつなぐ。酒とパンを分け合う夜、戦場で交わす無言の合図――名もなき仕事の先にあるのは、人として生きる重みと、隣に立つ誰かの温もり。冒険者の“リアル”を描く、重厚なヒューマンドラマと見せかけての濃厚エロ小説。


ゴブリン退治の帰りに、魔法騎士が少しだけ距離を詰めてくる件

険を冒す者と書いて冒険者と読む。つまりは、危険なことや困難なことを蛮勇を持って押し進め成し遂げるもののことだ。

そういえば聞こえばいいが、実際、冒険者の仕事はそんなに良いものじゃない。そこにはドラゴンを退治する英雄譚もなければ、

亡国の姫君を救うロマンスもない。家畜を狙う危険な魔物の駆除、キャラバンの護衛、街で発生する雑用、そんなものが日常の仕事だ。

そして食い詰めれば戦争に傭兵として参加して人殺しや、ならず者の手下、女として商品価値があれば春を売るなどなどこの稼業がおよそろくでもないものだということはわかってくれるだろう。

しかし、若者と書いて馬鹿者と読むがなぜか? この職業には馬鹿者を惹きつける魅力があるようだ。

農夫として死ぬまで小さな畑にしがみついて生きるより。漁師として釣り船に揺られて生きるより、鍛冶屋として鉄を打って生きるより、

何が起こるかわからない。不確か言うへの魅力があるのだろう。

人はそれを自由と呼び、そして多くの場合、代償を見ないふりをする。

 

自由とは、選択肢があるということだ。

だが冒険者に与えられる選択肢とは、だいたいが「より悪くない方を選べ」という類のものに過ぎない。

報酬の安い依頼か、死ぬ確率の高い依頼か。

評判の悪い領主に雇われるか、支払いを踏み倒す商人に雇われるか。

それでも彼らは、選ぶことができるという事実に、奇妙な誇りを抱く。

 

朝、宿の硬い寝台から起き上がり、安酒で口を湿らせ、掲示板の前に立つ。

そこに貼られた羊皮紙一枚一枚が、今日を生き延びられるかどうかの分岐点だ。

剣を抜けば血が出る。魔法を使えば命が削れる。

それでも依頼書の端をつまみ上げる指は、いつも少しだけ震えている。

 

彼らは理解しているのだ。

自分たちが英雄ではないことを。

物語の主役ではなく、世界の片隅で消費される存在であることを。

 

それでも――

畑に杭を打つ人生より、海図のない航海より、炉の前で老いていく未来より、

「明日、生きているかわからない」という不確かさを、あえて選ぶ。

 

なぜか。

 

それは、冒険者だけが知っている瞬間があるからだ。

剣を振り下ろした刹那、魔物が倒れ、静寂が戻るあの一瞬。

護衛したキャラバンが無事に門をくぐり、商人が深く頭を下げる瞬間。

名もなき仕事を終え、誰にも語られず、記録にも残らない達成感。

 

その一瞬のために、彼らはまた危険へ足を踏み出す。

 

冒険者とは、夢を見る職業ではない。

希望にすがる職業でもない。

ただ、自分の足で立ち、自分の選択で生き、自分の責任で死ぬことを許された者たちだ。

 

自由とは、そういうものだ。

そしてその自由は、いつだって血と泥と後悔の匂いがする。

 

それでも馬鹿者たちは今日も剣を担ぐ。

明日を知らぬまま、冒険者として生きるために。

 

⭐️ゴブリン

秋の草原に牛たちを放ちながら、エリスは大きく深呼吸をした。広がる青い空に浮かぶ雲が羊の群れのように見える。のどかな昼下がり、この牧草地で牛に夕方まで草を食ませて帰るのが彼女の仕事だ。清水で沸かしたハーブティーを飲みながら、彼女はしばし心地よい風を感じていた。しかし突然その風に生臭い匂いが混ざる、秋の丈の伸びた牧草の間に緑色の体が見え隠れする。

彼女の表情が青ざめた。

この世界に暮らすものであれば知らないものがいない恐怖の存在。それはゴブリンだ。

身長120センチほどだが、それなりに腕力もあり、家畜や人を襲う存在だ。ことに彼らにメスは無く人間の女性をさらって孕み袋として使うことが知られている。

〔すぐに逃げなきゃ、)彼女は震える足で静かに走り出した。「クキャアアアアア」背後でゴブリンの叫び声聞こえる。襲われる。牛の断末魔の叫びも響く。そしていくつかの足跡は着実に彼女を追ってきた。

「くそっ……!」

エリスは唇を噛んだ。脚は震えている

(どうしよう……昨日だって隣町で『街道沿いでゴブリンが出た』って噂があったばかりなのに……)

秋風が耳元でささやく。

「逃げろ」「諦めるな」と囁いているのか、「もう手遅れだ」と嘲っているのか。

突然、左足首に鈍い痛みが走った。

草に隠れていた木の根につまずいたのだ。

前のめりに倒れた瞬間──背後に迫るゴブリンの鼻息が聞こえた。

(終わった……)

心臓が凍りつく。目を閉じた刹那、

ゴブリンの手が彼女のお気に入りのセーターを引き裂いていた。すぐに4匹ほどのゴブリンが寄ってたって、彼女は裸に剥く、未成熟な体がゴブリンの前にさらされた。

「いやぁ、、お願い、来ないで、、」

ゴブリン達はそれぞれの武器を舐めまわしながら、エリスの周囲をゆっくりと歩き回る。粗末な石斧を持つ者。錆びた鉄の短剣を持つ者。骨の棍棒を持つ者。そして彼ら全員が口から獣のような涎を垂らしていた。

「やめて……お願い……助けて……」

声がかすれる。涙が止まらない。それでもゴブリンたちは彼女の怯える様子を見て楽しんでいるようだった。

「キャッハハ! 」「クキャアアアアア…」

ゴブリンがエリスの顎を掴んで強引に持ち上げた。

 

 

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「ひっ!? やめて! 触らないで!!」ゴブリンの悪臭を放つ舌が彼女の唇を奪う。そして別の2匹のゴブリンは、彼女が小さな乳房にしゃぶりついた。さらに残りの2匹は彼女の下半身に食らいついた。足の指を、足の裏を、腿を、太ももを、、舐めていく。

エリスは全身の毛穴が総毛立つのを感じた。彼女の幼い身体はゴブリンの性欲を受け止めきれず、ただ震えることしかできなかった。

「いやあああああっ!!」

彼女の悲鳴が夜の闇に吸い込まれていく。

必死に細い足をバタバタとさせるが、ゴブリンに押さえつけられて敏感な割れ目に1匹のゴブリンが顔を埋めた。長い舌が彼女の膣内にまで侵入してくる。ねっとりとした粘液が割れ目の中の浅い所に塗り込められる、そして2匹のゴブリンは彼女の肛門にも唾液をたっぷり塗りつけた。ゴブリンの熱い吐息がエリスの可憐な割れ目にかかる。

「うっ……んっ……やめてっ……やめてぇ……」

抵抗する力もなく、ゴブリンにされるがままに抱えられてしまう。

ゴブリンの下が敏感な部分を舐めるたびに彼女の細い体がびくびくと震えた。

(誰か……助けて……)

彼女の願いは虚しく消えていった。

「いやああっ!!!」

エリスの悲痛な叫びが森にこだまする。ゴブリンは容赦なく彼女の幼い身体を弄んだ。ゴブリンの口に含まれた陰核がピクピクと反応してしまう。

「うそ……なんで……こんなときに……」

絶望的な状況の中で、自分の肉体がゴブリンに反応していることに気づいたエリスは涙を流した。

ゴブリンの体液には、強い催淫作用があることは冒険者であれb誰もが知るところではあるが一般人の彼女は知る由もない。

(こんなのおかしい……わたし嫌なのに……どうして……)

ゴブリンはそんなエリスの表情を見て楽しそうに笑うと、いよいよ彼女の秘部へと狙いを定めた。

それは凶悪にいきり立っていた。まるで肉の槍で処刑される妖精のようだ。

「いや……やめて……それだけは……やめて……お願い……許して……」

必死に懇願するもゴブリンには通じない。むしろ余計に興奮させてしまったようで、激しく腰を振り始めた。

「痛いっ! 痛いよぉっ!! お願いだから抜いてぇっ!!」

泣き叫ぶエリスに対して他の3匹はエリスの口にそれぞれの肉棒を押し込んでいく、彼女の口の中に苦い味が広がる。喉の奥まで突かれ嗚咽が漏れる。鼻水と涙に濡れた顔にゴブリンはさらに興奮したようだ。お尻の穴にもゴブリンの肉棒が押し付けられる。「クキャアアアアア」ゴブリンは尻尾をピンと立てると一気に挿入してきた。エリスの小さな体に巨大な肉棒が入ってくる感覚は筆舌しがたいものがあった。

ゴブリンは獣のように唸り声を上げてピストン運動を始める。

あまりの激しさに意識が飛びそうになるが、その度に新しい痛みによって呼び戻される羽目になった。

(お願い……早く終わって……)

彼女は心の中で祈り続けた。その間にもゴブリンの抽送は続き、やがて限界を迎えたのか大量の精液が放出された。それと同時に彼女自身も達してしまったようで頭が真っ白になった。

ドビュッドビュッ、ビュービュー、それは口や膣に何度となく流し込まれた。

ゴブリンは満足げに笑うとエリスから離れた。体中の穴という穴からゴブリンの精液が溢れ出ている。

「うっ……うぅ……」

涙を流しながら泣きじゃくる少女に対しゴブリン達は次の準備に取り掛かる。

効率よく欲望を果たすための準備だ。

まずはエリスの両手両足を縛り付ける。

次に彼女の股を大きく開かせるとその間に陣取った。

そして再び勃起した剛直を取り出すと一気に挿入した。

先程よりも大きいのかより強い圧迫感を覚える。

しかしそんなことを考えている余裕もないくらい激しく犯されていく。

パンッパァンという肌同士がぶつかり合う音が響く中で彼女は何度も絶頂を迎えさせられた。

それでもなお容赦ない責めは続き遂には失神してしまう。

最後の一滴まで注ぎ込んだ後ようやく解放されるとそのまま地面に投げ捨てられた。

辺りには血と汗と愛液が入り混じった異臭が立ち込めておりとてもじゃないが正視できない惨状となっていた。

そんな中エリスは虚ろな目で空を見上げることしかできなかった。

 

やがて、彼女は、戦利品の牛たちとともに、ゴブリンの洞窟へと連れて行かれた。

暗い洞窟の奥には、彼女の他に2人ほどの女性がいた。何匹ものゴブリンが、洞窟内により、1人の女性の上で、弾むように腰を振っていた。もう1人の女性は、臨月の状態で腹がふくれて狂ったような目でへらへらと笑っている。

「クキャアア……」

エリスの周りに、ゴブリンが集まってきた。ゴブリンの股間から立ち上がるものが明確に彼らの意思を示していた。

そして彼女は両手、両足を押さえつけられて、彼女の膣にゴブリンのそれが押し付けられていた。(嫌、こんなの嫌だよ……)エリスは目を固くつぶった。しかし次の瞬間激痛が走り思わず目を開けてしまう。

見るとそこには醜悪な肉塊があった。

ゴブリンの巨根が無理やりねじ込まれてくるのだ。「ぐぅ……痛いぃぃいっ!!!」

苦痛に悶える彼女を見て更に興奮したのか勢いよく腰を打ち付けてくる。

その衝撃により内臓が潰されるような感覚に襲われたが構うことなく何度も何度も突き上げられる。

あまりの痛みに歯を食いしばって耐えるしかなかった。

(お願い、やめて……これ以上酷いことしないで…赤ちゃんできちゃう…)そんな思いも虚しく、彼女の子宮の中に、ゴブリンのものがドビュッドビュッと容赦なく吐き出された!

(熱いのがたくさん出てる……ダメぇ……孕んじゃうよぉ……)エリスは涙を流しながら懇願するがゴブリンはそんなことはお構いなしに動き続ける。

そのうち、数匹のゴブリンは、エリスのお尻の穴と、乳首を責め始めた。「嫌ぁ! そこは汚いところだから触らないで!」

ゴブリンは聞く耳を持たない。無遠慮に指を入れてくる。

グチュリと音を立てて指が入っていく感覚に鳥肌が立つ思いだ。

「いやぁっ! 抜いてよぉ……」

泣きじゃくるエリスに対してさらに刺激を与えようと乳首を摘まんで引っ張ったり捏ねくり回したりしてくる。同時に後ろでも同じ行為が行われているのが分かる。

ゴブリンはエリスを前後の穴を使って彼女を犯していく。ゴブリンの精液がたっぷりと注入された子宮には新たな命が宿ったかもしれない。

その可能性を考えると恐ろしくなるが今は考える余裕など無かった。

「あぁ……あ…だめ……死んじゃう……」

虚ろな表情で呟くしか出来なかった。

「はぁっ……はぁっ……あぁ……」

エリスは荒い息を吐いていた。ようやく終わったと思ったがまだ終わりではなかったようだ。

また次のゴブリンがやってきた。

今度は仰向けに寝かせて正常位で挿入してきた。

そしてこれまでと同じように激しく動いてくる。「あっ! あんっ! やめてっ!」

快楽を得ているわけではないのに感じてしまっている自分が情けなくて仕方がなかった。

(ああ……また中に出されちゃうの……)ゴブリンはペニスを深く打ち付けると精液を吐き出した! 彼女は激しく痙攣し絶頂を迎えた。「はぁ……はぁ……はぁ……」

肩で息をしているとすぐに次の相手が現れる。

また四つん這いにさせられてバックから挿入された。

後ろからの激しいピストン運動に合わせて胸が揺れている。

その光景を見て興奮したのかさらに速度を上げていった。

しばらくすると子宮口に亀頭を押し当てて射精した!ドクンドクンと脈打つ肉棒に合わせて熱い液体が注ぎ込まれてくるのが分かった。

その後も様々な体位で犯され続けたが一向に終わりが見えない。

彼女は完全に快楽に溺れてしまい自分から腰を振るようになっていた。

(気持ちいいよぉ……もっと欲しい……もっとちょうだい……)完全に堕ちてしまったエリスの姿を見てゴブリン達は嗤った。

 

⭐️酪農家の依頼でゴブリン退治 冒険者 アル ディーン視点

冒険者と呼ばれるようになって俺もかれこれ10年を越えた。パーティーと呼ばれる気の合う仲間もできた。「アル!右側の丘の方からゴブリンの魔気がする!」魔法騎士ミレーヌ=エルフェンリート、純白の髪の清楚系魔法騎士がいう。雪族の彼女は一見すると清楚で優しい常識人だが愛刀雪月花から放つ剣技は凄まじく俺と一緒に前衛を守る相棒だ。

 

 

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「了解。数は――三、いや四体か」

 

俺はそう答えながら、背中の剣の柄に手をかけた。

牧草地を抜ける風が、生乾きの獣臭と、ゴブリン特有の淀んだ魔気を運んでくる。

十年も冒険者をやっていれば、こういう気配には嫌でも鼻が利くようになる。

 

「正面は私が抑えるわ。アルは左をお願い」

 

ミレーヌはそう言うと、ためらいなく一歩前へ出た。

純白の髪が揺れ、細身の体躯からは想像できないほどの殺気がにじむ。

愛刀《雪月花》が、鞘から抜かれた瞬間、周囲の空気がひやりと冷えた。

 

丘の陰から、緑色の小柄な影が姿を現す。

ゴブリンだ。

錆びた槍に、汚れきった革鎧。家畜の血か、よだれか、どちらともつかぬものを垂らしながら、ぎゃあぎゃあと喚いている。

 

「――来るぞ」

 

最初に飛び出してきた一体を、俺は正面から迎え撃った。

剣と槍がぶつかり、乾いた音が牧草地に響く。

力任せの突きは読みやすい。半身でかわし、胴に一閃。

血が噴き、ゴブリンは地面に転がった。

 

同時に、右側で氷のような閃光が走る。

ミレーヌの剣だ。

踏み込みからの斜め斬り。剣先が通った後、わずかに遅れて赤い線が走り、ゴブリンの身体が崩れ落ちる。

 

「二体目、沈めたわ」

 

その声は落ち着いている。

戦場において、彼女は感情を切り離す。雪族の気質なのか、それとも十年分の経験か。

 

残りのゴブリンは、仲間が瞬時に倒されたことで怯み、しかし逃げる判断もできずに突っ込んできた。

一体は俺が引き受け、もう一体はミレーヌが間合いに誘い込む。

 

「アル、少し下がって!」

 

合図と同時に、彼女が短い詠唱を紡ぐ。

剣に氷霊の魔力が宿り、刃が白く輝いた。

 

「――《氷刃・霜華》」

 

振り抜かれた一撃が、ゴブリンの身体を斬り裂くと同時に凍りつかせる。

砕ける音とともに、最後の一体は氷片となって散った。

 

静寂が戻る。

残ったのは、血の匂いと、踏み荒らされた牧草だけだ。

 

俺は剣を拭いながら、ため息をつく。

「……これで依頼は完了だな。英雄譚にはならんが」

 

ミレーヌは剣を鞘に収め、少しだけ柔らかく微笑んだ。

「でも、酪農家の家族は安心して眠れるわ。それで十分でしょう?」

 

そうだ。

ドラゴンも姫君も出てこない。

ただ、牛を守るためにゴブリンを斬る。

それが、俺たち冒険者の日常だ。

 

翌朝、まだ霧の残る草地に、昨日の戦いの痕跡ははっきりと残っていた。

血の染み、乱れた足跡、引きずられた何かの跡。――洞窟へ続く、下手な道しるべだ。

 

「数は増えてるわね」

 

ミレーヌが足元を見て言う。

その声は落ち着いているが、剣に手を添える癖は戦場のそれだ。

 

「巣だ。昨日のは外れで狩ってた連中だろう」

 

俺がそう答えると、背後で小さく弦の鳴る音がした。

 

「風向きは洞窟の奥から。臭いも強いわ」

 

振り向けば、セルシア=ミストラルが短弓を肩に担いで立っている。

銀の髪に、氷のように澄んだ瞳。小柄な体躯だが、視線は獲物を射抜く狩人のそれだった。

 

 

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「罠もありそうです……気をつけてくださいね」

 

そう言って微笑んだのは、金髪のメイベル・リングベル。

聖印の刻まれた杖を抱え、柔らかな雰囲気を纏っているが、彼女がいるだけで背中に安心が宿る。

昨日牧場の北側を守っていた彼女たちも何匹かのゴブリンを倒していた。

 

 

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いよいよ反撃の時だ

洞窟は低く、湿っていた。

天井から滴る水音が、妙に大きく響く。

 

「前衛、私とアル。

 セルシアは後方支援、メイベルは中央」

 

ミレーヌが短く指示を出す。

誰も異論はない。十年選手の判断だ。

 

最初の罠は、落とし穴だった。

だがセルシアが土のわずかな盛り上がりを見逃さなかった。

 

「ここ、踏まないで」

 

小声で告げ、壁沿いに安全な道を示す。

冒険者の知恵とは、こういう積み重ねだ。

 

最初の交戦は、洞窟の分岐点だった。

物音に気づいたゴブリン三体が、錆びた刃物を振り回して突っ込んでくる。

 

「――来るわよ!」

 

ミレーヌが踏み込み、俺も並ぶ。

狭い通路では数は活かせない。

 

一体を盾で弾き、喉元へ突き。

同時に、背後から矢が一閃――セルシアの矢が二体目の眉間を射抜いた。

 

「《小癒し》」

 

メイベルの祈りが、掠り傷を即座に塞ぐ。

戦いの流れが途切れない。

 

洞窟の奥へ進むほど、ゴブリンの数は増え、残忍さも増していった。

鎖に縛られた人間の骨、血に染みた岩。

そしておそらく、洞窟の奥には、ハラミ袋にするために、さらわれた、女たちもいることだろう。

ゴブリンの洞窟は常に悍ましい光景に満ちている。

こいつらは、ただ生きるためではなく、楽しんで殺す。

「……許せないわね」

ミレーヌの声が、冷える。

雪月花に宿る魔力が、淡く白く輝いた。

 

広い空洞に出た瞬間、待ち伏せが来た。

上から石、前から突撃、横から投げ槍。

 

「散開!」

 

俺の声に、全員が即座に動く。

 

セルシアは転がりながら矢を放ち、

メイベルは杖を掲げる。

 

「《聖壁》!」

 

淡い光の障壁が広がり、投げ槍を弾く。

 

ミレーヌは一気に距離を詰め、剣を振るった。

斬撃と同時に氷が走り、ゴブリンの足元を凍らせる。

 

「今!」

 

俺が踏み込み、凍りついた連中を薙ぎ払う。

勇気とは、恐怖の中で一歩前に出ることだ。

 

最後に残ったのは、洞窟最奥に陣取る“リーダー”だった。

体格は他より一回り大きく、骨飾りと魔力を帯びた棍棒を持つ。

 

「……あれが頭ね」

 

ミレーヌが低く言う。

 

「魔力、強いわ。注意して」

 

セルシアの警告と同時に、リーダーが咆哮した。

洞窟が震え、仲間を失った怒りが形になる。

 

正面からは危険だ。

俺は視線で合図を送り、ミレーヌがわずかに頷く。

 

セルシアの矢が注意を引き、

メイベルの聖光が視界を奪う。

 

その隙に――

 

「――《雪月・断》!」

 

ミレーヌが全力で踏み込み、剣を振り抜いた。

氷と刃が交差し、リーダーの胴を深く裂く。

 

だが、まだ倒れない。

棍棒が振り上げられる。

 

「アル!」

 

呼ばれるより早く、俺は飛び込んでいた。

盾で受け、衝撃に歯を食いしばる。

 

「《聖導・裁き》!」

 

メイベルの祈りが、最後の一撃を後押しする。

 

俺の剣が、喉元を貫いた。

 

ゴブリンのリーダーは、短い悲鳴を上げて崩れ落ちた。

 

静寂。

洞窟に残るのは、俺たちの荒い息遣いだけ。

 

「……終わったわね」

 

ミレーヌが剣を下ろす。

その横顔には、安堵と、わずかな疲労。

 

セルシアは矢筒を確かめ、

メイベルは小さく祈りを捧げた。

 

英雄譚にはならない。

だが、酪農家の牛は守られ、街は今夜も眠れる。

 

それでいい。

それが、冒険者の仕事なのだから。

 

 

「報酬はチーズと銀貨だったな。今夜は久しぶりに、まともな飯が食えそうだ」

 

「ふふ、それは楽しみね。アル」

 

そう言って歩き出す彼女の背中を見ながら、俺は思う。

これでいい。

名も残らず、誰にも称えられなくても、生き延びて、仲間と飯を食える。

 

それだけで、冒険者稼業としては上出来なのだから。

 

銀貨を四人で8枚ずつ、合計32枚、手のひらで数えて分けた。

決して大きな報酬とは言えないが、酪農家としては精一杯のものだった。

指に残る金属の冷たさは、今日も生き延びた証拠みたいなものだ。

 

「じゃあ、いつものところ寄っていきましょうか」

 

ミレーヌがそう言って、フードを深くかぶる。

夕暮れの街道を歩き、石畳の角を曲がった先に、行きつけの店がある。

 

ポルコの店は、相変わらず油と香草とワインの匂いが混ざった、落ち着く場所だった。

豚獣人の店主は俺たちの顔を見るなり、何も言わずに赤ワインの瓶を一本、黒パンと辛めの干し肉を包んで差し出す。

 

「…ようアル ディーン …今日はゴブリンか」

 

「相変わらずだよ」

 

それだけのやり取りで十分だった。

冒険者なんて、説明するほどの身分じゃない。

 

借家は街の外れ、壁にヒビの入った古い建物だ。

二部屋と小さな台所だけの、安いが静かな場所。

ミレーヌは、もう当たり前のように鍵の音を聞いて中に入ってきた。

 

卓にワインを置き、パンをちぎり、チーズを切る。

火も焚かない、飾り気もない夕食だ。

 

「今日のゴブリン、妙に餓えてたわね」

 

ミレーヌがワインを注ぎながら言う。

その仕草は、戦場での冷たさとは別人みたいに柔らかい。

 

「最近、北の森が荒れてるらしい。群れ同士で食い合ってるって話も聞いた」

 

「……そういう歪み、いつも最初に被るのは弱い人たちね」

 

パンを口に運びながら、彼女は少し眉を曇らせた。

清楚で常識人。確かにそうだ。

だが、世界の不条理に対して諦めていないところが、彼女らしい。

 

「アルは、どう思う?

 この稼業」

 

不意に、視線がこちらに向く。

火のない部屋で、白い髪がほのかに赤く染まって見えた。

 

「どうって……まあ、ろくでもないな。

 明日死ぬかもしれないし、老後も保証されてない」

 

「それでも、辞めない」

 

「ああ」

 

即答すると、ミレーヌは少しだけ微笑った。

 

「……やっぱり」

 

ワインを一口飲み、間を置いてから続ける。

 

「私ね。

 雪族の村にいた頃、全部決められてたの。

 誰と結婚して、どこで暮らして、どんなふうに年を取るか」

 

チーズをつまむ指が、わずかに止まる。

 

「でも、冒険者になってからは違う。

 危険だけど……自分で選べる。

 隣に誰が立つかも」

 

その言葉の最後が、ほんの少しだけ弱くなる。

視線が一瞬、俺の手元に落ちた。

 

「俺は……前衛が信頼できないと眠れない性分でな」

 

冗談めかして言うと、彼女はくすっと笑った。

 

「それ、告白?」

 

「違う違う。ただの愚痴だ」

 

そう言いながらも、胸の奥がざわつく。

十年も組んでいれば、気づかないわけがない。

戦場で、宿で、こうして二人で酒を飲む夜で――

彼女の距離が、少しずつ近いことに。

 

「アル」

 

名前を呼ばれる。

それだけで、妙に真剣な響きになる。

 

「もし……もし、明日、どちらかが戻らなかったら」

 

「縁起でもないな」

 

「冒険者らしい話よ」

 

彼女はそう言って、俺の杯にワインを足した。

 

「そのときは……

 ちゃんと、隣にいたことを覚えていてほしい」

 

それは誓いでも、告白でもない。

ただの事実確認みたいな言葉だった。

 

「……ああ。忘れるわけないだろ」

 

短く答えると、ミレーヌは安心したように息を吐いた。

それ以上、何も言わない。

冒険者同士には、それで十分だった。

 

ワインの量が減り、夜が深くなる。

剣も鎧も置いた、ほんの短い休息。

 

明日もまた、英雄にならない仕事が待っている。

だが今夜は、確かに――

俺の隣には、彼女がいる。

 

月明かりの下で見る彼女の髪は光の筋のようだ。

 

俺は無言で彼女の肩を抱いた。彼女はびくっと小さく震えたが抵抗する事はなかった。

そして俺は彼女の細い体を抱いて唇を重ねる。彼女に拒絶の意思があれば、俺の顔面を思いっきり殴ることだろう。しかし俺は彼女の瞳の奥に女の情念を見ていた。おそらく彼女も俺の瞳の奥に男の情念を見ていたことだろう。

 

 

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薄暗い部屋に灯るランプの炎が、ミレーヌの白い肌を柔らかく照らしていた。彼女は窓際に佇み、星空を見上げている。風がカーテンを揺らし、彼女の銀糸のような髪が静かに舞う。その儚い姿に俺は胸が締めつけられる思いがした。

「星が綺麗だな」

ミレーヌが振り返った。彼女の眼差しには微かな不安と期待が混じっている。

「怖いか?」

問いに彼女は小さく首を振る。白い指先が自分の腕を握りしめた。雪族の血を引く彼女の肌は透き通りそうなほど繊細で、冒険者とは思えないほど滑らかだ。

「ただ……初めてだから」

俺は苦笑した。彼女にとっても自分にとっても、互いが特別な存在であることは明白だった。十年もの間生死を共にしてきた相棒が恋人に変わる瞬間——それはまるで夜空の星々が地上に落ちてきたような奇跡に思えた。

「俺も緊張してる」

俺が素直に認めると、ミレーヌはくすりと笑った。その笑みは普段の凛とした表情とは違い、少女のようにあどけない。俺は思わずその頬に触れた。

「温かい」

彼女の言葉に導かれるように、二人の距離は自然と縮まった。

ベッドの端に座るミレーヌの隣に俺が腰掛けた。二人の体温がわずかに重なり合うだけで空気が変わる。俺は大きな掌で彼女の背中を撫でた。鎧に覆われていた部分さえも筋肉がしなやかに覆っている。それでも女性特有の丸みがあり、触れれば壊れそうなか弱さを感じた。

「無理しなくていい」

俺の声にミレーヌは目を閉じる。長い睫毛が頬に影を落とす様はまるで月光に照らされた彫像のようだ。

「大丈夫」

その言葉と共に、彼女は俺の手を取った。小さな手が俺の節くれだった指を握りしめる。その感触に、俺は急に感情が込み上げてきた。

「好きだ」

今まで言えなかった言葉が、自然と口をついて出た。ミレーヌの瞳が大きく見開かれる。一瞬の驚きの後、彼女の唇が緩やかな弧を描いた。

「私も」

その言葉だけで十分だった。俺は彼女を抱き寄せた。二人の鼓動が重なり合い、時間が止まったような錯覚に陥る。彼女の吐息が俺の耳元をくすぐり、その甘美な感触に体が疼いた。

「優しくする」

俺の声は自分でも驚くほど優しかった。ミレーヌは黙って頷き、俺のシャツのボタンに細い指を伸ばした。一つ一つ丁寧に外していく様子に、彼女の慎重さと誠実さが表れている。

「寒くないか?」

シャツを脱いだ俺の問いに、ミレーヌは小さく首を振った。彼女の白い肌が露わになり、その美しさに俺は息を呑んだ。まるで新雪のように清らかで、冒険者とは思えないほど滑らかだ。

「綺麗だ」

思わず漏れた言葉に、ミレーヌは顔を赤らめた。その姿が余計に愛おしく、俺は彼女の頬に唇を寄せた。柔らかな感触が心地よく、俺の理性を少しずつ溶かしていく。

「私も……脱がせて」

ミレーヌの小さな願いに、俺は震える手で彼女の服に触れた。柔らかな布地を撫でながら、一つ一つ解いていく。彼女の肌があらわになるたびに、俺の胸は高鳴った。

「怖くないか?」

再度の問いに、ミレーヌは俺の胸に頬を寄せた。彼女の温もりが伝わり、俺の緊張も和らいでいく。

「あなたの鼓動……安心する」

その言葉に導かれるように、俺は彼女をベッドに横たえた。優しく髪を撫で、額にキスを落とす。彼女の体が微かに震えているのがわかった。

「大丈夫だ」

俺の言葉に、ミレーヌは小さく頷いた。その仕草に、俺の中の理性が音を立てて崩れていく。

「愛してる」

その言葉と共に、俺は彼女の唇を塞いだ。最初は優しく、徐々に情熱的に。彼女の小さな舌が俺に応え、二人の境界が溶けていく。俺は彼女の体をなぞり、その柔らかさを確かめた。

「もっと触れて」

ミレーヌの囁きに、俺はさらに大胆になった。彼女の全てを確かめるように、俺は彼女を探った。彼女の喘ぎ声が部屋に響き、二人の欲望が高まっていく。

「一緒に……」

彼女の切ない懇願に、俺は理性を手放した。優しく、丁寧に、そして激しく。二人の体が一つになり、宇宙の果てまで飛んでいくような感覚に包まれる。

「愛してる……」

俺の囁きに、ミレーヌは涙を浮かべた。その美しい涙を拭いながら、俺は彼女との永遠を誓った。

星降る夜、二人の愛は深まり、明日への新たな決意となった。俺たちは冒険者として、恋人として、これからも共に歩んでいく。互いを支え合い、助け合い、時には競い合いながら、この世界で生きていく。

 

⭐️ゴブリン退治編 メイベル視点

街がいつもより静かだった。雨は昨夜で止んだはずなのに、教会の鐘の音さえ遠く感じる。冒険者ギルドの前では、酒と汗の匂いが混じったまま、依頼掲示板に貼られた羊皮紙が風に揺れていた。私は淡い金色の髪をまとめ直し、白い法衣の裾を整える。横に立つアル=ディーンは、もう何度も見てきた鋭い眼差しで依頼書を眺めていた。彼の視線の先には「ゴブリン討伐」と書かれた一枚の紙。

「酪農家の娘さんが連れ去られた」

低い声が風に乗って届く。彼の隣に立つのは、ミレーヌ=エルフェンリート。雪のように白い髪が朝日に透け、細い体に似合わぬ静かな威圧感を漂わせていた。

「三人?」

私は思わず聞き返した。アルとミレーヌだけだと、前衛が手薄になる。でも、セルシア=ミストラルは森での哨戒任務で離れていると聞いていた。

「一匹だけなら、この二人で十分よ」

ミレーヌの声には迷いがない。けれど、その目にはほんのわずか、警戒の色が宿っていた。ゴブリン討伐は私たちにとっては日常茶飯事だ。彼らは臆病で、まとめて現れることが多い。一人を相手にすることなんて、そうあることじゃない。

「罠の可能性があるわね」

私の言葉に、アルが頷く。彼の鍛えられた筋肉が、法衣越しに感じる。ミレーヌの細い肩も、私には頼もしく映る。

「被害者は誰かわかる?」

ミレーヌが尋ねると、受付嬢が顔を上げた。彼女の名前はエリス=バリー。酪農家の娘さんで、黒い髪がきれいな十五歳だった。

「ゴブリンの巣は北の森ですか?」

私の問いに、受付嬢は小さく頷いた。

「ええ、近くの農場から連絡がありました。でも、巣自体は小さいって」

「だったら、一匹だけ残して撤退したと考えるべきだな」

アルの言葉に、私は思わず拳を握る。ゴブリンが人を攫う理由は一つしかない。彼らにとって、人間の女性は「道具」でしかない。私たちはそれを知っている。知っているからこそ、胸が締めつけられる。

「メイベル」

アルの声が、私の思考を引き戻す。彼の茶色の瞳には、いつもの冷静さと、ほんのわずかな憂いが混じっている。

「被害者の救助は優先事項だ。だが、あの森は油断ならない。森の洞窟への突入はセルシアが合流してからにしよう」

「わかってる」

私は微笑む。十年前、私が十二歳で冒険者になったとき、アルはすでに前衛として輝いていた。ミレーヌも、その隣で冷静に戦況を見極めていた。私はあの頃、ただ杖を握って立っているだけだった。でも今は違う。私の魔法が、仲間を守ることができる。

そして、いよいよ、洞窟への突入の日を迎えた。エルフのセルシアは私の後ろで油断なく弓を構えている。

「俺とミレーヌで前衛を張る。メイベルとセルシアは後方支援と補助魔法を頼む」

「了解」

ミレーヌの返事は短い。アルの言葉に疑問を挟む必要なんてない。彼らとの信頼関係は、十年かけて築かれたものだ。

「準備は?」

私の問いに、二人は揃って頷いた。アルは腰の剣を確かめ、ミレーヌは愛刀《雪月花》を手に取る。その刀身は氷のように冷たく、朝日を反射して鋭く光る。

「じゃあ、行くか」

アルの言葉に、私は深呼吸をする。森の匂い、ゴブリンの悪臭、そして被害者の恐怖。すべてが私の肩にのしかかる。でも、私は負けない。だって、私はメイベル=リングベル。冒険者パーティーの一員で、聖職者で、何より――アルとミレーヌの仲間だ。

北の森に足を踏み入れると、空気が一変した。

湿った土の匂いと、かすかな腐敗臭が混じり合っている。木々の間から差し込む光は弱く、森全体がどこか薄暗い。ミレーヌが足を止め、地面を指さした。

「血痕」

その言葉に、私は胸が締めつけられる。ゴブリンの爪痕と思われる泥の跡もあった。彼らは狡猾で、油断ならない相手だ。

「メイベル、《神霊の盾》を頼む」

アルの声に、私は杖を掲げる。神霊の力を借りて、小さな光の玉を浮かべる。周囲の空気が一瞬、清められたように感じた。

「ありがとう」

ミレーヌの言葉に、私は微笑む。彼女の白い肌には、薄く汗が滲んでいる。緊張しているんだろう。でも、彼女の背中はいつも通り、頼もしい。

「洞窟の入り口はどこだ?」

アルの問いに、セルシアが前方を指さした。木々の間に、ぽっかりと開いた穴が見える。ゴブリンの巣特有の、不気味な魔気が漂っている。

「罠の可能性もあるから、慎重に進むぞ」

アルの声は低く、静かに響く。私たちは隊列を組み、ゆっくりと進み始めた。アルが先頭、ミレーヌが右、セルシアが左、私は後方に位置取りする。それぞれの役割は明確だ。

洞窟の入り口に到着すると、腐臭が一層濃くなった。ゴブリンの唸り声が聞こえる。複数だ。

「五体以上」

セルシアの声に、私は心臓が跳ねる。予想以上の数だ。

「作戦を変更する」

アルが言う。彼の声には焦りはない。ただ、冷静に状況を分析している。

「ミレーヌ、右から回り込んで包囲してくれ。メイベルは私の後ろに」

「了解」

ミレーヌが音もなく動く。彼女の白い髪が、暗闇の中で微かに光る。私はアルの背中に身を寄せ、杖を握り直す。

「セルシア、狙撃ポイントを探ってくれ」

「任せて」

セルシアの声には自信が満ちている。彼女は一瞬で周囲を見渡し、最適な位置を見つけたようだ。

「よし、行くぞ」

アルの合図で、私たちは一斉に動いた。洞窟の内部は想像以上に広く、天井が高い。ゴブリンたちが四方八方から襲いかかってくる。アルの剣が閃き、ゴブリンを斬り伏せる。ミレーヌの《雪月花》が、冷気を纏って敵を凍らせる。セルシアの矢が、正確に目標を射抜く。私の《聖なる光》が、味方を守り、敵を弱体化させる。

戦いは熾烈だった。洞窟の奥に進むにつれ、敵の数が増えていく。そして、ついにボスを倒した。そして洞窟の最奥で――被害者が見つかった。黒い髪の少女、エリス=バリー、彼女の他に2人の女性がいた。いずれも村からさらわれた者たちだ。1人は臨月を迎えており、狂った瞳でケラケラと笑っていた。もう1人の女性の上では、ゴブリンが弾むように腰を振っていた。エリスバリーも同じように犯されていた。アルが無言で女の上で腰を振る。ゴブリンの首をはねた。ゴブリンは、首なしの状態で10回ほど腰を振った。後、精液を吐き出してそのまま倒れた。エリスを犯していたゴブリンはミレーヌの剣が心臓を突いて殺した。「メイベル、女たちを頼む。」アルが女たちから目をそらすようにして、私に頼んだ。私は聖句を唱える!回復と膣への清浄の魔法は大至急だ。臨月の女性については、中絶は効かない。

アルとミレーヌは臨月の女性の対応をしていた。ゴブリンがこの女性の胎内にいる。「おい!やめろ!そんな事をしたら女まで死んじまう!」

「問題ないわ。あなたはこの人が動かないように抑えていて!」

ミレーヌは、女性に麻痺の呪文をかけ大股開きの状態で固定された女性の膣に剣を突き刺し、膣からゴブリンの胎児を引きずり出した。

女性の瞳孔は完全に開いている。ミレーヌは慣れた手つきで、剣で女性の膣に回復魔法をかけていく。

臨月の女性は何とか助かった。「やれやれ、ゴブリンもこれぐらいで勘弁してもらわないと、頭がおかしくなっちまいそうだぜ!」アルがうんざりした声を出す。「そうね、今回はたまたま、みんな間に合ったけど……次はどうなるかわからないわ……」ミレーヌの口調は淡々としている。「本当に許せないやつらだよ……!」セルシアが涙を浮かべる。私は悔しさを噛み締めた。ゴブリンの巣から出ると、もう朝陽が森に降り注ぎ、世界は鮮やかに輝いている。ゴブリンを退治したこと、そして被害者を救えたことに、私たちは安堵していた。「今回の任務、成功だな」アルがそう言った時、ミレーヌがそっと私の袖を引いた。彼女の視線はアルの背中に向けられている。私は頷く。何があったのか、なんとなくわかる気がした。夕焼けが街を赤く染める頃、ギルドに戻った私たちは報告を済ませた。報酬はささやかながら、村人たちの感謝の言葉が何よりの褒美だった。「メイベル、今日は疲れただろう。先に休んでいいぞ」

「ありがとうございます」

私は微笑んで頷く。エリス=バリーさんが深々と頭を下げた姿が、私の胸に温かいものを灯す。

そして、夜が訪れる。宿屋に戻るとミレーヌの姿はなかった。私は自分の部屋で荷物を整理し、明日の準備をする。夜空を見上げると、満月が静かに輝いていた。少し外の空気を吸おうと外に出るとアルの住んでいる貸家に入っていく彼女が見えた。

 

「……」

 彼女たちの間で交わされる甘い言葉と吐息が、夜風に乗って忍び寄る。メイベルは自分の体が硬直するのがわかった。女神の使徒としての教義が全身に巡り、覗きなどという行いは厳罰に値する禁忌だと理性が叫ぶ。しかし足はそこから動けず、耳は無意識に研ぎ澄まされていた。

 

 

「……ミレーヌ……」アルの声が低く響く。

「あっ……!」

 小さな悲鳴のような声。そして、ベッドの軋む鈍い音が規則正しく続いた。

 

「いや……ダメ……!」

 メイベルは必死に首を振った。だが瞳は開いたまま、唇は固く引き結ばれても耳はその音から離れようとしなかった。

 聖導女は聖潔を旨とする。

性交は婚姻のための神聖な行為であり、このような密やかな情交は断じて許されぬものだ。しかし――

(なぜ……体が……こんなに熱いの……?)

 

 

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 腿の内側を擦り合わせる。禁断の行為を目撃しているという背徳感が奇妙な痺れとなり、下腹部に集中していった。

「……あぅ……」

 思わず漏れた吐息を慌てて飲み込んだ。両手が勝手に動き、法衣の胸元を掴んで皺を作っている。指輪が嵌められた右手が無意識にスカートの下へ伸びようとした瞬間――

 

「――ッ!」

 鋭い電流が脳裏を走った。女神への崇敬と聖職者の義務が鞭のように自分を叩く。

 駄目だ。神に仕える者が、このような浅ましい衝動に屈するなどあってはならない。清廉であれ。純粋であれ。それが聖導女の本分ではないか。

 だが。

 

「アル……もっと……!」ミレーヌの甲高い声が木霊する。苦悶と悦びが入り混じった淫靡な旋律。

耐えきれず、メイベルは一歩後ずさった。胸が激しく波打つ。これは邪悪だ。堕落だ。早く立ち去らなければ――しかし足が地面に根を張ったように動かない。

 

「お願い……もう少し強く……」

その言葉は呪詛のようにメイベルの脳髄を蝕んだ。禁断の果実が目の前に吊り下げられている。触れてはならないと知っていながら、甘い香りが思考を麻痺させていく。

(見ちゃいけない……なのに……体が……いうことを……聞かない……)

 

震える指が自然と法衣の襟元を掴み、留め紐を緩めた。冷たい夜気が首筋を撫でる。熱を持った肌に心地よかった。

「あぁ……」

自分の声にゾッとする。これが女神の侍女が発していい音ではない。羞恥で頬が焼けるように熱くなりながらも、右手はなおも下へ向かい――

 

パンッ!

 

突然の音に身体が跳ね上がった。振り返ればフクロウがはばたいただけだ。しかしメイベルはパニックに陥った。罪の現場を誰かに見られたのではないか。

膝がガクガクと震える。

「ごめんなさい……!ごめんなさい……!」

嗚咽混じりの謝罪が零れる。だがその時、

 

「……最高だ……ミレーヌ……」

アルの情熱的な呟きが耳朶を打った。

 

ドクン!

心臓が爆発しそうなほど脈打つ。罪悪感と羞恥が巨大な塊となって喉元まで迫り上がるが、その一方で――

 

「ああっ!」

 

一際高く響いたミレーヌの絶頂の叫びが決定打となった。理性の堤防が崩れる音がした。

もう止められない。聖導女としての自分が崩れ落ちていくのを感じながら、メイベルは物陰に背を預けた。法衣の裾を捲り上げ、秘所に指を這わせる。

 

「だめ……こんなの……だめぇ……」

涙声で否定しながらも、指は容赦なく動く。濡れた感触が信じられなかった。女神の教えに背いた罰なのか?いや違う。これはただの生理現象だ。自分の意志とは無関係な肉体の暴走なのだ――そう自己弁護しようとしても意味がない。自分の指は確かに動いているのだから。

 

「んっ……あ…あ……」

 

声を殺そうと必死に唇を噛む。左手で口を押さえても鼻から漏れる甘い呻きは止められない。聖導女としてあるまじき行為を、聖導女自身の手で犯している矛盾。

(どうして……こんな……)

自分の指を汚らわしく思いながらも、その動きを止められない。布越しに芯が熱く尖り始め、まるで別の生き物のように蠢いていた。

「ふ……ふぅ……」

浅い呼吸を繰り返しながら、法衣のポケットから指輪を取り出す。神殿で授かった大切な守りの指輪。これを胸に抱けば気持ちが鎮まると信じて。

しかし次の瞬間、指輪が冷たい金属の感触を与えた途端――

 

「――!!」

 

全身が電気ショックを受けたように痙攣した。神聖な象徴を自分の淫らな行為に持ち込んでしまったという罪悪感が快楽を何倍にも増幅させたのだ。

 

「ああ……神様……ごめんなさい……ごめんなさい……!」

懺悔の言葉を繰り返しながらも右手は狂ったように動き続ける。親指の腹で敏感な芽を捏ねると鋭い快感が脊髄を貫いた。

「もう……駄目……!」

 

限界が近づいてくる。膝がガクガクと笑い、太腿が痙攣し始める。まるで地獄の底へ落ちていくような恐怖と倒錯した幸福感が同時に襲ってきた。

(お願い……!早く終わって……!)

そんな願いも虚しく、頂点が容赦なく迫る。

 

「ん―――!!!!」

最後の吐息を喉の奥で殺し切った。全身が弓なりに跳ね上がり、脚がピンと張った後、一気に弛緩する。世界がホワイトアウトし、刹那の虚無が支配した。

 

「ハァ……ハァ……ハァ……」

荒い息を整えながら、地面にへたり込む。手足が鉛のように重い。罪の余韻が冷や汗となって額から流れ落ちた。

(私は……なんてことを……)

聖導女という尊い身分を捨て去り、動物のように情欲に溺れたのだ。女神に仕える資格などとうに失われているのではないか。

 

「最低……最低よ……」

震える手で顔を覆う。涙が止めどなく溢れた。快楽は一瞬で過ぎ去り、後に残るのは無限の後悔と自己嫌悪だけだ。隣家から漏れる男女の睦言が今の自分には悪夢のように聞こえる。

 

「アル、、私は……聖導女なのに……」

自らを呼ぶ名が嘲笑に聞こえた。法衣の汚れを拭うのも忘れ、メイベルはその場にしゃがみ込み続ける。夜風が彼女の乱れた髪をそよがせた。聖なる月光が罪の証人のように彼女を照らしていた。

 

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