※この作品はR-18です。

冒険者はつらいよ 冒険者歴10年選手の日常とエロス   作:みなぽん

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アル ディーン 本編の主人公、年齢30歳 キャリア10年の冒険者。等級は10年かかってやっとシルバー片手剣と丸盾、半弓なども器用に使う。サバイバルや罠の解除にもたけていて、簡単な魔法も使える一言で言うと器用貧乏な男。
冒険者パーティー Roseliaサバイヴァーズのリーダー

ミレーヌ エルフェンリート 年齢45歳  雪族で見た目はティーンエイジャーに見える。純白の髪の清楚系魔法騎士の彼女は一見すると清楚で優しい常識人だが愛刀雪月花から放つ剣技は凄まじい。攻撃魔法も使えるオールラウンドプレイヤー、アルとは古い付き合い。
「アルったらもっと私を頼っていいんだからね」「断ち切れ絶刀!雪月花!」
冒険者パーティー Roseliaサバイヴァーズの副リーダー 
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セルシア ミストラル 年齢81歳 エルフ族 銀の髪に、氷のように澄んだ瞳。小柄な体躯だが百発百中で獲物を射抜く弓の達人。優秀な兄弟たちのもとで育ったせいか自己肯定感が極めて低い。すぐに卑屈になっていじける癖がある。
「私の矢には正義を貫く力がある」「私はグループのお荷物ですから、邪魔になったら捨てて行ってください」
冒険者パーティー Roseliaサバイヴァーズのメンバー 
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メイベル・リングベル。年齢20歳 リーキスト教団の聖導女 聖印の刻まれた杖を抱え、柔らかな雰囲気を纏っている娘。
回復系魔法を使う、性格的にも心優しく100%の癒し系。戒律に従順でアルへ寄せる恋心に罪悪感を感じている。
「慈悲深き地母神よこのものに癒しの光を!」「ああ、女神よお許しください。私はまた淫で邪な感情を」
冒険者パーティー Roseliaサバイヴァーズのメンバー


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ヴァレリア・ラース 獣人種 31歳
フェンリルの血を宿す黒髪の女魔狼騎士。食欲旺盛な食いしん坊でグラマラスボディ!天真爛漫な性格で感情の爆発で強くなる。
基本的にいろんな欲望に対して貪欲なタイプ。強いフィジカルで巨大な鉄盾と長剣ツヴァイヘンダーを軽々と扱う重装歩兵
「お腹いっぱいになったから、私はとっても元気だゾ!(^ ^)こい!フェンリルの力見せてやる!」
冒険者パーティー Roseliaサバイヴァーズのメンバー

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リュミエール・ノクスフィリア、人間族、22歳 魔法使い
リシリオン王国の宮廷魔法使いであったが出奔。珍しい予知能力の使い手。
彼女は知っている。未来を予知する事が必ずしも幸福な未来を招かないことを。
彼女は、仲間を失いたくないばかりに時に自己犠牲的な行動に走ることがある。
「私は未来を選択することが怖いのです。大切な人、もう誰も失いたくないから。」
冒険者パーティー Roseliaサバイヴァーズのメンバー

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マルシル・チェル 15歳 ??? 雑用係
リュミエールが旅の途中に拾った身寄りのない少女。
彼女の亡き妹のマーガレットの面影がある。リュミエールの使用人、たまに冒険にもついてくる。
「私はリュミエール様に拾っていただいた命、リュミエール様のためにこの命を捧げます。」

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リディア マーカス 冒険者ギルドの受付嬢 清楚で真面目なギルドのアイドル的存在。


「冒険者に大事な事は生き残ることです。無事のご帰還をお祈りしています。」

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エリゼ バスクチュアル 素材の鑑定に詳しいリディアの同僚のギルド嬢。彼女の判定結果は、冒険者を一喜一憂させる。
「これはなかなか保存状態がいいですね。この値段で買取させていただいてよろしいですか?」
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グリムニル・フレアハート 通称 グリム ドワーフ 42歳。
燃えるような深紅の長髪を高く束ねたグラマラスな美女。名鍛治師ドヴァルの一人娘
自ら鍛え上げた魔槍。炎鍛槍《ブレイズ・アンヴィル》を所持、l槍身に刻まれたルーンにより、「打つ・突く・焼く」を同時に行える。
「アル、あたしはお前の鍛治師しだよ、どーんと頼っていいんだからね」

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サファリア・イル=ナハル アズライール教《ル=ザイード》出身の舞闘女。
魂の純潔と死後の旅装束を模した、白と金を基調とした聖舞装束。
あらゆる暗殺技に通じ、「魂に触れる手を持つ者」と評される存在。
孤児の彼女を育てたのは告死天使と呼ばれた最強の舞闘女、lおレイラ・イル=ナハル だった。
日頃はポンコツで優しいお姉さん。
「汝、死を忘れるな 」

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シラサギのアリステラ キュッキィ
冒険者 はやぶさのゲイツの奥さん、ゲイツの10歳年下の幼妻 白魔導士。貧乏で冴えないゲイツを支えて頑張る健気な人。
フリーバーズのパーティメンバー「ゲイツさんに私はどこまでもついて行きますから」

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鳳のサドラ ミストラル エルフ族
淫乱で自堕落なポンコツエルフ。弓の達人、しかして、その実態は伝説の勇者パーティーの月の勇者
サドラムーンライト、今は自らの圧倒的な月の精霊核を封印している。普通の女の子として生きるために
「あはは、とりあえず生ビールと干し肉ね!」「私はポンコツじゃない!」

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ハヤブサのゲイツ オルソン
冴えないおじさん冒険者、いつも親父ギャグを言っている。ひょうきん者。
でも、それなりに強かったりする。ハヤブサの如き俊敏な動きを隠し持っている。
幼妻のアリステラが大事で命に変えても守りたいと思っている。フリーバーズのリーダー

ツバクロのユージーン ハリス 小人族 パーティー 偵察力や罠に優れる
武器は半弓、投げナイフ、爆裂弾など、器用だが、戦闘力は低い。
ゲイツとは腐れ縁でいつもアリステラとゲイツのイチャイチャに辟易してる
フリーバーズのパーティメンバー

ノエル ペンテシレイア 34歳 アマゾネス
彼女は大きな斬馬刀を振り回しと「殺戮の旋風」と二つ名を持つ狂戦士。Amazoness, Kingdom Braves〔略AKB)の第7席であったが、アマゾネスたちが捕虜たちと交わる結の宴で妊娠、しかし彼女の産んだ子供は男の子であった。アマゾネスにおいては男子は出産と同時に間引かれる定め、しかし彼女は息子のカインを連れてアマゾネスを脱走。
その後、Roseliaタウンの郊外に住み、酪農製品や牛乳の行商をして息子カインと二人、生計を立てている。母性溢れる性格とグラマラスな外見で、冒険者たちも人気があり、彼女見当てて牛乳やチーズを買う客も多い。

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カイン ペンテシレイア 15歳 魔法戦士
15歳になったカインは極度のマザコンで母親が行商しなくても大丈夫なようにと冒険者登録をする。魔法も、剣も使える。魔法戦士を目指しているが現在のところはどちらも中途半端。





狂戦士でアマゾネスなお母さんは好きですか?冒険者になった俺に母さんがついてくる!

 

 朝靄の立ちこめるロゼリアタウン郊外。

 なだらかな丘の上に建つ、木造の小さな牧舎から、軽やかな鼻歌が聞こえてくる。

「よしよし、今日もいい子ね。ミルク、たっぷり出してちょうだい」

 

 

 乳搾りをしながら、優しく牛の首を撫でる女――

 ノエル・ペンテシレイア、三十四歳。

 

 滑らかな肌に、引き締まった肢体。胸と腰は豊かで、筋肉と女性的な丸みが同居したグラマラスな体つき。

 今は素朴なエプロンドレス姿だが、その正体を知る者は少なくない。

 

 

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 かつて――

 アマゾネス王国勇士団《Amazoness Kingdom Braves》、通称AKB。

 その第七席に名を連ね、「殺戮の旋風(ブラッディ・テンペスト)」の二つ名で恐れられた狂戦士。

巨大な斬馬刀を振るえば、敵は血飛沫と共に薙ぎ払われる。

 彼女が戦場に立つだけで、風向きが変わると言われた。

 しかし今、彼女の手にあるのは斬馬刀ではなく、木桶いっぱいの牛乳だった。

「カイン、起きてるー? 行商の準備するわよー」

「……もう起きてるよ母さん!」

 納屋の奥から顔を出した少年が、不機嫌そうに答える。

 黒髪で精悍な顔立ち。まだ少年の域だが、瞳には芯の強さが宿っている。

 

 カイン・ペンテシレイア、十五歳。

 アマゾネスにおいて、本来なら生まれた瞬間に命を絶たれるはずだった“男児”。

 だがノエルはその掟に背き、息子を抱えて国を脱走した。

それから十五年。

 二人はこの地で静かに生き、牛乳やチーズを売って糊口を凌いできた。

「今日は俺、l冒険者ギルドにいくんだ、母さん、俺一人で……」

「ダメ」

 即答だった。

「初登録でしょ? 何があるかわからないもの。母親がついて行くのは当然よ」

 

「母さん……俺、もう子供じゃない」

「十五歳は十分子供です」

 にっこりと微笑みながら、反論の余地を与えない声。

 甘々で過保護――だが、芯は鋼のように硬い。

 その証拠に、行商の荷車の奥には――

 アマゾネスの戦闘服と、巨大な斬馬刀がしっかりと積まれていた。

 

Roseliaタウンは、今日も活気に満ちていた。

 

「おはようございます。冒険者に大事なことは生き残ることです。無事のご帰還をお祈りしています」

 

 清楚で真面目な受付嬢、リディア・マーカスが丁寧に頭を下げる。

 

 その隣では、素材鑑定担当のエリゼ・バスクチュアルが水晶を覗き込みながら呟いた。

 

「これは……保存状態、かなりいいですね。高値が付きますよ」

 

「お、エリゼちゃん、助かる」

 

 応じたのは、三十歳の男――

 アル・ディーン。

 十年の冒険者歴を持つが、等級はシルバー止まり。

 片手剣、盾、半弓、簡単な魔法、罠解除、サバイバル――

 何でもできるが、突出しない。いわゆる“器用貧乏”。

 

 しかし彼には、確かな信頼があった。

 冒険者パーティー《ロゼリア・サバイヴァーズ》のリーダーとして。

「アルったら、またギルド嬢に色目を使って」

 純白の髪を揺らしながら、優しく小言を言う女性。

 ミレーヌ・エルフェンリート、四十五歳。雪族の魔法騎士だ。

 見た目は十代だが、剣を振るえば――絶刀雪月花の一閃は、氷雪の如く敵を断つ。

 そんなやり取りを、少し離れた場所から見つめる影があった。

「あんなすごいドロップアイテム何を倒してきたんだろう?すごいな、あの人たち」

 カインだった。

 彼の隣で、ノエルはにこにこと微笑みながら牛乳瓶を並べている。

朝の冒険者ギルド前はノエルのお得意様が多い。ー

「はいはい、新鮮なミルクですよー。今日はチーズもありますよー」

「おおっ、ノエルさん!」

「今日も綺麗だ!」

「この胸に顔埋めたい!」

「ノエルさんのおっぱいを吸わせて欲しい❤️」

「はいはい、牛乳で我慢してね。並んでねー」

 ノエルの柔らかい声に冒険者たち場の空気は一気に和む。

 だがアルは、ふとノエルの馬車に下げられた刀に目を留めた。

 

「すげぇ斬馬刀、ノエルさん、あれ、盗賊よけの飾りじゃないよな?」

「ええ。息子の初クエストですもの」

「カインのやつあんなの使えるのか?」

「いえ、あれは私用です❤️」

「???」

 

 穏やかな声。

 だが、視線は戦士のそれだった。

 

「何かあったら――」

「ふふふ全て、斬ります」

「ノエルさん、見かけによらず、とんでもない奴なのかもしれないなぁ」

 アルは苦笑し、内心で思う。

「ところでアルさん、今日うちの息子がはじめてのクエストなんです。ご一緒していただけませんか?」

「ああ、いいぜ、新人向けの伴走依頼だよな?」

「はい、新人冒険者の最初の1年が1番死亡率が高いですから」

 

  初クエスト――

 それは、どんな冒険者にとっても忘れられない一歩だ。

「……依頼内容、再確認するぞ」

 ギルド前。アル・ディーンが、依頼書を手に淡々と説明する。

 

「街道沿いの森で、最近ゴブリンが出没してる。討伐数は10体程度。新人向けだが、油断は禁物だ」

 

「はい!」

 元気よく返事をしたのは、カインだった。

 しかし、その声はわずかに裏返っている。

 

(落ち着け……魔法も剣も、ちゃんと練習してきたじゃないか)

 

 だが、視界の端に映る“母”が、どうしても気になる。

 

 アマゾネスの戦闘服。

 背に背負われた、常人では扱えない大斬馬刀。

「……母さん、本当に後ろから見てるだけだからな?」

 

「ええ、ええ。ちゃんと約束するわ」

 

 ノエルは満面の笑みでそう言った。

 ――その言葉を、カインは半分も信じていなかったが。

 

 森は静かだった。

 静かすぎる、と言っていい。

 枯葉を踏む音が、やけに大きく響く。

 剣の柄を握る手が、汗で滑りそうになる。

 

(これが……実戦……)

 

 ゴブリンは、訓練場の木偶とは違う。

 汚れた皮膚、黄色い牙、ぎらつく目。

「ギャギャッ!」

 一体目が飛び出した瞬間、カインの脳内が真っ白になる。

 

「来るぞ、カイン!」

 アルの声で、身体が反射的に動いた。

 

「落ち着いて放つ!ファイア・ボルト!」

 魔法は当たった。

 だが、致命傷にはならない。

「しまっ――」お

「クキャアアアアア」

 距離を詰められる。

 剣を振るうが、浅い。

 ゴブリンの棍棒が、容赦なく振り下ろされた。

 

 ――痛い。

 腕に走る衝撃。

 剣が弾かれ、体勢が崩れる。

「カイン!」

 

 ミレーヌが前に出ようとするが、別のゴブリンが進路を塞ぐ。

 

 そして。

さらに物陰から現れたゴブリンが、カインの背後を取った。

「――っ!」

足が、動かない。

 (やばい……死ぬ……?)

 その瞬間。

ブンッ!

 風が、鳴った。

 

 ドン――ッ!!

 

 凄まじい衝撃音。

 

 次の瞬間、ゴブリンの胴体は空中に舞い上がり上下に分断されていた。

汚い花火のように臓物が飛び散る!

 

「……え?」

理解が追いつかない。

 血飛沫が、木々に降り注ぐ。

 地面にも深々と刻まれた、斬撃の痕。

 そこに立っていたのは――

 

「約束は守ったわ」

 静かな声。

「“命の危機になるまでは”、ね」

 

 ノエルだった。

 

 斬馬刀を片手で構え、もう片方の手で髪を払う。

 その姿は、あまりにも――戦士だった。

「母……さん……?」

 

「遅れてごめんなさい。ちょっと、母さん、本気出しちゃった」

 残るゴブリンたちが、恐怖に引きつった声を上げる。

「ギ、ギャ……」

 

「逃がさないわよ」

 一歩。

 踏み込んだだけで、空気が変わる。

 

 殺意が、嵐のように広がった。

 

 斬馬刀が唸る。

 回転する。

 ――一閃。

 ――二閃。

 ゴブリンたちは、悲鳴を上げる暇すらなかった。

 肉が裂け、骨が砕け、命が散る。

 琢磨にゴブリンたちが肉塊になっていく。それは戦闘というより――

 処理だった。

 

 静寂。

 血の匂い。

 そして、立ち尽くすカイン。

「……母さん」

 震える声で、問いかける。

「母さん、、本当に、アマゾネスだったんだな」

「ええ」

 ノエルは、少しだけ困ったように笑った。

「信じてなかった?」

「……正直」

カインは、目を逸らす。

 

「昔話だと思ってた。盛ってるって……」

 

 斬馬刀。

 今も血を滴らせるそれ。

「……こんなに、強いなんて」

 

 ノエルは、刀を地面に突き立て、膝をついた。

 息子の目線に、視線を合わせる。

 

「強いのはね、誇れることじゃないわ」

「え……?」

「生き残るために、必要だっただけ」

 そして、額を軽く小突く。

「でも――あなたが死ぬ未来は、絶対に選ばない」

 その言葉に、カインの胸が締め付けられる。

「……俺」

 拳を、強く握る。

 

「俺、もっと強くなる。母さんに守られっぱなしじゃなくて……」

 ノエルは、少し驚き、そして――

 とても嬉しそうに笑った。

 

「ええ。それでいいの」

 

 その背後で、アルが小さく息を吐いた。

 

(…俺は今日一体何を見せられたんだ?)

 彼は、心の中で現実を噛みしめていた。

 カインの初クエストは、成功した。

 だが――

 少年は知ってしまった。

 母の背中が、あまりにも遠く、そして強いことを。

 

 

初クエスト成功につき、母は最強のご褒美になる

 

 夕暮れのロゼリア街道。

 荷車を引く音が、ゆっくりと響いていた。

 

「……疲れた」

 

 カインは小さく呟いた。

 

 身体のあちこちが痛む。

 腕の打撲、足の擦り傷、そして何より――精神的な疲労。

 

 生きて帰ってきた。

 

 その事実が、じわじわと実感として押し寄せてくる。

 

「よく頑張ったわね、カイン」

 

 隣を歩くノエルが、優しく声をかける。

 

「初めてのクエストで、ちゃんと剣も魔法も使った。怖かったでしょう?」

 

「……そりゃ、まあ」

 

 ぶっきらぼうに答えるが、内心では胸がいっぱいだった。

 

 怖かった。

 死ぬと思った。

 母が飛び出してきた時、正直、情けなさもあった。

 

 でも――

 

「成功よ。立派な冒険者の第一歩」

 

 その言葉に、喉の奥が熱くなる。

 

 家に着くなり、ノエルは手際よく動き始めた。

「さあ、まずは鎧と服、全部脱ぎなさい」

「えっ、いきなり!?」

「怪我の確認よ。早く」

 有無を言わせぬ口調。

 カインは顔を赤くしながら上着を脱ぐ。

 ノエルは慣れた手つきで、傷を一つずつ確認していく。

「ここ、打ってるわね。あとで冷やしましょう」

「だ、大丈夫だって……」

「大丈夫かどうかを決めるのは母親です!戦場では小さな傷から悪霊が入って死ぬことがよくあるんです。小さな矢傷でも傷がついたら、まずは水でよく洗い最後に強い火酒でしっかりと傷口を清める事よ!大きな傷口は必ず縫うこと!魔法が使える時は、ヒールとクリアを必ず合わせがけしなさい。」

母の豊かな胸がぐいぐいと押し付けられる。うっとりとするような甘い香りがする。

 その距離の近さに、カインの心臓がうるさく鳴る。

 

(近い……母さん、近いって……)

 胸元に視線を向けないよう、必死だった。

彼の股間のものは激しく自己主張している。

 

「次、お風呂!」

「俺、一人で入れるって!」〔勃起ちんぽ見られちゃう)

「今日はダメ。滑ったら危ないでしょう」

「十五だぞ!?」

「十五歳は子供です」

 またそれだ。

 結局、ノエルは湯加減を整え、先に入らせてくれただけで、洗髪や背中流しは全部担当した。

「はい、じっとして」

「……」

 湯気の中、背中に当たる温かい手。

 洗い流される汗と疲れ。

 安心感が、否応なく込み上げる。

(……ずるいよ、こんなの)

 戦場では鬼神のようだった母が、母親であることが、逆に胸を締めつけた。

カインが風呂場のタイルに座り込むと、背後に立つノエルの指が優しく肩を揉みほぐしていく。湯気に曇るガラス戸越しに差し込む夕陽が、二人の濡れた肌を琥珀色に染めていた。

 

 

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「痛いところはない?」

「大丈夫だって……」

言いながらカインは股間を必死にタオルで押さえつけていた。初陣の興奮と母の接近があいまって、若い肉体は抗えぬほどに充血していたのだ。

ノエルは突然屈みこみ、カインの耳元で囁いた。「ここも洗うわね」

「待っ……!?」

制止する間もなく母の手がタオルの裾から忍び込む。勃起した亀頭が剥き出しになり、思わず腰が浮いた。

「まあ」ノエルは驚きつつも慈愛に満ちた目で見つめる。「いつの間にこんなに……大きくなってたのね」

 

指先が竿の裏側をなぞると全身が痙攣した。「やめ……母さん……汚いから……」

「戦った証よ」石鹸を泡立てながらノエルは続けた。「男の子の仕組みはわかってるつもり。でも実物を見るのは久しぶりね」

戦場で数百の敵を屠った掌が今、息子の性感帯を慈しむように包んでいる。

泡で覆われた性器が白磁のような肌の中で不釣り合いに脈打っていた。

「それにしても……」ノエルは自身の乳房がカインの背に密着することを厭わない。「あなたの熱量がすごいわ。母さんにまで伝わってくる」

「っ……」

耐えきれなくなったカインの首筋に汗が流れる。母の吐息が耳朶をかすめ、理性が融解していく。

「立てる?」ノエルは立ち上がらせると鏡の方を向かせた。「自分の身体を見てごらん」

鏡越しに映る光景は異様だった。未熟な筋肉が隆起した背中に、圧倒的な量感を誇る母親の胸部が寄り添っている。成熟した大人の母と、少年から抜け出したばかりの自分。

 

「男としての一歩を踏み出したのね」ノエルは後ろからカインの腰を掴むと、亀頭を指の輪で擦り始めた。「覚えておきなさい。戦場帰りの昂ぶりを鎮めるのは女の体よ❤️戦場で禁欲するものは必ず心の安定を壊すものよ」

シャワーの水音を遮るように、くちゅくちゅという粘着質な音が浴室に響く。

「ぅあ……母さんっ」

カインの膝が震え始める。

母の手技は単なる刺激ではなく、快楽の中枢を直接撫で上げるような的確さを持っていた。

「目を閉じちゃだめ」ノエルのもう一方の手がカインの顎を固定する。

「自分の相手をよく見るの。戦場で捕まえた捕虜に奉仕をさせたときに目をつぶれば逆襲されるわ。相手を完全に支配服従させるまで気を抜いちゃだめよ。初めて戦った日の記憶として刻みなさい」

「母さ……んんっ」

「ふふふ母さんはあなたのために生きている。あなたに服従してる。だから安心していいわ❤️」

鏡の中の自分が喘いでいる。

唇を半開きにし、頬を紅潮させ、瞳は涙で潤んでいる。そのすぐ後ろには堂々とした豊熟の身体──膨らみを帯びた双峰が波打ち、括れた腰からは太腿へと丸みを帯びたラインが伸びている。

「いくときはきちんと教えて」ノエルの親指が鈴口を押さえた。「どこに出したい?」

「ぁ……!」カインは朦朧としながらも意識の片隅で母の裸体を求めていた。「……母さんの……おっぱいに……」

「ふふ……」ノエルは嬉しそうに微笑んだ。「勇敢な戦士の印を母の乳肌に刻ませてもらうわ」

突如として彼女はカインの正面に跪き、両手で柔らかな乳房を寄せ上げた。白磁の谷間にピンク色の乳首が露わになる。

「ほら……ここに」

母は自分の乳房をV字型に形成すると、カインの亀頭をそこに導いた。張りのある肉球が敏感な粘膜を挟み込む感触。温もりと圧迫感が一度に襲いかかり、カインは呼吸を荒げた。

「母さん……っ」

「良いわよ……思い切り」

谷間で揉みしだかれながら母の甘い肌の匂いを嗅ぐ。ミルクと血と香水が混ざった、戦士であり女である存在の証だ。

「イクっ!」

限界が来た瞬間、カインは獣のように吼えた。白濁がビュービューと爆ぜ、ノエルの乳房と鎖骨を汚していく。飛沫が胸骨を伝い、へそへと流れ落ちる光景は戦場よりも刺激的だった。

「素敵よ……」ノエルは余韻に浸る息子の顔を優しく拭った。「あなたの初陣の祝杯だわ」

彼女は乳房の間の精液を指ですくい、ゆっくりと舐めた。

湯気の中に母の微笑みが揺れている。そこには戦士としての威厳と母性愛とが奇妙な均衡を保っていた。

 

風呂上がり。

 

「さあ、ご飯よ!」

 

 テーブルには、山盛りのシチュー、焼き立てのパン、チーズ。

 そして、特別に蜂蜜入りの温かいミルク。

 

「初クエスト成功おめでとう」

 ノエルは、そう言って微笑んだ。

「……ありがとう」

 食べながら、カインはぽつりと言う。

「母さん、今日は……助けてくれて」

「当然でしょう」

「……俺、弱かった」

「今日は、ね」

 ノエルは否定しない。

「でも逃げなかった。それが一番大事よ」

 その言葉が、胸に深く刺さる。

 

 夜。

 ベッドに入ると、ノエルは当たり前のように毛布を掛け、枕を整えた。

「はい、おやすみ」

「……母さん」

 呼び止めると、ノエルは首を傾げる。

「なあに?」

 一瞬、言葉に詰まる。

 この気持ちは何だ?

 安心と、愛しさと、そして――これ切れない熱。

「……俺、強くなるから」

「ええ」

「いつか、母さんを守れるくらいに」

 ノエルは目を瞬かせ、そして――

 とても優しく、頭を抱きしめた。

「ありがとう。でもね」

 額に、軽い口づけ。

「その日がくるまでは、私があなたを守るわ、勇者だろうが、魔王だろうが誰が来たってね」

 心臓が跳ねる。

 顔が熱くなる。

 

窓から差し込む月明かりが、母と子の影を床に落としていた。

「……母さん」

カインの声は震えていた。ベッドの縁に座るノエルの前に、彼は立ち尽くしていた。

 

「なんだか……気持ちが抑えられない」

 

俯くカインの顔は真っ赤だ。熱っぽい息が母に向かって漏れる。初陣の興奮が冷めやらぬ身体に、湯浴みでの出来事が最後の一押しとなっていた。

 

ノエルはゆっくりと顔を上げた。

 

「カイン」

 

優しい声が呼ぶ。母の眼差しには戸惑いの色があったが、それはすぐに深い愛情の淵へと沈んでいった。

 

「……母さんを、愛してる」

 

それは告白というより懇願に近かった。十五の少年の精一杯の言葉だった。

 

長い沈黙が流れた。ノエルは目を伏せ、己の手を握りしめる。戦場で何千もの命を刈り取ってきた掌が、今は震えていた。

 

やがて彼女は深く息を吸った。そして――

 

「……いいわよ」

 

その一言は静かだったが、室内の空気を一変させた。

 

「来なさい」

 

そう言うとノエルは立ち上がり、ネグリジェの結び目に指をかけた。薄い布地が肌を滑り落ちていく。豊満な胸元から始まり、くびれた腰へと続く曲線が月光に浮かび上がる。

 

「母さんは……カインのもの」

 

言葉と共にネグリジェが床に落ちた。戦士として鍛え上げられた肉体は一切の無駄がない。引き締まった腹部の中央を縦に走る細い皺。それは長い年月の証でありながら、雌としての瑞々しさを損なっていない。

 

カインは息を飲んだ。目の前に広がる光景は想像以上だった。

 

 

乳房は重力に逆らい、張りを保っている。その頂点では濃いピンク色の乳首が微かに震えていた。さらに下へ目をやると、薄く茂る恥毛の合間で秘裂が息づいているのが見て取れる。

 

 

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「来て」

 

ノエルが腕を広げた瞬間、カインは飛び込むように抱きついた。初めて感じる母の肌は暖かく、しっとりとしていた。硬い鎧をまとった戦士の肉体とは思えない柔らかさだった。

 

「母さん……」

 

唇が重なる。はじめは遠慮がちだったが、次第にカインの舌がノエルの口腔を探り始める。彼女の唾液は甘く、ミルクのような匂いがした。

 

「ん……」

 

ノエルが小さく呻いた。けれど拒まない。

むしろ息子の頭を抱え込み、深い角度で応えた。

 

キスを続けながらカインの手が母の胸に伸びる。弾力に富んだ乳房を両手で包み込むと、指の隙間から肉が溢れた。親指が乳首に触れると、ノエルの背中が僅かに仰け反る。

 

「ふ……んぅ……」

 

母の吐息が熱を帯びてくる。カインは夢中で乳房を揉みしだき、ついには片方の乳首を口に含んだ。舌先で転がすと、ノエルの腰が痙攣するように跳ねた。

 

「あっ……!」

 

今まで聞いたことのない母の高い声。それがカインの背筋をぞくりとさせた。もっと聞きたくて強く吸い上げる。

 

「だめ……んっ……カイン……そんなに強くしたら……」

 

抗議しながらもノエルの腕はカインの頭を引き寄せていた。矛盾した反応が少年の欲望を加速させる。

 

「母さん……俺…」

 

下半身に滾る熱量を伝えようと身を寄せると、既に固く立ち上がったものがノエルの下腹部に触れた。母の腹筋の硬さと女の柔らかさが同時に伝わり、快感が脊髄を駆け上がる。

 

「ああ……すごく……大きいのね」

 

ノエルは恍惚とした表情で呟いた。そのまま膝をつき、カインの寝巻きを下ろす。怒張した若いペニスが宙に躍り出た。

 

「すごい……戦ったばかりだから? いや……ずっと溜めてたのかしら」

 

指先で触れると電流が走ったようにカインの腰が浮いた。ノエルは微笑みながら亀頭に口づけた。

 

「熱い……それに硬いわ……」

唇を這わせながら唾液を塗り広げていく。戦場で得た捕虜に対する戦利品を味わうように丹念に。あるいは我が子への祝福のように優しく。

 

「母さん……俺…もう……」

 

カインの声は途切れがちだ。母の舌が亀頭を一周し、カリ首の溝を丁寧になぞると、堪えきれずに白濁がほとばしった。

 

「んっ……!」

 

ビュクンッと迸った精液をノエルは舌で受け止めた。口中に溜めてからゆっくりと嚥下する。喉仏が上下する様が艶めかしい。

 

「甘い……カインの味がするわ」

 

飲み干した後もカインのものは萎えるどころか更に硬度を増していた。その事実にノエルは目を細めた。

 

「初めてなのに……逞しいのね……」

 

彼女は立ち上がるとベッドの上に乗り、脚を開いた。月光が照らす秘裂は既に潤っていて、透明な蜜が糸を引いている。

 

「カイン……おいで」

 

誘う声に導かれカインが覆いかぶさる。探るように秘所を探り当てると、躊躇いながらも侵入を試みた。

 

「んっ……そう……ゆっくり……」

 

ぬるりとした入口を押し広げながら亀頭が飲み込まれていく。異物感にノエルの眉が寄るが拒絶はない。むしろ腰を浮かせて迎え入れた。

 

「ああ……入ってくる……」

 

灼熱の楔が膣道を押し分け徐々に埋まっていく。膣壁の襞が絡みつき、カインのものを締め上げる。戦場で鍛えられた肉体は弛緩と収縮を自在に操り、若き雄を迎え入れていた。

 

 

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「母さんの中……熱い……!」

「カインのも……硬くて……んんっ……」

奥まで到達した瞬間二人の背中が同時に震えた。

結合部から溢れた愛液がシーツに染みを作る。

「動いていい? 母さん……」

「ええ……好きにして」

許可を得た瞬間カインは激しくピストンを開始した。初陣の昂りを発散するように荒々しく腰を叩きつける。

パンッ! パンッ! という肌同士がぶつかる音が部屋に響く。

「あっ! んっ! カイン……激し……い…!」

「ごめん……止まらない……!」

ノエルの乳房が暴力的に揺れ弾む。カインは本能的にそれを掴み揉みしだく。乳首を指で摘むと母の身体が跳ね上がった。

「そこ……っ…感じちゃう……んああっ!」

戦場では一切動じない声が嬌声となって漏れる。そのギャップがカインの劣情を煽った。

「母さん……俺…もう……っ!」

「いいわ……全部……母さんの中に……出して……!」

ドクンッ! とカインの腰が痙攣し大量の精液が放出された。熱い奔流が子宮口を叩く感覚にノエルも達する。

「ひぃっ……! 中で……出てる……っ!」

母の胎内で息子の種が暴れ回る。二人の身体が重なり合い余韻に浸るが、カインのものは衰えなかった。

「嘘……まだ……硬い……」

「母さん……まだ足りない……」

再び腰を振り始めるカイン。今度は騎乗位でノエルが跨がる番だ。

「私が上になるわね……しっかり掴まってて」

母の膝がベッドに沈み込む。

自ら腰を上下させると内部でペニスが新たな摩擦を生み出す。

「ああっ……すごい……こんなに硬いままなんて……んんっ!」

重力と筋力をフル活用したピストン運動。子宮を下から突き上げられる刺激にカインが呻いた。

「母さん……吸い付くみたいだ……!」

「ええ……母さんのおまんこ❤️貴方の形を覚えちゃった……かも……」

膣内が複雑に蠢き精液を搾り取ろうとする。戦場で敵を討ち取る手管と似た技術がそこにあった。

「だめ……また……出る……!」

二度目の射精。今度は母の胎内ではなく膣の入口付近で果てた。白濁が溢れて陰毛を濡らす。

「んんっ……熱いのが……垂れてくる……」

それでもまだ終わらない。ノエルがゆっくりと起き上がり、膝立ちになった。カインが後ろから抱きしめる格好となる。

「立ったまま……いいわよね?」

尻を突き出しながら誘う仕草。戦場帰りの肉体は弾力に富み引き締まっている。

「母さん……!」

カインは夢中で貫いた。前後の動きではなく円を描くような挿入。

新鮮な刺激に母の口から高い声が上がる。

「あっ! それ……深く……んんっ! だめ……奥…届いて……!」

バックからの挿入は角度が変わり子宮口を直撃する。ノエルの膝ががくがくと震え始めた。

「母さん……一緒に……!」

「ええ……カイン……私と一緒に……イッて……!」

互いの呼吸が同期し絶頂への階段を駆け上る。

子宮が収縮し精子を待ち侘びるように蠕動する。

「イク……! 母さんの中で……全部……出る……!」

「きて……私の中に……貴方のすべてを……あああっ!」

ドプドプッと三度目の精液が注ぎ込まれる。今度こそ子宮口を直撃しノエルは背中を反らせた。

「ひぃっ……いぐぅっ!! 深い……! 熱い……!!」

戦場の女戦士が十五の息子に征服され悦びの声を上げる。母性と雌性が入り混じった表情はあまりに淫靡だった。

激しい抽送と射精が終わり二人は折り重なるようにベッドに倒れ込んだ。呼吸が落ち着くまでどのくらい時間が経っただろうか。

ノエルは息子の頭を優しく撫でた。

「よく頑張ったわね……カイン」

「母さん……俺…」

「もう泣かないの」

カインの頬に涙が伝っていた。初めて味わった女の身体。しかしそれ以上に母と一つになれなかったことへの罪悪感が押し寄せていた。

「いいのよ」

ノエルは微笑んだ。

「母さんはいつでもカインのもの。何度でも貴方を迎えるわ」

その言葉に救われたようにカインは母の胸に顔を埋めた。乳房の柔らかさと甘い香りに包まれ眠りへと誘われる。

「おやすみ……私の可愛い戦士」

月明かりの下で交わされた行為は確かに母子の境界を超えていた。しかしノエルの瞳には変わらぬ愛情の色が灯っていた。それは戦場を生き延びてきた者の強さと温もりを兼ね備えた独特の輝きだった。

翌朝、ノエルは何事もなかったかのように起床し朝食の支度を始めていた。カインは昨晩の件で母が自らを嫌わないか不安になったが台所から漂う焼きたてパンの匂いと牛乳の甘い香りに疑念

 

ギルドにて

「聞いたか? あの新人……」

「母親同伴の?」

「そうそう、牛乳売ってるノエルさんだろ?」

「あんな綺麗で優しい人が戦闘なんてできるのかよ?」

 ロゼリア冒険者ギルドの掲示板前は、朝から妙に騒がしかった。

「そのノエルさんがゴブリンを一瞬でミンチにしたって話だぞ」

「いや、そりゃ嘘だろ」

「息子のためにそこまでやるかねぇ、マジで羨ましいぜ」

 視線の先。

 牛乳瓶の入った木箱を下げ、穏やかな笑顔で立っているノエルと、

 その横で背筋を伸ばしているカイン。

(……また見られてる)

 カインは居心地悪そうに肩をすくめる。

「大丈夫よ。噂になるのは、ライバルになるかもと思われてる証拠」

 ノエルはくすっと笑い、掲示板の依頼書を一枚剥がした。

 

「――これ、どう?」

 

 依頼名を見た瞬間、カインは息を呑む。

 

《郊外廃採石場・トロル討伐》

危険度:中

備考:再生能力あり

 

「ト……トロル!?

 俺、まだデビュー一ヶ月だぞ!?」

 

「だからこそ、いい勉強になるの」

 

 ノエルは真剣な目で続ける。

 

「大丈夫。倒すのは、あなた。

 私は“死なせない役”をやるだけ」

 

 その言葉に、アルが腕を組んで頷いた。

 

「……理にかなってる。

 再生持ちは、戦い方を覚えないと詰むからな」

 

「やるなら、今が一番いい」

 

 ミレーヌも背中を押す。

 

 カインは唾を飲み込み――小さく、頷いた。

 

「……やります」

 

 廃採石場は、嫌な静けさに包まれていた。

 

 岩陰から、重い呼吸音が聞こえる。

 

「来るわよ」

 

 ノエルは声を落とし、息子の背後に立つ。

 

「いい? トロルは大きい。力も強い。でも――」

 

 低く、優しい声。

 

「考えない生き物よ」

 

 トロルが姿を現す。

 

 身の丈三メートルを超える巨体。

 腐臭を放つ肉体。

 そして、ゆっくりとした動き。

 

「再生能力の正体は、肉体の異常な回復力」

 

 ノエルは囁く。

 

「斬っても意味がない場所がある。

 だから――」

 

「――止める」

 

 カインは剣を構え、魔力を練る。

 

「氷結付与……!」

 

 剣に霜が走る。

 

「よし。いい判断」

 

 トロルが殴りかかってくる。

 

「下がって!」

 

 カインが一歩引く――

 その背後、死角から迫る拳。

 

 だが。

 

 ドンッ

 

 ノエルの斬馬刀が、拳を真正面から受け止めた。

 

「気にしないで」

 

 笑顔のまま、地面を踏みしめる。

 

「戦いに集中しなさい」

 

 カインは、歯を食いしばった。

 

(……母さんが、守ってくれてる)

 

 だから――

 

「――いける!」

 

 脚部を狙う。

 氷で動きを鈍らせ、転倒させる。

 

「いいわ、カイン!」

 

 トロルが再生を始める。

 

「次は――頭じゃない。首の付け根」

 

「わかった!」

 

 剣を振るう。

 浅い。

 再生が始まる。

 

「焦らない」

 

 ノエルの声は、戦場でも揺れない。

 

「同じ場所。何度でも」

 

 再度、斬撃。

 

 血が飛ぶ。

 再生が、追いつかない。

 

 トロルが悲鳴を上げる。

 

「今!」

 

 カインは魔力を解放した。

 

「ファイアソード!」

 

 灼熱を纏った剣が傷口に突き刺さる。

 

 再生が――止まった。

 

 巨体が、ゆっくりと崩れ落ちる。

 

静寂。

 

 倒れたトロル。

 

 そして――

 

「……やった……?」

 

 カインは、呆然と立ち尽くす。

 

「ええ」

 

 ノエルは、そっと背中に手を置いた。

 

「あなたが倒した」

 

 膝が、震える。

 

 怖かった。

 でも、逃げなかった。

 

「……母さん」

 

「なあに?」

 

「俺……冒険者、向いてるかも」

 

 ノエルは一瞬、驚き――

 そして、誇らしげに微笑んだ。

 

「ええ。ちゃんと、向いてる」

 

 ギルドに戻った二人を迎えたのは、拍手とざわめきだった。

 

「トロルを一ヶ月で!?」

 

「しかも、息子がトドメ!?」

 

 カインは照れ、ノエルはいつものように牛乳を売る。

 

 

 この戦いで、ノエルは確信した。

 

 この子は、自分の足で進める。ノエルが微笑む

 いつか、自分がアマゾネスの追っ手の手にかかり、命を落とすことがあったとしても。

 カインは大丈夫だろう。

 ノエルは母親として息子に生きる力を与えることができたそれが嬉しかったのだ。

 

 

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