冒険者はつらいよ 冒険者歴10年選手の日常とエロス 作:みなぽん
◆ アル・ディーン
• 種族/年齢:人間/30歳
• 立場:本編主人公・パーティーリーダー
• 経歴:冒険者歴10年/等級シルバー
• 戦闘・技能:片手剣+丸盾、半弓サバイバル、罠解除簡単な魔法
• 人物像:
万能だが突出しない“器用貧乏”。堅実で生存第一主義の現実派。
◆ ミレーヌ・エルフェンリート
• 種族/年齢:雪族/45歳(外見はティーン)
• 立場:副リーダー
• 戦闘・技能:
• 魔法剣士 愛刀《雪月花》による超一流の剣技攻撃魔法も扱うオールラウンダー
• 人物像:
清楚で優しい常識人に見えて、戦闘では苛烈。アルとは古い付き合い。
「アルったら、もっと私を頼っていいんだからね」
「断ち切れ絶刀!雪月花!」
【挿絵表示】
◆ セルシア・ミストラル
• 種族/年齢:エルフ/81歳
• 戦闘・技能:弓術(百発百中)
• 人物像:
小柄な弓の達人だが、自己肯定感が極端に低い。すぐ卑屈になる。
「私の矢には正義を貫く力がある」
「私はお荷物ですから……」
【挿絵表示】
◆ メイベル・リングベル
• 種族/年齢:人間/20歳
• 立場:リーキスト教団・聖導女
• 戦闘・技能:回復・補助魔法
• 人物像:
心優しい癒し系。戒律に忠実だが、アルへの恋心に罪悪感を抱く。
「慈悲深き地母神よ、この者に癒しの光を!」
「ああ女神よ……私はまた淫で邪な感情を……」
【挿絵表示】
◆ ヴァレリア・ラース
• 種族/年齢:獣人種(魔狼)/31歳
• 戦闘・技能:
• 巨大鉄盾+ツヴァイヘンダー
• 重装歩兵
• 人物像:
フェンリルの血を引く食いしん坊。感情が高ぶるほど強くなる。
「お腹いっぱい!私は今とっても元気だゾ!」
【挿絵表示】
◆ リュミエール・ノクスフィリア
• 種族/年齢:人間/22歳
• 職能:魔法使い・予知能力者
• 経歴:元リシリオン王国・宮廷魔法使い
• 人物像:
不完全な未来視の悩み 仲間を守るため心配しがち
「そは裁きの鉄槌、赤く燃える業火を纏い我が敵を滅せよ!メテオール!」
【挿絵表示】
◆ マルシル・チェル
• 年齢:15歳
• 立場:雑用係
• 人物像:
リュミエールに拾われた孤児。亡き妹マーガレットに似ている。
「この命、リュミエール様のために捧げます」
【挿絵表示】
■ 冒険者ギルド関係者
◆ リディア・マーカス
• 職業:冒険者ギルド受付嬢
• 人物像:
清楚で真面目、冒険者たちのアイドル的存在。
• 台詞:
「無事のご帰還をお祈りしています」
【挿絵表示】
◆ エリゼ・バスクチュアル
• 職業:鑑定担当ギルド嬢
• 人物像:
素材鑑定の腕は一流。その一言で冒険者の明暗が分かれる。
• 台詞:
「この状態なら、この価格で……」
【挿絵表示】
■ フリーバーズ
◆ ハヤブサのゲイツ・オルソン
• 立場:フリーバーズ・リーダー
• 人物像:
冴えない中年だが実力は確か。妻想い。親父ギャグ担当。
◆ シラサギのアリステラ(キュッキィ)
• 職能:白魔導士
• 人物像:
ゲイツを支える健気な幼妻。
【挿絵表示】
⸻
◆ ツバクロのユージーン・ハリス
• 種族:小人族
• 職能:偵察・罠解除
• 人物像:
器用だが戦闘力は低め。夫婦のイチャイチャに辟易。
◆ 鳳(おおとり)のサドラ・ミストラル
• 種族:エルフ族
• 立場:フリーバーズ・メンバー
• 戦闘・技能弓術の達人 月属性の精霊術(現在は封印中)
• 人物像:
淫乱で自堕落、酒と怠惰を愛するポンコツエルフ。
しかしその正体は、かつて伝説の勇者パーティーに名を連ねた
《月の勇者 サドラムーンライト》。
【挿絵表示】
■ Roseliaタウン周辺
◆ ノエル・ペンテシレイア
• 種族/年齢:アマゾネス/34歳
• 異名:「殺戮の旋風」
• 人物像:
息子を守るため王国を脱走。現在は酪農で生計を立てる母。
【挿絵表示】
【挿絵表示】
◆ カイン・ペンテシレイア
• 年齢:15歳
• 職能:魔法戦士志望
• 人物像:
マザコン気質。剣も魔法も中途半端だが成長途上。
◆ マリー・シノーダ
• 種族/年齢:アマゾネス/26歳
• 地位:AKB第八席
• 異名:《サディスティック・マリー》
• 戦闘・技能:雷光剣
アマゾネスを脱走、サファリアのヒモになる。
「サファリア、お腹すいたぁ、サファリア、小遣いくれよー」
【挿絵表示】
◆ サファリア・イル=ナハル
• 出身:アズライール教《ル=ザイード》
• 職能:舞闘女・暗殺者
• 人物像:
日常ではポンコツなお姉さんだが、裏では“魂に触れる者”。
• 台詞:
「汝、死を忘れるな」「また失敗しちゃいました❤️」
【挿絵表示】
◆ グリムニル・フレアハート(グリム)
• 種族/年齢:ドワーフ/42歳
• 職業:鍛治師
• 武装:炎鍛槍《ブレイズ・アンヴィル》
• 人物像:
名鍛治師の一人娘。姉御肌でアルを気にかける。
• 台詞:
「あたしはお前の鍛治師だよ」
【挿絵表示】
冒険者パーティ ファイティング ラクーン〔闘う狸)
蒼き僧兵 アリス ゾロキア 24歳
見た目は真面目に見えるが色欲の罪で聖導女を首になった聖槍の使い手。ー
【挿絵表示】
紅のレイピア使い クレア ランバート 20歳、
セクハラ貴族を殴って騎士団をクビになったお転婆娘!両刀のレイピアの突きは音速を超える
【挿絵表示】
レンジャー レン ハルフォード 18歳
人生の落伍者クレアとアリスの妹分、二人に出会う前はゾンビパンデミックで家族を失った浮浪児
頭の回転が速く、気遣いもできる優しい娘。
【挿絵表示】
アウレリア=ヴァル=ルシリオ。
元ルシリオン王国第三王女にして聖騎士。ルシリオン王国は宰相ベルクカッツェの起こした革命で滅亡しており、彼女は逃げ伸びて、Roseliaタウンで冒険者として再出発している。
「落魄れたとはいえこのような辱めを!無礼だぞ!」「私の誇りにかけて成し遂げてみせよう!」
IMG224993}
サリア ラキューズ ハーフサキュバス 23歳
魔法都市カルディナの錬金術師、魔法大学校の教授である。サンジェルマン伯爵の愛弟子。ハーフサキュバスと言う生い立ちのために、差別の中に育つが、サンジェルマンに保護されて、一流の錬金術師となる。
普段は真面目な優等生だが、師匠の為ならば、サキュバスの能力を使うことも厭わない。
事件の後は、全てを失った。サンジェルマン伯爵とともにRoseliaタウンで錬金術のサンジェルマン工房を開店する
【挿絵表示】
【挿絵表示】
ロゼリアタウンの石畳の通り、その片隅に、控えめな真鍮の看板が風に鳴っていた。
《サンジェルマン魔道具店》——文字は少し歪み、しかし丁寧に磨かれている。看板の下には小さな星の紋章。かつて魔法都市の学会で輝いた名が、今はこの素朴な町の朝露を受けて静かに光っていた。
店の扉を開けると、乾いた薬草と蜜蝋、古い紙の匂いがやさしく混じる。
棚には、手のひらサイズの灯火石、音声記録の水晶、温度を一定に保つ保存瓶、壊れかけた護符を丁寧に修復した品々が整然と並んでいる。どれも派手ではないが、使い込まれるほど役に立つものばかりだ。
奥の作業机で、サリアは静かに乳鉢を回していた。
長い黒髪が背中に流れ、白い錬金術衣の袖口に淡い青の刺繍が揺れる。真面目な眼差しは粉末の色を見極めるために細くなり、眼鏡の奥の青い瞳が理知的に光る。
「師匠、硝子精粉は三粒追加でよろしいですか?」
彼女の声は柔らかく、しかし仕事の時はきっぱりしている。
背後の帳簿机から、低く落ち着いた声が返った。
「二粒でいい。多すぎると、熱が逃げすぎる」
サンジェルマン伯爵は、かつての華やかな衣装ではなく、黒い作業用ジャケットに白い手袋をはめていた。頬に刻まれた疲労の影は消えないが、目はまだ鋭く、そして何より優しかった。彼は帳簿を閉じ、サリアの隣へ歩み寄る。
「よく覚えていたな、サリア」
その一言だけで、彼女の頬がほんのり赤くなる。
「……師匠に教わったことですから」
二人の距離は、師弟としては少し近い。
けれど、その間にあるのは甘いだけの恋ではなく、長い年月の信頼と、互いに失ったものを知る痛みだった。
サリアが乳鉢を止めると、伯爵はそっと彼女の指先を見た。細い指に、細かな薬品焼けの跡。
「無理をしていないか」
「師匠の研究を支えるのが、私の望みです」
彼女は微笑む。
その微笑みには、半サキュバスとして背負ってきた孤独も、差別も、すべてを受け止めた強さがあった。
伯爵は一瞬だけ目を閉じ、彼女の頭に軽く触れる。
それは師匠のしぐさであり、恋人のしぐさでもあった。
店の鈴が鳴り、近所の農夫が入ってくる。
「ランタン石、また壊れちまってなあ」
サリアはすぐに顔を上げ、柔らかく頭を下げる。
「お預かりします。明日には直しますね」
伯爵は横で値段を小声で言う。
彼女は頷き、ほんの少しだけ値引きする。二人の間には、言葉のいらない呼吸があった。
客が帰ると、夕日が窓から差し込む。
埃が金色に舞い、棚の魔道具が小さく光る。
サリアは湯を沸かし、薄い薬草茶を淹れる。
「師匠、少し休みましょう」
伯爵は受け取り、苦笑した。
「弟子に世話を焼かれるとはな」
「恋人に、です」
小さな声。
伯爵の手が止まる。
二人は、静かに笑った。
外では子供たちの笑い声。遠くで鍛冶屋の槌音。
ロゼリアタウンの穏やかな夕暮れの中で、失われた栄光の代わりに、確かな温もりがそこにあった。
⭐️バイブーオ実験。
}
店を閉めた後で、2人はいつも新しい魔道具の実験をしている。
「これが『バイブーオ』だ、淑女のための魔導具だな」
伯爵は漆塗りの盆に乗せられた奇妙な装置を差し出した。黒檀と魔晶石で組まれた流線型の本体から、複雑に絡んだ金属管が伸びている。管の末端には透明なスライムの塊が鎮座し、不気味に蠢いている。
「スライムの粘液組織を核化させた特殊なジェル層に魔力を直接共鳴させることで――」
「……師匠」
サリアが震える声で遮った。長時間の説明よりも、その「試験」を前にした緊張の方が切実だった。工房の奥まった一角に引かれた簡易寝台。壁際には解剖台にも似た調査用机。彼女の白衣は汗で背中に貼りつき、眼鏡のレンズが微かに曇っている。
「理論は分かっているだろう? 経過観察が必要なのだ。君なら適任だ」
そう言われて拒めるはずがない。これまでも何度となく命じられてきた「実験参加」だが、今回ばかりは質が違った。羞恥心が喉まで込み上げてくる。
「はい……師匠のご命令であれば……」
消え入りそうな声で答えたとき、伯爵の目が微かに細くなった。満足と不安が同時に宿るような、深くて静かな感情がそこにある。
天井の水銀ランプが橙色に滲む中、サリアは寝台に横たわった。胸元のボタンを二つほど外し、腰の帯を緩める。腿をわずかに開く動作さえ、全てが観察されていると思うと火が出るほど恥ずかしい。
「まずは低位振動から」
伯爵は計測器を設置し、レバーを静かに引いた。スライムの表面が波打ち始めた。最初は微かだが、確かな振動――サリアの下腹に置かれた魔具が小さく脈打つ。
「体温上昇二度。血圧安定」
淡々とした記録が耳に届く。自分の肉体の数値を読み上げられる恥辱。けれどそれ以上に、
(あぁ……熱い……)
震えが全身を駆け巡る。スライムの芯が肌に吸いつき、徐々に内部へ沈み込んでいく。冷たいはずなのに燃えるように熱い。半サキュバスの血が疼き出す。
「異常なし。続けて中位へ移行」
レバーの音と共に、振動が倍増した。ジュワッという湿った音。潤滑液が魔具に反応して泡立ち始める。太ももを伝う液体の感触が耐え難いほど鮮明で、サリアは思わず指先を噛んだ。
「声を抑える必要はない。感覚をそのまま報告してくれ」
無慈悲な指示。唇を解けば呻きが漏れる。息を荒げながら言葉を探す。
「じょ……上皮摩擦係数上昇、自律神経の亢進…あひっ❤️…確認しました」
言い終わる前に魔具がさらに深く押し当てられる。今度は円を描くような複雑な動き。彼女の瞳が一瞬見開かれ、首筋まで朱に染まる。
「ジェル状物質は最も感度の良い部分を選択して攻めているようだ、実に興味深い」
伯爵は羊皮紙にさらさらと記す。サリアの指先はシーツを握りしめ、膝が小さく震えている。潤滑液はすでにぬかるみと化し、魔具の周囲を艶やかに彩っている。
「陰核への直接刺激有効率八十二パーセント。次は最深域を」
「待っ……もう――」
制止の声は途中で途切れ、嬌声へ変わった。スライムの中核が突然収縮し、膣口を押し広げる。魔力の奔流が体腔を貫く感触。あまりの衝撃にサリアの腰が浮き上がる。
「あ…いぐぅっ…ぁああっ!」
サリアの叫びが木霊する。サリアの手が無意識に伯爵の方へ伸びる――助けを求めるかのように。
だが師は冷静なまま計器を眺めている。科学者の仮面。彼女が尊敬してきた男の顔。
(嫌……なのに……どうしてこんなに……)
矛盾した涙がこぼれる。研究対象として扱われる屈辱と、肉体の歓喜が錯綜する。サキュバスの血が呼応して淫靡な香気が立ち込める。その時初めて、伯爵の眉間に皺が寄った。
「なるほど……予想外のフェロモン放出。成分を採取する」
彼はガラス棒を取り出し、彼女の鎖骨あたりに滴った汗を掬った。サリアの頭上で計器が甲高い音を立てる。
「臨界点到達――三秒後に強制排出」
「ひぃっ、らめ、やらぁ、もう、、いくのやだぁ!」
宣言とともにスライムが激しく脈動した。ドビュッドビュッ
堰を切った奔流。サリアの背中が弓なりにしなる。絶叫が工房の空気を裂く。四肢が痙攣し、腰が高く跳ね上がる。快感の極致に押し潰されるように、彼女は失神した。
静寂が戻る。伯爵は魔具を引き抜き、慎重に洗浄槽へ浸す。蒸気が上がる。寝台ではサリアが浅い呼吸を繰り返している。乱れた髪が頬に張りつき、虚ろな瞳が虚空を見つめている。
「素晴らしいデータを得た」
低い呟き。彼は清潔な布を取り出し、弟子の額の汗を拭った。その指先が優しかった。
「ただ……少々副作用が大きい。改良が必要だな」
言葉の端に悔恨の色が滲む。科学者としての失敗ではない。人を愛する男の心が痛んでいた。
サリアがかすかに身を起こす。震える唇が動く。
「師匠は……なぜ私を……」
答えはなかった。ただ眼鏡を外され、頬に暖かい手のひらを感じただけだった。研究室の冷たい灯りの下で、彼らだけが炎の中にいるようだった。
「師匠…お願い…」
サリアの声は糸のように細かった。工房の隅で清拭を終えたばかりの肢体が薄い毛布に包まれている。頬はまだ紅潮し、濡れた睫毛が眼鏡の奥で揺れていた。
「どうした?」
伯爵は実験結果を整理する手を止めた。彼女の前に屈みこむ姿勢が、弟子への気遣いを物語っている。
「あの……さっきの実験では……」
言い淀む。言葉よりも早く手が動いた。震える指先が師の袖口を摘んだ。サキュバスの本能が疼く。だがそれを恐れる心もある。相反する感情が渦巻く。
「……サリア?」
呼びかけに応えるように顔を上げる。視線が絡んだ瞬間、彼女の口が勝手に動いた。
「師匠のもので……私の淫な身体を……上書きしてほしいのです」
言ってしまった後悔。だが本当の願い。毛布の下で太腿を擦り合わせる動きが止まらない。
魔光灯の光が二人の影を床に焼きつけた。伯爵は静かに眼鏡を外す。鋼のような瞳の奥で何かが溶け始めた。愛情と欲望。
かつて貴族社会で散々謳歌した情欲が、今は真摯な献身へと変貌している。
「犯して良いのか?私の体には、デーモンコアの力がまだ少し残っているんだよ。」
「はい……半サキュバスの私なら師匠を受け入れても大丈夫です」
伯爵はゆっくりと指先を彼女の頬に添えた。温かい。彼の手袋の下に隠された肌が直接触れると、サリアの背筋に鳥肌が走った。
「私はすでに普通の人間ではなくなった、でも、君を愛する気持ちは誰にも負けない」低く囁く。
その一言がサリアの最後の壁を崩した。涙が溢れ、ついに毛布を投げ捨てる。裸身が露になる。薄明かりに浮かぶ乳房と腰のライン。そして股間で光沢を放つ秘部――スライム実験の名残がまだ濡れている。
伯爵が覆いかぶさるようにキスをする。舌先で歯列をなぞる官能的な口づけ。唾液が交換される度にサリアの吐息が甘くなる。
「ぁ……はぁ……」
彼の指が乳房を包む。
白衣越しに感じていた硬さが直に伝わり、サリアは爪先を丸めた。尖った乳首を親指で捏ねられると声が上ずる。
「もっと聞かせてほしい」
耳元で囁かれる命令に抗えず、彼女は喉を開いた。
「ふぅんっ……師匠ぉ……そこばっかり……だめぇ……!」
否定形が逆に高揚を煽る。伯爵の掌全体で揉みしだかれ、乳肉が形を変えるたび快美感が腰へ落ちていく。結合を待ち焦がれる膣が収縮を繰り返す。
ついに彼のものが充てがわれた。魔具など比較にならない熱と質量。亀頭が割れ目に沿って上下すると潤滑液が白く泡立つ。
「挿れるぞ」
前置きなく進入が始まった。痛みはない。むしろ体内を押し広げる圧迫感が悦楽に変わる。半サキュバスの胎内は獲物を食らうように収縮する。
「あ゛ぁああっ!」悲鳴混じりの歓喜。「師匠のっ……太い……入ってくる……っ」
根元まで飲み込んだ瞬間、痺れが背筋を走り抜けた。彼が動き出す。
抽送の律動に合わせて工房の寝台が軋む。結合部からは愛液とスライム残留液が混ざり合い、卑猥な音を響かせる。
「サリア……! 君は最高だ……!」
最上の賛辞だった。サリアは尻を持ち上げて迎え腰を作る。騎乗位へ移行し自分から快楽を探りに行く。
乳房が弾む。伯爵の顔面に当たる位置で大きく揺れ、彼の目尻が愉悦に緩む。突き上げる角度を変えられ、Gスポットが抉られた。
「そこ……ダメェ……!」
懇願する裏腹に腰が落ちる速度が速くなる。快楽の渦が急速に肥大化していく。
「出すぞ……膣内だ……!」ドビュッドビュッ
予告とほぼ同時の射精。大量の精液が子宮口に叩きつけられる感覚にサリアの視界が白く染まった。膣壁が波打ち、自身も達してしまう。
「あ゛っ……イグゥウウッ!!!」
絶頂の余韻に震える身体を抱き留められながら、最後の一滴まで注ぎ込まれる。結合部から零れる混合液がシーツを汚していく。
体力の限界に達し倒れ込むサリアをそっと横たえる。伯爵は枕元で彼女の額を撫でる。
「無事か?」
掠れ声での問いに弱く頷く。
「ありがとうございます……師匠の……精で……満たされました……」
寝息がすぐさま深くなる。伯爵は眼鏡を掛けなおし、清拭用の温タオルを準備しながら呟いた。
「こうして君の熱を感じる時だけ……私は生きていると思えるのだよ」
夜は更けていく。薬剤臭と精臭が交錯する工房で、魔導書が一枚はらりと捲れた。表紙の星紋が魔光灯を反射し煌めく。
それは二人だけの未来を祝福するように。
⭐️小さな魔道具店。
磨かれたガラス瓶。古びた机。二つの影。
そして、誰よりも仲睦まじく働く、師弟の姿が、柔らかな灯りに包まれていた。
午前の光が、店内のガラス器具に反射して淡く揺れていた。
カラン、と鈴が鳴る。
「いらっしゃいませ」
サリアはいつもの丁寧な礼をする。
入ってきたのは、《Roseliaサバイヴァーズ》の一行だった。
先頭はアル・ディーン。片手剣と丸盾を携えた堅実な冒険者。
後ろに、静かな気配を纏うミレーヌ、弓を背負ったセルシア、聖印を胸に下げたメイベル、巨大鉄盾を担ぐヴァレリア、そしてローブ姿のリュミエール。
「素材探索同行の依頼の件で来た。」
アルが率直に言う。
奥からサンジェルマン伯爵が姿を現す。黒い外套を翻し、静かな笑み。
「アル君、今日は素材探索の護衛を頼みたい」
サリアが地図を広げる。
「旧湿地帯と、その奥の岩窟です。必要なのは三種」
伯爵が指で示す。
① 沼影蛙(シャドウ・トード)
「夜行性。体表の粘膜に熱遮断性の魔素膜を持つ。火炎耐性装備の触媒になる」
リュミエールが小さく頷く。
「防御符の改良に使えますね」
「ただし――」
伯爵の声が低くなる。
「跳躍距離は五メートル。毒舌を持つ。盾役は前に」
ヴァレリアがにやりと笑う。
「任せろ!」
② 鉄殻スカラベ
「岩窟に棲む甲虫型魔物。外殻は軽量高強度の魔鉄質。武具補強に最適」
グリムニルが聞けば目を輝かせる類だ。
「だが光に敏感だ。刺激すると群れる」
「私の矢で静かに仕留めます……」
セルシアが小さく呟く。
③ 紅晶狼(クリムゾン・ファング)
空気が少し重くなる。
「群れの主個体。体内に形成される紅魔結晶核は極めて高価だ。だが」
伯爵はアルを見る。
「賢い。統率する。正面からの力押しは愚策だ」
アルは短く息を吐く。
「なるほど、罠と分断だな」
伯爵の口元がわずかに上がる。
「話が早い」
サリアは師を誇らしげに見つめていた。
⭐️ 素材探索開始
湿地帯。霧が立ち込める。
ぴちゃ、と水面が揺れる。
「来るぞ!」
跳躍。
ヴァレリアが鉄盾で受け止める。
紫の舌が伸びる。
「断ち切れ絶刀!雪月花!」
ミレーヌの斬撃が閃き、粘膜を裂く。
アルが踏み込み、首元へ一閃。
沼影蛙は沈んだ。
サリアは素早く魔素吸引瓶を構える。
「粘膜、劣化前に封入します」
伯爵は横で解説する。
「時間経過で魔素が揮発する。三分以内が勝負だ」
メイベルが周囲を警戒しながら回復補助。
完璧な連携だった。
岩窟
闇の中、カサカサという音。
セルシアの矢が無音で飛ぶ。
一体、二体。
だが光が漏れた瞬間、群れがざわめく。
「アル!」
「分かってる!」
罠用ワイヤーを引き、入口を狭める。
ヴァレリアが盾で押し止める。
ミレーヌが横薙ぎでまとめて薙ぐ。
硬質な音。
「外殻は刃を弾く!」
アルが叫ぶ。
「関節部だ!」
伯爵の冷静な声。
そこを突く。
沈黙。
サリアは慎重に殻を回収する。
「ひび割れなし、良質です」
リュミエールが詠唱する。
炎が、闇を飲む。伯爵は満足そうに頷いた。
■ 紅晶狼の縄張り
夕暮れ。赤い瞳が闇に浮かぶ。
「囲まれている」
リュミエールが小声で告げる。
アルは地面に簡易罠を設置。
セルシアは高所へ。
遠吠え。
主個体が現れる。通常種より一回り大きい。
「メイベル、後方支援!」
「慈悲深き地母神よ!」
狼が突進。
ヴァレリアが受け止め、後退。
その瞬間、罠が作動。足止め。
ミレーヌが跳ぶ。
「断ち切れ絶刀!」
だが主は避ける。賢い。
アルが回り込み、盾で視界を遮る。
「今だ!」
セルシアの矢が目を射抜き、
ミレーヌの刃が核の位置へ。
沈黙。
赤い結晶が脈打つ。
サリアは慎重に摘出する。
「……成功です」
伯爵は静かに言う。
「見事だ、アル」
アルは肩をすくめる。
「俺たちは堅実に生き残るだけだ」
夕焼けのロゼリアタウン。
サンジェルマン魔道具店に灯りがともる。
伯爵は素材を並べ、丁寧に解説する。
「紅魔結晶核は魔力増幅杖へ。鉄殻は軽装防具補強に。粘膜は耐火触媒」
サリアは横で帳簿をつける。
その姿を見つめながら、伯爵は小さく呟く。
「まだ終わっていないな、我々の研究は」
サリアは微笑む。
はい、師匠。私たちは、ここからです」
店の外では、Roseliaサバイヴァーズが報酬を受け取り帰っていく。
アルは振り返る。
「また何かあれば声をかけてくれ」
伯爵は軽く帽子を取る。
小さな魔道具店の灯りが、夜の町に温かく灯っていた。
アルたちが去ったあと、ロゼリアタウンの夜は静かに沈んだ。
店の灯りを落とし、サリアは作業台の上に並ぶ素材を整理していた。
紅魔結晶核が、淡く脈を打つ。
鉄殻スカラベの外殻が、微かに軋む。
そのとき、サンジェルマン伯爵の手が止まった。
「……サリア」
低い声。
彼女も気づいていた。
窓の外の闇が、濃い。
風が、妙に重い。
サリアの胸元で、熱が揺れる。
半サキュバスの血が持つ、甘く危うい香り——普段は制御している魔素の余香が、素材の魔力と反応して漏れていた。
伯爵の顔色が変わる。
「まずい。洞窟から我らはナイトウォーカーにつけられていたようだな。」
魔族の一種で知能の高い上位クリーチャーだ。体長は2メートルで手足が長く、闇にまぎれて俊敏に動く
その瞬間、遠くでガラスの割れる音。
屋根の上を、数体の影が走った。
人の形。
だが、長すぎる腕。裂けた口。
理性の光を宿した、捕食者の目。
ナイトウォーカー 上位種の人型クリーチャーだった。
サリアの喉が震える。
「……私のせいです」
伯爵は即座に答えた。
「違う。洞窟に奴らの痕跡があったことを見落としていた。責任は私にある」
「このままでは私たちは食い殺されます。。」
だがサリアは、すでに決意していた。
店の裏口を開け、夜へ踏み出す。
「サリア!」
彼女は振り返らず、微笑んだ。
「師匠を守るのが、弟子の役目です」
その瞬間、彼女は魔力を解放した。
サキュバスの香りが、夜に溶ける。
甘く、眩暈を誘う誘惑。
「クキャアアアアア」
屋根の上の影が、一斉に彼女へ向いた。
「来て……こっちよ」
命懸けの囮。
魔物が飛び降りる。
石畳が砕ける。
サリアは走った。
ロゼリアタウン外れの果樹園。
枝が顔を打つ。裾が裂ける。
後ろで、足音ではない音。
骨が軋む音。息の音。
追ってくる。
サリアは必死に魔符を投げる。
閃光。煙。凍結。
だがナイトウォーカーは止まらない。
「……怖い」
思わず涙が滲む。
けれど止まれない。
伯爵の顔が浮かぶ。
差別の中から救ってくれた日。
初めて「弟子」と呼ばれた夜。
「師匠を……守る!」
彼女は森へ飛び込む。
月明かりの中、影が伸びる。
一体が跳び、腕が肩を掠める。
血が滲む。
サリアは悲鳴を飲み込み、香りをさらに強く放つ。
魔物が狂ったように彼女だけを見る。
町から、遠ざかる。
遠ざかる。
息が切れる。足が震える。
「もう……無理……」
膝をついた。
三体のナイトウォーカーが囲む。
「ごめんなさい……師匠……」
彼女の目が、涙で濡れていた。
ナイトウォーカーの一体が牙を剥く。
魔物の前でサリアの震える瞳。
だがその奥に、確かに灯る光。
半サキュバスの本性が、守るべきもののため、醜くも尊い姿を選ぶ。
三体の魔物が、獲物へ手を伸ばした。
暗い森の中、サリアは自ら開いた脚を震わせていた。
甘い香りが闇に溶け、魔物の理性を溶かす。
ナイトウォーカーの一体が獣のように襲いかかる。
爪が服を引き裂き、冷たい鱗のような指が肌を這う。
「ぐっ……!」
サリアは唇を噛む。涙が頬を伝うが、抵抗しない。
サンジェルマン伯爵は助けを呼んでくれているはず。後はなるたけ時間を稼がなくてはならない。それには無駄な抵抗はむしろ自体を悪化させる可能性があった
「……好きにしてください」
それが唯一の選択だと悟っていた。
ナイトウォーカーの一体が彼女の両手を押さえつける。
もう一体が背後から抱きつき、牙を立てずに乳房を弄ぶ。
「や……っ!」
息が詰まる。
サリアの声が夜気に震える。
彼女の半サキュバスの本性がうずく
だがその瞬間、もう一体が下半身に手を伸ばした。
「ひっ!」
無理やりに股を開かされ、冷たく固い指が押し込まれる。
痛みと恐怖で腰が跳ねる。
「ひぐうっ」
もう1体ののナイトウォーカーが彼女の乳房にしゃぶりつく。
「やめてっ」
しかしサリアは抵抗できない。
魔物は彼女の性感帯を的確に探り当て、弄び続ける。
サリアは必死に耐える。
「お願い……許して……」
涙があふれる。
でも彼女は声を抑えきれなかった。
「んっ……! や……そんなところ……!」
ナイトウォーカーの指が膣奥を掻き回す。
痛みと共に痺れが走り、内股がヒクヒクと震える。
サリアの顔が羞恥に染まる。
(なんで……こんな……)
彼女の脳裏にサンジェルマンの顔が浮かぶ。
師匠のために耐えるしかない。
その決意が彼女を支える。
一方で身体は熱くなる。
「あっ……んっ……」
声が漏れる。
ナイトウォーカーの指が速さを増す。
「んっ! やあっ……そこは……ダメ……っ!」
サリアは背を仰け反らせ、腰を浮かせる。
羞恥と恐怖の中にも、身体は正直に反応してしまう。
それでも彼女は耐える。
「クキャアアアアア」
森の冷気が肌を刺す。だがサリアの体は内側から燃えていた。ナイトウォーカーの巨体が彼女を押しつぶすように覆いかぶさり、鱗状の尻尾が脚に絡みつく。
「あ゛っ……!」
最初の侵入は灼熱の楔のようだった。サリアは目を見開き、土を握りしめる。涙が泥に落ちた。「し……しょう……」*
か細い祈りが風に消える。師の名前だけが彼女の理性を繋ぎ止めていた。
「グキャッ」
嘲笑うような鳴き声。ナイトウォーカーが腰を浮かせ、再び叩きつける。鋭い先端が子宮口を殴りつける。
「んぐぅううっ!」
背筋が弓なりに反り返る。痛みの奥底で何かが疼いた。半サキュバスの血が警鐘を鳴らす──これは『快楽』だと(違う……これは……違う……)
「クキャアアッ!」
別のナイトウォーカーが傍らに跪く。湿った鼻先が腋の下を嗅ぎ回り、ザラついた舌が胸を舐め上げた。「ひゃああっ!?」
乳首を吸い上げられる衝撃で背が跳ねる。その拍子に膣が締まり、埋まったモノの形をくっきりと感じてしまった。
(ダメ……そんなつもりじゃ……)
「グググッ」
魔物の腰使いが変わり始めた。浅く速い抽送。執拗にGスポットを穿つ。
「んっ……んっ……!んくっ……!」
喉奥から漏れる声が裏返る。必死に噛んだ唇が破れ、鉄臭さが広がった
(おかしい……お腹の奥が……ジンジンして……)**
「メス……孕ませ……メス……」
濁った知性の声。結合部から白濁した粘液が溢れ出す。ナイトウォーカーの繁殖腺液だ。
「いゃ……汚さな……いで……」
訴えは喘ぎに変わる。粘液が媚薬のように神経を蕩かせた。サリアの腰が無意識に揺らめく。(欲しい……もっと奥に……)
「グキャアッ!」
咆哮と共に精液が爆ぜた。熱い濁流が子宮を叩く。
「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁっ!」
脳天まで突き抜ける絶頂。サリアは脚をピンと伸ばし、潮を噴いた。身体がビクビクと痙攣する。
(イった……師匠じゃないのに……)
虚脱感の中で新たな影が被さる。二体目のナイトウォーカーが猛ったペニスを突き付けていた。
「も……やめて……」
言葉とは裏腹に膣口がヒクつく。注がれた精液がゴポッと逆流する。
「グキャァッ!」
強引な挿入。初体の蹂躙が再び始まる。
「お゛ごっ!? ふか……いっ……!」
二本目のペニスは長大だった。S字結腸にまで届く先端が小刻みに波打つ。
(苦しいのに……気持ちいいなんて……)
「ダメ……なの……に…」
自虐の呟き。三体目のナイトウォーカーが口腔に無理矢理指をねじ込む。
「んぶぅっ!?」
咽頭を犯す指。喉奥から快感が放射状に広がる。
(全部……犯されてる……)
「グキャキャキャッ」
嗤い声。膣内の肉杭が膨らむ。二回目の絶頂が迫る。
「や……やらぁ……もぉ……いくの……いやぁ……」
ドビュッドビュッ!
「ん゛ん゛ん゛〜〜〜っ!!」
視界が白く爆ぜる。サリアの理性が音を立てて折れた。
(もっと……欲しい……)
次々と訪れる絶頂。
喉まで届く吐き気すら快感に変換される。
「ググゥッ」
四発目の射精。粘液の海でサリアは溺れた魚のように痙攣する。
魔物たちが興奮で発光する目をギラつかせた。
(わたし……気持ちよくなってる?)
「グギャッ!」
次が群れの中から現れる。
だが既にサリアの手は自ら開いていた。
(もう……いいんだ)
「きて……くださ……い…」
甘い声。サキュバスの本能が完全に顕現する。
森の奥でサリアの笑い声が響いた。それは師への忠誠ではなく──貪婪な悦楽への讃歌だった。
そのとき、森の奥で火が揺れた。
サンジェルマン伯爵の低い声。
「そこまでだ」ボン!。
サンジェルマンの閃光の魔法が、クリーチャーたちの目を奪う
アルの剣が光る。
ミレーヌの刃が月を裂く。
セルシアの矢が夜を貫く。
リュミエールが詠唱し炎が、闇を飲む。
Roseliaサバイヴァーズが戻ってきていた。
「サリアを救え!」
ヴァレリアが盾を構えて安全圏を作り
メイベルの光が彼女を包み癒した
激戦ののち、ナイトウォーカー達は崩れ落ちた。
静寂。
サリアは膝から崩れた。
「……師匠、ご無事ですか?」
「サリア❤️」
伯爵が駆け寄り、彼女を抱き止める。
「無事だ。お前のおかげだ」
サリアは泣いた。
恐怖と安堵と、愛情で。
伯爵は震える手で彼女の頬を拭う。
「もう囮などになるな」
彼女は首を振る。
「何度でもなります。師匠のためなら」
夜の森に、静かな風が吹く。
遠くでロゼリアタウンの灯りが瞬き、
小さな魔道具店の窓だけが、まだ温かく光っていた。
Epilogue: 温もりの中で
ロゼリアタウンの秋は早くやってくる。通りの葉は黄色く染まり、石畳に積もる落ち葉が足音を柔らかく包み込む。サンジェルマン魔道具店の窓辺には金木犀の香りが漂い、店内には小さな幸せが灯っていた。
伯爵は暖炉のそばで魔道具の設計図を広げていた。ペン先が羊皮紙を滑る音。
サリアはその斜め前に椅子を寄せ、刺繍をちくちくと進めている。針を通すごとに彼女の指先が微かに震え、長いまつげが下を向く。
「……師匠?」
「なんだ?」
「近すぎます」
伯爵は視線を上げず、設計図の隅に計算式を書き込んだ。しかしその右肘はサリアの左肩を確実に押しており、二人の膝は紙一枚分の隙間もない。
「問題があるか?」
「あります。集中できません」
「なら代わりにこっちを見てくれ」
サリアの顎が軽く持ち上げられ、伯爵の瞳に囚われる。彼は薄く微笑んでいるが、眼鏡の奥の眼差しはどこか意地悪だ。
「子ども扱いしないでください……」
「無茶をした罰だ」
彼は右手を伸ばし、サリアの髪を弄んだ。指先がするりと紐を通る度に彼女の頬が熱くなる。
「反省しているんです……本当に」
「わかっている」
伯爵は突然設計図を脇に置いた。そして左腕でサリアの腰を引き寄せる。彼女が息を飲む暇もなく、温かな体温が密着した。
「でも足りないな。今日一日中抱いていたいくらいだ」
「師匠!」
「サリア❤️私の大事な可愛いサリア❤️」
彼の声には甘さと厳しさが同居している。サリアの胸がきゅっと締め付けられた。
「……ずるいです」
「大人だからな」
伯爵は彼女の首筋に鼻先を寄せた。サリアが使っている柑橘系の石鹸の香りを楽しんでいる。それだけのことなのに彼女の鼓動は早くなる一方だ。
「罰と言っても……」
「甘やかすことにした」
「それが罰なんですか?」
「他に考えられるか?」
答えは出なかった。だってこんな贅沢な「罰」があるだろうか。大好きな人がずっと側にいて、何もかも許してくれて、ただただ甘やかしてくれる。サリアは諦めて背もたれに身体を預けた。
「分かりました。今日だけですよ」
「それでいい」
伯爵は微笑み、右手でサリアの頬を撫でた。かつて王宮で名を馳せた指先が今、彼女の肌だけを慈しんでいる。
「サリア……」
耳元で囁かれる名前は蜂蜜のように甘い。
彼女は身をよじろうとするが、伯爵の腕はさらに強く抱き締めて離さない。
「君の勇気には感謝している。だが忘れないでくれ」
「はい……?」
「君の命は君一人のものではない。これからは私のものでもあるということを、」
サリアの喉が小さく鳴った。真剣な告白に頬が燃えるように熱くなる。
「つまり……」
「つまりそういうことだ」
彼の唇が頬を掠めた。ほんの一秒だけのキスなのに、まるで永遠みたいだ。サリアは震える声で呟く。
「やっぱり罰になっていません」
「だから言っただろう? 甘やかすことが目的だと」
二人の笑い声が店内に響く。窓辺のカーテンが秋風に揺れ、金色の陽射しが机を照らした。
その後も伯爵の「甘やかし」は続いた。昼食は膝の上で食べさせてあげたり、「師匠」と呼ばれるたびに髪を撫でたり。サリアは赤面しながらも抗議せず、そのうち彼女の方から伯爵の袖を引くようになった。
午後の光が傾き始めたころ、店の扉がノックされる。
「こんにちは~」
聞き覚えのある声。ミレーヌとセルシアだ。
ナイトウォーカー討伐の正式な報告書を持ってきてくれたらしい。
「あらまぁ……」
ミレーヌが苦笑いする。伯爵はサリアを膝の上に乗せたまま帳簿を開いており、サリアの手には紅茶のカップがある。どう見ても商談どころではない。
「すみません……」
サリアが真っ赤になりながら降りようとするが、伯爵がしっかり抱えて離さない。
「待っていてくれ。すぐ終わる」
ミレーヌとセルシアは顔を見合わせて肩を竦めつつも微笑んでいた。
「相変わらず仲が良いですね」
「これが私達の日常だ」
伯爵は珍しく自信たっぷりに言った。サリアは俯いて額を伯爵の胸板に預けた。
全てを乗り越えて辿り着いた安らぎ。それはまるで壊れやすい陶器のようで、脆いけれど美しい。
「師匠……」
「ん?」
「幸せです」
「私もだよ」
その日の夕陽はいつもより赤く燃えていた。二人はいつまでも窓辺に並んで立ち、街の灯りが一つずつ増えていく様を見つめていた