冒険者はつらいよ 冒険者歴10年選手の日常とエロス 作:みなぽん
アル ディーン 本編の主人公、年齢30歳 キャリア10年の冒険者。等級は10年かかってやっとシルバ
片手剣と丸盾、半弓なども器用に使う。サバイバルや罠の解除にもたけていて、一言で言うと器用貧乏な男。
ミレーヌ エルフェンリート 年齢45歳 雪族で見た目はティーンエイジャーに見える。純白の髪の清楚系魔法騎士の彼女は一見すると清楚で優しい常識人だが愛刀雪月花から放つ剣技は凄まじい。アルとは古い付き合い。
「アルったらもっと私を頼っていいんだからね」「断ち切れ絶刀!雪月花!」
セルシア ミストラル 年齢81歳 エルフ族 銀の髪に、氷のように澄んだ瞳。小柄な体躯だが百発百中で獲物を射抜く弓の達人。優秀な兄弟たちのもとで育ったせいか自己肯定感が極めて低い。すぐに卑屈になっていじける癖がある。
「私の矢には正義を貫く力がある」「私はグループのお荷物ですから、邪魔になったら捨てて行ってください」
メイベル・リングベル。年齢20歳 リーキスト教団の聖導女 聖印の刻まれた杖を抱え、柔らかな雰囲気を纏っている娘。
回復系魔法を使う、性格的にも心優しく100%の癒し系。戒律に従順でアルへ寄せる恋心に罪悪感を感じている。
「慈悲深き地母神よこのものに癒しの光を!」「ああ、女神よお許しください。私はまた淫で邪な感情を」
リディア マーカス 冒険者ギルドの受付嬢 清楚で真面目なギルドのアイドル的存在。
「冒険者に大事な事は生き残ることです。無事のご帰還をお祈りしています。」
険を冒す者と書いて冒険者と読む。つまりは、危険なことや困難なことを蛮勇を持って押し進め成し遂げるもののことだ。
およそまともな神経で務まる仕事ではない。しかし、この職業には馬鹿者を惹きつける魅力があるようだ。
農夫として死ぬまで小さな畑にしがみついて生きるより。漁師として釣り船に揺られて生きるより、鍛冶屋として鉄を打って生きるより、
何が起こるかわからない。不確かと言う魅力があるのだろう。
人はそれを自由と呼び、そして険を冒す!冒険者として生きるために。
平凡な護衛の話
――冒険者は、剣より先に我慢を学ぶ
冒険者ギルドの朝は、いつも同じ匂いがする。
古い木材と鉄、汗とインク、そして安酒の残り香。
掲示板の前に人だかりができ、依頼書の羊皮紙が、まるで命の値札のように剥がされていく。
アル・ディーンはその光景を、もう十年見続けていた。
「……護衛、か」
彼の指先が止まったのは、街道キャラバンの護衛依頼だった。
目的地は三つ先の交易都市。期間は十日。報酬は中程度、危険度は低。
「おおっ、護衛任務ですか!」
弾んだ声を上げたのはセルシアだった。
銀髪のエルフは、依頼書を覗き込んで目を輝かせる。
「キャラバン護衛……初めてです!
街と街をつなぐ仕事、なんだか冒険者らしいですね!」
「……」
ミレーヌは何も言わず、静かにため息をついた。
メイベルも、依頼書を見た瞬間に視線を逸らしている。
「……どうした?」
アルが問うと、ミレーヌは肩をすくめた。
「セルシアちゃん。
あれはね、モンスターと戦うよりもつらい仕事よ」
「え?」
「トイレなし、風呂なし。
食事は黒パンと塩辛い豆の煮込み。
雨が降っても進むし、暑くても止まらない」
「……」
セルシアの笑顔が、わずかに引きつる。
「夜は交代で見張り。
眠りが浅くなると判断力が鈍る。
護衛中の事故は、戦闘よりも“油断”で起きるの」
メイベルが小さく頷いた。
「……以前、護衛中に病気が出たことがありました。
誰も倒れていないのに、依頼は地獄でした……」
セルシアは口をつぐみ、しばらく考え込む。
「……それでも、受けますか?」
アルは依頼書を剥がし、無言で懐に入れた。
「受ける。
理由は単純だ」
彼は静かに言う。
「安定した金になる。
それに……こういう仕事を、投げ出さずに続けられるかどうかが、冒険者の寿命を決める」
セルシアは、背筋を伸ばした。
「……はい!
足を引っ張らないよう、頑張ります!」
「引っ張るのは足よりも気分よ」
ミレーヌがぼそりと突っ込み、アルは苦笑した。
◇
出発の日。
キャラバンは荷馬車五台、商人三人、護衛はアルたちを含めて六人。
道は平坦で、最初の三日は何事もなかった。
――何事もなさすぎる、ということを除けば。
「……このパン、石みたいです……」
セルシアが黒パンを齧り、顔をしかめる。
「噛むたびに顎が悲鳴を上げています……」
「慣れなさい」
ミレーヌは淡々と豆のスープを啜る。
「冒険者の歯は、武器よ」
「そ、そうなんですか……」
夜。
焚き火の周りで、交代で見張りを立てる。
セルシアは初日の夜番で、眠気と戦いながら弓を抱えていた。
――何も起きない。
――音もしない。
――ただ、虫の声と風。
これが、地味に心を削る。
「……戦闘の方が、まだ楽ですね……」
独り言が漏れる。
二日目。
雨。
道はぬかるみ、馬車は進まない。
靴の中は湿り、乾かす暇もない。
「……あの、トイレは……」
セルシアが小声で尋ねる。
ミレーヌは森を指差した。
「そこ。
後ろを見張ってあげるから、さっさと行ってきなさい」
「は、はい……!」
セルシアは戸惑いながらも、ミレーヌが指差す森の方向へ視線を移した。木々が鬱蒼と茂り、昼間とはいえ薄暗い雰囲気が漂っている。あそこに……一人で?
「で、でも、危険じゃないですか?」
「キャラバンの護衛任務ではよくあることよ。男性の人たちはマナーをわきまえているから、心配しないで」
ミレーヌはにっこりと笑い、セルシアの不安を和らげようとしてくれる。
「あまり遠くへ行かないようにね」
(うわ……ここなら誰にも見られないよね……)
セルシアは周囲を確認し、小走りで少し奥へと進んだ。目的の泉は思ったよりも小さく、水面は透き通っていて底まで見えるほどだった。それでも、今の彼女にとっては十分すぎるほど魅力的な場所だった。
(早く済ませよう……)
そう心に決めると、彼女は震える手でロングスカートの裾をたくし上げ、純白のパンティーに手をかけた。初任務の緊張と慣れない環境が重なり、顔は真っ赤になっている。
(こんなところで……なんて恥ずかしい……)
銀色の光が細く水に落ちていく。その瞬間──
「ひっ!?」
冷たく湿った感触が突然足首を捉えた。驚いて下を見ると、半透明の青白いゼリー状の物体が地面から伸び上がり、彼女の足首に絡みついていた。
(なっ……スライム!?こんな時に……!)
セルシアは慌てて逃げようと足を動かしたが、スライムの粘液質な触手は驚くほど素早く彼女の動きを封じていた。
「やだっ……放して!」
懸命に振り払おうとするが、触手はさらに伸び上がり、彼女の太ももへと這い上がる。そして──
「あっ……!?」
不意に、細い触手の先端が彼女の最もデリケートな部分を探るように触れた。セルシアの全身が総毛立ち、息が止まる。
「ちょっ……やめて……そこは……!」
触手はまるで意志を持っているかのように、さらに深く侵入しようと蠢く。一方で別の触手は後ろからも彼女を襲い、肛門の周りをぐるりと這い回る。
「いやああっ!やめてください!そんなところ……!」
パニックに陥るセルシアだったが、その時身体が勝手に反応してしまった。膀胱に溜まっていたものが一気に流れ出す感覚──
「ああっ……!」
彼女の羞恥の証が水に落ちるたびに、スライムの触手がそれに反応して吸い付くように動く。しかも同時に、前の穴と後ろの穴を塞ぐように触手が押し込まれていく。
「やだっ……やだっ……吸わないで……!」
スライムは彼女の排出物を吸収しながら、体内に侵入してくる。
未知の感覚にセルシアは震え上がり、膝ががくがくと震える。
「助けて……誰か……!」
泣きそうな声で叫ぶものの、その声は森の静寂に吸い込まれていくだけだった。スライムは容赦なく彼女の体液を吸い取り続け、細い触手が内部を探索するように動き回る。
「お願い……もう……許して……」
セルシアの目から涙が溢れ出す。銀色の長い髪が乱れ、普段の凛とした姿は見る影もない。高貴なエルフの少女が、こんな形で恥辱を受けるなんて……
やがて長い排泄が終わり、スライムは満足したのか少しだけ力を緩めた。しかしまだ完全には解放してくれない。
「くっ……この……!」
セルシアは震える手で短刀を抜き、勇気を振り絞ってスライムに切りつけた。粘液質の体液が飛び散り、スライムは怯んだように後退する。
「はぁ……はぁ……」
ようやく自由になった彼女は急いで衣服を整え、涙を拭いながら森を駆け出した。仲間たちのもとへ戻る道中、何度も振り返りながら。
(こんな姿……誰にも見られたくない……)
恥ずかしさと恐怖が入り混じる中、セルシアは決意を新たにした。この任務で必ず役に立って見せる──そうすれば、さっきの出来事も忘れられるかもしれない。
しかし彼女の顔は真っ赤で、目はまだ潤んでいた。銀色の光が落ちた泉を後にする彼女の姿は、どこか哀愁を帯びていた。
戻ってきたセルシアは、顔が赤い。
「……冒険者って……大変なんですね……」
メイベルは優しく微笑み、乾いた布を差し出した。
「でも……こういう時間も、誰かの生活を支えているんです」
三日目。
商人同士の口論。
護衛には関係ないが、気を遣う。
四日目。
夜中に馬が暴れ、全員起床。
原因は蛇一匹。
五日目。
セルシア、完全に疲労。
「……私、足手まといですよね……」
「またそれ?」
ミレーヌが彼女の頭を軽く小突く。
「弓の警戒は完璧だったでしょ。
それに、文句を言わずに耐えてる」
アルも言う。
「護衛は“何も起きない”ことが成果だ。
今のところ、満点だよ」
セルシアは目を潤ませ、頷いた。
小さな事件はあった。
夜盗が遠巻きに様子を見てきたことが一度。
アルの睨みとセルシアの牽制射で、事なきを得た。
それだけだ。
だが、旅が終わる頃、全員が理解していた。
――この仕事は、地味で、退屈で、消耗する。
――それでも、誰かがやらなければならない。
目的地の門が見えたとき、商人が深く頭を下げた。
「無事に着いた……ありがとう」
その言葉は、金貨よりも重かった。
セルシアは、門を見上げて小さく息を吐く。
「……私、キャラバン護衛、嫌いじゃないかもしれません」
「何事もないそれが、一番大事だ」アルは笑った。
平凡な冒険者たちの、平凡な護衛任務。
英雄譚にはならない。
だが――確かに、生きて、働き、たどり着いた。
それだけで、十分だった。
山あいの町サクーツは、夕暮れになると急に冷え込む。
石畳の通りを抜け、キャラバンの商人たちと最後の握手を交わしたあと、アルは肩の荷が下りたのを実感していた。
「これで依頼完了だな。明日の朝には帰路につくか」
そう言ったアルの背に、ミレーヌの声がかかる。
「ちょっと待って、アル」
振り返ると、彼女はどこか上機嫌だった。
白い髪が夕陽に染まり、いつもより柔らかな表情をしている。
「報酬、思ったより良かったでしょ?
……ねえ、せっかくサクーツまで来たんだもの」
「嫌な予感がするな」
「温泉よ。温泉!」
セルシアが目を丸くする。
「えっ、温泉があるんですか!?」
「この町の自慢。山の湯よ。
高級宿は無理でも、公衆浴場なら銅貨数枚で入れるわ」
メイベルも、ほっとしたように微笑んだ。
「……旅の疲れ、溜まっていますし。
少し体を休めるのも、悪くないと思います」
アルは一瞬考え、肩をすくめた。
「まあ……一日くらいならいいか。
湯に浸かるのも、冒険者の特権だな」
「やった!」
セルシアが小さく拳を握る。
温泉近くの安宿は、木造で古かったが清潔だった。
荷を下ろすと、湯気の立ち上る公衆浴場へ向かう。
脱衣所でそれぞれ分かれ、アルは一人、男湯の暖簾をくぐった。
湯に足を入れた瞬間、思わず息が漏れる。
「……生き返るな」
長旅で張りつめていた筋肉が、じわじわと緩んでいく。
戦闘でも行軍でもない、ただ湯に身を委ねる時間。
これがあるから、やめられない。
一方、女湯では――
「はぁ……」
ミレーヌが肩まで沈み、満足そうに目を閉じていた。
「こういうの、久しぶりね。
剣を振るうのもいいけど、やっぱり温泉は最高」
「……あの、ミレーヌさん」
セルシアは湯の端で、そわそわしている。
「このヘチマたわしって何に使うんですか初めてでどうしたら……」
エルフは、泉での水浴びを好む民族であり入浴文化は薄いはい
「サボンを塗って体をこするのよ。洗うときは優しくね。
あとで乾かすの、手伝ってあげるから」
「神よ我がお腹の周りの怠惰の証を聖なる湯で溶かしたまえ」
メイベルは湯の中で手を組み、静かに祈るように目を閉じていた。
「メイベル、私のお尻の周りにも女神の加護があるように祈ってくれる?」
ミレーヌが自分のお尻の肉をつかんで笑った。
「あの、、おふたりがお捨てになるものが私の胸につくように祈ってください」
セルシアもちょっと真面目な顔でお願いする。
湯気の向こうで、三人の笑い声が重なる。
雪の結晶を思わせる白い肌がほんのり桜色に染まるのを見ながら、ミレーヌは湯船からそっと立ち上がった。
「……やっぱり私も雪の一族。長湯は性に合わないわ」
湯気の向こうでメイベルも頷く。
「私も……今日は充分に浸かりました。街の薬草店を覗くつもりです」
セルシアだけが名残惜しそうに湯に浮かんだヘチマたわしを握っていた。
「えっ、二人とももう?私まだサウナにもチャレンジしたいのに……」
エルフの耳がぴょこんと跳ねる。好奇心が全身から溢れている。
「サウナ?」
ミレーヌが眉を上げた。「湯煙の部屋のこと?注意なさい。あそこは――」
「平気ですよっ!」
セルシアは勢いよく立ち上がり、タオルをしっかりと胸元に巻いた。「私だって大人のエルフです!みんなでお風呂に入る文化くらい知ってます!」
そ言って彼女は岩風呂の奥にあるサウナに入った。
「……ここがサウナ?」
セルシアは薄暗い部屋に足を踏み入れた。湿った熱気が肌にまとわりつき、蒸気が視界をぼんやりと覆っている。
「はぁ~っ!これぞ温もり!」
木製のベンチに座ろうとして――気づく。
壁際に並んでいるのは、中年から老人まで、ほとんど全員が裸の男性ばかり。
「へぇ、お嬢ちゃんひとりかい?」
「可愛いエルフだなぁ」
「サウナはじめてか?ちゃんと教えちゃるよ」
低い笑い声と視線が一斉に集中する。
セルシアの頬がサウナの熱以上に熱くなった。
「あ、あのっ!私は……別に……!」
タオルを必死に胸元で押さえながら立ち尽くす。エルフの長い耳がピンと伸びて、焦りが全身から滲み出ていた。
「ほぉ~♪初心者マークが見えるねぇ」
「サウナではタオル禁止だよぉ」
「ちゃんと『ルール』を守らんとなぁ?」
一人の大柄な老人がニヤリと笑い、ゆっくりと立ち上がる。
他の男たちも目配せを交わしながら距離を詰めてきた。
「あぅ……や、やめてくださ……」
セルシアが後ずさる――と、
ドンッ!
背中が壁にぶつかった。
逃げ場がない。
「ほらほら、女の子がひとりでサウナに来て……期待してるんだろ?」
「サウナに来たら、他の人のマッサージをしてやるのがマナーなんだよ。おじさんたちがやってあげるからね。」
「エルフの肌は柔らかいって聞いたけどなぁ~?」
男たちの手が一斉に伸びてくる。
熱気で汗ばんだ腕が四方から迫り、セルシアは反射的に目を瞑った。
セルシアのタオルが、ふいに肩から滑り落ちかけた。
「きゃっ……!」
反射的に両腕で胸を隠す。
震える指先が白い肌に食い込む。
男たちは互いに顔を見合わせ、卑猥な笑みを浮かべた。
「おいおい、隠すなよぉ」
「エルフってのは恥じらいが強くていいねぇ」
「まずは……肩からほぐしていくか?」
一人がそっとセルシアの肩を揉む
「俺は腰のマッサージだな。全く細い腰してるぜ。」
「俺はかわいい。お尻と内股をマッサージしてやるよ。」
「俺はつま先だ、エルフの美脚はたまらない」
「ひっ……!」
セルシアの体が震えた。
肩への指圧が不意に乳房の付け根まで滑る。
「ふむ……ここが凝ってるな」
「もっと奥までしっかりほぐそうか?」
「やめてっ……やめてくだ……」
男たちの手が次第に大胆になる。
背後から腰を抱えるように腕が回され、脇腹から指先が忍び寄る。
「つま先から始めて……ゆっくり上へな?」
足首を掴まれ、爪先が指で揉みほぐされる。
「うぅ……んんっ……」
敏感な部位への刺激に全身が粟立つ。
内腿へと続く指先が、膝の裏側を撫でる。
「ほう……反応が良いねぇ」
「エルフは感じやすいって噂は本当か」
「もっと教えてもらおうじゃないか」
肩から腕へ。背中から腰へ。
複数の手が同時進行で肌を這う。
鎖骨の窪みをなぞる指。肋骨の隙間を探る掌。
セルシアは声にならない呻きを漏らす。
「さあ、本番と行くか?」
男の一人が彼女の腹部に手を当てる。
「ここの……奥が一番疲れやすいだろう?」
掌全体で円を描くように押し回す。
セルシアの眉間に深い皺が寄る。
「くっ……ううぅっ……」
「ん~?この辺か?」
指先が丹田の上で強く圧迫する。
「あぁっ!」
鋭い痛みと奇妙な痺れが脊椎を貫く。
腰が無意識に浮き上がり、タオルがさらに緩む。
「おっと……邪魔だな?」
男の手がタオルの端を掴む。
「やだ……取らないで……お願い……」
「おいおい、“取る”わけじゃない。『直に診る』だけだよ?」
男たちは笑い声を上げながら合図をする。
「さあ、横になって。床に寝そべりなさい?」
「はぁ……はぁ……やめて……もう……」
熱気に朦朧としながらも、セルシアは抵抗しようとする。
しかし既に男たちに左右から腕を抑えられていた。
「マッサージは全身対象だ。さあ仰向けに……」
「いゃあ……見ないで……」
足元を掴まれて床に引き倒される。
背中に流れる湯の名残が肌を濡らす。
「やれやれ……エルフもやっぱり人間と同じ肌してるねぇ」
「少し違うかもよ?ほら……こっちの曲線なんて」
一人が乳輪の外縁をなぞるように指で辿る。
「ひぃっ!」
セルシアは小さく跳ねた。
「敏感だな?どれどれ……」
別の指がもう片方の乳房の頂きを摘む。
「んっ……!」
喉が締まり、呼気が途切れる。
「硬くなってるじゃねぇか」
「良い反応してくれるねぇ」
指先が軽く挟み、捻り、擦る。
その度にセルシアの体がピクリと震えた。
「はぁっ……やっ……ぁ…」
「ほらほら……我慢しなくていいぞ?」
「もっと素直になれよ。身体は正直みたいだしな?」
男たちの声が嘲りに変わっている。
セルシアは涙目になりながら天井を見つめていた。
(こんなの……嫌なのに……)
下腹部が妙に疼き始める。
それは生理的な現象だと分かっていても、自分で止められない。
「腰のラインがきれいだな」
「こっちの脚も細すぎずちょうどいい具合だ」
腿の内側を撫でられる度に肌が粟立つ。
セルシアの呼吸が早くなる。
「ん……ふ…ぅ……」
「はぁっ……も…やめて……くださ……」
掠れた声を男たちは鼻で笑った。
「まだ序盤だよ?」
「本格的になるのはこれからさ」
一人が腰骨の上に乗る。
「ここが一番疲れる場所だからね」
親指が尾てい骨の上を強く押し込んだ。
「ひぎぃっ!」
電流のような刺激が走り背中が反る。
同時に他の男たちが胸や腿へ触れ続ける。
「やああぁっ!だめっ……それダメぇっ!」
「感じてるのか?面白い声だな」
「エルフも人間と同じで気持ち良くなるんだねぇ」
「ちが……違います……こんなの……うぅ……」
指が乳房の頂をこね回す。
腰は強制的に押され続ける。
セルシアの肢体が意思とは無関係に悶える。
「ああぁっ……!もう……やめ……て…」
涙が零れ落ちる。
羞恥と苦痛が混ざり合い思考がまとまらない。
(誰か……助けて……)
男の一人が足を開かせようとする。
「さて……この辺も疲れてるんじゃないかな?」
「え……や…そっちは……!」
内腿を割るように指が滑り込む。
「いやああぁっ!!!」
セルシアは必死に抵抗する。
けれども何人もに押さえ込まれてはどうしようもない。
「暴れるな暴れるな。痛い目に遭いたいか?」
「もう遅いからね」
足首を固定され、指先が秘裂に近づく。
「お願い……そこだけは……」
「うるさいなぁ」
ズブッ……
セルシアの目が見開かれる。
「あ゛あ゛ぁぁーーっ!!!」
太い指が膣口を無理矢理広げる。
「うわ……きついな」
「処女じゃないだろうが……締まりがいいねぇ」
「もっと拡げないと。ほら」
二本目の指が挿入される。
「ひぃぃぃっ!!」
セルシアの声が甲高く響く。
内壁を擦られる異物感と激痛で涙があふれる。
「うぅ……ぐっ……抜いて……くださ……」
「何言ってるんだ。これからだろ?」
「お前みたいなガキがサウナなんか来るから悪い」
男たちは楽しげに喋りながら指を動かす。
出し入れするたびに愛液が滴る。
「セックスは初めてではないんだろう?いいよな」
セルシアは嗚咽を漏らしていた。
(怖い……)
「このエルフ娘濡らしておるぞ」
「じゃあ本番と行くか」
「初めてじゃないなら手加減はいらんな?」
「ほら、足持ち上げるぞ」
無理やり脚を持ち上げられる。
指を抜かれほっとしたのも束の間――さらに太いものが挿入されようとしている。
「エルフちゃんいただき❤️」
「待て!」
サウナのドアが勢いよく開いた。
湯気の向こうに現れたのは――アルだった。
褐色の肌が汗で光っている。
「この娘は俺の連れだ!勘弁してやってくれ」
鋭い眼光が男たちを射抜く。
セルシアが息を詰まらせたままアルを見上げる。
「おいおい、今さら出てきて……」
「ここまで来てお預けかよ」
「だったら代わりにお前がここでセックス見せろや!」
男たちの怒号が跳ね返る。
セルシアの肩が震える。
「何だと……?」
アルは眉間に深い皺を刻んだ。
(まさか……俺たちのことを知らずに……)
男たちの下品な笑い声が響く。
「俺らを納得させるなら……二人で見せろって言ってんだ」
「拒否すりゃエルフちゃんは丸裸で輪姦すんぜ?」
「くっ……」
アルが歯噛みする。
サウナという密室で人数差がありすぎる。
セルシアを守るには他に選択肢がないのか?
「アル……さん……」
小さな声が耳に届いた。
セルシアが涙目で顔を上げている。
震える唇が微かに動いた。
「私みたいな……女の子じゃ……アルさんに釣り合わないかもですけど……」
ぎゅっと拳を握りしめる。
「抱いてください……ミレーヌさんやメイベルさんと同じようにしてください……」
最後の方は掠れてしまった。
健気な瞳にアルは一瞬息を詰まらせた。
(……こいつ 純粋すぎだ)
思わず舌打ちが出る。
アルはゆっくりと頷いた。
「わかった。その条件飲む」
「おいおいマジかよ」
「エルフを犯してもらうとはサービスいいな」
男たちがざわつく。
セルシアは驚いて目を見開いた。
「え……本当に……?」
「ああ。ただし条件がある」
アルが男たちに向かって言い放つ。
「俺たちの行為が始まったら絶対に邪魔するな。少しでも手を出したら問答無用で叩き出す」
「へぇ……随分自信あるじゃねえか」
「約束してくれるなら俺の相棒に任せるけどな」
男たちは肩を竦めた。
「しゃーない。お楽しみは譲ってやろう」
アルはセルシアの側へ歩み寄る。
「大丈夫か?」
「はい……あの……アルさん」
セルシアの耳がピクピクと揺れた。
「その……優しくしていただけると……嬉しいです……」
「わかってるよ」
アルは優しく微笑んだ。
男たちの嘲笑を背負いながらセルシアを横抱きにする。
「まずは落ち着け。すぐ終わらせてやる」
「ありがとうございます……」
セルシアが弱々しく礼を述べた。
アルは岩盤浴用の敷物を引き寄せ彼女をそっと下ろす。
「ほら……力抜いてろ」
「はい……」
セルシアがこくりと頷く。
アルはゆっくりと彼女の首筋に唇を寄せた。
(うわ……こんな状況で……)
セルシアの鼓動が加速する。
背後の男たちの視線が痛いほど突き刺さる。
アルはそんな空気を無視して丁寧に接吻を重ねた。
「ん……っ」
「怖いか?」
「ちょっとだけ……でも……大丈夫です」
セルシアが小さく笑う。
(アルさんの体温が伝わってくる……)
それが不思議と安心感を与えてくれた。
アルの手がセルシアの胸に伸びる。
乳房を包み込むように優しく揉み上げる。
「あ……っ」
「痛くないか?」
「はい……気持ちいいです……」
セルシアが目を細める。
乳首が指先で転がされると甘い声が漏れた。
「ふぁ……んっ……」
(こんな……自分が……)
恥ずかしさで顔が熱くなる。
でも……心地よい。
アルのリードに身を任せたい。
男たちの口笛が飛んでくる。
「おーい!もっと派手にやってくれよ!」
「エルフの喘ぎ声聞きたいんだぜ!」
アルは無視してセルシアの肌を愛撫し続ける。
「セルシア……集中しろ」
「はい……」
(アルさんが……私のために……)
胸の奥がキュッと締め付けられる。
乳房の膨らみに沿ってアルの掌が滑る。
「あぁっ……そこ……!」
セルシアの身体がビクンと跳ねた。
「いい反応だ」
アルが嬉しそうに笑う。
それがなんだか嬉しかった。
次第にアルの手が下半身へ移動する。
内腿を撫でながら中心へと近づいていく。
セルシアは思わず脚を閉じようとした。
「……んっ」
「大丈夫だ。ゆっくり行くから」
アルの声が優しい。
セルシアはぎゅっと目を閉じた。
「お願いします……」
アルの指が秘部に触れる。
「んあっ……!」
自分でも驚くほど大きな声が出た。
既にそこは潤っていた。
「すごいな……」
「ごめんなさい……」
セルシアが顔を赤らめる。
「謝ることはない」
アルはそのまま指先で花弁をなぞる。
蜜が溢れ出して恥ずかしいくらい音を立てた。
男たちの野次が聞こえる。
「もっとグチョグチョ言わせろー!」
「エルフも濡れるんだな!」
セルシアはぎゅっと唇を噛んだ。
「アルさん……お願い……」
「わかってる」
アルは更に執拗に秘所を弄る。
クリトリスを優しく捏ね回されると堪らない快感が走った。
「あっ……!そこダメですっ……!」
腰が勝手に浮き上がる。
(私……こんなに……)
どんどん濡れていくのがわかる。
男たちの視線を感じながらも理性が崩れかけていた。
「もう入れてもいいか?」
アルが訊ねる。
セルシアはうなずいた。
「はい……早く……お願いします……」
切ない声で懇願する。
アルは自分のものをそっと当てがった。
「痛かったら言えよ」
「はい……」
熱い塊がゆっくりと沈み込んでくる。
「んああぁっ!」
セルシアが大きく息を呑む。
(入ってきてる……)
圧迫感と共に快感が走る。
奥まで挿入されると全身が震えた。
「動くぞ」
アルが律動を開始する。
最初はゆっくりと。
「あぁ……アルさん……凄いです……」
セルシアが甘い声を漏らす。
徐々に速さが増していく。
「んっ……あっ……あんっ……!」
腰が勝手に揺れ始める。
(なんで……こんなに……)
恥ずかしいはずなのに気持ち良すぎて止められない。
アルの動きに合わせて自分からも求めるように腰をくねらせた。
「おぉ……すげぇな」
「エルフ娘が騎乗位かよ」
男たちの興奮した声が聞こえる。
セルシアはそれを無視して快楽に没頭する。
(もう……どうでもいい……)
アルの逞しい体にしがみつきながら淫らに踊る。
「アルさん……好きです……」
無意識に口から漏れた告白。
アルが微笑む。
「俺もだ」
「嬉しい……もっと激しくしてください……」
セルシアの要求に応えアルが最奥を突き上げる。
「ひゃうんっ!!」
セルシアの背筋が反り返る。
結合部からは粘着質な音が響き渡った。
「セルシア……そろそろ……」
アルの声が上擦る。
「私も……一緒に……」
セルシアが両脚をアルの腰に絡める。
ラストスパートに向けて二人の動きが加速する。
「あぁっ!イクっ!イっちゃいますぅっ!!」
「くっ……出るっ……!」
アルが奥深くで放出すると同時にセルシアも果てた。
「ひぃああぁーーっ!!」
絶頂の波に飲み込まれながら意識が霞んでいく。
(幸せ……)
セルシアは幸福感に包まれながらゆっくりと瞼を閉じた。
男たちは呆然と立ち尽くしていた。
想像以上の痴態を見せつけられて言葉を失っている。
「もういいだろ?邪魔したな」
アルが冷静に言い放つ。
セルシアを抱き起こすと立ち上がった。
「行くぞ」
「はい……」
セルシアがフラつきながらアルの肩に掴まる。
男たちは何も言えず道を開けた。
サウナの外に出ると冷たい空気が火照った肌を冷やす。
「大丈夫か?」
「はい……ありがとうございます……」
セルシアが恥ずかしそうに俯く。
アルは優しく髪を撫でた。
「無理させて悪かったな」
「いいえ……嬉しかったです……」
セルシアが顔を上げる。
その瞳には新たな決意が宿っていた。
(これからも……ずっとアルさんについて行きます)
セルシアは心の中で誓った。
.ミレーヌと、夕暮れのりんご畑
湯上がりの夜風は、サクーツの石畳をやさしく冷やしていた。
火照った身体を包む外気が心地よく、ミレーヌは宿の周囲を一人で散歩していた。
温泉の湯気がまだ髪に残り、白銀の髪が淡く光る。
剣を置き、鎧を脱ぎ、ただの旅人として歩く時間――それは冒険者にとって、思いのほか貴重だ。
町外れに差しかかったところで、彼女は小さなりんご畑に気づいた。
木々には赤く熟れたりんごが鈴なりになり、甘い香りが漂っている。
「……綺麗」
思わず声が漏れた。
畑の奥から、年配の農夫が顔を出す。
「旅の方かい?」
「ええ。キャラバンの護衛で立ち寄りました。
この町、とても良いところですね、それにこんな立派なりんごを見たことありません。」
農夫は照れくさそうに笑った。
「ここら辺は温泉のおかげで地熱が高いんだよ。そのせいかもね。褒めてもらえると、りんごも喜ぶよ」
ミレーヌは一瞬ためらったあと、丁寧に頭を下げた。
「パーティーの仲間に少し買って行きたいのですが、譲っていただけますか?…」
ミレーヌはポーチから財布を取り出した
農夫はしばらく彼女を見つめ、頷く。
「なら、これを持っていきなさい」
籠いっぱいのりんごを差し出された。
「え、そんな……」
「これは形が少しいびつになってしまったもので、売り物にならないんだ。でも味は変わらない。よかったらもらってくれ。うれしいことがあったら、りんごで返すのがうちの流儀でね」
ミレーヌは柔らかく微笑み、受け取った。
「ありがとうございます。
……皆で、いただきますね」
帰り道、籠の重みがやけに心地よかった。
剣を振るわずとも、こうして人と繋がれる夜がある。
それもまた、冒険者として生きる理由の一つだった。
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メイベルと、静かなワイン蔵
サクーツの裏通りに、古いワイン蔵がある。
石造りの建物の前で立ち尽くす老人の姿を、メイベルは見かけた。
声をかけると、彼はゆっくり振り向いた。
「……妻がね。
先月、病で逝ったんだ」
長年連れ添った人を失った空洞は、言葉以上に重い。
メイベルは黙って耳を傾けた。
「この蔵は、ずっと二人で守ってきた。
樽の一本一本に、思い出が染み込んでいる」
彼の声は震えていた。
メイベルは聖印の刻まれた杖を胸に抱き、静かに語る。
「地母神は、命の巡りを尊びます。
別れは終わりではなく、次の安らぎへの旅立ちだと……」
老人は目を伏せる。
「……頭では分かっている。
だが、夜になると、隣が空いているのが辛くてな」
メイベルは一歩近づき、優しく微笑んだ。
「悲しみは、消さなくていいのです。
それは、愛した証だから」
しばらくの沈黙の後、老人の目から一筋の涙が落ちた。
「……ありがとう。
誰かに、そう言ってもらいたかった」
彼は蔵の扉を開け、古いワインを一本差し出した。
「妻が一番好きだった年のものだ。
君に持っていてほしい」
「……大切に、いただきます」
メイベルは深く一礼した。
夜のサクーツは静かだった。
温泉の湯気の向こうで、人々の人生が交差している。
剣でも魔法でもない、祈りと言葉で誰かを救える夜も、確かにここにあった。
エピローグ
薄暗い酒場のランタンがゆらゆらとテーブルを照らしていた。温かな湯気が立ち昇るシチューの鍋と焼き立てのパンの香りが鼻をくすぐる。セルシアはグラスをそっとテーブルに戻し、震える指をごまかすように髪をかき上げた。
(アルを誘いたいけど、絶対にバレちゃダメ、)
向かいの席にはメイベルが静かにワインを傾けている。
彼女の伏せた目元にはいつも通りの物憂げな影があるけれど……たぶん何も知らないはず。問題は右隣のセルシアだ。エルフの長い耳がピコピコと忙しなく動き、まるで獲物を探す狩人のような鋭い眼差しでこちらを見つめている。
「それで〜ミレーヌさん?アルさんとは最近どうですか?」
唐突な問いにミレーヌのフォークがグラスに当たり「カチン」と高い音を立てた。
「えっ!?なっ……何がどうって……普通よ普通!」
咄嗟に笑顔を作りながらシチューをすくう。スプーンからこぼれた汁が膝に垂れたけれど気にしている余裕はない。
セルシアは不満げに頬を膨らませる。
「でも〜一昨日の夜アルさんと森の中で……何かコソコソ話してませんでした?すごく怪しい雰囲気でしたよ?」
(ぎゃー!見てたの!?)
ミレーヌの背中に冷や汗が走る。もちろん「怪しい雰囲気」なんてものじゃなくやらしい雰囲気でしかないけど……まさか盛りで2人で楽しんだとは言いようがない
左隣でパンを千切っていたアルがのんびり口を開く。
「ミレーヌとは冒険者ギルドの件で相談していただけだよ。な?ミレーヌ」
救世主のようなタイミング!ミレーヌは必死にうなずいた。
「そ、そう!新しい依頼のことで!ねっメイベル?」
話を振られたメイベルはわずかに眉を上げたが、すぐに「そうなんでしょうね。」と同意してくれる。
心臓がバクバク鳴る。セルシアはまだ疑わしげに首を傾げているけど……とりあえず第一関門突破!
「ふーん……怪しいなぁ」
セルシアが意味ありげに笑いながら肉を一切れ口に運ぶ。その無邪気な挑発にミレーヌの内心は荒れ狂っていた。
(何よこの子、サウナから帰ってきたら、ずいぶん絡んでくるじゃない。お願いだから深入りしないで〜!)
念じながらミレーヌはデザートのリンゴに手を伸ばす。切り分けた果実をそっとアルに差し出した。
「はいどうぞ。疲れてるでしょ?」
「お、ありがと」
アルは何の気なしにリンゴを受け取る。セルシアの視線が再び鋭くなる。
「あれ?アルさんだけ特別待遇?私たちには?」
(来た!攻撃的過ぎない!?)
メイベルが静かに咳払いをした。
「セルシアさん。あまり詮索するのは失礼ですよ」
その一言でセルシアはパッと目を輝かせる。
「はーい!分かりました!」
素直すぎる反応にホッとしたのも束の間—
「じゃあアルさん!私にもそのリンゴ下さい!」
「え?」
「私も食べてみたいです〜」
セルシアが無邪気に手を伸ばす。ミレーヌは固唾を飲んで成り行きを見守った。
普段は内気でおとなしいセルシアがまるで妹のようにアルになついていた
アルは困ったように笑いながらリンゴを差し出した。
「ほらよ。あんまり騒ぐなって」
「やったー!」
セルシアは満面の笑みで果実を頬張る。彼女のアルを見つめる表情に
(危ない……!)ミレーヌは本能的に何かを感じ取った
メイベルがワインを一口飲むと穏やかに微笑んだ。
「皆さん仲が良くて羨ましいですね」
ミレーヌは強引に笑顔を作ってグラスを掲げた。
「ほらほら!せっかくのご馳走なんだから食べましょ!ねっアル?」
「そうだな。いただきまーす」
アルがパンを豪快に口に運ぶ。セルシアはリンゴをペロリと平らげながら「おかわり下さい!」と厨房に手を振っている。
リンゴの甘酸っぱい香りが漂う酒場の隅で、女たちの静かな戦いが続いていた。