※この作品はR-18です。

冒険者はつらいよ 冒険者歴10年選手の日常とエロス   作:みなぽん

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冒険者の日常 野外料理とサラマンダー 荒野で獣人娘を拾う

アル ディーン 本編の主人公、年齢30歳 キャリア10年の冒険者。等級は10年かかってやっとシルバー

片手剣と丸盾、半弓なども器用に使う。サバイバルや罠の解除にもたけていて、一言で言うと器用貧乏な男。

 

ミレーヌ エルフェンリート 年齢45歳  雪族で見た目はティーンエイジャーに見える。純白の髪の清楚系魔法騎士の彼女は一見すると清楚で優しい常識人だが愛刀雪月花から放つ剣技は凄まじい。アルとは古い付き合い。

「アルったらもっと私を頼っていいんだからね」「断ち切れ絶刀!雪月花!」

 

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セルシア ミストラル 年齢81歳 エルフ族 銀の髪に、氷のように澄んだ瞳。小柄な体躯だが百発百中で獲物を射抜く弓の達人。優秀な兄弟たちのもとで育ったせいか自己肯定感が極めて低い。すぐに卑屈になっていじける癖がある。

 

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「私の矢には正義を貫く力がある」「私はグループのお荷物ですから、邪魔になったら捨てて行ってください」

 

メイベル・リングベル。年齢20歳 リーキスト教団の聖導女 聖印の刻まれた杖を抱え、柔らかな雰囲気を纏っている娘。

回復系魔法を使う、性格的にも心優しく100%の癒し系。戒律に従順でアルへ寄せる恋心に罪悪感を感じている。

 

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「慈悲深き地母神よこのものに癒しの光を!」「ああ、女神よお許しください。私はまた淫で邪な感情を」

 

リディア マーカス 冒険者ギルドの受付嬢 清楚で真面目なギルドのアイドル的存在。

「冒険者に大事な事は生き残ることです。無事のご帰還をお祈りしています。」

 

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ヴァレリア・ラース 獣人種 31歳

フェンリルの血を宿す黒髪の女魔狼騎士。食欲旺盛な食いしん坊でグラマラスボディ!天真爛漫な性格で感情の爆発で強くなる。

基本的にいろんな欲望に対して貪欲なタイプ巨大なツヴァイヘンダーを軽々と扱う。

「お腹いっぱいになったから、私はとっても元気だゾ!(^ ^)こい!フェンリルの力見せてやる!」

 

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――険を冒す者と書いて、冒険者と読む。

 

危険なことや困難なことを、蛮勇をもって押し進める者たち。

およそ、まともな神経では務まらない仕事だ。

 

それでも人は、冒険者になる。

農夫として畑に縛られるより。

漁師として船に揺られるより。

鍛冶屋として炉の前に立ち続けるより。

 

何が起こるかわからない――

その不確かさを、人は「自由」と呼ぶ。

 

 

野営地に、夕暮れが降りてきていた。

 

森と川に挟まれた小さな河原。

石ころが転がり、流れは穏やかで、水面には夕陽がきらきらと反射している。

 

 

 

 

アル・ディーンは、慣れた手つきで焚き火を組んでいた。

 

「よし……この辺でいいな」

 

乾いた小枝と薪を組み、火打ち石を打つ。

パチッ、と小さな火花が散り、やがて橙色の炎が立ち上がった。

 

冒険者のクエストの日常。

それは、戦闘よりもむしろ――こういう時間にこそ現れる。

 

「まずは水の確保だな」

 

アルは革袋を持ち、川の上流へ向かう。

生水は飲まない。それが冒険者の鉄則だ。

 

「澄んでるように見えても、何が混じってるかわからないからな」

 

川上で汲んだ水を布で濾し、金属製の鍋に入れる。

焚き火の上に吊るして、しっかりと煮沸。

 

「はいはい、いつも通りね」

 

背後から、軽い足取り。

 

ミレーヌ・エルフェンリートが、肩に大きな獲物を担いで戻ってきた。

川魚が数匹と、森で仕留めた小型モンスター――毛皮付きだ。

 

「今日の食材、調達完了よ。アル」

 

「相変わらず早いな」

 

「雪族を舐めないでちょうだい。狩りは本能よ?」

 

彼女は笑いながら、獲物を地面に置く。

 

その横で、セルシア・ミストラルが腰を落とし、籠を抱えていた。

中には、野草や木の実、根菜に近い植物。

 

「……その、食べられるものだけ、です」

 

「大丈夫か?」

 

「ええ……多分……。間違ってたら……すみません……」

 

「“多分”って言うな」

 

アルが苦笑する。

 

「私の判断は信用できませんし……。皆さんの胃を壊したら……」

 

「また始まった」

 

ミレーヌがため息をつく。

 

「セルシア、あなたの目利きは一級品でしょう?

百年近く生きてるんだから、もう少し自信持ちなさい」

 

「……八十一歳です」

 

「誤差よ誤差」

 

セルシアは小さく肩をすくめた。

 

 

調理は役割分担だ。

 

アルは干し肉とえん麦、豆を袋から出し、刻み始める。

干し果物も少し混ぜる。保存食だが、工夫次第で味は変わる。

 

「えん麦は煮て粥にする。豆は戻してからだな」

 

「アルって、本当に器用ね」

 

ミレーヌが感心する。

 

「剣も盾も弓も罠も料理も……器用貧乏の極みじゃない?」

 

「うるさい」

 

アルは言い返しながら、石を並べ始めた。

 

河原の平たい石を選び、火の近くに置く。

熱した石の上に生地を薄く伸ばす。

 

「パン焼くのか!?」

 

セルシアが目を丸くする。

 

「簡単なフラットブレッドだ。

えん麦粉と水だけ。酵母は使わない」

 

「そんなことまで……」

 

「慣れだよ。腹が減ると覚える」

 

 

ミレーヌはと言えば、豪快だった。

 

獲ってきた魚とモンスター肉に、塩を振る。

串に刺して、そのまま火へ。

 

「焼くだけ。これが一番美味しいのよ」

 

「野性味しかないな」

 

「余計なことしないのが正解って時もあるの」

 

脂が落ち、炎が上がる。

香ばしい匂いが辺りに広がる。

 

セルシアは、野草を丁寧に洗い、刻んで鍋に入れていた。

 

「……薬草粥です」

 

「……苦くない?」

 

「……効きます」

 

「胃に?」

 

「……はい」

 

「やめてくれ」

 

 

そこへ、メイベル・リングベルがそっと近づいてきた。

 

「私も、少し手伝いますね」

 

彼女は干し肉の端を受け取り、細かく刻む。

鍋に、少量の香草と干し果物を入れ、優しく混ぜる。

 

「メイベルの料理は、なんだか落ち着くのよね」

 

ミレーヌが言う。

 

「はい……孤児院では、いつも簡素なものばかりでしたから」

 

「それで、この味になるのが不思議だ」

 

アルが感心する。

 

「女神の慈悲、でしょうか……」

 

そう言って、彼女は微笑む。

その表情は、焚き火よりも柔らかかった。

 

 

やがて、食事が整った。

 

石焼きパン。

えん麦と豆の煮込み。

塩焼きの魚と肉。

野草のスープ。

 

豪華ではない。

だが、冒険者には十分すぎる。

 

「いただきます!」

 

ミレーヌが先にかぶりつく。

 

「……うん、悪くない」

 

「悪くない、じゃなくて美味しいでしょ」

 

「アルのはね。セルシアのは……」

 

「……すみません……」

 

「効く、って感じ」

 

「胃に?」

 

「胃に」

 

セルシアは項垂れた。

 

メイベルのスープを口に含んだ瞬間、全員が息をつく。

 

「……沁みる」

 

「……生き返る」

 

「……女神様……」

 

メイベルは赤くなった。

 

「あ、あの……そんな……」

 

 

焚き火を囲み、満腹になった冒険者たちは、ゆったりとした時間を過ごす。

 

戦闘でも、報酬でもない。

こういう時間こそが、冒険者稼業の楽しみだ。

 

「……明日も、生きてるといいな」

 

セルシアがぽつりと言う。

 

「生きてるさ」

 

アルが即答する。

 

「だって、生き残るために工夫してるんだろ?」

 

「……はい」

 

「それが冒険者よ」

 

ミレーヌが笑う。

 

「自由で、無謀で、それでもしぶとい」

 

焚き火の火が、ぱちりと弾けた。

 

険を冒す。

だが、ただ命を投げ出すわけじゃない。

 

こうして食べ、笑い、明日を迎えるために――

冒険者は今日も、野営地で鍋を煮るのだ。

 

荒野に出没するサラマンダー退治。が今回の彼らのクエストだ。

掲示板に貼られたその依頼を見たとき、アル・ディーンは眉をひそめた。

 

「……面倒な相手だな」

 

サラマンダー。

火炎属性の中位モンスター。

体長は三メートル前後、岩のような鱗に覆われ、口から灼熱の炎を吐く。

単純な戦闘力だけで言えば、シルバー級の冒険者が数人いれば討伐自体は不可能ではない。

だが――

 

「正面から殴り合うと、死人が出る」

 

アルはそう断じた。

 

 

荒野は、名の通り何もない。

 

乾いた赤土。

点在する岩。

枯れかけの低木が、風に揺れている。

 

遠くに揺らめく熱気。

昼間の荒野は、それ自体が敵だった。

 

「サラマンダーは夜明け前に動く」

 

アルは地図を広げながら言った。

 

「昼間は岩陰か、地下の巣穴に潜んでる。

だから――」

 

「夜に仕掛ける、ってわけね」

 

ミレーヌが頷く。

 

「ええ。炎を吐く相手に、視界の悪い夜戦は危険では……」

 

メイベルが不安そうに言う。

 

「だから段取りが重要なんだ」

 

アルは指で地図を叩いた。

 

「クエストにおける戦闘は、段取り八分。

戦う前に勝負はほぼ決まってる」

 

セルシアが静かに耳を傾けている。

 

「真正面からやる気はない。

罠を張る。誘導する。地形を使う」

 

「……ずるい、とは思いません」

 

セルシアが言った。

 

「勝つためなら、当然です」

 

「その通りだ」

 

アルは満足そうに頷いた。

 

 

準備は入念だった。

 

まず、周囲の低木を切り倒す。

乾いた木材は燃えやすい――が、使い方次第だ。

 

「ミレーヌ、石を集めてくれ。

大きいのと、平たいのを中心に」

 

「了解」

 

ミレーヌは軽々と岩を運び始める。

 

「セルシア、あの尾根の上から見張り。

サラマンダーが動いたら、すぐ知らせてくれ」

 

「……はい」

 

「メイベルは……」

 

「回復の準備をします。

それと、聖印で防護を」

 

「頼む」

 

アルはロープを取り出し、木材と石を組み合わせ始めた。

 

即席の罠。

落とし穴。

転倒用のワイヤー。

炎を避ける石の壁

 

「……これで本当に、倒せるんですか?」

 

メイベルが小声で尋ねる。

 

「倒すんじゃない」

 

アルは答えた。

 

「“倒れる状況”を作るんだ」

 

 

夜。

 

荒野の冷気が、昼の熱を嘘のように奪っていく。

 

セルシアの合図は、すぐに来た。

 

――三回、短く。

 

「来るぞ」

 

アルは全員に低く告げる。

 

地鳴り。

岩を擦るような音。

 

闇の中から、赤い光が浮かび上がる。

 

サラマンダーだ。

 

鱗の隙間から、炎のような光が漏れている。

呼吸のたび、熱気が揺らめいた。

 

「……でかい」

 

ミレーヌが呟く。

 

「想定内だ」

 

アルは落ち着いていた。

 

「セルシア、第一射。目だ」

 

「……了解」

 

弓がしなる。

放たれた矢が、闇を裂く。

 

――キィィィィッ!

 

矢は片目に突き刺さり、サラマンダーが咆哮した。

 

怒りに任せて、炎が吐き出される。

 

だが――

 

炎は石壁に阻まれ壁をなぞるように流れた。

 

「今だ!」

 

アルの号令。

 

サラマンダーが踏み込んだ瞬間、地面が崩れる。

 

落とし穴。

 

完全には落ちない。

だが、体勢が崩れた。

 

「ミレーヌ!」

 

「断ち切れ――絶刀!雪月花!」

 

白銀の軌跡が走る。

 

足元の腱が裂かれ、巨体が倒れ込む。

 

「……まだ生きてます!」

 

メイベルの声。

 

「わかってる!」

 

アルは走った。

 

転倒したサラマンダーが、怒り狂って炎を吐く。

だが、その角度は低い。

 

「上だ、セルシア!」

 

「……はい!」

 

二射目、三射目。

喉元、炎袋の位置。

 

矢が突き刺さり、内部で爆ぜた。

 

――ドンッ!

 

炎が逆流し、サラマンダーが悲鳴を上げる。

 

「今だ、止める!」

 

ミレーヌが突撃する。

 

アルは盾を構え、正面から注意を引く。

 

「こっちだ、トカゲ!」

 

炎が吐かれる。

盾が焼け、腕が痺れる。

 

「アル!」

 

「問題ない!」

 

メイベルの回復魔法が即座に飛ぶ。

 

その隙に、ミレーヌの剣が首筋を断った。

 

 

サラマンダーは、ようやく動かなくなった。

 

荒野に、静寂が戻る。

 

「……勝ちましたね」

 

セルシアが息を吐く。

 

「ええ」

 

メイベルが胸に手を当てる。

 

ミレーヌは剣を拭いながら言った。

 

「正面から殴ってたら、火傷じゃ済まなかったわね」

 

「だろ?」

 

アルは肩を回す。

 

「だから段取りだ。

戦う前に、勝ち筋を作る」

 

「……ベテランですね」

 

セルシアが小さく微笑んだ。

 

アルは荒野を見渡した。

 

罠の残骸。

焼け焦げた地面。

 

「冒険者はな、強いから生き残るんじゃない」

 

彼は静かに言った。

 

「生き残る工夫をするから、強くなるんだ」

 

荒野の夜風が、焚き火の匂いを運んでいった。

 

今日もまた、険を冒し――

そして、無事に帰るための一戦が終わった。

 

サラマンダーが完全に沈黙したのを確認してから、アルはようやく肩の力を抜いた。

 

「……よし。解体に入る」

 

その一言で、空気ががらりと変わる。

 

「えっ、こ、ここでですか?」

 

セルシアの声が裏返った。

 

「当たり前だ。時間を置くほど価値が下がる」

 

アルはそう言って、腰のナイフを取り出す。

 

サラマンダーは“倒した後”が本番だ。

討伐報酬の大半は、素材の質で決まる。

力押しで倒せば素材の質が落ちる。アルの戦い方は思えばそうしたところまで意識していたようだ。

 

「まず確認するのはコアだ」

 

アルは腹部の鱗を慎重に撫でる。

 

サラマンダーの魔力コアは、胸腔の奥、炎袋のさらに内側にある。

損傷していれば価値は激減、割れていればほぼ無価値。

 

「……セルシア、見なくていい」

 

「ひぇぇええ……!」

 

セルシアは両手で目を覆い、木の陰に隠れた。

 

「私は……私は弓を研いでますから……!」

 

「弓、逆さだぞ」

 

「えっ!? あっ、本当だ……」

 

 

「ミレーヌ、ここを押さえてくれ」

 

「了解」

 

ミレーヌは迷いなく鱗の隙間に剣先を差し込み、力をかける。

岩のような鱗が、鈍い音を立てて外れた。

 

「相変わらず、力任せね」

 

「細かい作業は任せるって言っただろ?」

 

「ふふ、確かに」

 

二人のやり取りは、長年連れ添った職人同士のそれだった。

 

アルはナイフで慎重に筋を断ち、炎袋を避けるように切り進める。

 

「……よし、見えた」

 

赤く、脈打つように光る結晶。

 

「コアは無事。ヒビもなし、色も濁ってない」

 

「上物?」

 

「かなりな」

 

ミレーヌが満足そうに頷く。

 

「これなら、街で家が一軒建つわね」

 

「大げさだ」

 

「半分本気よ」

 

一方その頃。

 

「女神よ……どうかこの悍ましき光景から、私の心をお守りください……」

 

メイベルは少し離れた場所で、杖を胸に抱き、必死に祈っていた。

 

解体の音。

肉を裂く湿った音。

漂ってくる、焦げと血の混じった匂い。

 

「……修行だと思えば……」

 

そう呟きながらも、ちらりと視線を向けてしまい――

 

「ひっ……!」

 

即座に目を閉じる。

 

「女神よ! 私は回復係であって、解体係ではありません!」

 

「次は皮だ」アルは言った。

 

「火耐性がある。裂かずに剥がす」

 

「任せて」

 

ミレーヌは刃を寝かせ、力を加減しながらゾリゾリ皮を剥いでいく。

 

「……この感触、嫌いじゃないわ❤️いつか浮気者の男の皮もはいでやろうかしら」

 

「そういうこと言うな」

 

「ふふ、セルシア、こっち見ない方がいいわよ泡吹くから?」

 

「もう吹いてます。」

 

木の陰から、介抱するメイベルの弱々しい声が聞こえる。

 

「わ、私も魚は平気なのに……これは……」

「慣れだ」

アルは淡々と言った。

「冒険者は、倒すだけじゃ半人前だ。肉は塩漬けにする。売り物にはならんが意外に美味い」

コアは布で包み、保冷用の魔石と一緒に箱へ。

肉は塩を擦り込み、皮は丸めて縛る。

「鮮度は問題なし」新作アルが確認する。

 

「上出来ね」

 

ミレーヌが微笑む。

 

「……終わりました?」

 

おそるおそる、セルシアが顔を出す。

 

「終わった」

 

「よ、よかったぁ……」

 

メイベルも深く息を吐いた。

 

「女神よ……ありがとうございます……」

 

アルは荷を背負いながら言った。

 

「さあ、帰るぞ。

素材は金になる。金は次の命綱だ」

 

荒野に残るのは、血の跡と踏み荒らされた地面だけ。

 

サラマンダーは倒され、

その命は、次の冒険を支える糧へと変わった。

 

帰路は、討伐のあとの独特の静けさに包まれていた。

 

サラマンダーの素材を背負った荷は重いが、足取りは軽い。

死地を越え、生きて帰る――それだけで、冒険者にとっては上出来な一日だ。

 

「……あれ?」

 

セルシアが道端を指差した。

 

乾いた草地の脇、石標の影に、誰かがへたり込んでいる。

黒い耳がぴくりと動き、次いで、のそりと大きな体が起き上がった。

 

 

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「……あ、あれれ? 人間さん?」

 

現れたのは、獣人族の娘だった。

 

黒髪に黒い獣耳、鋭い牙を覗かせた笑顔。

鎧の隙間から覗く肢体は、戦士らしく引き締まりながらも、驚くほど豊満だ。

背中には、彼女の体格に見合った巨大なツヴァイヘンダーが括りつけられている。

 

だが――今は、その迫力がまるで台無しだった。

 

「お腹……すきすぎて……足、動かないんだ」

 

腹を押さえて、情けない声を出す。

 

「……はあ」

 

アルは苦笑して、肩の荷を下ろした。

 

「事情を聞こう。名前は?」

 

「ヴァレリア・ラース! フェンリルの血を引く女魔狼騎士だゾ!」

 

元気よく名乗ろうとして、ぐう、と腹が鳴る。

 

「……Roseliaタウンに冒険者として出稼ぎに行く途中だったんだけど……」

 

「途中で力尽きた、と」

 

「うん!」

 

迷いのない肯定だった。

 

ミレーヌがくすりと笑う。

 

「大型犬みたいね」

 

「い、犬じゃないゾ! 狼だゾ!」

 

そう言いながらも、しっぽは素直にぶんぶん揺れている。

 

 

「肉の匂い食べ物、あるのか……?」

 

ヴァレリアの視線が、アルたちの荷に釘付けになっていた。

 

「ある」

 

アルは頷く。

 

「さっき解体したサラマンダーの肉だ」

 

「サ、サラマンダー!?」

 

ヴァレリア が生唾をのむ

 

「そ、それって……火吐くやつ?」耳が嬉しそうに横になる。

 

「火吐くやつだ」

 

「食うか?」

 

「食う!」

 

アルは手早く準備に入った。

 

川辺に移動し、石を組んで簡易の竈を作る。

乾燥香辛料、塩、干し玉ねぎ。

油代わりに、獣脂を少量。

 

「サラマンダーの肉はカイカイ虫がいるからまず煮沸!

火の通し方を間違えると腹壊す」

ガラムとオエパス、ペパァンをかける。

慣れた手つきで、肉を刻み、香辛料をまぶす。

ジューージューーーと肉汁が吹き香辛料と混ざる

「おお……いい匂い……」

 

ヴァレリアは、よだれを隠そうともせず、じっと見つめていた。

 

メイベルは、静かにスープを温めていた。

豆と干し野菜を煮込んだ、優しい香り。

 

「体力が落ちている方には、お先にこちらもどうぞ」

 

「うわぁ……」

 

ヴァレリアの目が輝く。

 

完成した料理を前に、ヴァレリアは正座……しようとして、鎧のせいで崩れた。

「いただきます!!」

次の瞬間。

「――うまい!!」

ガツガツ、もぐもぐ。

骨までしゃぶりつく勢いで食べる。

 

「辛いのに! 肉が甘い! 噛むと元気出る!!」

 

「香辛料は体温を上げる」

 

アルは説明する。

 

「サラマンダーの肉は、疲労回復にもいい」

 

「最高だゾ!!」

 

あっという間に皿は空になった。

 

「おかわり!!」

 

「待て」

 

ミレーヌが笑いながら言う。

 

「噛んで食べなさい」

 

「はーい!」

 

注意されて素直に従うあたり、本当に大型犬じみていた。

 

 

食べ終えた頃には、ヴァレリアの顔色は見違えるほど良くなっていた。

 

「ふぅ……」

 

満腹そうに腹を撫でる。

 

「お腹いっぱいになったから、私はとっても元気だゾ!(^ ^)」

 

立ち上がり、背のツヴァイヘンダーを軽々と抜いた。

 

「こい! フェンリルの力、見せてやる!」

 

ぶん、と空を切る音。

 

セルシアが目を丸くする。

 

「……軽々……」

 

「すごいですね……」

 

メイベルも感心したように言う。

 

「うん! 元気と感情が満ちると、強くなるんだ!」

 

胸を張るヴァレリア。

 

アルは腕を組み、彼女を見た。

 

「Roseliaタウンに行くなら、道は同じだ」

 

「えっ!?」

 

「途中まで同行する。腹減らして倒れられても困る」

 

ヴァレリアの耳がぴん、と立った。

 

「いいの!? 一緒に行っていいの!?」

 

「条件がある」

 

「なに!?」

 

「食料は節度を守れ」

 

「……がんばる!」

 

即答だった。

 

ミレーヌが小さく笑う。

 

「面白い旅になりそうね」

 

こうして、

サラマンダー討伐帰りの一行に、

食いしん坊の女魔狼騎士が加わった。

 

荒野の道はまだ続く。

だが、今は腹も心も満たされている。

冒険とは、

こういう出会いの積み重ねでもあるのだから。

 

アルの家

Roseliaタウンのアルの借家、サラマンダーをギルドで換金した後、アルはベッドで泥のように眠っていた。台所に毛布にくるまってヴァレリアも眠る。明日にでも宿やか貸家を探すつもりのようだ。

サラマンダー討伐と解体作業で全身に蓄積された疲労は、アルの意識を容赦なく蝕んでいた。換金を終え家に戻ると同時に、彼は服も脱がないままベッドに崩れ落ちる。床で丸まるヴァレリアの寝息もまた、満腹による深い眠りの証だった。

 

 

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月明かりが埃っぽい窓枠を照らす深夜──

 

アルの鼻腔をくすぐるのは、甘い香りと汗の混じった匂いぼんやりとした視界の隅で黒い塊が蠢く。

 

「……んぅ……アル……くん……?」

 

囁く声と共に、掛け布団がゆっくりと持ち上がった。毛布を身体に絡ませたヴァレリアが、四つん這いで猫のように静かに忍び寄る。寝ぼけた目蓋の奥で金色の瞳が妖しく光っていた。

 

「獣人族は……恩返しを忘れないんだゾ……❤️」

 

その声は蜂蜜のように甘く、しかし獲物を狙う獰猛さを孕んでいた。アルが完全に目覚める前に、ヴァレリアの手がズボンにかかる。ボタンを一つずつ外していく指先の震えが妙にリアルだった。

 

「おい……ヴァレ……!?」

 

抗う暇もなく下半身が晒される。疲労で萎えたはずの雄芯が、暗がりの中で彼女の唾液で濡れた舌先によって翻弄される。熱い吐息がかかり、敏感な部分を這う感触に全身が硬直した。

 

「ふぁ……やっぱりアルのは大きぃね……♡ サラマンダーの肉よりずっと……ずっと美味しそう……」

 

舌で先端をつついたヴァレリアは嬉しそうに尻尾を振りながら宣言する。「私の恩返しは……アルくんの『全部』をいただくことだゾ♡」

 

湿った肉棒が口腔内で膨らんでいくのがわかる。唾液を溜めた舌が根本から竿全体を包み込み、上下に往復するたびにじゅぷじゅぷと淫靡な水音が響く。アルの太腿がこわばる度にヴァレリアは意地悪く歯列でカリを擦り、目だけで笑う。

 

「んっ……ふぁっ……すご……どんどん固くなってる……! アルくんのこれ……すごく好きっ♡」

 

喉奥で強く吸い上げられればアルの腰が跳ねる。解放された瞬間もまた舌で亀頭をちろちろと舐め続けられ、休む暇を与えない。恥じらいなんてどこにもなく、ただ本能のままに「食べて」いた。

 

「ふあぁ……こんなに美味しそうなのに……我慢できなくなっちゃうゾ……♡」

 

涙目のアルを見下ろしながら、今度は手で竿を扱きつつ陰嚢を唇で咥え込む。ぷっくり膨らんだ球を飴玉のように転がしながら、空いた手で自らの股間をまさぐり始めると布越しに粘ついた音がする。

 

「あ……私のここも……あぁんっ!」

 

突然訪れた自身の昂りにヴァレリアは身悶えした。湿った内腿を擦り合わせる度に汁気を帯びた音が室内に満ちていく。その痴態を見せつけられながらアルはついに限界を迎えようとしていた。

 

「くっ……離れろっ……ヴァレ! 出るっ……!」

 

「だめぇ♡ このまま私のお口に出していいよ……♡ ぜぇんぶ欲しいっ!」

 

懇願と同時、彼女は再び口を大きく開き頬張る。喉奥まで飲み込まれた肉棒が収縮する感覚。刹那──

 

どぷっ……びゅるるるぅ───!!

 

噴き出した熱量をヴァレリアは恍惚の表情で受け止めきった。溢れそうな精液を零すことなく嚥下すると口元から白濁した糸を垂らす。

 

「んくっ……ふぁ……♡ おいしい……アルくんの味……♡」

 

唇についた最後の一滴さえ丹念に舐め取りながらも、彼女の双眸はいまだ満たされぬ熱を宿していた。

 

「……まだ……お腹いっぱいにならないね……♡」

 

その言葉が合図だった。

ヴァレリアは毛布を払い除け、もはや隠す必要のない裸体を露わにする。

しなやかな筋肉に覆われた肢体は野生の躍動感そのものでありながら乳房は大きく柔らかく揺れている。すでに潤みきった秘裂からは透明な蜜が滴り落ちていた。

 

「ねぇ……今度は私のおまんこに食べさせてほしいなぁ……♡」

 

四つん這いの姿勢で臀部を高く掲げたまま、彼女は自ら花弁を開いてみせる。ピンク色の肉襞がアルを誘うようにひくついている。

 

「はぁっ……アルくんの大きいのがここに欲しいっ♡ 突いて突いて壊れるくらいガンガン犯してぇっ♡」

 

要求に応じようとアルが体勢を変えようとした瞬間──ヴァレリアは逃がさないとばかりに腰を掴み引き寄せた。硬さを取り戻した亀頭を自分の濡れそぼった入口へ宛がう。

 

「んっ……くぅぅんっ♡」

 

ゆっくりと腰を沈め、根本まで埋め込んだ瞬間ヴァレリアは獣じみた咆哮をあげた。膣壁が歓喜とともに激しく収縮しアルを締め付ける。

 

「あはぁっ……すっご……私のナカいっぱいにぃっ♡ アルくんが私の中にいるぅっ♡」

 

快楽に歪んだ口元から涎が垂れる。黒い尻尾は全力疾走後のように大きく左右に揺れていた。彼女が腰を浮かせ抜き差しを開始するたびに肉と肉がぶつかる鈍い音と共にはしたない粘膜音が響き渡る。

 

「あんっ♡ んあぁっ♡ 気持ちいいっ……アルくんのおちんちん気持ちいぃぃっ!!」

 

初めこそ戸惑い混じりだった動きが次第にリズミカルに変化する。前後左右へ円を描くように捻じ込まれる刺激にアルは呻くしかなかった。腰骨同士がぶつかる衝撃でベッドのスプリングが悲鳴を上げている。

 

「もっとぉっ……もっと奥ぅぅっ! 子宮の入口ゴツゴツ突いてぇぇっ♡」

 

甘い命令が鼓膜を侵す。アルが応じるように下から突き上げればヴァレリアは背中を仰け反らせ叫んだ。

 

「ひゃうんっ♡ すごいぃぃっ♡ これ好きっ……これ好きなのぉっ♡」

 

結合部からは愛液が泡立ち飛び散る。

太腿まで垂れたそれを潤滑油にし更なる速さを求め腰振りは加速していく。荒々しい交尾が淫らな儀式へ昇華されていた。

 

 

連続絶頂で僅かに冷静さを取り戻したアルは腰を掴まれたまま思考を巡らせる。(……このままでは主導権を奪われっぱなしだ)

 

一度抜かれた隙を狙い彼は体勢を入れ替えた。ヴァレリアを押し倒し正常位へ。驚いた表情も束の間、再び挿入すれば彼女は即座に喘ぎ始める。

 

「ひゃっ……ぁぁっ♡ アルくん……上から突いてくれるの……嬉しいっ♡」

 

期待に満ちた瞳で見上げてくるヴァレリアを見据えながらアルは宣言する。「今度は俺が恩返しさせてもらう」

 

太い杭打ちピストンが始まった。子宮口を叩く度ヴァレリアの爪が背中に食い込む。痛みさえ愛撫となり全身を支配する快楽へと変換されていく。

 

「あ゛っ♡ あ゛あ゛っ♡ これダメぇっ……すぐイッちゃうぅぅっ♡」

 

泣き叫ぶような嬌声とともに膣壁が痙攣する。

絶頂直前の締め付けにもかかわらずアルは攻めを緩めない。浅瀬から最奥へ叩き込みながら唇を貪った。

 

「んむぅ……ちゅぱっ……んくっ……はぁっ……アルくん……キスしながら奥突かれるのサイコーだよぉっ♡」

 

互いの唾液が糸を引き舌が絡み合う。

激しい抽送による摩擦で結合部が燃えるようだった。ヴァレリアの太腿が痙攣し始めた頃合いでアルは囁く。

 

「もう一回出すぞ……中でいいか?」

 

「うんっ♡ 中っ……お願いっ♡ 私の一番深いとこに全部注いでぇぇっ♡」

 

承諾を聞いた瞬間ラストスパート。野獣の咆哮とともにアルは最後の一突きを見舞う──

 

どびゅるるるぅぅーっ!!!

 

灼熱の奔流が子宮へ直撃する。ヴァレリアは全身を弓なりにしならせ絶叫した。

 

「んぎぃぃぃっ♡ ああぁぁああっ♡ 熱いっ……精液いっぱい出てるぅぅっ♡」

 

白目を剥きかけたまま数秒間硬直する。

膣内射精を受け止めた後もしばらく肉壁が搾り取るように蠢き続けていた。

 

ぐったりとしたヴァレリアの胎内から雄芯を引き抜くと夥しい量の白濁液が溢れ出る。彼女は荒い呼吸のまま満足げに微笑んだ。

 

「はぁ……はぁ……ありがとうアルくん……私…幸せだゾ……♡」

 

疲れ切ったアルに抱きつくように寄り添いながら首筋へ額を擦りつける。汗ばんだ肌同士が密着し溶け合うような錯覚すらあった。

 

翌朝──

 

アルが目覚めると既に彼女は居なかった。テーブルの上には古びた皮袋と一枚の紙切れ。

 

【ありがとう!今日からロゼリアで冒険者登録してくるゾ☆ ヴァレリア】

 

どうやら昨晩の激しい「恩返し」で体力を完全回復したらしい。呆れつつも自然と笑みがこぼれる。

 

その数日後、ギルドホールの掲示板前に仁王立ちするヴァレリアがいた。

 

「アル君!仲間になってほしいんだゾ! 私……お腹いっぱい食べられるパーティに入りたいっ♡」

 

そう言って飛びついてくる彼女の背後にはミレーヌの鋭い視線があった。

「アル、、絶対に皮を剥いでやるから」

 

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