※この作品はR-18です。

冒険者はつらいよ 冒険者歴10年選手の日常とエロス   作:みなぽん

61 / 63
太陽の勇者エステバンとエルフの未亡人セレスティア

【挿絵表示】

【挿絵表示】

【挿絵表示】

 

 

雨が降っていた。

 

灰色の空から落ちる冷たい雫が、エルフの女性の頬を濡らしていく。

 

セレスティアは小さな家の前で立ち尽くしていた。

 

かつては夫と共に暮らした家だった。

 

今は違う。

 

夫は三年前の戦争で帰らぬ人となった。

 

残されたのは二人の幼い子供と、莫大な借金だけだった。

 

「お母さん……」

 

幼い娘が不安そうに服の裾を握る。

 

セレスティアは無理に笑顔を作った。

 

「大丈夫よ」

 

だが、その言葉に根拠はない。

 

現実は残酷だった。

 

戦死した夫が残した借金は、利息によって膨れ上がり続けている。

 

そして、その債権者であるゴーツ商会は容赦がなかった。

 

雨音が、貧しい長屋の屋根を叩いていた。

ゴーツ商会の主、ゴーツ=クーは、その湿った音をBGMに、目の前の悲鳴を聞いていた。

 

「……お待ちいただけませんか、ゴーツ様。あと一月、いえ、半月あれば、必ず……」

 

テーブルの向かい側で、エルフの未亡人セレスティアが震えていた。透き通るような白皙の顔は、恐怖と疲労で蒼白になり、銀色の長髪が乱れて頬に張り付いている。その瞳は、懇願するように潤んでいた。

 

「半月? 笑わせるなよ、奥さん」

 

ゴーツは太い指でテーブルをコツコツと叩いた。彼のねっとりとした視線は、セレスティアの顔ではなく、その豊かな胸元や、薄い布の下に浮かぶ腰の曲線を舐めるように這っていた。

 

「あの戦死した旦那の借金、もう三年だぞ? 利子が利子を呼んで、今や返せる目処なんて立ってない。あんたが必死に働いてるのは知ってるが、ちまちました稼ぎじゃ、利息すら払いきれねえ」

 

「……ですが、子供たちがおります。まだ幼いのです。お願いです、お慈悲を……」

 

セレスティアはテーブルに額を擦り付けるようにして頭を下げた。誇り高きエルフの血筋など、貧困の前では無意味だった。夫の残した借金は、彼女と二人の子供を骨の髄まで吸い尽くそうとしていた。

 

ゴーツは鼻を鳴らし、ゆっくりと立ち上がった。その巨体が投げる影が、セレスティアを覆う。

 

「お慈悲、ねえ。商売人にそんなもんはないんだよ。ただ……」

 

ゴーツの汚れた手が、セレスティアの顎を強引に持ち上げた。無理やり顔を上げさせられた彼女の瞳が、屈辱と恐怖で揺れる。

 

「あんたには、金より価値のあるものがあるじゃないか」

 

その言葉の意味を悟り、セレスティアの顔がさっと紅潮した。そして、次の瞬間には血の気が引いていく。

 

「……いえ……そんな……」

 

「美しいエルフの未亡人だ。高く売れるよ、俺の店でな。あるいは……俺が直接、査定してやってもいい」

 

ゴーツの視線が、彼女の全身をねっとりと汚していく。それは、純潔な白い花に這い回る醜い毛虫のようだった。

 

「嫌です! 夫に……亡き夫に顔向けができません!」

 

セレスティアは拒絶し、後ずさりした。夫との愛の証を、この下品な男に汚されるなど、死んでも嫌だった。

 

だが、ゴーツは冷酷に告げた。

 

「あそう。じゃあ、明後日には役人と手付け金を取りに来るよ。この家も、あんたも、ガキも、全部差し押さえて、奥の炭鉱で働いてもらう。エルフのガキでも、穴掘りくらいにはなるだろ」

 

「っ……!」

 

セレスティアの息が止まった。炭鉱。それは死と同義だ。幼い二人の子供が、過酷な労働で骨と皮になる姿が脳裏をよぎる。

 

「どうするんだい、セレスティアさん。あんたのその体一つで、全部チャラになるんだぜ? あんたの価値ある体でよ」

 

長い沈黙の後、雨音だけが部屋に響いた。

 

セレスティアの肩から、力が抜け落ちた。彼女はゆっくりと、糸が切れた人形のように立ち上がった。その瞳から、光が消えていく。

 

「……わかりました」

 

その声は、あまりにも弱々しかった。

 

「ただし……子供たちには、見せないでください。あの子たちには……」

 

「ああ、向こうの部屋で寝てるだろ。静かにしてりゃ起きねえよ」

 

ゴーツがニヤリと笑い、セレスティアの細い手首を掴んだ。

 

粗末な寝台の上。セレスティアは、震える手で自らの服に手をかけた。ボタンが外れるたびに、夫と結んだ絆が引きちぎられていくような気がした。

 

白く滑らかな肌が露わになる。長い間、夫以外の男に触れられたことのない神聖な領域が、ゴーツの貪欲な視線に晒された。

 

「ほお……さすがエルフだ。死んだ旦那も、こんな上物を抱いてたのかねえ」

 

ゴーツの下卑た言葉が、セレスティアの心を刃で突き刺す。

 

『あなた……ごめんなさい……ごめんなさい……』

 

心の中で、幾度も幾度も、亡き夫に謝罪した。愛した人よ、どうか許してください。私は、子供たちを守るために、あなたとの誓いを汚します。

 

ゴーツの脂ぎった手が、セレスティアの胸に触れた。

 

「ひっ……!」

 

冷たい手の感触に、セレスティアの体が強張る。夫の手とはあまりにも違う、粗暴で欲望に満ちた手つき。その手は容赦なく、白い肌に赤い痕を残しながら這い回った。

 

「いい肌だ。白くて滑らかで……たまんねえな」

 

ゴーツは、まるで獲物を玩ぶように、セレスティアの体を弄んだ。夫との行為はいつも優しく、愛に溢れていた。しかし、今は違う。これは一方的な略奪だ。

 

「あんた、こんな体してるから、旦那も戦場で死ぬまで帰りたかったんだろうなあ」

 

「言わないで……! お願いですから、そんなこと……!」

 

夫への冒涜に、セレスティアは涙を流した。しかし、ゴーツは彼女の涙さえも楽しむかのように、その顔に舌を這わせた。

 

そして、決定的な瞬間が訪れる。

 

夫以外の男に、最も深い場所を侵略される背徳。

 

「あぐっ……!」

 

裂けるような痛みと、強烈な異物感。夫とは明らかに異なる、野蛮な雄の楔が、セレスティアの奥深くをこじ開ける。

 

『ああ……もう、あなたのものじゃない……私の体は、もう……』

 

セレスティアは天井を見上げた。視界が涙で滲む。隣の部屋で眠る子供たちの顔が浮かぶ。彼らのためだ。彼らの未来のためだ。そう自分に言い聞かせても、体の奥底から湧き上がる屈辱と、抗えない生理的な快楽の混濁に、彼女は狂いそうだった。

 

「くっ……狭いな、奥さん。旦那のモノより俺の方がいいんだろ?」

 

「ち、ちが……うぅっ……!」

 

ゴーツの腰が、容赦なく打ち付けられる。卑猥な水音と、肉がぶつかる音が、狭い部屋に響き渡る。

 

『あなた……愛してる……愛してるわ……!』

 

心の中で夫の名を叫ぶ。しかし、口から漏れるのは、夫を裏切る甘い悲鳴だった。

 

「あっ、ああっ……だめ……そこは……!」

 

長いエルフの耳が、快感にピクピクと震える。夫が決して触れなかった場所を、ゴーツの指が残酷なまでに攻め立てる。熟れきった果実のような反応を、ゴーツは貪欲にむさぼった。

 

「どうだ? 感じちゃいるんだろ? 夫に悪いと思ってる割には、こんなに濡らしてさ」

 

ゴーツの嘲笑が、セレスティアの理性をさらに削り取る。否定したいのに、体は雄の欲望に順応し、快楽の蜜を溢れさせてしまう。その事実が、彼女を深い絶望の底へ突き落とした。

 

『許して……あなた、許して……! 私は、汚されていく……あなたの知らない快感で、壊されていくの……!』

 

激しい律動。略奪の嵐。セレスティアの銀髪が、汗と涙で寝台の上に乱れ散る。その美しい顔は、苦悶と恍惚が入り混じった、ある意味で聖女のような背徳的な表情に歪んでいた。

 

「くっ……出すぞ、奥さん! 旦那の代わりに、俺の種を注いでやるよ!」

 

「いやっ! だめっ! 出さないでっ! 中には……中には出さないでぇっ!!」

 

拒絶の言葉とは裏腹に、セレスティアの膣壁はゴーツのものを締め付け、貪るように吸い上げていた。夫にも許さなかった中出しを、この男に許そうとしている。その倒錯した事実に、セレスティアは自らの身を裂きたいほどの羞恥に苛まれた。

 

「あああああっ!!」

 

ドクドクと、汚濁した欲望が子宮の奥に注ぎ込まれる。夫との温かな交わりとは何もかも違う、暴力的で熱く、粘着質な注湧。

 

その瞬間、セレスティアの脳裏に、かつて夫と交わった優しい記憶がフラッシュバックした。しかし、その光は、目の前の男が注ぐ濁った欲望によって、容赦なく塗りつぶされ、黒く汚されていく。

 

『あなた……! あなた……!!』

 

叫びは声にならず、ただ涙となって頬を伝い落ちた。

 

事が終わった後、ゴーツは満足げに服を整えた。

 

「いい女だ。借金は全部チャラだ。だがな、また金に困ったら……いつでも俺を訪ねて来い。あんたの体は、俺が一番よく知ってるからな」

 

下品な笑い声を残し、ゴーツは部屋を出て行った。

 

雨音だけが残された部屋で、セレスティアは動けずにいた。太股には、夫以外の男の白濁した痕跡が垂れ落ちている。それは、彼女が踏みにじられた誇りのようだった。

 

彼女は震える手で、体を抱きしめた。

 

隣の部屋から、子供の寝息が聞こえる。

 

「……守れたのね」

 

その言葉は、誰に向けたものでもなかった。ただ、自分を奮い立たせるための、呪文のようだった。

 

セレスティアは、窓の外の雨を見つめた。彼女の心の中で、亡き夫の墓前にて、永遠に謝罪し続ける自分の姿があった。

 

もう、後戻りはできない。彼女は、最も大切な場所を代償に払い、深い泥沼の中で、これからも生きていかねばならないのだ。

 

金糸のような髪が、夜の闇に溶けていくようだった。

 

⭐️未亡人の決意

その夜。

 

子供たちが眠った後、一人で考えた。

 

そして結論を出した。

 

冒険者になるしかない。

 

若い頃の彼女は銀等級に届く寸前までいった実力者だった。

 

結婚を機に引退したが、弓の腕はまだ衰えていない。

 

翌朝。

 

セレスティアは古びた弓を背負い、冒険者ギルドの扉を開いた。

 

久しぶりの空気だった。

 

酒と汗と鉄の匂い。

 

受付嬢は驚いた顔を見せた。

 

「セレスティアさん?」

 

「復帰しようと思って」

 

ざわめきが起きる。

 

未亡人の美しいエルフ。

 

しかも生活に困っているという噂は、すでに広まっていた。

 

だからこそ。

 

彼女にはすぐに声が掛かった。

 

「俺たちのパーティに来ないか?」

 

「ちょうど弓使いが欲しかったんだ」

 

男たちは愛想よく笑う。

 

セレスティアは疑わなかった。

 

藁にもすがる思いだった。

 

そして数日後。

 

彼女はその男たちと共にダンジョンへ潜っていた。

 

最初は普通だった。

 

魔物を倒し、素材を回収する。

 

だが奥へ進むにつれ、違和感が大きくなる。

 

「この道で合ってるの?」

 

「大丈夫だって」

 

男たちは笑う。

 

やがて人気のない空洞へ辿り着いた。

 

そこで。

 

男たちの顔が変わった。

 

獲物を見る目だった。

 

セレスティアは一歩後ずさる。

 

「どういう意味?」

 

「そんな怖い顔するなよ」

 

男の一人が近づく。

 

「俺たちは親切なんだぜ?」

 

別の男が笑う。

 

「借金あるんだろ?」

 

嫌な予感が全身を駆け巡る。

 

逃げようとする。

 

だが出口には別の男が立っていた。

 

出口を塞いだ男は、軽業師のような身軽さで短剣を弄んでいた。シーフだ。もう一人は分厚い鉄の鎧に身を包んだ戦士。そして、手には魔導書を携えた魔導士。彼らは最初から、セレスティアをこの孤立無援の空間に誘い込むつもりだったのだ。

 

「どういう意味?」と問い返したセレスティアの声は、震えていた。

 

「そんな怖い顔するなよ」と戦士がニヤリと笑い、一歩近づいてきた。「俺たちは親切なんだぜ?」

 

「借金あるんだろ?」と魔導士が眼鏡の奥で冷たく光る目を細めた。「ゴーツ商会の。美しいエルフの未亡人が、体で返済してるって噂、聞いたよ」

 

心臓が凍りついた。あの夜の恥辱が、熱を持った悪夢となって蘇る。あの男に注がれた汚濁が、まだ子宮の奥に残っているような錯覚に陥る。

 

「違う……あれは……!」と否定しようとしたが、言葉は続かなかった。

 

「隠すなって」とシーフが背後に回り込み、銀色の髪を一本指で持ち上げた。「俺たちも協力してやるよ。1発1シルバーでいいよな」

「奥さんの中古まんこで金がもらえるんだから最高だろ」「でもエルフって歳取らねぇから全然いけるよな。」

 

 

【挿絵表示】

【挿絵表示】

 

 

それは悪魔の契約だった。金で尊厳を買い取るという、最も卑劣な取引。

 

「断る!」と叫び、弓を構えようとした。だが、シーフの短剣が瞬時に弓弦を切り裂いた。張り詰めた弦が弾け、セレスティアの白い頬を薄く切り裂く。

 

「無駄だよ」と戦士が嘲笑い、鉄の籠手に包まれた手でセレスティアの細い首を掴み上げた。「抵抗すればするほど、楽しいんだろ?」

 

地面に叩きつけられる。粗い岩肌が背中を擦り、鋭い痛みが走った。戦士の巨体が圧し掛かってくる。鎧の冷たさと、男の熱気。ゴーツの時とは比べ物にならない暴力性が、彼女を押し潰そうとしていた。

 

「見ろよ、この肌」と戦士はセレスティアの旅装を力任せに引き裂いた。「ゴーツの奴、いいもん独り占めしてたな」

 

布が裂ける音が、洞窟の闇に響く。露わになった白い肌に、男たちの貪欲な視線が突き刺さる。

 

「やめて……お願い……」と懇願するが、男たちの目に慈悲の色はない。あるのは、獲物を前にした野獣の欲情だけだ。

 

「順番だな」と魔導士が冷静に言った。「戦士、お前が先だ。力でねじ伏せるのがお似合いだ」

 

「ああ」と戦士が頷き、下穿きを引き下ろした。「旦那の代わりに、たっぷり可愛がってやるよ」

 

太く猛った楔が、セレスティアの秘所に押し当てられる。ゴーツに侵されたばかりの場所に、新たな暴力が突き入ろうとしていた。

 

「いやぁっ!!」

 

裂けるような痛み。ゴーツの時とは違う、無骨で容赦のない侵略。戦士の腰が、岩を砕くような勢いで打ち付けられる。

 

「しまるねえな、さすがエルフだ」と戦士は荒い息を吐きながら、豊かな胸を鷲掴みにした。「旦那も戦死して、寂しかったろ? 俺ので満足させてやる」

 

屈辱に、セレスティアは歯を食いしばった。夫ではない。

 

 

愛してもいない。ただの欲望の捌け口にされているだけ。なのに、体は再び抗えない反応を示し始めていた。

 

「あっ、あぐっ……! うぅっ……!」

 

夫の顔が浮かぶ。しかし、その優しい面影は、目の前の男の粗暴な顔面に塗り替えられていく。夫との愛の証を、泥で塗りつぶされるような絶望。

 

「ほら、顔見せろよ」と戦士はセレスティアの顔を掴み、無理やり自分の方へ向けさせた。「旦那に代わって、俺の顔を見てイケよ」

 

「許して……あなた……ごめんなさい……」

 

涙で滲む視界の中で、セレスティアは心の中で亡き夫に縋り付いた。しかし、口から漏れるのは、屈辱と快感の入り混じった甘い悲鳴だった。

 

戦士が絶頂を迎え、ドロリとした体液を注ぎ込む。子宮が汚されていく感覚に、セレスティアは絶望した。

 

「次は俺だ」とシーフが割り込んできた。「前の穴は戦士ので十分だろ。こっちは俺が頂くぜ」

 

セレスティアの体を裏返し、尻を高く持ち上げさせる。拒絶しようとするが、戦士に押さえつけられ、身動きが取れない。

 

「やめて……そこは……!」

 

シーフの指が、後ろの窄まりをなぞる。夫にも触れさせなかった秘穴。それが、今まさに暴かれようとしていた。

 

「嫌だ! 絶対に嫌!」

 

「暴れるなよ」と魔導士が呪文を唱えた。「拘束」

 

セレスティアの四肢が、見えない鎖によって拘束された。身動きが取れない。完全に無力化された彼女は、ただされるがままになるしかなかった。

 

シーフの楔が、後孔に押し入る。

 

 

「ぎゃああっ!!」

 

裂けるような激痛。夫以外の男に、しかも前とは違う場所を犯される背徳感。セレスティアの理性が、引きちぎられそうになった。

 

「きついな、こりゃ極上だ」とシーフは腰を打ち付けながら、クリトリスを弄んだ。「前も後ろも、俺たちで開発してやるよ」

 

前の秘裂からは戦士の体液が溢れ、後孔はシーフによってこじ開けられていく。二つの穴から同時に与えられる刺激に、セレスティアの体は悲鳴を上げた。

 

「ああっ……あぐっ……だめ……壊れる……!」

 

夫への裏切り。母としての誇りの崩壊。その全てが、快感という名の毒に変換され、彼女を狂わせていく。

 

「ほら、ここも勃ってるぜ」とシーフがクリトリスを弾く。「エルフの未亡人は、乱暴にされるのが好きなのか?」

 

「ちが……うぅっ……!」

 

否定したいのに、体は雄の欲望に順応し、快楽の蜜を溢れさせてしまう。その事実が、彼女を深い絶望の底へ突き落とした。

 

「俺のも受け取れ」と魔導士が割り込んでくる。「精霊魔法だ。絶対に妊娠しない代わりに、感じやすくしてやる」

 

魔導士の唇が重なり、生臭い舌が口内を蹂躙する。同時に戦士とシーフによる陵辱が加速する。

 

「ああっ! だめ……おかしくなる……!」

 

夫との穏やかな接吻とは全く違う、支配的な口腔の征服。魔導士の舌が喉奥まで侵入し、呼吸すら奪われる。三方向からの絶え間ない暴力的な刺激に、セレスティアは意識が飛びそうになった。

 

「出すぞ」「俺も限界だ」「絶頂しろ」

 

三人の男が同時に果てる。

 

前の秘裂と後孔に熱い奔流が注がれ、喉奥にも粘つく液体が放たれる。窒息しそうな量の体液を受け止めながら、セレスティアもまた絶頂を迎えた。

 

「ああああっ!!」

 

脳裏に白い閃光が走り、目の前が真っ暗になる。意識が遠のく中で、最後に見たのは、夫の優しい笑顔だった。

 

「……誰か助け……」

 

セレスティアの顔から血の気が引く。

 

子供たちの顔が脳裏に浮かんだ。

 

助けて。

 

誰でもいい。

 

そう願った瞬間だった。

 

轟音。

 

岩壁が吹き飛んだ。

 

爆発のような衝撃と共に、土煙が舞い上がる。

 

男たちは何事かと振り返った。

 

そこに立っていたのは一人の男だった。

 

長い黄金の髪。

 

輝くミスリルの鎧。

 

巨大な聖剣。太陽の勇者 エステバン!

 

まるで太陽そのものが地下へ降りてきたかのような存在感。

 

「……なんだ、お前は」

 

男の一人が震える声で言う。

 

黄金の男は周囲を見回した。

 

怯えるエルフ。

 

下卑た笑みを浮かべる冒険者たち。

 

状況を理解するのに一秒もかからなかった。

 

「なるほど」

 

静かな声だった。

 

だが。

 

その瞬間、空気が凍りついた。

 

「ゴミか」

 

男たちは反射的に武器を抜く。

 

本能が警告していた。

 

目の前にいるのは危険だと。

 

「ふざけるな!」

 

剣士が飛びかかる。

 

 

次の瞬間。

 

剣士の大剣が、ミスリルの鎧に激突した。

金属が砕ける嫌な音が響く。だが、エステバンの体は微動だにしなかった。彼が纏う鎧は、傷一つ付いていない。

「なっ……!?」

剣士が驚愕して目を見開いた、その瞬間。

エステバンの聖剣が、銀色の残像を引いて振るわれた。

あまりにも速すぎて、目視することすら不可能な一撃。

ズドン、という鈍い音と共に、剣士の巨体が上下に真っ二つに裂けた。鎧ごと。断末魔の声すら上げる間もなく、臓物と血液が洞窟の床にぶち撒けられる。

「ひっ……!」

震える手で短剣を構えたシーフが、恐怖に駆られて後退る。逃げようと背を向けた、その背中に聖剣の光芒が突き抜けた。

光の槍のような一閃が、シーフの心臓を正確に貫き、背中から先端を突き出す。シーフは糸が切れた人形のように崩れ落ちた。

「くそっ! ボルト・オブ・フレイム……!」

魔導士が震える声で呪文を唱えようとした。だが、エステバンはそれを待たなかった。

彼の一歩踏み込む動作は、瞬間移動のように見えた。気がつけば、エステバンの空いた片手が魔導士の顔面を掴んでいた。

「ぐあっ……!?」

ミスリルの籠手で覆われた鉄の握力が、魔導士の頭蓋骨をミシリミシリと軋ませる。

「無駄だ」

エステバンの静かな宣告と共に、魔導士の首が異様な角度にねじ切られた。パキン、という骨の折れる乾いた音が、洞窟内に虚しく響き渡った。

死体がドサリと倒れる。

それだけで終わった。

名だたる勇者にとって、この程度のゴロツキは雑草と変わらない。

返り血一つ浴びることなく、エステバンは聖剣の血振るいをした。血飛沫が床に滴り落ちる音だけが、静寂の中で響いた。

 

エステバンは無表情のまま、死体の傍らに歩み寄った。

彼は剣を鞘に収めると、躊躇なく死体の懐や荷物に手を伸ばした。

戦士のマジックアイテムの籠手。シーフの高価な短剣と財宝の入ったポーチ。魔導士の魔導書と指輪。

彼はそれらを手早く、かつ容赦なく剥ぎ取っていく。それは戦利品というより、汚物を処理する作業のように淡々としていた。

そして、全ての金目のものをまとめると、彼はボロボロのセレスティアの方へと向き直った。

 

セレスティアは、恐怖と寒さで小さく震えていた。

目の前で繰り広げられた圧倒的な暴力。それはゴーツや冒険者たちのそれとは違う、次元の異なる粛清だった。彼女は無意識に身を縮め、今度こそ殺されるのだと覚悟を決めた。

しかし。

エステバンの歩みは穏やかだった。彼は血に塗れた自分のマントを外すと、セレスティアの裸体にそっと被せた。

暖かいミスリルの毛皮のマントが、彼女の汚された体を包み込む。

「立てるか?」

その声は低いが、不思議と優しさがあった。

セレスティアは呆然とエステバンを見上げた。彼の瞳には、怒りも軽蔑もなかった。ただ、静かな憐憫だけが宿っていた。

「……あなたは……」

「話は後だ。ここは臭い」

エステバンはセレスティアの返事を待たず、彼女を軽々と抱き上げた。まるで羽毛のように軽々と。彼女の足は地面につかない。

「あ……」

抵抗する力など残っていなかった。彼女はただ、この温かな腕に身を委ねるしかなかった。

 

二人はダンジョンを抜け出した。

外はまだ雨が降っていたが、セレスティアにはそれが浄化の雫のように感じられた。

エステバンは迷うことなく街へと戻り、真っ直ぐに最大の買取屋へと向かった。

夜も更けていたが、「太陽の勇者」の来店に、店主は飛び起きて対応した。

エステバンは剥ぎ取った装備一式をカウンターに放り投げた。血なまぐさいそれらを見て、店主は顔を青ざめさせたが、エステバンの冷ややかな視線に何も聞けなかった。

「全部換金しろ。相応の額を出せ」

短い言葉だった。店主は震える手で鑑定を始め、恐る恐る提示した額を、エステバンは頷いて受け入れた。それほどの量と質だった。

金貨が入った重い革袋が手渡される。

エステバンはそれを受け取ると、セレスティアの前に差し出した。

 

「……これを?」

セレスティアは困惑したように瞬きをした。

「あんたのものだ」

エステバンは短く言った。

「これで借金を返せ。ガキたちを食わせろ」

セレスティアの手が震えた。革袋の重みは、彼女のこれまで背負ってきた絶望の重さよりもずっと重く、そして希望の重さだった。

「でも……これは、あなたが……」

「俺には不要だ」

エステバンは冷たく突き放した。

「ただのゴミ掃除の手間賃だ。持っていけ」

セレスティアは涙が溢れた。

あの男たちに奪われそうになった尊厳。ゴーツに踏みにじられた誇り。その全てが、この金貨の袋で取り戻せるわけではない。しかし、これで子供たちは炭鉱に行かずに済む。これで明日を生きることができる。

「ありがとうございます……! ありがとうございます……!」

彼女は革袋を胸に抱きしめ、泣き崩れた。それは屈辱の涙ではなく、安堵と感謝の涙だった。

エステバンはその様子を無言で見下ろしていた。

彼の背中には、雨に濡れた聖剣が静かに輝いていた。それは、暗闇を切り裂く太陽のように見えた。

 

⭐️団欒

雨は夜更けに上がり、空の端から月が顔を覗かせていた。

 

セレスティアの案内で辿り着いた長屋は、冒険者ギルドの宿舎などよりはるかに貧しかった。しかし、ドアを開けた瞬間、温かなスープの香りと小さな歓声が二人を出迎えた。

 

「お母さん!」

 

駆け寄ってきた二人の幼い子供は、泥だらけの巨大な男を見て一瞬怯んだが、その輝くミスリルの鎧と、何より母親の隣にいるという事実に目を輝かせた。

 

「お母さんのお友達? すごいかっこいい!」

 

「騒ぐな」

 

エステバンは短く言ったが、その声に殺気はなかった。彼は入り口で泥落としを済ませると、無造作に部屋の中へ入った。狭い部屋に、彼の存在感が押し迫る。

 

「さあ、お食べになって。温まりますから」

 

木のテーブルに並べられたのは、野菜たっぷりのスープと、固そうな黒パン。それが精一杯の夕食だった。エステバンは黙って席に着き、パンをちぎってスープに浸すと、無表情のまま口に運んだ。

 

「……悪くない」

 

ぼそりと呟くと、子供たちは安堵したように笑った。セレスティアも胸を撫で下ろす。この最強の勇者を怒らせてはならないと、気が気ではなかったのだ。

 

食事が進むにつれ、子供たちは遠慮がちにエステバンに話しかけた。

 

「お兄ちゃんも、お化退治するの?」

 

「魔物だ」とエステバンは訂正した。「退治する。俺が行けば、皆死ぬ」

 

「すごいや! 僕も大きくなったらお兄ちゃんみたいになる!」

 

エステバンは鼻を鳴らしたが、拒絶はしなかった。彼は子供の相手をするつもりはないように見えたが、その青い瞳が時折優しげに細められるのを、セレスティアは見逃さなかった。

 

やがて、興奮していた子供たちも眠気に勝てなくなり、セレスティアに寝かしつけられた。隣の小さな部屋から、規則正しい寝息が聞こえ始める。

 

静寂が戻った部屋で、セレスティアはエステバンの向かい側に座り直した。ランプの灯りが、彼女の銀髪を柔らかく照らす。

 

「本当に……ありがとうございました。あなたがいなければ、私たちは」

 

彼女は深く頭を下げた。言葉では到底足りない感謝。だが、それ以外に何ができるというのだろう。

 

エステバンはスープの椀を置き、組んだ腕の上に顎を乗せてセレスティアを見つめた。その視線は昼間と同じように傲慢で、彼女の内面まで見透かしているようだった。

 

「礼など不要だと言ったはずだがな」

 

低い声が響く。

 

「でも、これは私の心の問題です。恩人に何もお返しできないなんて……」

 

セレスティアは言い淀んだ。金なら返した。だが、この男には金など意味を成さないだろう。

 

エステバンはフッと笑った。それは余裕のある、獲物を追い詰めた猛獣の笑みだった。

 

「何もないわけではないだろう?」

 

彼はゆっくりと立ち上がり、テーブルを回り込んでセレスティアの隣へ歩み寄った。ドスリと重い足音が、彼女の心臓をトクンと跳ねさせる。

 

「え……?」

 

セレスティアが戸惑い顔を上げると、エステバンの大きな手が彼女の銀髪をすくい上げた。粗い指が髪を梳く感触に、背筋がゾクリと震える。

 

「美味いスープだった。パンも腹に溜まった。だが……」

 

彼の顔が近づいてくる。男の熱気とミスリルの冷たさが混じった匂いが、彼女の鼻孔を満たした。

 

「俺が求めていたのは、そんな腹の足しになるものじゃない」

 

ゴーツや冒険者たちとは違う。圧倒的な強者の発するフェロモンのようなものが、セレスティアの理性を溶かし始める。

 

「メインディッシュはお前だな、セレスティア!」

 

耳元で囁かれた宣言は、拒絶を許さない絶対的な命令だった。

 

「あっ……!」

 

唇が塞がれた。

昼間の魔導士のような汚らしい侵略ではない。強引だが、妙に熟練された口づけ。エステバンの舌が、セレスティアの口腔を容易く攻略し、彼女の舌を絡め取る。

 

「んっ……ふぅ……!」

 

抗おうと彼の胸を押し返すが、ミスリルの鎧は微動だにしない。それどころか、押し返そうとした手が、逆に彼の熱に吸い寄せられていく。

 

キスを解くと、銀糸が引いた。セレスティアは真っ赤な顔で息を弾ませる。

 

「いけません……子供が起きてしまいます……!」

 

「静かにしてればいい」

 

エステバンは涼しい顔で言うと、セレスティアの細い腰を片手で掴み上げ、軽々と自分の膝の上に乗せた。まるで人形を扱うかのような無造作さ。

 

「それに、お前の体はもう隠せないぞ。俺を見てどうなってる?」

 

エステバンの太腿の上で、彼女の尻が彼の股間の隆起を感じていた。硬く、熱く、そして巨大な男の証。ゴーツや戦士たちのそれとは明らかに質が違う、王者の武器。

 

「いや……! 見ないでください……!」

 

セレスティアは顔を覆ったが、体は正直だった。昼間の陵辱で開発されかけた肉体が、この圧倒的なオスの気配に孕み反応し始めていた。太股の奥が熱く疼き、愛液がじわりと滲み出す。

 

エステバンは彼女の服に手をかけた。昼間のように引き裂くのではなく、器用に紐を解き、滑らかな肌を露わにしていく。

 

「ほお……やはり傷一つないか」

 

白く輝く肌がランプの光を浴びる。エステバンの視線は灼熱のようだったが、そこにはゴーツのような下品な欲望ではなく、美しい武具を見るような賞賛と所有欲が混じっていた。

 

「あなた……私は未亡人です……夫がいました……!」

 

最後の抵抗。だが、その言葉は説得力を持たなかった。夫への貞操は、すでにゴーツに奪われている。今さら何を守ろうとしているのか。

 

「死んだ男のものはもう終わりだ。これからは俺のものだ」

 

エステバンはセレスティアの胸を鷲掴みにした。その揉み方は、痛いほど力強く、それでいて的確に性感帯を捉えていた。

 

「ああっ……!」

 

甘い声が漏れる。夫もゴーツも触れなかった深い場所から、快楽が突き上げてくる。

 

「どうだ? 俺の手は」

 

「ひあっ……すご……い…!」

 

エステバンの指が乳首を弾くたび、背骨に電流が走る。昼間の男たちが与えたのは屈辱と痛みだけだった。しかし、この男が与えるのは、純粋で圧倒的な快感のみ。

 

「ああっ……おかしく……なります……!」

 

セレスティアの瞳から、夫への罪悪感が消え始めていた。目の前の金髪の勇者だけが、彼女の世界を支配していく。

 

「準備はできているようだな」

 

エステバンはセレスティアを寝台に押し倒した。ボロボロのベッドだが、彼にとっては玉座と変わらない。

 

彼は下穿きをずらし、その逸物を露わにした。

堂々たる巨根。勇者の名に恥じない、凶器のような男らしさ。

 

セレスティアは息を呑んだ。あれが入るのか? 破れてしまうのではないか? 恐怖と、それ以上の期待が体を震わせる。

 

「来い」

 

エステバンは腰を掴み、一気に貫いた。

 

「あああああっ!!!!!」

 

裂けるような圧迫感と、脳髄を焼き尽くす快楽の波。

ゴーツの時のような不快感はない。冒険者たちのような暴力的な痛みもない。

あるのは、膣の最深部までを完全に満たす、圧倒的な充填感だけ。

 

「くっ……きついな。だがいい具合だ」

 

エステバンはニヤリと笑い、腰を動かし始めた。

そのストロークは荒々しくもリズムがあり、的確に子宮口を小突いた。

 

「あっ! あっ! ああっ! だめ! そこ! 壊れちゃう!」

 

セレスティアはシーツを掴み、身をよじった。これまで感じたことのない快楽が、津波のように押し寄せてくる。

 

「夫も戦士だったろう? だが、俺とは格が違う。骨の髄まで教えてやる」

 

エステバンの腰使いが加速する。彼の手がセレスティアの腰を固定し、逃げ場をなくして突き上げる。

 

「ひいっ! すごい! すごすぎる! 頭が真っ白に……!」

 

夫との行為は愛に満ちていたが、これは征服だ。圧倒的な力で雌としての本能を掘り起こされ、彼女はただ喘ぐことしかできなかった。

 

「あなた! あなた! エステバン様ぁっ!」

 

いつの間にか、口から出る名前が変わっていた。亡き夫ではなく、今自分を犯している王者の名を呼んでいる。その事実に気づいた時にはもう遅かった。彼女の心は完全にこの男に征服されていた。

 

「いい子だ。もっと声を聞かせろ」

 

エステバンはセレスティアの長い脚を肩に担ぎ上げ、さらに深く侵入した。折れ曲がった体勢で、子宮を直接突き上げられる。

 

「あぐっ! あっ! いく! いっちゃいます! エステバン様ぁっ!!」

 

セレスティアは背中を反らせ、白目を剥いて絶頂した。潮を吹きながらビクビクと痙攣する彼女を見て、エステバンは満足げに鼻を鳴らした。

 

まだ終わりじゃない。

 

エステバンは絶頂で締め付けてくる膣壁を無視して、さらにピストン運動を続けた。敏感になった身体を追い上げ、休む間を与えない。

 

「ひゃあっ! だめ! まだ! まだ無理ぃっ!」

 

連続する絶頂。意識が飛びそうになるたびに、新たな快感が引き戻す。

 

「俺を受け入れろ。お前は俺の所有物だ」

 

エステバンの言葉が呪いのように響く。

 

「はい! はいぃっ! 私はあなたのものです! エステバン様のメインディッシュですぅっ!!」

 

セレスティアは涙と涎で顔を汚しながら、自ら堕ちていった。もう未亡人でも母親でもない。ただこの男に仕える雌だ。

 

「出すぞ! 飲み込め!」

 

「ああっ! 注いでください! あなたの種をくださいぃっ!!」

 

エステバンの巨根が極限まで膨張し、ドクドクと大量の精液を注ぎ込んだ。ゴーツや冒険者たちのそれとは違い、それは圧倒的な量と熱を持って子宮を満たした。

 

「ああぁぁぁっ!!!!!」

 

最強の絶頂に達し、セレスティアは意識を手放した。

 

 

翌朝。

セレスティアは鳥の囀りで目を覚ました。

体は鉛のように重いが、不思議と心地よい倦怠感に包まれていた。

隣を見ると、エステバンはすでに鎧を身につけ、出発の準備を整えていた。

 

「起きたか」

 

彼は振り返りもせず言った。

 

「……はい」

 

セレスティアは起き上がろうとしたが、腰が立たなかった。昨夜の激しい情事の名残だ。

 

エステバンはドアの前に立つと、初めて振り返った。その顔には少しの感傷もない。

 

「借金は返済した。ガキたちも守ってやった。俺との約束も果たしたな」

 

彼は冷徹な事実だけを告げた。

 

「……はい。全てあなたのおかげです」

 

セレスティアはシーツを握りしめながら答えた。彼が去っていくことを止める資格など自分にはないことはわかっていた。太陽の勇者が一人の未亡人の元に留まる理由などないのだから。

 

「また金に困ったら……俺を呼べ」

 

それは彼なりの別れの言葉だったのかもしれない。

あるいはただの命令か。

 

「エステバン様……!」

 

彼が出て行こうとした瞬間、セレスティアは這うようにしてベッドから降りた。裸のまま床に跪き、彼のマントの裾を掴む。

 

「また……会えますか?」

 

その瞳には、昨日までの悲壮感はなかった。あるのはただ一人の男への激しい憧れと依存だけ。

 

エステバンは短く笑った。

 

「俺は太陽だ。どこにでも現れる」

 

それだけ言い残し、彼はマントを翻して去っていった。

朝日の中に溶け込んでいく黄金の背中を見つめながら、セレスティアは胸に手を当てた。

そこにはもう夫への罪悪感はなく、ただ勇者への熱だけが燃え上がっていた。

彼女はこれからも生きていける。この熱がある限り。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。