※この作品はR-18です。

冒険者はつらいよ 冒険者歴10年選手の日常とエロス   作:みなぽん

63 / 64
ヴァレリア ラース の日常 猪獣人ボラルと❤️❤️

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

夕暮れの街道を、黒髪の獣人の女性がふらふらと歩いていた。

「お、おかしいな……確かこの辺に入れてたはずなんだけどなぁ……」

ヴァレリア・ラースは道端にしゃがみ込み、自分のポーチを何度もひっくり返す。

食料袋。
砥石。
干し肉の切れ端。
予備の手袋。

だが、一番大事なものがなかった。

「財布がない……。」

青ざめる。

思い返せば、昼間に川辺で休憩した時か、森を抜けた辺りか。

「うぅ……。」

腹が鳴った。

ぐぅぅぅぅぅぅぅぅ。

狼の耳がぺたりと垂れる。

「お腹減った……。」

普段なら魔物を狩って食料を確保することもできる。

だが今日は運悪く獲物にも出会えず、朝からまともに食べていない。

フェンリルの血を引く彼女の食欲は人間の比ではない。

既に限界だった。

 

いつもご飯を食べさせてくれるギルド嬢のエリゼはこんな日に限って、他の街に出張に行っている。

 

「このままじゃ餓死するかもしれない……」

大げさではなく、本気でそう思った。

そんな時だった。

街の中心部にある酒場から、香ばしい肉の匂いが漂ってきた。

焼いた脂の香り。

煮込んだ野菜の甘い匂い。

焼きたてのパン。

ヴァレリアの鼻がぴくりと動く。

「に、肉……。」

ふらふらと引き寄せられるように酒場へ入る。

そして彼女は見た。

店の隅の大きな席。

山のような料理を前に黙々と食事をしている巨大な獣人を。

猪の頭。

赤毛に覆われた巨体。

周囲の客が距離を取っている。

闘技場で無敗を誇る賞金稼ぎ。

ボアル・レドだった。

ヴァレリアは思わず料理を凝視した。

ローストボア。
香草焼き。
シチュー。
山盛りのパン。

じぃぃぃぃぃぃ……。

完全に獲物を見つめる狼の目だった。

ボアルは無言で視線を上げる。

ヴァレリアは慌てて目を逸らした。

だが数秒後。

また見る。

じぃぃぃぃぃぃ……。

また目が合う。

逸らす。

また見る。

その繰り返しだった。

やがてボアルはため息を吐いた。

「……嬢ちゃん。」

「は、はいっ!?」

「腹が減ってるのか。」

ヴァレリアの耳がしゅんと垂れる。

「……財布、落とした。」

「……。」

「朝から食べてない。」

「……。」

「お肉おいしそう。」

ボアルは店員を呼んだ。

「追加だ。」

「何をお持ちします?」

「全部だ。」

「全部?」

「肉料理を片っ端から持ってこい。」

店員が目を丸くする。

ヴァレリアも固まった。

「え?」

「食うんだろ。」

「いいの!?」

「冷める前に座れ。」

その瞬間。

ヴァレリアの尻尾が高速で振られ始めた。

「ありがとう!!」

十分後。

「うまーーーーーい!!」

巨大な骨付き肉を頬張る。

「これも食べていいの!?」

「食え。」

「こっちも!?」

「食え。」

「パンも!?」

「食え。」

「デザートも!?」

「好きにしろ。」

三十分後。

皿の山が築かれていた。

周囲の客がざわつく。

「あの狼娘、どんだけ食うんだ……。」

「ボアルさんより食ってるぞ……。」

ヴァレリアは椅子にもたれかかり、満足そうにお腹をさすった。

「ふぅぅぅ……幸せ……。」

ボアルは静かに水を飲む。

「ごちそうさまでした!」

深々と頭を下げる。

「噂じゃ怖い人だって聞いてたけど、全然違うんだな!」

「……。」

「優しいし、イイヤツだ!」

猪の顔なので表情は分かりにくい。

だが少しだけ耳が動いた。

「困ってる奴を見捨てるほど落ちぶれちゃいない。」

「かっこいい……。」

ヴァレリアは真剣な顔になる。

「何か恩返しさせてくれ!」

「堅苦しい礼などいらない。」

 

太い指が、空になった木製のジョッキを弄ぶ。

「だったら、今晩酒の相手をしてくれ。」

 

その言葉を聞いた瞬間、ヴァレリアの耳がぴんと立った。

狼の血が、喜びに震える。

「望むところ!」

 

カウンターに並ぶ大ジョッキ。

琥珀色の液体と白い泡。

蒸留酒の強烈な香り。

二人の飲みのペースは、最初から息が合っていた。

乾杯の音頭もなし。

ただ、目を合わせて飲み干すだけ。

 

ごくり。

喉が焼ける熱さ。

胃に落ちる重み。

「ぷはぁっ! きくぅー!!」

ヴァレリアが赤い顔をして叫ぶ。

ボアルは無言で、次の瓶の栓を抜く。

 

一口。

二口。

三口。

気がつけば、空き瓶が林のようにテーブルに並んでいた。

周囲の客は遠巻きに見ていたが、今はもう呆れるしかない。

「あのボアルさんと、あそこまで飲む奴がいたなんて……」

「狼娘、ハンパねえな……」

そんな囁きは、二人の耳には入らない。

 

視界が少しふにゃりと歪む。

体の芯が火照って、息が弾む。

だけど、これ以上ないほど気分が良かった。

「ねえ、ボアルさん!」

「……なんだ。」

「あんた、やっぱりいい奴だ!」

「……酔ってるのか。」

「酔ってるからこそ、本心だよ!」

 

ボアルの無骨な顔が、ほんの少しだけ緩んだ気がした。

楽しくて楽しくて、しょうがない。

言葉なんてなくても伝わる。

酒の味が、最高に美味い。

時間が経つのも忘れ、二人はただひたすらに杯を重ねた。

 

閉店時間。

店の主人に追い出されるようにして、外へ出る。

夜風が熱い頬を撫でる。

足元が少しふらつく。

「うへへ……」

「……しっかり歩け。」

「平気、へーきだよ……」

 

ふらりと傾いたヴァレリアの肩を、岩のような腕が支えた。

分厚い掌の温かさ。

赤毛に覆われた腕の感触。

ボアルの体からは、酒とタバコと、獣の雄々しい匂いがした。

ヴァレリアは自然と、その太い腕に自分の腕を絡めた。

ボアルは振り払わなかった。

ただ、無言で歩き出す。

 

街の外れ。

林を抜けた先に、粗末な小屋があった。

「……ここだ。」

重い木戸を押し開ける。

乾いた木の匂い。

月明かりが差し込む、薄暗い一室。

シンプルな寝台と、暖炉と、剥き出しの梁。

 

ボアルが、部屋の隅にある大きなベッドに向かって歩く。

そして、そのまま大の字になって倒れ込んだ。

べちっ。

スプリングの軋む音。

「……嬢ちゃん。」

低い声が、暗闇に響く。

「空いてるぞ。」

 

ヴァレリアはふらふらと近づき、その厚い脇腹に自分を滑り込ませた。

ぼすん。

毛並みが擦れ合う。

熱い体温が伝わってくる。

まるで巨大な暖炉に抱かれているみたいだ。

 

天井がゆっくりと回る。

心地よい眩暈。

「……楽しかったな。」

「……ああ。」

寝息のような、短い相槌。

強張っていた筋肉が、ドロリと溶けていく。

もう、何も考える必要はない。

お腹はいっぱい。

頭は酔って幸せ。

隣には、信頼できる仲間の体温がある。

ヴァレリアはボアルの胸板に頬を押し付け、深く息を吸い込んだ。

「ボアル。」

 

ボアルの毛深い胸板に頬を押し付けていたヴァレリアは、無意識に太い腕を撫で回したり、鼻先を腹に埋めてすんすんと匂いを嗅いだりしていた。酒のせいもあるだろう、彼女の仕草は無防備そのもので、警戒心の欠片もなかった。

 

元々、ボアルは彼女を助けた時から、そのしなやかな肢体と艶やかな毛並みに目を奪われていた。食事を与え、酒を酌み交わしたのも、彼女の笑顔が見たくてという情があったからだ。だが、無防備に自分の腹に顔を擦り付ける雌の姿に、ボアルの理性は限界を迎えていた。下半身で猛々しく脈打つ獣の欲望が、もう押さえ込めない。

 

「……嬢ちゃん。」

喉の奥で唸るような低い声に、ヴァレリアが酔い眼で見上げる。

「……俺を、一晩抱かせてくれ。」

 

ダメ元だった。無骨な自分が言えるようなことではないと分かっていた。だが、ヴァレリアは瞬きもせず、視線をボアルの股間へと落とした。布地を押し上げて隆起する、尋常ではない雄の雄々しさ。それを見た瞬間、狼の耳がぴくりと跳ね、喉の奥からクゥンと甘い鳴き声が漏れた。

 

「……うん。いいよ。」

 

むしろ、喉が鳴るほど歓迎していた。ボアルの分厚い手が、震えながらヴァレリアの服の裾を掴む。互いに慌ただしく、しかし交互に相手の体を愛おしむように衣服を剥いでいく。チリチリと音を立て、ボタンが弾け飛ぶ。

 

布切れが床に落ち、二人は全裸で向き合った。

ボアルの体は、猪の名の通り岩のような筋肉と剛毛に覆われた鋼の塊だった。そして、その股間から突き出る剛直は、彼の体に負けず劣らず、いやそれ以上に凶悪なまでに太く、血管が蛇のように浮き上がっていた。

 

「すっごい……ボアル、すごい体……」

フェンリルの血を引くヴァレリアの肉体も、しなやかで引き締まった獣のそれだが、この男の圧倒的な雄性の前では、ただ抱かれるためにある雌の体に思えた。期待で腹の底がじんわりと熱くなる。背中の毛が逆立ち、尻尾が小刻みに揺れた。

 

だが、その期待は一瞬で圧倒的な快感に塗り替えられた。

「……悪いな。手加減はできねぇ。」

 

ボアルの巨大な手がヴァレリアの両脚を抱え上げ、大きく割り開く。逃げ場などない。容赦なく、極太の亀頭が濡れそぼった割れ目をこじ開け、一気に最奥までねじ込まれた。

 

「あぐっっ!! ぁぁぁぁあーーーっ!!」

内壁を無理やり押し広げられ、子宮口を小突き上げられる衝撃。摩擦が生み出す快楽の炎が背骨を駆け上がる。すぐに激しいピストン運動が始まった。

ボアルは待ってくれない。腰を打ち付け、剛直を奥の奥まで叩き込んでくる。

 

「ッ! あッ、あッ、あッ! ボアル、ボアルッ! すごい、すごいっ、ぶっ壊れるっ!」

「くっ、締め付けやがって……! この、雄雌が!」

 

肉と肉がぶつかる湿った音が小屋中に響き渡る。ボアルの体重が乗った一撃一撃が、ヴァレリアをベッドのスプリングごと揺らす。強烈な快楽の波に脳が焼かれ、思考が白く染まっていく。ただの雌と化したヴァレリアは、太い首に腕を回し、爪を背中に食い込ませて、更なる激突をねだるように腰を振った。

 

何度もイカされた。絶頂の度に内壁が痙攣し、雄を絞り上げる。その度にボアルは唸り声を上げ、更に激しく突き上げる。狂ったような交尾。床も壁も悲鳴を上げ、二人の獣人は汗と愛液の匂いに包まれて本能のままに貪り合った。

 

「嬢ちゃん……限界だ……!」

ボアルの瞳が獣のように充血し、筋肉が一層硬く盛り上がる。締め付けに耐えきれなくなったのだ。彼は両脚をがっちりと固定し、最も深い場所へと凶器を押し込む。子宮口をこじ開け、その先端を直接子宮内に押し当てた。

 

「あッ、あッ、来て! 出して! 孕ませてぇっ!!」

 

孕ませ上等。本能の最奥で繋がった瞬間、ボアルの剛直が血管の脈動と共に大きく跳ね、灼熱の白濁を子宮の奥底へと直接注ぎ込んだ。

 

「あぐぅぅぅっ!! っっっ!!!」

子宮を満たす圧倒的な熱量と量。太い注出口からドクドクと吐き出される雄の精を受け止めた瞬間、ヴァレリアの背中が弓なりに反り上がった。目の前で白い閃光が弾け、全身の神経が焼き切れるような絶頂に達する。

 

ガクン、と大きく体を跳ねさせ、そのままヴァレリアは白目を剥いてバタリと力を失った。気絶した彼女の膣内は、なおも律動的にボアルを締め上げ、最後の一滴まで精を受け止めようと貪るように蠢いていた。

 

朝の光が小屋の隙間から差し込み、湯気の立ち上る簡易浴槽を照らしていた。

お湯は少し熱めだが、一晩中肉体を打ち付け合った疲れにはそれが丁度いい。

 

ボアルは背中を浴槽の縁に預け、その胸板にヴァレリアを抱き込んでいた。彼女の滑らかな背中に、無骨な腕を回し、そのまま豊かな胸を下から包み込むようにして抱いている。お湯の中で、彼女の黒髪が揺らめいていた。

 

「嬢ちゃん。」

耳元で低く唸る声。前夜の激しさとは違い、静かで、どこか揺らいだ響きだった。

「俺の伴侶にならねぇか。」

 

ヴァレリアの狼の耳が、ぴくりと反応した。

一瞬、心臓がきゅっと掴まれたような感覚。無骨で、不器用で、けれど誰よりも温かい男の、精一杯の愛の告白。

だが、すぐに彼女の口元に苦笑が浮かんだ。お湯の中で身をよじり、くるりと振り返ってボアルの顔を見上げる。

 

「嬉しいよ、ボアル。すっごく。」

にこり、と屈託のない笑顔。

「でも、今はまだ駄目なんだ。やりたい冒険もあるし、見たい世界もいっぱいある。今の私、すっごく忙しくて楽しいんだ!」

 

断られた。けれど、その声に迷いはなく、ただ純粋に自分の人生を愛している輝きがあった。ボアルは一瞬目を丸くし、それから「そうか」と短く答えて、彼女の濡れた髪を撫でた。

 

宿の入り口。

「それじゃ、またね!」

手を大きく振るヴァレリア。その姿は、昨日の空腹で死にかけていた狼とは別人のように軽やかだった。

その背中を見送りながら、ボアルはがしがしと頭を掻いた。「やれやれ」という独り言は、照れ隠しと、ほんの少しの寂しさを含んでいた。

 

ふらりと足を向けた闘技場は、興奮に沸いていた。

ある貴族が主催する闘大会の掲示板。規定は『男女混成タッグマッチ』。

ボアルは目を細めた。自身の強さに自信はある。だが、この醜悪な猪の頭をした巨漢と手を組もうという物好きな女がいるだろうか。

いないだろうな。そう思って背を向けようとした時だった。

 

「おいおい、あの豚野郎も出る気か?」

「パートナー? 誰があんなのと組むんだよ。豚小屋の牝豚しかいねぇだろ!」

 

笑い声。露骨な蔑み。

ボアルの眉がピクリと吊り上がる。腹の底から怒りが込み上げた。

「……出てやるよ」

受付のカウンターをドンと叩く。

「パートナーは?」と聞かれ、彼はニヤリと笑った。

「ああ、いるさ。俺のパートナーは目に見えねぇんだよ」

 

見え透いた嘘。だが初戦は、その圧倒的な怪力だけで押し切った。

豚と呼ばれた怒りを拳に込め、相手を場外へ弾き飛ばす。

「見えねぇパートナーだと? 笑わせるな!」

中盤の競合相手は、歴戦の戦士達だった。息のあった連携でボアルを翻弄し、彼の巨体を地面に這わせる。

 

「無様だな! 豚は豚らしく泥にまみれてろ!」

容赦のない打撃。脇腹を蹴り上げられ、顔面を踏みつけられる。泥にまみれた視界が霞んでいく。残酷な痛みが体を引き裂く。

 

その時だった。

闘技場の観客席から、一つの影が宙を舞った。

黒い髪。しなやかな肢体。

鋭い爪を煌めかせ、風を切って飛び込んできた狼獣人が、ボアルを踏みつけていた男の背中へと落下する。

 

「ボアルを苛めるな!!」

ドガッという鈍い音と共に男が吹き飛ぶ。

驚愕する会場。その中心で、黒髪の美しい狼獣人がボアルの前に立ち塞がった。

「私はヴァレリア ラース!私が、この人のパートナーだよ!」

 

ボアルの目が見開かれる。

ヴァレリアは振り返り、悪戯っぽく笑った。

「見えるパートナーのがいいでしょ?」

 

交錯する視線。その刹那に全てが通じた。

再び始まる乱戦。今度は違う。ボアルの大ぶりな攻撃をヴァレリアが完璧にサポートし、華麗な体術で敵の死角を突く。猪と狼の呼吸は奇跡的に噛み合い、敵は次々と打ち倒されていった。

 

見事な勝利。

歓声が轟く中、二人のタッグはそのまま決勝へと駒を進めた。相手は強敵だったが、互いの信頼を刃に変えた彼らの前に敵はいなかった。

最終試合終了のゴングが鳴り響く。

リング中央で佇むのは、猪の巨漢と狼の美獣人。

 

「勝者!! ボアル&ヴァレリア!!」

アナウンサーの声が雷鳴のように轟く。

ヴァレリアは勢いよくボアルの太い首に飛びつき、彼の剛毛に包まれた頬に顔を埋めた。ボアルは逞しい腕で彼女をしっかりと受け止め、天高くガッツポーズを掲げる。勝利の咆哮が大地を揺らした。

 

闘技場の熱気が冷めやらぬまま、二人は馴染みの酒場へと乗り込んだ。

「優勝記念だ! 肉だ! 酒だ! とにかく持ってこい!」

ヴァレリアが高らかに宣言すると、店内は割れんばかりの歓声に包まれた。

 

運ばれてくる山のような皿。溢れるほどのジョッキ。

ローストポークの塊をナイフで裂き、口いっぱいに頬張る。

「んむっ! うまい! 優勝のご飯は最高!」

ヴァレリアの喉がゴクリと鳴る。

ボアルも無言で、巨大な骨付き肉にかぶりついた。

「お前のおかげだ、嬢ちゃん」

「ボアルが強いからだよ! はい、あーん!」

 

ヴァレリアが自分のフォークに刺した肉を、ボアルの口元へと差し出す。

無骨な猪の戦士が少し照れくさそうに口を開け、パクりとそれを食べる。

「……悪くねぇ味だ」

「えへへ、でしょ?」

 

酒も進む。

乾杯のジョッキがぶつかり合い、琥珀色の液体が飛び散る。

酔いが回るにつれ、互いの視線が熱を帯びていく。

興奮。勝利の余韻。そして、互いへの欲求。

足元でヴァレリアの尻尾がボアルの脚に絡みつき、ボアルの大きな手がテーブルの下でヴァレリアの太腿を撫で上げていた。

 

店を出た時には、二人とも千鳥足だった。

だが、それ以上に体の芯が熱く疼いていた。

夜風が吹く林の中。

「ボアル……」

ヴァレリアがふらりとボアルの胸に飛び込む。

「抱っこ」

「おいおい……」

文句を言いながらも、ボアルは岩のような腕で彼女を軽々と抱き上げた。

ヴァレリアはその首に腕を回し、熱い吐息を耳にかける。

「早く帰ろ?……ね?」

 

小屋に着くなり、重い木戸が背中で閉まった瞬間、唇が重なった。

激しく、貪るような口づけ。

酒と肉の味が混じり合う。

服を脱ぐのももどかしく、ボアルはヴァレリアのシャツを引きちぎる勢いで剥ぎ取り、ヴァレリアもボアルのベストを乱暴に剥ぎ取った。

 

「ボアル……好きっ! 大好きっ!」

「俺もだ……!」

愛の言葉を交わしながら、二人は床に倒れ込んだ。

 

今回は優しいプロローグなどなかった。

ボアルの無骨な掌がヴァレリアの豊かな乳房を鷲掴みにし、指先で尖った乳首を弾く。

「あんっ!……んぅっ!」

ヴァレリアは喘ぎながらも、自らボアルの剛直を両手で包み込み、激しく扱き上げた。

既に鎌首を擡げ、血管を浮き上がらせたそれが、ドクドクと脈打つ。

「私の中に……早く!」

 

ボアルはヴァレリアの両脚を大きく割り開かせ、濡れそぼった秘所に自身の先端を押し当てた。

一気に貫く。

「ああぁぁっ!! ボアルっ!!」

前回の痛みはもうない。あるのは、愛する男に満たされる至高の快楽だけだった。

ボアルの腰が打ち付けられるたび、肉と肉がぶつかる湿った音が小屋に響く。

 

「嬢ちゃん……愛してるぞっ!」

「私もっ! 愛してるっ! もっと! もっと奥までっ!」

 

ラブラブな言葉とは裏腹に、交わりは獣のように激しかった。

ボアルが奥を突き上げれば、ヴァレリアは腰を浮かせて自ら迎え撃つ。

互いに名前を呼び合い、視線を絡ませながら、何度も唇を塞ぐ。

唾液が混じり合い、互いの体温が溶け合っていく。

 

「いくぞっ! ヴァレリアっ!」

「きてっ! 中にっ! いっぱい出してぇっ!!」

 

絶頂の瞬間、二人は同時に強く抱きしめ合った。

ボアルの剛直が最奥で爆発し、灼熱の精を注ぎ込む。

ヴァレリアの内壁がそれを搾り取るように痙攣し、二人は一つになって果てた。

 

荒い息遣いの中、ボアルはヴァレリアを優しく抱きしめ直した。

汗ばんだ肌が密着し、心臓の鼓動が伝わってくる。

「……最高の夜だ」

「うん……また明日も、いっぱい食べようね」

 

ヴァレリアは幸せそうに目を細め、ボアルの広い胸に頬を寄せた。

二人の夜は、まだ長く続きそうだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。