※この作品はR-18です。

ドロップ・アウト 僕達の青春   作:宇宙人と呼んで

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第3話

 どうしてここまで必死になるんだろうか。もしかしたら、何か別の目的があるようにすら思える。業腹だが今回限りとの条件付で僕は章一の願いを聞き入れてみるのも悪くはないかもしれない。このバイトを紹介してくれた恩もある。

 それに支払いは章一持ちだ。軽い人生経験だと思えば良いだろう。

 

「分かった、一緒に行くよ……で、いつ行くの?」

 

「マジか!?やっぱり持つべき者は親友だな!じゃあ、明日の昼間なんかどうだ?」

 

「OK、最後に一つ訊かせてくれないかな?」

 

 怪訝そうな視線を向けてきた章一は、すぐに表情が動き了承の意味で頷いた。

 

「どうしてそこまで必死になるの?」

 

 途端に昂然と胸を張った章一は言った。

 

「人生の中で、一度はメイドさんってやつにご奉仕されてみたいからだ!」

 

 僕が同行する事を後悔したのは言うまでもない。

 

※※※  ※※※

 

 北赤羽駅を降りて高級マンション等が屹立する一帯を抜け、少し古臭いアパートと小学校を横切り、個人経営の八百屋を曲がった先にある、二階建てのこじんまりとしたアパートの階段を上がってすぐが僕の部屋だ。

 玄関を開ければ炊事場があり、奥にはユニットバス、右手にリビング兼ベッドルームというありふれたワンルームなのだが、一番の問題はベランダからの景色で、開いた先には、やはり高級そうなマンションが夜も遅くに煌々と明かりを灯している。

 夏場だからと飾ってみた風鈴の音も、どこか乾いて聞こえた。風情なんてあったもんじゃない。

 早々にタバコを一本ベランダで吸い終えると、僕はパソコンの電源を入れた。

 テレビやゲーム、漫画はあるものの、ほとんど触っていないから埃がうっすらと溜まっている。

 それらを尻目に、僕がパソコンに向かっている理由は、最近購入し、インターネットの世界にハマってしまったからだ。

 実に便利な世の中になったものだ。

 自宅にいながら世界の事や、面白いものがみられる、これほどの娯楽が他にあるのか甚だ疑問に思えるくらい……は言い過ぎかもしれないが、自宅に一人という環境に限定すればそうないんじゃないだろうか。

 ある程度のニュースを見終わった僕は、渉から渡されたチラシを財布から出し、店名を検索してみた。

 【SWEET ROOM】は、系列店舗の多くが秋葉原にあるようで、あの狭い地域によくもまあ、と感心なのか呆れか、どちらともとれない溜め息を一つ吐いた。

 昔、興味本位で検索した福岡の中洲にある風俗店のホームページを連想させる(いわゆるマニア向けな店)画像を一枚一枚クリックしていく。

 正直な話し、どの娘も見栄えは良くない。ただのコスプレ好きな女の子が精一杯の笑窪を作り、可愛らしいポーズをとっているだけにしか見えなかった。いわゆる営業スマイルなのだが、その写真を見た章一は、ご奉仕してもらいたい、なんて熱っぽく語っていたけど、所詮は仕事なのだからと割り切ってしまっているのだろう。

 趣味の延長、そんな心中が窺える笑顔に、一気に興が削がれた僕は、マウスから手を離し、天井を仰いだ。




参考にしたメイド喫茶はあるけど実在してる訳ではないですよ!
ちなみに俺は福岡県民なので、取材に行った時の写真と資料のみで執筆してます。なので少し齟齬があるかもです。あります。間違いないです。まあ、そこは誤魔化せるかなとww
はい、失礼しました。
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