※この作品はR-18です。

僕はいつまで経っても童貞を卒業できないと思う   作:アロワナさん

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 人生で一度だけ学校のプール掃除をしたことがある。その時にただ一年間の汚れを丁寧に掃除するのではなく、プールに産み落とされたヤゴを捕まえる事もできた。

 当時の僕はメダカも飼っていた。だからヤゴも一緒に育てようと思ってメダカと同じ水槽の中に一匹だけ入れた。今考えれば飼育方法ぐらいは調べるべきだった。

 異変が起きたのは翌日。水槽の中のメダカが数匹いなくなっていた。大事に大事に育てたメダカが忽然と消えた。水槽という密室の中でちょっとしたミステリーが起こっていた。

 あのときは知らなかった。ヤゴがメダカの天敵と言われていることに。なんでだろうと思いながら、一日、また一日とヤゴを別の水槽に移すまで悲劇は続いてしまった。

 そんなヤゴに僕は愛着がわかなかったのは言うまでもない。トンボになることはなく、寿命を全うできずに死んだ。


思い出の場所に思い出を

 パキッ。

 

 シャーペンの芯が折れる。解答枠が汚くなり少し嫌な気持ちが募る。消しゴム部分をノックしても芯が出てこない。筆箱から替芯を取り出して補充する。

 

 炭素が削れて線が生まれ、字となる。はずが、また折れる。

 

「はぁ……」

 

 ため息とともに集中力も口から抜けていってしまった。シャーペンを動かす手を止め、純恋の方に目線を向ける。純恋は解答欄のはみ出た部分に小さいクマを描いていた。勉強に身が入らなくなったのはどうやら僕だけではなかったようだ。

 

「勉強なんてなんの役に立つんだよ」

 

「何かに役立つんじゃない?」

 

 その何かがわからないんだ、というのは唾とともに飲み込んだ。スマホの電源をつけ、画面の一番上を確認する。十六時半、勉強を初めてからまだ一時間程度。普段の授業より少し長く勉強できた程度だ。授業中でも他のことを考えて教科書のはるか奥を見つめることがある。僕にも純恋にも腰を据えての勉強は不向きだったのだろう。

 

 それにしても静か、いや閑散とした図書館である。僕達のように勉強している人の他に、新聞を読み耽る老人、何か書類を作成している社会人、様々な年齢層の人が使っているが、少ない。平日の昼間だからなのか、来たのは課外学習ぶりなため比較対象がない。

 

 もしかすると穴場かもしれない。とは言うものの勉強するよりも余計なことを考えて手につかなくなる僕には有効活用はしきれないが。

 

「今日はもうおしまいにしようね」

 

 いつの間にかペン回しをしていた僕に純恋が一番嬉しい提案をしてくれた。もちろん断る理由もなく、僕と純恋は図書館をさっさと抜け出した。

 

 帰り道、僕達はふと思い出したことがあった。偶然で突然で今の今まで誇りをかぶっていた記憶、秘密基地のことを。僕の家の近所にはいわゆる裏山があった。ふもとにある公園はまぁまぁ広くて地域のまつりが開かれるぐらいのサイズ。そんな公園が真下にある山の中、草木やら神社やらがあるここに僕と純恋の秘密基地があった。

 

「あの斜面のところ、懐かしいね」

 

 秘密基地と言っても山にたまたまあった窪みを草木で隠したもの。そこは草木が剥げていて、たまたま石肌が凹んだ状態で露出していた。当時の僕と純恋は近くにあった長い木の棒などでくぼんだ部分を隠して秘密基地と称してお菓子など持ち寄って食べていた。もしかするとそんな形跡があるんだろうと僕は少しだけワクワクしていた。

 

 あの時の記憶よりも遥かに近い所に秘密基地はあった。人為的に置かれた木の棒が何本もあり、隠されている感じが出ている。

 

「シート敷かれてる。アップデートされてるじゃん」

 

「私たち以外にも秘密基地にした子がいたっぽいね」

 

 まさか受け継がれていると思わず驚き戸惑いつつ嬉しさが滲み出る。誰かがここに運び入れたであろうブルーシートは土埃が少し被っており、端部分はほつれているがズボンを汚さないだけで感傷にふける僕と純恋にとってはありがたい存在だった。

 

 開口部分に寄りかかっている木の棒の隙間に外の景色が細切れになって映る。あの時は僕と純恋の距離は近かった。甘酸っぱい思い出もあったような気がする。

 

 僕が身体の隣に置いていた手に純恋のひんやりとした手が重なる。僕もこんな展開になることを薄々期待していた。過去の僕達がすることのなかった行為。気持ちだけが大人になった僕と純恋には情緒の欠片もない。

 

 僕は純恋の唇を奪いながら、そのままブルーシートの上に仰向けに倒してまたがる。僕の身体が影になり、純恋の顔がよく見えない。だが、少しだけ首を横にそらし、あえて抵抗しない素振りをしているのはわかる。純恋の口が動く。

 

「度胸があるなら襲っちゃえば?」

 

 ちんちんはズボンを破こうと必死に膨らみ続けている。けれども、純恋の顔の隣に付いた両手はブルーシートごと地面を握りしめていた。純恋には見えないだろうが、僕は悔しい顔をしている。

 

「じゃあ、交代ね」

 

 と言って純恋が僕を身体ごと抱きかかえて半回転。上下が見事に入れ替わり、純恋にマウントを取られてしまった。

 

「弱い弱いちんちんはどこにいますかー?」

 

 純恋は僕の頬を指ですーっとなぞりながら、顎の先、喉仏、鎖骨、胸、あばら、へその隣、最後はちんちんへと動かしていった。なんのためらいもなくズボンを開き、パンツの隙間からちんちんを解放させる。光が当たっていない純恋の顔だが、ちんちんと同じで悦んでいることはわかった。

 

 シュッシュッシュ。

 

「こんなに期待を膨らませといて、女の子一人も襲えない」

 

 利き手と反対の手で純恋は僕のちんちんをしごき始めた。僕は小さく気持ちよさを声に出すことしかできない。

 

 シュッシュッシュ。

 

「握られたら気持ちよさそうにすぐ汁まみれになる」

 

 上下にゆっくりと丁寧で乱暴にちんちんを擦り続ける。僕の声に色がついたように、純恋も耳元で興奮している息を吐き出す。

 

 シュッシュッシュ。

 

「ほんと、可哀想なちんちんね」

 

 僕を馬鹿にしながら、でも僕を悦ばせながら。ちんちんはもっと気持ちよくなりたいと、あともう少し早くしごいてほしいと嘆願する。

 

 僕もサれてばかりではない。スカートの中に手を滑り込ませ、パンツの端を掴んで、片側だけずらす。脱がせたい意志は固いが結果は伴わない。純恋が僕の足の上に太ももを寄りかからせている以上、僕の力ではおしりが見えるかなというぐらいしか動かせないのだから。

 

「そうそう、なんで私がスカートを履いているか知ってる?」

 

「え、か、かわいいから?」

 

 突然の質問に僕が呆気にとられている間に、純恋は腰と太ももを浮かし、自分の手でパンツの穴から片足を抜いた。

 

「答えはパンツが脱ぎやすいから」

 

 純恋の影が再び僕の身体を覆い尽くした。僕の目線は無意識に垂れ下がったスカートの奥にある秘部に向けられ、ちんちんはコクリと頷く。

 

「挿入(い)れたい?」

 

「お、お願いします」

 

 首とちんちんをコクリと動かす。すると純恋は僕の耳元に顔を近づけ、僕の鼓膜を震わせる。

 

「あーあ残念。私はこのまま犯されてもよかったのにね」

 

 純恋と僕の身体が重なるやいなや、濡れた壁のようなものに僕のちんちんはぶつかる。一瞬、挿入(はい)ったかと思ったが、多分違うとわかるまで時間はかからなかった。

 

 チュッ、ヌチュッ、チュッ、ヌチュッ。

 

「んっ、んんっ、んっ」

 

 純恋が腰を不規則に動かす度にちんちんに秘部が擦れ、音が鳴る。生暖かい感触に湿り気が混じり、淫靡な感覚を生み出す。

 

 チュッ、ヌチュッ、チュッ、チュッ、ヌチュッ、ヌチュッ。

 

「んんっ、んっ」

 

 押し付けて、動かして、試行錯誤がにじみ出ている。純恋に初めて手淫されたときの不慣れさと似たぎこちなさ。ちんちんは我慢汁をこぼすことで初めての行為を応援していた。

 

 純恋の息がかかる。ほの赤く熱く甘い吐息が舌の上を通って口から流れ出る。

 

 僕もほどほどに気持ちよさを味わっていくと思っていた。そのどこか片隅でイケたら良いな程度に考えていた。だが純恋の才能が上回った。

 

「ん、んんん、わかったかも」

 

 僕のちんちんは普段よりも上向きに押し付けれ、お腹にくっつくぐらいに倒される。そして秘部を押し付け、身体全体を上下に動かした。

 

 今まではちんちんに秘部が当たっていたが、どうしても満足できない側が存在していた。純恋は気持ちいい所に当てているが、僕と二人合わせた気持ちよさの合計得点は優を付けれない。

 

 純恋はお互いの気持ち良さの折り合いがつく所を見つける。ちんちんが逃げれないように体重をかけるという単純で破壊力のある行為に。

 

 僕は純恋の秘部とセックスをしている。純然たるセックスをしている。ちんちんが擦られる度に、小陰唇が僕のカリを撫で回す度に、大陰唇が皮を撫で回す度に、幸せに包まれる。

 

 唇と唇が惹かれ合うのに言葉は不要だった。

 

 ヌチュッ、ヌチュッ、ヌチュッ、ヌチュッ!

 

「ん、んん! んっ、んんっ!」

 

 口の隙間から純恋は喘ぐ。僕は純恋の背中に手を回し、動きを合わせる。

 

 日も暮れ始め、僕と純恋の身体は闇に紛れ始めている。

 

 あの日、あの時、あの瞬間。この中で何を話したかはもう忘れてしまった。ただ、木の棒で入口を覆ったとき、真っ暗に鳴るんじゃないかと怖がって僕に寄りかかったか弱い純恋は女になっていた。

 

「純恋! 射精(で)る!」

 

 ドピュピュ。ドピュピュピュ。ドピュ。

 

 白い精液が僕と純恋の間に放たれる。それは純恋が離れるまで、火傷しそうなぐらい暖かかった。




「ん、んんっ! んッ!!!」

 純恋の身体が痙攣を起こす。ひとしきり震えたあと、純恋はつかれたような息遣いで自分の秘部から手を引き剥がした。

「抑えきれない……」

 瞼の裏には、今日の僕の顔が映っている。目をつぶって、純恋から行動してもうように嘆願した弱い僕の顔が。

「欲求不満……にしては盛り過ぎだよね」

 ふふふと笑みをこぼし、仰向けになった。右手で頭の上を何度かバンバンと叩くことで見つけたスマホで、検索する。

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「さすがにか」

 純恋はブラウザを閉じて携帯の電源を落とした。
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