※この作品はR-18です。

灰色創世Ⅰ(グレイジェネシス)ー禁忌の遺産を継ぐ者ー   作:絶撃@

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恋は―――僕を盲目にし
そして驚くほどに―――冷静にさせてくれる

僕が《自分で選んだ》はずの最短ルート
胸を焦がす想いも、運命という言葉も、合理的な判断も――
そのすべてが、僕が選んだものだ

―――そう、思っていた

調べもせずに得られる情報、自分で思い描いたはずの未来、
君への想い・・・恋心・・・

これは・・・本当に《僕》なのか・・・

この《恋》さえも―――




04 誰がための抉擇軌道ーーー恋?・・・それとも・・・

灰色創世Ⅰ(グレイジェネシス)ー禁忌の遺産を継ぐ者ー

 

 

 

Ⅰ 04

 

 

誰がための抉擇軌道ーーー恋?・・・それとも・・・

 

 

 

 

 

 

恋をすると、自分に都合のいい妄想が捗るものだと初めて知った

 

 

AtnaltAと僕とを結びつける何かを、必死になって探している自分がここにいる

 

 

 

 

胸を焦がすような恋に想いを馳せる程に・・・・なぜだろう・・・

 

 

 

 

僕の思考は・・・それとは裏腹に冷静になってゆく・・・

 

 

 

 

彼女たち《Usumnak》は人類と交配し人の子を産む

 

 

男子であっても、女子であってもUsumnaKとして生まれてくることはなく、普通に人の子としてこの世に生を受ける

 

 

ただ、女の子に限って言えば、年頃になってからUsumnaKとして覚醒する事がある

 

 

 

不定期にこの地上に覚醒し現れては消える

 

そして今は丁度AtnaltAにとっては凪の季節・・・

 

 

彼女はこの世界どこかで、人の子として過ごしているに違いない

 

 

 

 

《Usumnak》は僕ら人間と縁を結ぶ事が出来る・・・・そう思っただけで、僕の胸は高鳴りを抑えられなくなる・・・

 

 

 

 

僕の心は・・・まっすぐに彼女に引き寄せられていた

 

 

AtnaltAと巡り逢い、えにしを結ぶ・・・

 

 

それが運命であると、自然にそう思えたのである

 

 

 

 

 

この気持ちは今のところ両親や鈴璃にも・・・誰にも言っていない

 

 

 

言ったところで、うまく説明できる自信がない・・・

 

 

 

 

 

僕の身に最近生じていた【異変】が、AtnaltAとの邂逅へと誘っている

 

 

 

 

そう思った途端、僕の中で不思議が加速する

 

 

AtnaltAとの邂逅への最短ルートが・・・・僕のイメージの中でプランニングされてゆく

 

 

近い将来・・・僕はステーツへと渡る

 

 

《・・・・おい・・・・》

 

 

AtnaltAと・・・・・出逢うために・・・

 

 

《・・・・ちょっと・・・まて・・・・》

 

 

 

 

AtnaltAと・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・僕を置いて、勝手に話を進めるなっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

 

僕のAtnaltAへの恋心に誘われるように・・・・

 

 

 

 

 

《それ》は僕の前に姿を現し――――

 

 

 

 

 

 

――――そして――――沈黙した

 

 

 

 

 

 

《それ》は、どうやら僕の手助けのつもりで、僕の恋が成就するようにあれこれと情報を与えてくれていたように思える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

僕はこの《存在》に気付く

 

 

 

何者なのかはわからない・・・ただ、僕はこの存在を凝視する

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

しばしの沈黙・・・そして

 

 

 

 

 

その存在は、まるで「とうとう気付いてしまったか」とでも言わんばかりに途端に饒舌になりはじめる

 

 

 

 

【One year from now, Takahiro will enroll in a public charter high school on the faraway west coast of the States.】

 

(今から一年後、タカヒロは遠くステーツ西海岸の公立チャーターハイスクールへ入学する事になる)

 

 

 

 

 

 

最初に《それ》が提示したのは、一年後の僕の未来であった

 

 

僕が将来進むべき道を・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

《何故、コイツは知っている!?》

 

 

 

 

 

 

 

 

この時点で僕は確信する

 

 

 

 

今まで、僕の中で起きていた不可思議な記憶の齟齬や過剰な理解力は、この存在が手を貸していた・・・

 

 

 

 

つまりはそういう事だ

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「なん・・・・だと・・・!?」

 

 

 

 

 

 

 

途端に、僕はあまりにも不可解な状況に困惑する

 

 

 

 

「コイツは・・・・一体なんなんだ!?」

 

 

 

 

一体どこから僕に話しかけている・・・いや、話しかけているというのも違う気がする・・・・

 

 

 

 

《・・・ひょっとして・・・・僕の中にいるのか?》

 

 

 

背筋がざわつく・・・

 

 

 

《落ち着け・・・冷静に考えるんだ・・・コイツは、多分僕の事をよく知ってる・・・》

 

 

 

 

 

いやいや、そうじゃない

 

 

 

 

 

「知ってるから何だってんだ!?」

 

 

 

 

ダメだ、全く冷静になれない・・・それに

 

 

 

 

それだけでは、状況が全く掴めない

 

 

 

 

色々と、情報を提示してくる割には、おおよそ感情というか、コミュニケーションをとれる素地を感じない

 

 

 

会話をする・・・という感じの存在でもない・・・

 

 

 

この間、《それ》は沈黙を守っていた

 

 

 

 

まるで・・・僕の考えがまとまるのを待っているかのようだった

 

 

 

 

 

タカヒロは考える

 

 

没頭すると、彼は周りが見えなくなる・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

正午を知らせる鐘が・・・鳴り響く

 

 

 

 

 

 

その音が・・・まるでゴムのように引き延ばされ・・・高音が重低音へと変わる・・

 

 

 

 

 

 

タカヒロは気付いていなかった

 

 

 

彼の思考は加速する

 

 

 

ゆっくりと・・・彼は周りの時間の進行を置き去りにする・・・

 

 

 

 

いや・・・

 

 

 

 

 

認識域の急速な拡大が・・・そう、感じさせているだけだった

 

 

 

 

 

それは・・・ほんの一瞬の出来事だった

 

 

 

 

 

 

 

そして程なくして・・・《それ》は僕の行く手を阻む

 

 

 

 

 

 

 

 

《それ》は・・・恐らくは僕の中にいるし、僕の中にはいない・・・

 

 

 

僕を補完する存在・・・・そんな気がしている

 

 

 

僕からは干渉できないけど、《それ》は僕に干渉してくる

 

 

 

 

 

 

今は・・・まだ・・・

 

 

 

 

 

 

分かった事と言えば、僅かにそれだけであった

 

 

 

 

 

 

そして・・・再びタカヒロと世界の時間が重なる・・・

 

 

 

 

 

 

その僅かな時間に、タカヒロは何度も検証したが、なぜかいつものようには考えが思い浮かばない

 

 

 

 

 

 

《・・・なんだろう・・・この重さは・・?》

 

 

 

 

 

 

おそらくは・・・・《それ》が黙っている以上、いくら考えても意味はないと・・・なんとなく気付く

 

 

 

 

 

 

 

《・・仕方ない・・この状況を一旦受け入れるしかない・・・のか?・・》

 

 

 

 

 

 

そう、考えた途端に、《それ》は再び僕に干渉し始める

 

 

 

そしてこのような一文が頭の中で(そんな気がしている)イメージされる

 

 

 

 

【Recommendation:Execution of the measurement of gamma wave synchronization strength in the brain.】

 

(推奨:脳内のγ波の同期強度の計測の実行)

 

 

 

 

 

 

「・・・・なんだこれ・・?」

 

 

 

 

本当に意味が分からない

 

 

 

 

一文の方ではなく、それが何を考えているのかがわからない

 

 

 

 

唐突過ぎるとは思う・・・だが、不思議と違和感がない

 

 

違和感は感じないが、理解が追い付かない

 

 

 

 

 

「・・・・なにかないか・・・なにか・・・」

 

 

 

 

 

《それ》は僕に干渉する時と、しない時がある

 

 

 

 

いや、違う

 

 

干渉できる時と、できない時がある

 

 

 

 

 

何かを・・・試している?

 

 

 

 

 

そもそも、この推奨されている【γ波の同期強度の計測】ってなんだろう?

 

 

 

 

 

そう、思った時

 

 

 

 

 

【Answer:IQ measurement】(回答:IQの測定)

 

 

 

 

 

という提示がされた

 

 

 

 

 

「・・・あぁ・・・・これはひょっとして・・・」

 

 

 

 

 

これは・・・《それ》を使う資格があるのかを見ているのか・・・?

 

 

 

 

 

 

 

いや・・・・それも違う・・・・

 

 

 

 

 

 

 

既に僕は《それ》の恩恵を受け、知性にブーストがかかっているからそれはない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・知っておけ・・・という事か・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、幾つかわかった事がある

 

 

 

 

 

 

僕が《この存在を認識した》事で、パスが繋がった・・・いや、そうじゃない

 

 

 

《思考場に触れている》事が―――

 

 

 

 

 

 

感じられる・・・いや・・・それも、少し違う

 

 

 

 

 

感じている事を・・・自覚できるようになった・・・という事

 

 

 

 

 

 

 

そして今の状態の《それ》は、僕の抱いた疑問や意思表示に対し、リファレンスな解答を提示する傾向がある・・・

 

 

 

 

すべてを解き明かす鍵は・・・《それ》にある

 

 

 

 

 

 

 

となると、次に僕がやるべき事は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「君は何者だ?名はなんて呼べばいい?」

 

 

 

 

 

 

 

この、得体の知れない《何か》に対し、僕は考えるより先に喋っているような・・・・そんなズレを再び感じる・・・

 

 

 

 

 

 

そしてこの僕の問いに、《それ》はこう答える

 

 

 

 

 

 

 

 

【Disclosure of identity: Reserved】(正体の提示:保留)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Answer:Grave】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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