【ToLOVEる外伝】リトと美柑の秘められた日常 ―禁断の果実を食む兄妹― 作:芝刈り山
京都駅のホームに滑り込んできた「のぞみ」の白い車体は、修学旅行の終わりを告げる冷徹な合図のようだった。美柑たちは指定された車両へと乗り込み、それぞれ割り振られた座席へと腰を下ろす。
美柑の隣に座ったのは、行きと同じクラスメイトの男子、佐藤だった。彼は彼は大人しく、クラスでも目立たないタイプだが、行きも帰りも美柑の隣という幸運に、ガチガチに緊張しているのが見て取れた。
美柑は、自分のボートネックのサマーニットが、先ほどまでの土産物屋での騒動と三村先生との情事で、しっとりと汗を吸っているのを感じていた。さらに、スカートの下の白いパンツは、もはや乾く暇がないほど愛液でぐっしょりと濡れ、太ももの内側をヌルヌルとした感触で滑っている。
「……ふぅ」
美柑はため息を一つ吐くと、ボストンバッグから薄手のピンク色のカーディガンを取り出した。そして、それを膝の上にふわりと掛けた。周囲から見れば、単に冷房対策で脚を隠しているようにしか見えない。
だが、その布の下で、美柑の細い指先はすでに自分の「聖域」へと辿り着いていた。
(お兄ちゃん……リト……。もうすぐ会える。でも、身体が……もう、我慢できないの……)
新幹線が滑らかに加速を始める。ガタン、ゴトンという微かな振動が、美柑の秘部を刺激し、彼女の指の動きを加速させた。布越しに、濡れそぼったパンツの感触が指先に伝わる。
「……佐藤くん」
美柑は、潤んだ瞳で隣の佐藤をじっと見上げた。不意に名前を呼ばれた佐藤は、ビクリと肩を揺らして美柑を振り返る。
「えっ……あ、なに、結城さん?」
「京都……楽しかったね。佐藤くんは、どこが一番思い出に残った?」
美柑は微笑みを浮かべながら、カーディガンの下で、指先をパンツのゴムの中に滑り込ませた。直接、自分の粘膜に触れる。三村先生に教わった、最も敏感な一点を、円を描くように執拗に弄る。
「え、あ……ぼ、僕は、清水寺かな。景色が……綺麗だったから」
佐藤は必死に答えを絞り出すが、その視線は泳いでいた。彼は気づいていた。隣に座る、学校一の美少女である結城美柑の肩が、不自然に小刻みに震えていることに。そして、彼女のボートネックの広い襟元から覗く鎖骨が、激しく上下していることに。
「……そう。私はね、……三十三間堂。あの、たくさんの視線が……忘れられないの」
美柑は指の動きをさらに激しくした。グチュッ、という自分にしか聞こえないような微かな水音が、カーディガンの下から湧き上がる。美柑の脳裏には、土産物屋で自分を犯した見知らぬ指や、仏像たちの黄金の視線が、すべてリトの手となって自分を弄ぶ妄想が膨れ上がっていた。
「結城さん……? 顔が、赤いけど……大丈夫?」
「……ええ。少し、車内が暑いだけよ。……ねえ、佐藤くん。私の顔、そんなに変?」
美柑は、わざと佐藤の方へと身体を寄せた。彼女のサマーニットの生地を内側から突き破らんばかりに硬く尖った乳首が、佐藤の腕に触れる。佐藤は顔を真っ赤にし、噴き出す汗を拭うこともできずに硬直した。
(嘘だろ……。結城さん、今……膝の下で、何を……)
佐藤は、行きの新幹線でも薄々気づいていた。美柑が時折見せる、恍惚とした表情と、スカートの奥から漂う、小学生とは思えないような甘酸ましく、少しだけ蒸れたような濃厚な少女の匂い。
「あ……ん、っ……」
美柑の喉から、押し殺したような小さな喘ぎが漏れた。彼女は佐藤を潤んだ上目遣いで見つめながら、指先を自分の最奥へと突き立てた。
(リト……リトっ! 今、いくわ……っ!)
「……ねえ、佐藤くん。私……今、すごく……幸せ」
美柑の瞳の焦点が、わずかに入れ替わる。彼女は佐藤という「観客」を目の前にしながら、リトという「主人」に捧げるための絶頂へと駆け上がった。
「っ、ふ、あぁぁぁ……っ……!」
新幹線がトンネルに入り、窓の外が真っ暗になった瞬間。美柑の身体は激しく痙攣し、カーディガンの下で熱い愛液が溢れ出した。指に絡みつく、白濁にも似た濃厚な蜜。美柑は佐藤の腕にすがりつくようにして、その震えを誤魔化した。
数分後。
美柑は荒い呼吸を整え、何事もなかったかのようにカーディガンを畳んだ。彼女の指先は微かにテカっていたが、その瞳にはどこか晴れやかな、それでいて酷く淫らな光が宿っていた。
「……佐藤くん」
美柑は、呆然としている佐藤の耳元に、熱い吐息と共に囁いた。
「……今のは、佐藤くんだけに秘密の、私からの『お土産』。……誰にも、言っちゃダメだよ?」
美柑は小悪魔的な笑みを浮かべ、再び窓の外に流れる景色へと視線を戻した。
佐藤は、一言も発することができなかった。股間のズボンが、自分の意志に反して耐え難いほどに膨れ上がっている。隣に座る、清純を絵に描いたような美少女が、自分をダミーにしながら自慰に耽り、その果てた後の「汚れ」を自分に共有させた。その背徳感に、彼は学校に着くまで、ただ悶々と震え続けることしかできなかった。
新幹線からバスに乗り換え、学校での解散式。
植松先生の最後の訓示も、三村先生の優しい眼差しも、今の美柑には遠い世界の出来事のように感じられた。
(ようやく、終わったわ……。ううん、これから始まるのね。リトとの、本当の時間が)
「さようなら!」
解散の合図と共に、美柑はクラスメイトたちの輪を抜け出し、全速力で自宅へと走り出した。
三日間、パンツに溜め込んできた、自分を汚した大人たちの記憶、友人たちとの秘密、そして今しがた佐藤に晒したばかりの絶頂の余韻。
それらすべてを、リトにぶつけるために。
美柑の足は、夕暮れの街を風のように駆け抜けていった。