※この作品はR-18です。

【ToLOVEる外伝】リトと美柑の秘められた日常 ―禁断の果実を食む兄妹―   作:芝刈り山

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美柑の部屋の隙間に隠れたリトが夜の帳の中で行われるパンツ脱衣を盗み見る

クローゼットの扉の隙間から、細い一条の光が闇を切り裂いていた。

 

リトはその暗闇の奥で、息を殺し、彫像のように固まっていた。右手には、チェストから抜き取ったばかりの「白」――美柑の白い綿パンツを握りしめたまま。指先に伝わる布地の感触は、驚くほど滑らかで、それでいてひんやりとしていた。

 

すぐ外側では、取り込んだばかりの洗濯物がベッドに放り出される「バサッ」という柔らかな音がし、続いて「ふぅ」と小さく息をつく美柑の気配がした。

 

(どうする……。どうすればいい……)

 

リトの心臓は、薄いクローゼットの壁を突き破らんばかりに激しく鼓動していた。もし今、この扉を開けて「ごめん、隠れていたんだ」と告白したところで、右手に握られた「証拠」がすべてを台無しにする。妹の下着を盗み出し、その匂いを貪ろうとしていた変態の兄。そんなレッテルを一度でも貼られれば、結城家の穏やかな日常は、この瞬間に永遠の終わりを迎えるだろう。

 

しかし、破滅への恐怖と隣り合わせの極限状態で、リトの五感は異常なまでに研ぎ澄らされていた。

 

「ちょっと蒸し暑いし……。サッパリしてから夕飯の準備にしよ」

 

美柑の独り言が、すぐ耳元で囁かれたかのように生々しく響く。

 

カサリ、と布が擦れる音がした。美柑が、今穿いているスカートのウエストに手をかけたのだ。リトは目を見開いた。隙間から見えるのは、ベッドの端に腰掛けようとする美柑の、まだ幼さの残る細い膝から下。

 

次の瞬間、短いスカートがスルスルと足元へ向かって滑り落ちた。

 

露わになったのは、夕闇に溶け出すような、白く柔らかな太もも。余計な肉ない、しかし驚くほど瑞々しい少女の肌。そして、その付け根に食い込む「白い綿パンツ」の無垢なサイドライン。

 

(見ちゃいけない……。でも……っ!)

 

リトは瞬きすることさえ忘れ、その光景を網膜に焼き付けた。

 

美柑は立ち上がると、両手の親指をパンツのゴムの部分に引っ掛けた。鏡を見るわけでもなく、誰の視線も意識していない、完全な無防備。美柑の小さな指がゆっくりと下方向へ力を加えると、白い綿の布地が、彼女の丸みを帯びた尻のラインをなぞりながら、じわじわと引き下げられていく。

 

「ん……っ」

 

美柑がわずかに腰を浮かせ、パンツを脚から引き抜く。リトの目の前で、まさに「今、脱ぎ捨てられたばかりの白」が、床へと静かに落ちた。

 

パンツを脱ぎ去った美柑の股間は、リトの角度からは直接は見えなかった。しかし、その周囲の空気が一変したのを肌で感じた。一瞬だけ、彼女の聖域が解放された瞬間の、あの甘く濃厚な、そしてどこか切ない「命の匂い」が、クローゼットの隙間を通ってリトの鼻腔を直撃したのだ。

 

リトは手に持ったパンツを、顔に押し当てたいという衝動を必死に抑えた。代わりに、彼は目隠しをされているかのような暗闇の中で、自分の手に残る布の感触と、目の前で繰り広げられる無垢な脱衣の光景を、脳内で一つに重ね合わせた。

 

(美柑が……今、俺のすぐ前で裸になってる……)

 

美柑は洗濯物の中から選んだ、新しく清潔な白い綿パンツを手に取った。彼女はそれを広げると、片足ずつ通していく。シュッ、という布が肌を滑る微かな音。膝、太もも、そして再びあの柔らかな尻を包み込むように、白が引き上げられていく。

 

最後にウエストのゴムが「パチン」と小気味よい音を立てて、彼女の華奢な腰に密着した。

 

リトは、その音を聞いた瞬間、全身の力が抜けるような、それでいて下腹部が焼き切れるような、かつてない高揚感の極致に達した。見つかるかもしれないという極限の恐怖と、絶対に見てはいけない「妹の着替え」を盗み見るという究極の背徳。その二つが混ざり合い、リトの理性を完全に粉砕していた。

 

美柑は着替えを終えると、脱ぎ捨てたパンツとスカートを器用にまとめ、部屋を後にした。トントントン、と階段を下りていく足音が遠ざかり、再び静寂が部屋を包み込む。

 

リトは数分間、暗闇の中で激しい呼吸を整え続けた。

 

手に持ったパンツは、自分の体温で温かくなり、握りしめたせいで少しシワが寄っていた。

 

(……これ以上は、ダメだ。……これ以上、踏み込んだら、本当に戻れなくなる)

 

リトは慎重にクローゼットの扉を開け、外へ出た。夕闇の中、手に持ったパンツはあまりにも白く、純粋だった。リトはそれを丁寧に、元の形になるように指でシワを伸ばした。そして、チェストの引き出しを開け、もともとあった場所へと、一枚のズレもなく元に戻した。

 

「……ふぅ」

 

リトの手には、もう何もない。美柑の匂いも、布の感触も、今はただの記憶の中にしかない。リトは一度だけ部屋を見渡し、美柑がさっきまで座っていたベッドの微かな窪みを見つめた。そこにはまだ、彼女の体温が残っているような気がした。

 

リトは音を立てないようにドアを開け、廊下へと滑り出した。リビングからは、美柑が野菜を切る軽快な包丁の音が聞こえてくる。あまりにもありふれた、平和な音。

 

リトは自分の部屋へと戻る階段を一段ずつ、噛みしめるように上がっていった。

 

手ぶらのリト。しかし、その網膜には、今しがた見た「脱ぎ捨てられる白」と、クローゼットの暗闇の匂いが、どんな宝物よりも重く、深く刻み込まれていた。

 

彼は自室のベッドに倒れ込み、何も持っていない自分の手のひらをじっと見つめた。夕闇が本格的に部屋を支配し始める中、リトは静かに目を閉じ、再びあのクローゼットの暗闇へと意識を沈めていった。

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