【ToLOVEる外伝】リトと美柑の秘められた日常 ―禁断の果実を食む兄妹― 作:芝刈り山
扇風機の風を浴びてスカートを広げる美柑と林さんの静かな葛藤
初夏の陽気が、校庭の緑をいっそう鮮やかに輝かせていた。午後、授業の合間の静かな時間。学校の校舎裏にある用務員室は、古びた木の扉の向こう側に、ひんやりとした静寂を湛えていた。
「ふぅ、涼しい……。林さん、お邪魔します」
扉を開けて入ってきたのは、学級委員を務める結城美柑だった。手には掃除用具のバケツを持っているが、その額には薄っすらと汗が滲み、頬は上気している。
「おや、美柑ちゃん。掃除の合間かい。今日はまた一段と暑いからね。ほら、そこにお座り」
用務員の林さんは、手元の作業台で古くなった椅子のネジを締め直しながら、優しく目を細めた。林さんはこの学校に勤めて二十年。生徒たちからは「用務員のおじいちゃん」と慕われ、特にしっかり者でありながら時折見せる年相応の幼さが愛らしい美柑のことを、本当の孫のように可愛がっていた。
「ありがとう! 廊下の雑巾掛けをしてたら、もう暑くて……」
美柑は小さな溜息をつくと、部屋の隅で首を振っている古い扇風機の目の前まで歩み寄った。そして、林さんが「おや」と思う間もなく、彼女は無造作に、けれどどこか大胆な動作に出た。
「ああ、極楽……」
美柑はレモン色のカットソーの裾をパタパタと仰いだ後、何を思ったか、チェック柄のプリーツスカートの両端を指先でつまみ、ふわっと左右に大きく広げたのだ。
「……っ!?」
林さんの手元が狂い、ネジ回しが床に落ちた。
扇風機の風を直接下半身に取り込もうとした美柑のスカートは、パラシュートのように膨らみ、その奥にある「秘められた光景」を林さんの眼前に放り出した。
そこには、美柑の白い太ももの付け根を締め付ける、清潔感あふれる純白の綿パンツがあった。美柑は涼しさに目を細め、少しだけ脚を開いて、風が股間の奥まで届くように調整している。
林さんは咄嗟に目を逸らそうとしたが、あまりにも無防備な、それでいて瑞々しい少女の肢体が放つ光に、視線が釘付けになってしまった。
(美柑ちゃん、なんて格好を……。これじゃ、全部丸見えじゃないか……)
林さんは孫を見るような、慈愛に満ちた心で彼女を見守ってきた自負がある。しかし、今目の前にあるのは、単なる「可愛い孫」の姿ではなかった。
風に煽られる白い布地。その中央には、美柑が動くたびに、彼女の成長途中の秘部が描き出す柔らかな山なりの隆起が、クッキリと浮き彫りになっている。食い込みを気にすることもなく、無邪気に涼をとる彼女の姿は、あまりにも無垢で、だからこそ暴力的なまでの色気を孕んでいた。
さらに、美柑が「あー」と声を出しながら扇風機に向かって上半身を反らせた瞬間、林さんの心臓はさらに激しく打ち鳴らされた。
薄いカットソーの生地が、彼女の胸のラインにピタリと張り付いた。
ブラジャーを着けていない彼女の小さな胸は、上を向いたことで左右に流れ、その頂点にある二つの突起――赤く、鋭く尖った乳首の形が、布地を内側から突き破らんばかりに主張していた。
(……ああ、いけない。こんなものを見てはいけない……)
林さんは必死に理性を繋ぎ止めようとした。彼女はまだ小学生なのだ。自分にとっては、守るべき、慈しむべき存在のはずだ。しかし、部屋の中に広がる、美柑の汗とシャンプーが混じり合った甘い匂い、そして風に乗って届く「少女の体温」の気配が、老人の枯れかけていた「男」の部分を、残酷なほど正確に刺激していく。
「林さん? どうしたの、そんなに固まっちゃって。……もしかして、暑さで参っちゃった?」
美柑が不思議そうに首を傾げ、スカートを広げたまま数歩近寄ってきた。
「……あ、いや。なんでもないよ、美柑ちゃん。ちょっと、昔のことを思い出していてね」
林さんは掠れた声で答え、慌てて床のネジ回しを拾い上げた。
美柑は「そう?」と言いながら、今度はスカートをバサバサと振って、林さんの顔に風を送ってきた。
「はい、おじいちゃんも涼んで。お疲れ様、いつも学校を綺麗にしてくれて」
「……ありがとう、美柑ちゃん」
美柑の振る舞いは、どこまでも純粋で、悪意など一ミリも感じられない。林さんを本当の家族のように信頼しているからこそ、下着姿を晒すような真似にも、彼女は羞恥を感じていないのだ。
だが、その「絶対的な信頼」こそが、林さんにとっては最大の試練だった。
目の前の白いパンツ。その縁から覗く、吸い付くような白い肌。
もし、このまま手を伸ばして、その柔らかな太ももに触れてしまったら。
この無邪気に笑う少女は、どんな顔をするだろうか。
(いかん……いかんぞ、林……!)
林さんは心の中で自分を叱咤した。
美柑は再び扇風機の前に戻り、「んーっ!」と背伸びをした。
その瞬間、カットソーがずり上がり、彼女の真っ白なおへそと、重力で首元に流れた胸の影が再び露わになる。
「……林さん、私、リトお兄ちゃんにもこうやって涼ませてあげるの。お兄ちゃん、いつも顔を真っ赤にして喜んでくれるのよ」
「……そうかい。仲が良いのは、いいことだね」
林さんは、美柑の兄であるリトが、この無防備な妹を前にどれほどの苦行を強いられているのかを、今この瞬間に理解した。この子は、自分がどれほど美しく、どれほど人を狂わせる「武器」を持っているのかを、全く理解していないのだ。
美柑はしばらく風を浴びて満足したのか、パッとスカートを離した。
「あー、元気が出た! 林さん、掃除に戻るわね」
「ああ。……あまり無理をするんじゃないよ。水分もしっかり摂るんだよ」
「はーい!」
美柑は軽やかな足取りで、バケツを持って部屋を出ていった。
扉が閉まり、再び静寂が訪れた用務員室。
林さんは、まだ彼女の香りが残る空気の中で、深い、深い溜息を吐き出した。
作業台の上のネジ回しを見つめる彼の目は、先ほどよりも少しだけ、熱を帯びていた。
孫を見るような慈愛の瞳の奥底に、一人の「男」としての思慕と、制御しきれない衝動が、静かに澱のように溜まっていくのを、林さんは止めることができなかった。
(美柑ちゃん……君は、本当になんて子だ……)
林さんは、自分の震える掌を、そっと握りしめた。
そこには、先ほど美柑が送ってくれた風の感触と、目に焼き付いた「純白の幻影」が、いつまでも消えずに残り続けていた。