【ToLOVEる外伝】リトと美柑の秘められた日常 ―禁断の果実を食む兄妹― 作:芝刈り山
体育の授業が終わった後の放課後。彩南小学校の校舎は、校庭の遊具で遊ぶ児童たちの声や、下校を急ぐ足音で活気づいていた。しかし、校舎の裏手にある用務員室だけは、まるで時間の流れから切り離されたかのような、独特の静寂に包まれている。
「林さん、お疲れ様です……。あ、あの……。さっきの体育で、もう汗びっしょりになっちゃって。もし良ければ、ここのシャワーを貸してもらえないかしら?」
扉を開けて入ってきた美柑は、首筋に張り付いた髪を指で払いながら、少しだけ申し訳なさそうにはにかんだ。彼女の手には、着替えの入った小さなバッグが握られている。
「おや、美柑ちゃん。それは大変だったね。いいよ、自由にお使い。わしは外で掃除の続きでもしているから」
林さんはいつものように穏やかな笑顔で答えたが、彼の胸の奥では、先日の「パンツ乾燥事件」の余韻がまだ熱を持って燻っていた。美柑は「ありがとうございます!」と元気よく答えると、用務員室の奥にある、こぢんまりとしたシャワー室へと消えていった。
カタン、と内側から鍵がかかる音が響く。
林さんは一度は外へ出ようとしたものの、不意に足が止まった。
ほどなくして、勢いよく水が床を叩く音が聞こえ始める。美柑がシャワーを浴び始めたのだ。
(……いけない。外へ出なければ)
林さんは自分に言い聞かせたが、その身体は磁石に引き寄せられるように、シャワー室の手前にある狭い脱衣スペースへと向かっていた。
脱衣所の棚には、美柑が今しがた脱ぎ捨てたばかりの衣服が、無造作に置かれていた。
上にあったのは、汗でわずかに湿った体操服のシャツとハーフパンツ。だが、林さんの視線を奪ったのは、その下に隠れるようにして置かれていた「純白の幻影」だった。
林さんは周囲を気にするように一度振り返り、誰もいないことを確認すると、震える手でその布地を拾い上げた。
「……っ!」
掌に伝わってきたのは、衝撃的なほどの「熱」だった。
つい数分前まで美柑の最もデリケートな場所に密着し、彼女の瑞々しい体温を吸い込み続けていた布地。それは、まるでまだ彼女の身体の一部であるかのように、生々しい温もりを保っていた。
林さんは、自分の理性がガラガラと崩れ去る音を聞いた。
気がつくと、彼はその小さな布地を、自らの顔へと近づけていた。
(……少しだけ。ほんの、少しだけだ……)
林さんは、深く、深く、その白い布に顔を埋めた。
鼻腔を直撃したのは、石鹸の清潔な香りを遥かに凌駕する、美柑という少女の「生」の芳香だった。
それは、体育の授業で流した健康的な汗の匂いを孕んだ、じっとりと甘く、濃密な蜜の香り。
パンツのクロッチ部分は、彼女の体温と分泌物によってわずかに湿り気を帯びており、その湿り気が林さんの鼻梁を熱く濡らした。
「……はぁ……、はぁ……っ……美柑ちゃん……」
林さんは目を閉じ、暗闇の中で彼女の温もりを貪った。
この布地の感触、この匂い。それだけで、彼の脳裏には、先ほど見た美柑の全裸に近い姿や、パンツを乾かしてあげたあの時の、脚を開いて椅子に座る彼女の「無垢な深淵」が、鮮烈な色彩を持って蘇ってくる。
彼は、パンツのクロッチ部分を唇に押し当てた。
布越しに伝わる、美柑の秘部の感触を確かめるように、何度も、何度も吸い込む。
そこには、小学生らしい無垢さと、隠しきれない淫らな成熟が同居していた。彼女の体温が自分の肌に移り、彼女の匂いが自分の肺を満たしていく。
林さんは、自分がまるで孫を慈しむ「おじいちゃん」であることを、その瞬間だけは忘れていた。
彼はただの一人の男として、この小さな白い布に込められた美柑のすべてを、魂ごと奪い取ろうとしていた。
その時だった。
ピタッ、と。
それまで響いていたシャワーの水音が、唐突に止まった。
「……っ!?」
林さんは雷に打たれたように跳ね起きた。
慌ててパンツを棚の元の位置に戻そうとしたが、指先が震えて上手く掴めない。
中からは、美柑がタオルで身体を拭く、パタパタという軽い音が聞こえてくる。
「ふぅ……サッパリした」
美柑の声が、すぐ扉の向こう側から響く。
林さんは冷や汗を流しながら、なんとかパンツを他の服の下に滑り込ませ、脱衣所から飛び出した。
彼は部屋の中央にある古い椅子に座り、必死で新聞を広げて読み耽るフリをした。
「林さーん、ありがとうございました! 本当に助かっちゃった」
数分後、シャワー室の扉が開き、湯気と共に美柑が姿を現した。
彼女は着替えを済ませていたが、まだ髪は濡れたままで、首筋からは一筋の雫が、ボートネックの襟元へと吸い込まれていく。
彼女の頬は、湯浴み上がり特有の、林檎のような赤みを帯びていた。
そして、その清潔な香りに混じって、先ほど林さんが顔を埋めた、あの「濃密な蜜の匂い」が、彼女の身体から直接、湯気と共に立ち昇ってくる。
「……あ、ああ。美柑ちゃん。サッパリしたようだね」
林さんは、新聞を持つ手が震えないよう必死で力を込めた。
彼の鼻には、まだあの白い布の、熱く甘い感触がこびり付いている。
「ええ! 汗を流すと、気持ちいいわね。……林さん、顔が赤いわよ? もしかして、また暑さに当てられちゃった?」
美柑は無邪気に近寄ってくると、自分の小さな手を林さんの額に当てた。
「……っ……」
林さんは、彼女の手のひらの柔らかさと、そこから漂う石鹸の香りに、眩暈を覚えた。
彼女は今、自分の下半身に、先ほど林さんが散々弄り、匂いを嗅ぎ、唇を寄せた、あの白いパンツを履いているのだ。
彼女の秘部の熱が、再びあの布地を温め、林さんの記憶をなぞるように蜜を染み込ませている。
「……大丈夫だよ。少し、のぼせただけだ。……さあ、風邪を引かないように、早く帰るんだよ」
「はーい! じゃあ、失礼します。……あ、林さん、ありがとう。……大好きよ!」
美柑は最後にはにかんだような、とびきりの笑顔を見せて、部屋を飛び出していった。
静寂が戻った用務員室。
林さんは、彼女が去った扉を見つめたまま、大きく、深い溜息を吐き出した。
彼の掌には、まだ彼女の衣服から感じた、あの重みのある「証拠」の感触が残っている。
孫を慈しむような清い心でいなければならない。
けれど、一人の男としての理性が、その少女の純白の記憶によって、静かに、確実に削り取られていく。
林さんは、再び鼻を掠めた、美柑の残り香に目を閉じ、自分の内側で疼く、制御しきれない熱に、ただじっと耐え続けるのだった。