【ToLOVEる外伝】リトと美柑の秘められた日常 ―禁断の果実を食む兄妹― 作:芝刈り山
眩しい夏の朝日がダイニングテーブルを白く染め上げ、トースターから跳ね上がったパンの香ばしい匂いが部屋を満たしていた。そこにあるのは、どこからどう見ても「健全な夏の朝」の風景だった。リトは昨夜からの過酷すぎる刺激によって、魂が抜けたような顔でコーヒーを啜っていたが、向かい側に座る二人の少女は、朝露を浴びた花のように活き活きとしていた。
「本当、昨日は最高だったね! お兄さんのマッサージ、あたし一生忘れないよ。あんなに脚が軽くなるなんて思わなかったもん!」
幸恵はジャムをたっぷり塗ったトーストを頬張りながら、昨夜の快楽を「極上のケア」として無邪気に絶賛した。彼女にとって、あの腰が浮き上がるほどの衝撃も、意識が白濁するほどの昂りも、すべては「お兄さんの凄腕」によるリラクゼーションの範疇にあるのだ。
「私……お風呂で身体を洗ってもらったときのこと、今でも夢みたいに思い出します。お兄さんの手のひら、すごく温かくて……。なんだか、今まで生きてきた中で一番身体が綺麗になった気がしちゃう」
真美もまた、頬をほんのりと桃色に染めながら、リトに向けて純粋な感謝の眼差しを送る。彼女たちがリトに向けるのは、全幅の信頼と、親友の兄に対する素朴な憧憬だった。自分たちがリトの指先一つで何度も「果て」、その肢体に熱い白濁を浴びせられたことなど、彼女たちの清らかな脳裏には微塵も浮かんでいない。
リトは、彼女たちの無垢な言葉をまともに受け止めることができず、ただ視線を泳がせて「あ、ああ……喜んでもらえてよかったよ」と、枯れた声で絞り出すのが精一杯だった。
「リト、本当に頑張ってくれたもんね。ね、リト?」
美柑が、サラダを並べながらリトの隣に腰を下ろした。美柑はテーブルの下で、迷うことなくリトの膝の間に自分の脚を滑り込ませた。素足の指先が、リトのズボンの生地をなぞり、その奥に隠された「昨夜、自分だけが独占した熱」を確認するように、ゆっくりと、執拗に蠢く。
「……っ!」
リトが身体を強張らせると、美柑はそれを見越したように、リトの手をテーブルの下でぎゅっと握り締めた。美柑の掌は、朝一番の絶頂を経たせいか、しっとりと熱を帯びている。
(リト……。あの子たちは、リトの表面しか知らない。……でも、私は知ってるよ。リトがどんな顔をして種を出すのかも、あの子たちに触れながらどれだけ醜く昂っていたのかも……)
美柑は勝利者の微笑みを浮かべ、真美と幸恵に明るい声をかけた。
「サチ、マミ。お泊まり会、楽しかったね。またいつでも遊びに来て。リトも、きっと歓迎してくれるから」
「うん! 絶対また来るね!」
「お兄さん、次はもっと凄いマッサージ、期待してますね」
少女たちは、一ミリの疑念も持たずにはにかんだ。彼女たちが幸せそうであればあるほど、リトの心には「自分だけが彼女たちを汚してしまった」という、消えることのない背徳の刻印が深く刻まれていく。そして、その刻印を刻んだ張本人である美柑は、その罪の共有こそが、自分とリトを繋ぐ最強の鎖であることを確信していた。
朝食が終わり、別れの時が来た。玄関先で、幸恵と真美は名残惜しそうに手を振った。
「じゃあね、美柑! お兄さん、またね!」
「お邪魔しました。本当に、素敵なお泊まり会になりました」
二人の後ろ姿が角を曲がり、見えなくなるまで、美柑は「親しみやすい親友」としての仮面を被り、リトの隣で笑顔で手を振り続けていた。
カチャリ、と玄関のドアが閉まる。
その金属音が、この空間を再び「二人だけの聖域」へと切り替える合図となった。
「……行ったね」
美柑の声から、先ほどまでの明るい響きが完全に消失した。リトが安堵の息を漏らそうとした瞬間、背後から猛烈な勢いで衝撃が走った。
「――っ!?」
美柑が、まるで獲物に襲いかかる獣のような激しさで、リトの背中に飛びついたのだ。彼女の細い腕がリトの首に回され、そのまま力任せに床へと押し倒される。
「美、美柑!? どうしたんだ、急に……」
「……もう、我慢しなくていいんだよね? リト」
美柑の顔は、先ほどまでの「妹」のそれとは別物だった。瞳は獲物を捕らえた蛇のように細められ、呼吸は獣のように荒く、熱い。彼女は玄関の三和土に転がったリトの上に跨ると、その場で自らの洋服を乱暴に脱ぎ捨てた。
「サチとマミに、あんなにエッチなことして……。リト、身体中があの子たちの匂いでベタベタだよ」
美柑は全裸になると、リトの胸元に顔を埋め、狂ったようにその匂いを嗅ぎ始めた。
「……嫌だ。……消してやる。あの子たちの残像なんて、全部、私が上書きしてあげる。……リトをあんなに興奮させた責任、取ってよ」
美柑はリトのズボンを引き裂かんばかりの勢いで剥ぎ取った。彼女は、親友たちに晒されたリトの剥き出しの興奮を、すべて自分の胎内で飲み込み、独占することを切望していた。
「見て、リト……。私、もうこんなに……っ」
美柑は自らの秘部をリトの目の前に晒した。そこからは、親友たちを見送るまでの「我慢」によって蓄積された、溢れんばかりの情欲の蜜が、玄関の床に滴り落ちるほど溢れていた。美柑はリトの楔を掴むと、それを自分の口内へと力任せに押し込んだ。
「んむ……っ、ちゅ……ぱ……っ!」
喉の奥を突くような激しい奉仕。美柑は嫉妬と愛欲を混ぜ合わせた唾液で、リトの「象徴」を塗り潰していく。幸恵のふくらはぎを揉んだ指、真美の胸を包んだ掌、それらすべてを凌駕する熱量で、美柑はリトを蹂躙した。
「あ……あ、美柑……っ、ここは、玄関だぞ……っ!」
「いいの……誰にも見せない。……リトの、この淫らな姿は、私だけのものなんだから……っ!」
美柑はリトの楔を自らの秘部へと一気に突き立てた。
「ん、んんぅぅぅ……ッ!!」
硬い三和土の上で、二人の肉体が激しく衝突する。美柑は狂気的なピストンを繰り返し、リトの中から「親友たちの記憶」を力尽くで追い出そうとした。彼女の腰が叩きつけられるたびに、リトの脳内は美柑という圧倒的な存在感によって塗り潰されていく。
「もっと……もっと私を汚して……っ。あの子たちに出した分、全部、私の中に、残らず……っ!」
美柑はリトの首筋に歯を立て、愛おしそうに、そして呪いをかけるように強く噛み締めた。
リトの楔が、美柑の最深部を突き破らんばかりに拍動する。
朝の光が差し込む玄関先で、二人はなりふり構わず、互いの生を貪り合った。
「あ、あああ……っ、美柑、出す……っ、いくぞ……っ!!」
リトの咆哮が、閉ざされた家の中に響き渡る。
同時に、リトの楔から熱い白濁が、美柑の胎内へと、今日一番の勢いで噴き出した。
「ん、んんぅぅぅ……ッ!!」
美柑は白目を剥き、激しい痙攣と共にリトの上に崩れ落ちた。
親友たちに分け与えられた擬似的な快楽ではない。
これは、妹という名の「唯一の女」だけが受け取ることのできる、本物の、そして絶対的な種の供儀だった。
「……はぁ、はぁ……。……リト。……これで、私の勝ち、だね」
美柑は、自分の足の間から溢れ出す白濁を指で掬い、それを再び自分の唇へと塗りつけた。
「……お泊まり会、大成功だったね。……また、やろうね? リト」
美柑の、天使のような残酷な微笑み。
幸恵も真美も知らない、結城家の「真実の朝」が、ここにある。
リトは、自らの種にまみれた妹を抱きしめながら、もう二度と、この背徳の迷宮から抜け出すことはできないのだと、幸福な絶望と共に悟るのだった。
お泊まり会の狂乱は、こうして、妹の完全なる独占という結末を以て、幕を閉じた。
だが、美柑の瞳の奥にある乾きは、まだ満たされることを知らなかった。