【ToLOVEる外伝】リトと美柑の秘められた日常 ―禁断の果実を食む兄妹― 作:芝刈り山
正午を過ぎた太陽が容赦なく降り注ぎ、古い旅館の木造の床を熱く熱していた。午前中の学習会を終え、昼食を済ませた子供たちに待っているのは、待ちに待った午後の海水浴だ。
「さあ、みんな! 15分後にはロビーに集合だ。遅れないように着替えなさい!」
学年主任の植松先生の厳格な声が響き、廊下は一気に騒がしくなった。女子児童たちが割り振られた大部屋へと駆け込んでいく中、高校生ボランティアのリトには、予想だにしない「大仕事」が待っていた。
「結城くん、悪いけど女子の着替えを手伝ってあげてくれないか? まだ自分たちで水着の紐を結べない子や、脱いだ物を片付けられない子が多いんだ。養護の三村先生だけじゃ手が足りなくてね」
植松の言葉に、リトは心臓が飛び出しそうになった。
「えっ、僕がですか!? でも、女子の着替えなんて……」
「何を言っている。君は教育ボランティアだ。なあに、心配することはない。兄のような気持ちで接すればいい。いいな?」
有無を言わさない植松の視線に押され、リトは顔を真っ赤にしながら、女子たちが集まる大部屋の暖簾をくぐった。
室内は、まさに「白の迷宮」だった。
畳の上には、脱ぎ捨てられたばかりの服や、色とりどりの靴下が散乱している。そして何よりリトの目を奪ったのは、そこかしこで無防備に晒されている、小学生たちの瑞々しい裸体だった。
「あ、お兄さんだ! ちょうどよかった、この水着の紐、結んで!」
「お兄さん、こっちも! 靴下の片方、どこかに行っちゃったの!」
リトが部屋に入るなり、少女たちが四方八方から群がってきた。彼女たちは、リトが異性であることなど微塵も気にしていない様子だ。むしろ、優しくて頼りになる「お兄さん」が来てくれたことを純粋に喜んでいる。
「わ、わかったから、順番にね……!」
リトは震える手で、少女たちの細い肩に回された水着の紐を手に取った。指先が、まだ日焼けしていない白く柔らかな肌に触れる。小学生特有の、ベビーパウダーのような甘い匂いが鼻腔をくすぐり、リトの理性をじりじりと削っていく。
視界の端々には、まだ膨らみ始めたばかりの、蕾のような胸の突起や、小さな腰に張り付いた真っ白な綿パンツが嫌でも飛び込んでくる。家では妹の美柑の裸を見慣れているはずのリトだったが、これほど大人数の、それも自分を全く警戒していない少女たちに囲まれる状況は、刺激が強すぎた。
「お兄さん、見て見て! 私の水着、可愛いでしょ?」
一人の少女が、わざとリトの目の前でくるりと一周回ってみせる。短いスカートの下から、綿パンツがチラリと覗く。リトは「う、うん、似合ってるよ」と引き攣った笑顔を返すのが精一杯だった。
その時、急にリトの視界が真っ暗になった。
「うわっ、何!?」
柔らかく、けれど少し湿り気を帯びた「布」のようなものが、リトの顔全体を覆ったのだ。
「えへへ、お兄さん、午前中のお礼だよ!」
「これ、さっきまで履いてたやつだからね」
クスクスという無邪気な笑い声が耳元で響く。視界を塞いでいたのは、幸恵と真美がそれぞれ脱ぎ捨てたばかりの、白い綿パンツだった。リトの鼻と口に、彼女たちの体温を吸い込んだ濃厚な少女の匂いが直接押し付けられる。
「ちょっと、二人とも! 何を……!」
リトが慌ててパンツを顔から引き剥がした時には、幸恵と真美はすでに水着への着替えを済ませ、手を取り合って部屋の入り口へと走っていくところだった。
「お兄さん、海で待ってるからねー!」
はにかみながら振り返り、手を振る二人。その無邪気な残酷さに、リトは呆然と立ち尽くすしかなかった。手元に残された二枚のパンツからは、まだ微かに彼女たちの鼓動の残響が伝わってくるようだった。
嵐のような喧騒が去り、女子たちが次々とロビーへ向かっていった後。静まり返った大部屋の隅で、リトは一人、散乱した荷物の整理を手伝っていた。
その時、リトの目に一つのバッグが留まった。
見覚えのある、家庭的な刺繍が入ったボストンバッグ。美柑のものだ。
美柑も先ほど、ここで着替えを済ませて海へ向かったはずだった。
「美柑……」
リトは、吸い寄せられるようにそのバッグに手を伸ばした。中を少し覗くと、丁寧に畳まれた着替えの束の間に、先ほどまで彼女が身につけていたはずの「白」が見えた。
リトは周囲に誰もいないことを確認し、震える指でそのパンツを取り出した。
それは、リトが最も愛している、飾り気のない真っ白な綿のパンツ。
美柑の小さな腰を包んでいたその布地は、今もなお彼女の体温を宿し、驚くほど生温かかった。
「……はぁ……、っ……」
リトは我慢できず、そのパンツを自分の顔に深く押し当てた。
鼻腔いっぱいに広がるのは、洗剤の香りの奥に隠された、美柑という一人の少女が放つ、抗いがたい芳醇な匂い。それは、幸恵や真美のものとは決定的に違う、リトの魂に直接語りかけてくるような、深い執着を伴った香りだった。
リトは恍惚とした表情で、クロッチ部分に舌を這わせた。わずかに染み付いた、彼女の蜜の味がする。美柑がリトを想い、午前中の間にその場所を濡らしたのか。その痕跡を辿るたびに、リトの股間は破裂しそうなほどの熱を帯びていった。
「美柑……美柑……っ!」
リトはズボンの上から自分の象徴を握りしめ、激しく手を動かした。脳裏には、先ほど見た少女たちの裸体と、そして誰よりも愛おしい美柑の、絶頂を迎える瞬間の淫らな表情が交錯する。
限界はすぐに訪れた。
しかし、ここで放出するわけにはいかない。リトは最後の理性を振り絞り、這いずるようにして旅館の窓際へと向かった。窓の外には、人気のない裏庭の緑が広がっている。
「っ、あ……あああああっ!」
リトは窓を勢いよく開け、外に向かって自らの「熱」を解き放った。
真っ青な夏空の下、リトから溢れ出した白濁とした液体が、放物線を描いて初夏の木々へと降り注ぐ。それは、美柑への罪悪感と、抑えきれない愛欲が混ざり合ったものだった。
リトは荒い呼吸を整えながら、窓枠に突っ伏した。
手元には、まだ美柑の匂いが残る白いパンツ。
外からは、遠く海の方で子供たちがはしゃぐ声が風に乗って聞こえてくる。
「……行かなきゃ」
リトは名残惜しそうにパンツをバッグの底へと戻し、何事もなかったかのように顔を拭った。
午後からの海。そこには、自分の知らないところでさらに変容を遂げているであろう美柑が待っている。
リトは乱れた服を整え、夏の光が眩しい屋外へと、一歩を踏み出した。