【ToLOVEる外伝】リトと美柑の秘められた日常 ―禁断の果実を食む兄妹― 作:芝刈り山
昼間の弾けるような太陽が水平線の彼方へと沈み、旅館の周囲は、波の音と虫の声だけが支配する濃密な闇に包まれていた。今夜のメインイベントは、夏の行事の定番であり、かつ子供たちが最も胸を躍らせる「肝試し大会」である。
「いいか、コースを外れるなよ! 懐中電灯の予備は持ったか? 何かあったらすぐに笛を吹くんだぞ!」
植松先生の厳格な声が、出発地点である裏山の入り口に響く。リトはボランティアスタッフとして、教師たちから「お化け役」の重責を任されていた。彼は配布された白装束を纏い、コース中盤にある巨大な岩陰へと身を潜めていた。
(……結構、本格的だな。美柑、怖がりだからなぁ……)
リトは岩の隙間から、遠くに見える懐中電灯の光の粒を眺めていた。本来なら兄として守ってやりたいところだが、役割は役割だ。彼は妹の驚く顔を想像し、少しだけ胸を痛めつつも、期待に高鳴る鼓動を抑えていた。
◆
一方、スタート地点では、美柑が困り果てた表情で立ち尽くしていた。
本来、肝試しはペアで歩くルールだ。美柑の相方は、クラスでも臆病なことで有名な男子だったのだが、森の入り口から漂う不気味な雰囲気に呑まれ、「やっぱり無理だ!」と泣きべそをかいて宿舎へ引き返してしまったのだ。
「あら、結城さん。一人になっちゃったの?」
受付を担当していた三村先生が、艶然とした微笑みを浮かべて美柑に声をかけた。
「はい……。でも大丈夫です。一人で行けますから」
美柑は強がって見せた。本当は足がすくみそうだったが、優等生としてのプライド、そして何より、この道のどこかで待っているはずのリトに会いたいという一心が、彼女の背中を押していた。
「そう、勇敢ね。じゃあ、気をつけていってらっしゃい。……暗闇には、何が潜んでいるか分からないわよ?」
三村の含みのある言葉を背中に受けながら、美柑は一本の懐中電灯を握りしめ、夜の森へと足を踏み入れた。
◆
森の中は、昼間の明るさが嘘のように異質な世界に変わっていた。
風が木々を揺らす音は、誰かの囁き声のように聞こえ、足元の湿った落ち葉を踏みしめる音さえも、背後から誰かがついてくる足音のように錯覚させる。
(大丈夫……怖くない。リトがどこかにいるはずだもん……)
美柑は必死に自分に言い聞かせた。しかし、心臓の鼓動は早まるばかりだ。
道中に仕掛けられた偽物の首吊り人形や、録音された不気味な笑い声に、彼女はその都度「ひっ……!」と短く息を呑んだ。
やがて道は、潮騒が間近に聞こえる海岸沿いの岩場へと差し掛かった。そこは月光さえも届かない、巨大な岩の回廊のようになっていた。
その時だ。
「……うう……ぅ……」
岩の陰から、地を這うような低い唸り声が響いた。
美柑は凍りついた。懐中電灯を向けると、そこには血塗れの白い着物を着た、髪の長い影がゆらりと立ち上がっていた。
「……恨めしや……結城……美柑……」
「……えっ!?」
自分の名前を呼ばれた衝撃。美柑の思考は一瞬で真っ白になった。
お化け役のリトは、美柑を驚かせようと、さらに一歩、音もなく近づいた。彼は美柑のリアクションを楽しもうと、おどろおどろしい手付きで彼女の肩に触れようとしたのだが――。
「いやああああああああっ!!」
美柑の悲鳴が夜の静寂を切り裂いた。
極限まで張り詰めていた彼女の精神は、最愛の兄の声と姿を「本物の怪異」として認識してしまったのだ。恐怖が頂点に達した瞬間、彼女の身体に異変が起きた。
キュウ、と下腹部が締め付けられるような感覚。
「あ、っ……!」
美柑の意思とは無関係に、尿道括約筋がその機能を喪失した。
ショートパンツの下、真っ白な綿パンツが、一気に熱い液体を吸い込んで重くなる。止まらない。熱い雫は太ももの内側を伝い、サンダルを履いた足元にまで溢れ出していった。
美柑はその場にへたり込み、顔を覆って泣きじゃくった。
「ごめんなさい……ごめんなさい……リト、リト助けて……っ!」
「美柑! 落ち着け、俺だ! リトだよ!」
慌ててリトがお化けの面を脱ぎ捨て、美柑を抱き寄せた。
リトの胸の温もりと、聞き慣れた本当の声。美柑は顔を上げると、そこには紛れもない兄の顔があった。
「……リト? 本当に、リトなの……?」
「ああ、驚かせすぎてごめん。まさか名前を呼んだだけであんなにパニックになるなんて……」
リトが申し訳なさそうに美柑の頭を撫でる。しかし、美柑は兄の腕の中で、自分の失態に気づいて顔を真っ赤にした。
「……リト、見ないで。お願い、あっち行って……」
「美柑? どうしたんだ?」
リトの視線が、美柑の足元へと向けられた。
月明かりに照らされた岩肌には、小さな水たまりができていた。そして美柑のショートパンツの股間部分は、ぐっしょりと色を変えて、彼女の瑞々しい秘部の形を露骨に浮き彫りにしていた。
「……出ちゃったのか?」
「……っ、リトのせいよ! あんまり怖くするから……っ!」
美柑は恥ずかしさのあまり、リトの胸に顔を埋めてポカポカと叩いた。
しかし、リトの反応は彼女の予想とは違っていた。
彼は美柑の腰をぐっと引き寄せると、その耳元で低く囁いた。
「……責任、取るよ。俺が綺麗にしてやるから」
「えっ……?」
リトは美柑を岩の死角へと連れて行き、彼女を座らせた。
そして、濡れて重くなったショートパンツと、愛液と尿が混ざり合った「汚れ物」のパンツを、膝下までゆっくりとずらした。
露わになった美柑の秘部は、夜風に晒されて震えていた。
リトは躊躇うことなく、その無垢な場所へと顔を寄せた。
「っ、リト!? 何を……あ、あぁ……っ!」
リトの熱い舌が、美柑の秘部を直接捉えた。
尿の微かなアンモニアの匂いと、美柑という少女が放つ濃厚な蜜の香りが、リトの鼻腔を突く。彼はそれを「汚い」などとは微塵も思わなかった。むしろ、自分のせいで乱れた妹のすべてを、一滴残らず自分の中に取り込みたいという、執着にも似た情動に支配されていた。
「ん、じゅ、……ちゅ、……れ、ろ……」
リトの舌が、尿の滴るクリトリスを、そして溢れ出す蜜の源泉を、執拗に、丁寧に舐め上げていく。
美柑は岩に手をつき、腰を激しくのけ反らせた。
「あ、ぁ……っ! すごい、リト、そこ……っ! お願い、もっと……っ!」
恐怖はどこかへ消え去り、代わりに暴力的なまでの快感が美柑の脳を焼き尽くしていく。
兄の舌が動くたびに、彼女の喉からは、先ほどの悲鳴とは違う、甘く淫らな叫びが漏れ出した。
「ああああああんっ! いっちゃう、また出ちゃう……っ! はぁぁぁぁっ!」
美柑の絶叫が、静まり返った夜の森に響き渡った。
その声は、岩場の反響によって歪み、まるでこの世のものではない化け物の咆哮のように聞こえた。
◆
ちょうどその頃、コースの後半を歩いていた幸恵と真美のペアは、恐怖で震え上がっていた。
「ね、ねえ今の聞いた!? 凄く大きな叫び声……」
「お、お化け……? 今までで一番怖かったよぉ……っ!」
他の児童たちも一様に顔を青くし、「あの岩場には本物の『叫ぶ幽霊』がいる」という噂が、あっという間に臨海学校の子供たちの間に広まっていく。
美柑が快感の絶頂で上げたその声こそが、今夜の肝試しにおける最大の演出となったのである。
◆
岩陰では、リトが最後の一滴までを舐め取り、美柑の身体を優しく抱きしめていた。
「……綺麗になったよ、美柑」
「……バカ。リトのせいで、一生忘れられない肝試しになっちゃったじゃない」
美柑は顔を真っ赤にしながらも、リトの首に腕を回し、その唇を求めた。
月光に照らされた二人の影が、一つの大きな影となって岩肌に溶けていく。
海風が、二人の吐息と、かすかに残る愛の匂いを、どこまでも遠くへと運んでいった。