【ToLOVEる外伝】リトと美柑の秘められた日常 ―禁断の果実を食む兄妹― 作:芝刈り山
お堂の裏手、樹齢を重ねた大木の根元で、リトと美柑は依然として深く、重く繋がっていた。
三度目の絶頂を終えたばかりのリトの身体は、心地よい疲労感と、美柑の内部から伝わる熱い余韻に包まれている。
銀色の月光が、浴衣を捲り上げた美柑の白い背中を滑らかに縁取り、二人の結合部から滴る蜜の雫をキラキラと輝かせていた。
「はぁ、はぁ……美柑、もう……動けないよ……」
リトがお堂の古い板壁に背を預け、崩れ落ちそうになる身体をどうにか支える。
美柑はリトの首に細い腕を回したまま、その胸元に顔を埋めていたが、ふと、その動きを止めた。
「……ねえ、リト。静かにして」
美柑の声が、夜の静寂の中に低く響く。
リトが呼吸を整え、耳を澄ませたその時。
背後にあるお堂の、薄い板壁の向こう側から、密やかな音が漏れ聞こえてきた。
「あっ……んぅ……もっと、奥まで……っ」
「はぁ、はぁ……最高だ、お前……っ!」
湿り気を帯びた肉体同士がぶつかり合う、生々しい水音。
そして、堪えきれないといった風に漏れ出す男女の喘ぎ声。
リトはお堂の壁を背にしている分、その振動が直接、自分の脊髄へと伝わってくるのを感じて、心臓が跳ね上がった。
「うそ……、中に誰かいるのか?」
「ふふ、リト。私たちと同じね。お祭りの興奮に当てられて、我慢できなくなっちゃった不埒なカップルがいるみたい」
美柑が顔を上げ、悪戯っぽく微笑んだ。その瞳には、新たな背徳の火が灯っている。
壁一枚隔てた先で、自分たちと全く同じ行為が繰り広げられている。その事実が、冷めかけていたリトの楔に、再び熱を吹き込み始めた。
「美柑……、見つかったらどうするんだよ。向こうにも聞こえてるかもしれないんだぞ」
「いいじゃない。……むしろ、聞かせてあげましょうよ。リトに可愛がられてる、私の声を」
美柑はそう言うと、再びリトの腰に脚を絡め、自らの秘部の奥底でリトの熱塊を締め上げた。
「あ、あぁっ……!」
リトの口から漏れた声が、お堂の壁に反射して夜の闇に吸い込まれる。
美柑はリトの楔を内部で搾り取るように動かしながら、わざとお堂の壁に背中を強く打ち付けた。
ドスン、ドスン……という鈍い音が、壁を通じて中の男女に伝わる。
「あっ……は、はぁぁっ……あぁっ!」
美柑は、普段のリトとの密会では決して出さないような、高く、淫靡な声を張り上げた。その声は、祭りの終盤を告げる静まり返った境内に、驚くほど鮮明に響き渡る。
すると、壁の向こう側の音が、一瞬だけ止まった。中の男女が、外に自分たちと同じ「同類」がいることに気づいたのだ。しかし、その静寂は長くは続かなかった。
「はぁ、はぁ……っ! 外にも、誰かいるぞ……。やべえ、すげえ興奮する……!」
「あ、あぁっ……負けたくない……もっと、もっと激しくしてっ!」
対抗するように、中の男女の交わりが激しさを増した。バチャバチャという激しい水音と共に、お堂の板壁が大きく揺れる。
美柑はその振動を感じながら、リトの首筋を甘く噛んだ。
「リト……向こうもやる気みたいだよ。負けちゃダメ。……私を、壊れるくらい突き上げて」
美柑の挑発を受け、リトの理性の最後の一線が弾け飛んだ。壁一枚を隔てた見知らぬ二人と、快楽を競い合うという極限のシチュエーション。
リトは美柑の細い腰をガッチリと掴むと、お堂の壁が割れんばかりの勢いで、腰を激しく突き動かした。ドスン、ドスン! と壁が鳴るたびに、美柑の喉から快感に震える絶叫が漏れ出す。
「あ、あぁぁぁっ! すごい、リト、すごすぎるよぉっ!」
美柑の内部は、壁越しに伝わる他人の交わりの気配によって、これまでにないほど瑞々しく、熱く熟れていた。吸い付くような粘膜がリトの楔を全方位から蹂躙し、一突きごとに魂を抜き取っていく。
中の女性の声も、さらに高くなっていく。
「あ、あぁぁぁっ! 外の人、すごそう……私、もう、イッちゃう、イッちゃうぅぅっ!」
「俺もだ……っ! 出すぞ、出すぞぉぉっ!」
互いの顔も見えない。名前も知らない。ただ、薄い壁越しに伝わる「交わりの気配」だけが、お互いの興奮を増幅させる。自分たちが今、どれほど淫らな姿で、どれほど大きな声を上げているか。その恥辱が、最高のスパイスとなって二組の男女を絶頂へと導いていく。
リトの視界には、月光を浴びて小刻みに揺れる美柑の豊かな胸と、汗ばんだ白い肌。そして、激しい動作のたびに飛び散る愛液が、お堂の壁を濡らしていく様子が映っていた。
リトは三枚のパンツを握りしめていた左手を、再び美柑の顔の横、お堂の壁へと押し当てた。三人の少女の残り香を湛えた布地が、激しい交わりの衝撃を吸収し、さらに濃厚な香りを立ち上がらせる。
「あ……あぁ……っ! 美柑、もう……我慢できない……っ!!」
「いいよ、リト! 中の人たちと一緒に、私の中に全部出しちゃって……!!」
美柑がリトの首に深く爪を立てた、その瞬間。
お堂の中から「あぁぁぁぁっ!!」という絶頂の絶叫が響き渡った。それに呼応するように、リトもまた、美柑の深淵に向けて最後の一滴まで絞り出すような勢いで、熱い白濁を噴射させた。
「う、わぁああああぁぁぁぁっ!!」
「あ、あぁ……あ、あ、あぁぁぁぁぁっ!!」
二組同時の絶頂。
お堂を激しく揺らしていた振動が、一度に頂点を迎え、そして一気に収束していく。リトの楔から解き放たれた白濁は、美柑の内部を氾濫させ、結合部から溢れ出して地面の砂を白く汚した。
美柑は全身を激しく痙攣させながら、白目を剥かんばかりの恍惚の中で、リトの腕の中に崩れ落ちた。
しばらくの間、境内の静寂を支配していたのは、二組の男女の荒い呼吸音だけだった。壁の向こう側からも、疲れ果てた男の溜息と、女の微かな泣き声のような喘ぎが聞こえる。
「……ふふ。私たちの、勝ちね」
美柑が、汗で張り付いた髪をリトの肩に擦り付けながら、満足げに囁いた。その勝利が何を意味するのかは分からない。ただ、この古いお堂という舞台で、自分たちが最も激しく、最も淫らであったという確信。それが美柑の征服欲を完全に満たしていた。
リトは、お堂の壁からゆっくりと離れた。背中を預けていた板壁には、二人の交わりの跡が、濡れた染みとなって残っている。中の男女も、やがて気配を消すようにして、反対側の出口から去っていく足音が聞こえた。
リトは、再び浴衣を整え、美柑の帯を締め直してやった。美柑の表情は、どこか神聖な儀式を終えた後のように清々しく、それでいて瞳の奥にはまだ消えぬ熱が燻っている。
「さあ、リト。そろそろ戻らなきゃね」
美柑はリトの手を取り、何事もなかったかのように夜の山道を降り始めた。
その足元、浴衣の裾からは、先ほどの交わりの名残である白濁が、一歩踏み出すたびに太ももを伝い、静かに滴り落ちていた。
境内の広場からは、再び賑やかな囃子の音が聞こえ始めていた。
リトのポケットには、幸恵と真美の、そして美柑の「秘密」が詰まった三枚のパンツが、相変わらずその存在を主張し続けている。
二人は、広場の中央へと向かっていった。
賑わいの中へ戻る二人の姿は、どこからどう見ても仲の良い兄妹そのものであったが、その内側に秘めた熱気は、今もなお夜の空気を焦がさんばかりであった。