【ToLOVEる外伝】リトと美柑の秘められた日常 ―禁断の果実を食む兄妹― 作:芝刈り山
「それじゃ、パンツをここで脱いであげる」
美柑の口から発せられたその言葉は、リトの鼓動を一時的に停止させるほどの威力を持っていた。自分の妄執、異常な執着を、妹がすべて受け入れ、肯定したかのように聞こえたからだ。
これまでリトを支配していたのは、底知れない背徳感だった。隠れて匂いを嗅ぎ、クローゼットに潜み、盗撮を繰り返す。それらはすべて「罪」だという自責の念が、快感の裏側で常に毒のように彼を蝕んでいた。だが今、美柑は自ら「脱いであげる」と言った。その瞬間、リトを縛り付けていた鎖がわずかに緩み、罪の意識が解放感へと変わっていく。
(脱いであげる……。それは、脱ぐ姿を見せてくれるだけなのか、それとも、その『白』を俺にくれるということなのか……?)
リトは美柑の正面にひざまずいた。彼女のスカートの裾が、リトの鼻先に触れるほどの至近距離。
美柑は意を決したように、フレアスカートの裾を両手で持ち上げると、その縁を自分の唇で軽く挟んだ。
(……っ、そのポーズは……!)
両手が塞がり、スカートがたくし上げられ、唇で布を噛むその仕草。それはまだ幼さの残る美柑が、兄という異性を意識して、精一杯の「背徳」を形にした究極のポーズだった。リトは全神経を眼球に集中させた。
「……じゃあ、見ててね。リト」
美柑の声が、唇に挟んだ布のせいで少しだけ籠もって聞こえる。それがまた、リアリティを煽った。
美柑は両手の指を、白い綿パンツのサイドのゴムに引っ掛けた。ゆっくりと、本当にゆっくりと、彼女は力を込めていく。
「はぁ、……ん……っ」
美柑の頬が羞恥でバラ色に染まっていく。荒い吐息、震える指先、そしてスカートの中に閉じ込められていた、甘く、少しだけ汗の混じった濃厚な体臭。これらはレンズ越しでは絶対に保存できない、その場の空気そのものだ。リトは、美柑の繊細な肌の質感、綿の繊維が肌を擦る微細な音、そして彼女の聖域が露わになっていくグラデーションのすべてを網膜に焼き付けた。
ゴムが腰のラインを越え、尻の肉を柔らかく押し潰しながら下がっていく。リトの目の前で、一点の曇りもない「白」が、美柑という少女の生命のぬくもりを脱ぎ捨てながら、ゆっくりと降りてくる。
膝を通り、ふくらはぎを抜け、ついに足首まで到達した。唇からスカートが放された。美柑は片足をスッと抜き、床に落ちた白い布地を、つま先で器用にリトの方へと寄せた。
完全に脱ぎ去られた、剥き出しの美柑の立ち姿。しかし、リトの視線はやはり、足元にあるその「白」に吸い寄せられた。美柑はかがみ込み、足首から外したパンツを手に取った。
「はい」
美柑は、まだ彼女の体温を色濃く残し、彼女の形に膨らんだままのパンツを、リトの頭がすっぽり隠れるように被せた。
「……っ!?」
視界が白に染まった。鼻先には、先ほどまでの「漂ってくる匂い」とは比較にならないほど暴力的な、美柑の秘部の匂いそのものが押し寄せた。クロッチ部分がちょうどリトの鼻の頭に当たり、そこには微かな湿り気と、美柑の熱が宿っていた。
「……リト。これから私がお風呂に入っている間に、じっくりと、それを『鑑賞』するんでしょ?」
美柑は頬を紅潮させ、悪戯っぽく、しかしどこか慈愛に満ちた笑みを浮かべてリトを見下ろした。被せられたパンツの隙間から、リトは美柑のその美しい表情を見た。
『ピンポンパンポーン。お風呂が沸きました』
無機質な給湯器の音声が、リビングの熱気を現実に引き戻した。美柑はトントンと服を整えると、そのまま脱衣所の方へと歩き出した。だが、彼女は扉を開ける直前で、一度だけ振り返った。
「……鑑賞が終わったら、ちゃんと洗濯籠に戻しておいてね。……あ、あと、このないだリトが自分の部屋に持っていった『やつ』も、一緒に戻しておいてね?」
「えっ……!?」
リトは凍りついた。バレていないと思っていた、あの夜の持ち出し。美柑はすべて知っていたのだ。知った上で、今の儀式を許し、自分に「最新の白」を預けたのだ。
「じゃあ、ゆっくり楽しんでね。リト」
美柑はクスクスと笑いながら、脱衣所の中へと消えていった。
一人残されたリビングで、リトは頭に被せられたパンツを両手でそっと押さえた。そこには、美柑という少女の深い寛容さと、兄を翻弄する小悪魔的な愛らしさが、彼女の匂いと共に混ざり合っていた。
リトは深く、深く息を吸い込んだ。これから始まるのは、美柑の分身であるこの「白」との、誰にも邪魔されない至高の対話だ。