【ToLOVEる外伝】リトと美柑の秘められた日常 ―禁断の果実を食む兄妹― 作:芝刈り山
浴室という、湿った熱気と石鹸の香りに満ちた聖域での儀式は、ようやく幕を閉じたかに見えた。しかし、目隠しと拘束から解放され、リトの種をその身にたっぷりと宿した美柑の瞳には、まだ消えぬ情欲の残り火が妖しく揺らめいている。シャワーのお湯で互いの肢体を洗い流し、浴室の扉を開けて脱衣所へと足を踏み出した瞬間、ひんやりとした外気が二人の火照った肌を撫でた。
「……ふぅ。リト、ようやくお外に出られたね」
美柑は濡れた髪をバスタオルで拭うこともせず、全裸のまま脱衣所の床に立った。鏡に映るのは、湯気で上気した頬と、リトによって徹底的に愛でられ、赤く充満した自らの肢体だ。そしてその背後には、同じく全裸で、野性的な熱を帯びた瞳で自分を見つめる兄の姿がある。
リトがバスタオルを手に取ろうとしたその時、美柑がその手を制し、彼を大きな洗面台の鏡の前へと導いた。
「待って、リト。……鏡、見て? 私たち、こんなにひどい格好だよ」
美柑はリトの前に立ち、鏡越しに彼と視線を合わせた。鏡の中の二人は、日常の「仲の良い兄妹」という仮面を完全に剥ぎ取られ、剥き出しの欲望だけで繋がった一対の雄と雌そのものだった。美柑はリトの手を自分の腰へと導き、鏡に映る自分の秘部を指し示した。
「見て……リトがさっきいっぱい出してくれたから、まだ中から溢れてきちゃう。……ねえ、リト。お風呂の中だけじゃ、足りないよ」
美柑はそう言うと、自ら洗面台の上に腰を掛け、両足を大きく左右へと開いた。冷たい人工大理石の感触が彼女の熱いお尻を刺激し、美柑は小さく身震いする。鏡には、リトの目の前で無防備に晒された彼女の最奥と、そこからトロリと糸を引いて溢れ出す白濁の雫が鮮明に映し出されていた。
「美柑……、お前は本当に……」
「リトだって、まだこんなに元気じゃない。……鏡の前で、私がリトにどんな顔で犯されてるのか、ちゃんと見せて?」
美柑の言葉が引き金となり、リトは再び猛り狂う自らの「象徴」を、鏡に映る彼女の割れ目へと押し当てた。脱衣所の明るい蛍光灯の下、隠しようのない現実として、二人の結合が始まろうとしている。リトは美柑の細い腰を掴み、背後からではなく、彼女と向き合ったまま、鏡に映る自分たちの姿を確認しながら、ゆっくりと腰を沈めた。
「あ……んっ、あぁぁぁぁっ!!」
美柑の叫びが、脱衣所のタイル壁に反響する。浴室のような反響はないが、その分、肉と肉がぶつかり合う「ピチャッ」という生々しい水音が、静かな夜の家の中に響き渡った。鏡の中では、リトの逞しい腰が動くたびに、美柑の未成熟な身体が翻弄され、彼女の小さな胸が激しく揺れている。
「リト……すごい、鏡で見ると……本当に入ってるのが、全部見えちゃう……っ! 私、リトに、こんなに奥まで……っ!」
美柑は自分の姿に陶酔するように、鏡の中の自分と視線を合わせ、舌を出して艶然と微笑んだ。リトもまた、鏡越しに見える美柑の蕩けた表情と、自分のモノを呑み込んで波打つ彼女の腹部に、理性を焼き切られるような興奮を覚えた。
二人は脱衣所の鏡の前で、何度も、何度も、角度を変えて重なり合った。洗面台に手をつき、四つん這いになった美柑の後ろから、リトが獣のように腰を叩きつける。鏡には、突き上げられるたびによだれを垂らし、白目を剥きかける美柑の顔が映り、それがさらにリトの征服欲を煽った。
ようやく脱衣所での絶頂を終えたが、二人の足取りは寝室へとは向かわなかった。
「……リト、次はあっち」
美柑はリトの手を引き、全裸のまま廊下へと這い出した。
冷たいフローリングの廊下。そこは家族が毎日通り、朝には「おはよう」と声を掛け合う場所だ。しかし今、そこは美柑が這いずるたびに彼女の体内から溢れる愛液と、リトの先走りが滴り、点々と「愛の痕跡」が刻まれる道となっていた。
二人はリビングの中央、いつも食事を摂るテーブルの横で再び重なった。カーペットの上に押し倒された美柑は、リトの首にしがみつき、居間の時計が時を刻む音を聞きながら、静かな夜を切り裂くような嬌声を上げた。
「リト……ここ、いつもお喋りしてるところだよ……。そこで、こんなに激しくされて……私、もう普通の妹に戻れないよ……っ!」
「戻らなくていい……。美柑は、俺だけの……『ソープ・ド・ミカン』の、最高の泡姫なんだから」
リトの言葉に、美柑は狂喜し、自分から腰を振り上げてリトを誘った。
キッチン、階段の踊り場、そして二人の部屋へと続く廊下。
美柑は行く先々で、自分の体温と匂い、そしてリトから授かった種の残りを塗り付けていった。それはまるで、結城家という空間すべてを自分たちの色で塗り潰し、外界から遮断された二人だけの王国を作り上げるためのマーキングのようだった。
深夜二時。ようやく辿り着いた美柑の部屋で、二人は最後の一滴を絞り出すように重なり合った。
勉強机、お気に入りのぬいぐるみ、学校の教科書。
日常の象徴に囲まれた場所で、美柑はリトのすべてを再び子宮へと受け入れ、今日一番の深い絶頂の海へと沈んでいった。
「あ……あぁ……っ、リト……全部、終わっちゃったね……」
窓の外では、夜明け前の静寂が彩南町を包んでいる。
美柑はリトの腕の中で、汗ばんだ身体を寄せ合いながら、満足げに微笑んだ。
家中の至る所に、二人が愛し合った証が残っている。明日、掃除をする時には、その一つひとつを思い出しながら、また一人で疼いてしまうのだろう。
「リト、お疲れ様。……『ソープ・ド・ミカン』、楽しかった?」
「ああ……最高だったよ、美柑。……でも、掃除が大変そうだな」
「ふふ、いいの。それも全部、リトとの思い出なんだから」
美柑はリトの胸元に顔を埋め、心地よい眠りへと誘われていく。
一晩中繰り返された「ソープごっこ」の果てに、二人は肉体も精神も、そして彼らが住まう空間そのものも、分かちがたく一つに結びついていた。
結城家の夜は明ける。
けれど、塗り潰された愛の痕跡は、目に見えない香りと熱となって、この家の空気の中に永遠に溶け込んでいく。
二人の「秘密の営業」は、またいつか、この扉が閉ざされた瞬間に、さらに激しく、さらに淫らに再開されることを約束されていた。