【ToLOVEる外伝】リトと美柑の秘められた日常 ―禁断の果実を食む兄妹― 作:芝刈り山
旅館の消灯時間は、子供たちの不満げな声を置き去りにして非情に訪れた。部屋の明かりが消え、幸恵や真美のひそひそ話も、やがて規則的な寝息へと変わっていく。
窓の外からは、京都の夜特有のしっとりとした静寂が忍び込み、部屋の隅にあるクローゼットの影を濃くしていた。その暗闇の奥深く、ボストンバッグの底には、リトの精液で汚した「あのパンツ」が眠っている。
美柑は布団の中で、仰向けのまま天井を見つめていた。
(リト……今、何してるの?)
昼間のバスや新幹線の喧騒、そして大浴場での養護教諭による執拗な洗体。それらの刺激が、静まり返った暗闇の中で増幅され、美柑の身体を内側からじりじりと焦がし始めていた。
脱衣所に自分のパンツを忘れてきたことなど、今の美柑の意識には微塵も存在しない。ただ、今日一日の間、自分を支配し続けていた「リトへの執着」を、この夜にぶつけることだけが、彼女に残された唯一の救いだった。
美柑は、そっと自分の指先を唇に当てた。
養護教諭の柔らかな手つきは、確かに快楽を呼び覚ました。けれど、それはリトの不器用で熱い接触とは、決定的に何かが違っていた。
「……んっ」
美柑は横向きになり、膝を丸めた。
浴衣の裾を捲り上げ、新しく履き替えたばかりの真っ白なパンツのゴムに指をかける。先ほどまで教諭に丁寧に洗われ、清潔になったはずの場所は、リトとの行為を思い出すだけで、すでに蜜を滴らせ、布地を熱く濡らしていた。
(リト……。リトに、もっと、めちゃくちゃにされたかった……)
美柑は目を閉じ、自宅のベッドでリトに組み敷かれた時の光景を鮮明に描き出した。
リトの大きな掌が、自分の白い胸を乱暴に、けれど慈しむように掴み、揉みしだく。その指先が、自分の奥深くへと侵入し、熱い白濁が、内側にじゅわっと広がるあの瞬間。
彼女の指が、秘部の最も敏感な突起を捉えた。
「はぁ、っ、ふ、あ……リト……っ」
美柑は歯を食いしばり、声を殺した。
すぐ隣では友人が眠っている。この静寂の中で、指先が奏でる湿った音を、誰にも聞かれてはならない。その背徳感が、美柑の心臓を激しく打ち鳴らし、感度を極限まで跳ね上げた。
指先を、教諭がしたようにゆっくりと、けれどリトを想いながら激しく動かす。
自分の身体を、自分自身で汚していく快感。
美柑は脳内で、リトが自分を激しく突き上げ、何度も「美柑、好きだ」と囁く声を再生し続けた。
(リト……リトの色に染めて……。私を、真っ白にして……)
指が蜜をかき回し、粘り気のある音が布団の中で密やかに響く。
美柑の腰は、布団の上で小さく痙攣するように跳ねた。
リトとの性交の記憶が、熱い奔流となって彼女の全身を駆け巡る。
彼女は反対の手で、自分の胸を強く握りしめた。
教諭に触れられた場所。そこを、リトの記憶で上書きするように。
「ふ、あ、ああっ……! リト、リト……!」
絶頂の波が、音もなく美柑を襲った。
彼女は敷布団を爪が食い込むほど強く掴み、全身を強張らせた。内側から溢れ出す熱い愛液が、新調したばかりの真っ白なパンツをぐっしょりと汚していく。
深い余韻の中で、美柑は荒い呼吸を整えた。
瞼の裏には、いつまでもリトの困ったような笑顔が焼き付いている。
(これで、今夜は眠れるわ……)
美柑は、濡れた下着の不快感さえも愛おしく感じながら、重たくなったまぶたを閉じた。
ただ、リトという名の毒に冒され、白く汚され続けること。
それだけが、修学旅行の夜、彼女を深い眠りへと誘う唯一の安らぎだった。
美柑は、自分の中から溢れた熱い雫が冷えていくのを感じながら、独り、リトとの夢の世界へと沈んでいった。