魔王と勇者の物語~飢えた忌み子に命を分け与えたら、暴君女帝に育ってしまった~ 作:猫屋敷てん
北の果てよりアレクが帰還し、暫しの時が経っていた。
女帝フレイヤは最愛の人の帰還に歓喜して、そこから雌豚宣言となかなかに飛躍したのは間違いない。
その間多くのことが起きた。帝国は激変の時を迎えたと言えるだろう。
しかしながら、二人の関係が変わることはない。
「んっ……じゅぅ、んぷ、ちゅむ、じゅるるるるッ……♡」
今日もまた、寝室に卑猥な水音が響き渡っていた。
アレクはベッドに仰向けになり、その股間には世界で一番偉くて美しい女帝が顔を埋めている。
「ぷはっ……♡ すごい……今日も元気いっぱいじゃのう、アレク」
「フレイヤが元気にさせてるんだろ」
「ふふふ♡」
息継ぎをするようにフレイヤが顔を上げ、淫らに微笑む。
その口元は唾液で濡れ、銀色の糸を引いていた。
目の前には、アレクの勃起したちんぽ。十年の歳月と魔境での生活により鍛え上げられたそれは、もはや凶器と呼べるほどのサイズと血管の浮き具合を誇っている。
「そなたの、おちんぽ♡ ……大好きじゃ♡」
フレイヤはその巨根へ愛おしそうに頬ずりし、まるで恋人にするようなキスを浴びせる。そして自身の自慢の巨乳で、愛おし気に挟み込んだ。
むにゅん、と豊満な肉がアレクのちんぽを包み込む。
だが推定Jカップとも呼ばれるフレイヤの巨乳をもってしても、アレクのモノは隠しきれない。
柔らかい谷間から、赤黒く充血した亀頭が、まるで山の頂のように堂々と突き出しているのだ。
「ふふ、わらわの乳でも包み込めぬとは……本当に規格外な男じゃな♡」
「まあこれもフレイヤを十年求め続けた成果と言えるかな」
「まったく。これでも乳の大きさは自慢じゃったのじゃがな♡」
フレイヤは胸で竿の部分を圧迫し、しごき上げながら、露出した亀頭へと熱い舌を伸ばした。
「じゃが、だからこそ……食べ甲斐があるというものじゃ♡ ――ん、じゅぷぉ♡♡」
フレイヤが再び食らいついた。
胸で竿を刺激し、口で先端を攻め立てる。最強の複合責めだ。
「っ、くぅ……! フレイヤ、舌が……!」
「んむ、んっ、じゅるっ、じゅぼぼぼぼぼッ♡♡♡」
フレイヤは夢中だった。
アレクの亀頭を口内に収め、舌先で鈴口を執拗に転がす。さらに頬を限界まで窄め、かつて人の命を啜っていたその吸引力で、アレクの精を吸い上げにかかる。
頭を激しく前後させるたびに、長い銀髪が揺れ、そして胸に挟まれた竿が擦れてびくびくと震えていた。
「んんーっ!!♡ んっ、んぐっ、じゅぷッ♡」
上目遣いでアレクを見る瞳は、完全にとろけていた。
愛する男に奉仕する喜び。その雄々しい味を独占できる優越感。
アレクの体がビクッと跳ねるたびに、フレイヤは喉を鳴らして喜んだ。
「だ、す……! 出るぞ、フレイヤ!」
「んんッ!」
その言葉にフレイヤはアレクのものをさらに深く、喉の奥まで突き入れさせた。己の巨乳に顔を埋めながら、全身を以てアレクのちんぽを包み込む肉オナホになる。
そしてアレクの限界がきた。
――ドビュルルルルルルルルルッ♡♡♡
アレクの限界と同時に、放たれる大量の白濁液。濃厚で雌を孕ませることしか考えていないような雄ザーメンが、フレイヤの口内を蹂躙した。
勢いのままにフレイヤの喉奥を直撃し、強引に食道へと流し込まれていく。
「んぐッ!? んっ、ごきゅ、んく、ごくッ……♡♡
フレイヤは白目を剥きかけながらも、一滴も漏らすまいと喉を動かした。
熱い。濃い。アレクの命の味がする。
長い射精が終わる頃には、フレイヤのお腹はたっぷりと満たされていた。
「ぷはぁ……♡」
口を離すと、ポンッという音と共に、唾液まみれの亀頭が現れる。
フレイヤは口元を拭い、満足げに笑った。
「ごちそうさまじゃ♡ ……ふふ、今日も濃かったのう」
「はぁ……はぁ……。お前、本当に好きだな……。そんな美味しいものじゃないだろ」
「何を言う。これほど美味なものはない。そなたの命が詰まった種じゃぞ♡ 何よりも美味で、わらわの活力となるものじゃ」
そう言いながらフレイヤはアレクの胸板に倒れ込み、甘えるように頬を擦り付けた。
その顔は、ただの恋する乙女そのものだ。
「のう、アレク」
「……なんだ?」
「幸せじゃのう」
その言葉に嘘偽りはなかった。
アレクがいて、自分がいる。アレク以外の全てを失ったとしても、この温もりさえあれば何もいらない。
「そなたがいて……こんな日々が、ずっと続けばよいのにな」
「……そうだな」
アレクはフレイヤの頭を優しく撫でた。
それが二人の平和な日常である。
◇
神聖ドラグノフ帝国は、大きな変革を遂げていた。
その最たるは、最悪の女帝フレイヤ・フォン・ローゼンブルグの改心だろう。
命を吸う最悪の女帝は、愛する不死の勇者との再会により人を食う必要がなくなった。そして徹底的に躾けられ、反省させられ、良き皇帝になることを誓った。
フレイヤにはアレクさえいればいい。それ以外の何も必要ないから、民のための政治ができる。
そして国の中枢にいる者たちは全員フレイヤを恐れているため、汚職など一切なく、全力でフレイヤの願いを叶えようとした。
さらにフレイヤは呪いにより、美形や若者、そして
それを頼りに有能かつ最適な官僚を見つけては仕事を振る。
フレイヤ自身は優秀な人間ではないが、人を見抜いて適材適所で人に任せる力はあり、あとはその恐怖で生み出したカリスマを以て君臨するだけで、帝国政治は上手く回っていた。
「も、申し訳ございません、陛下!」
そんな日々の中で、帝城の執務室では悲鳴に似た謝罪の言葉が響く。
絨毯の上に頭をこすりつけるのは、帝国に仕える官僚の一人であった。冷や汗を全身から流しながら、涙ながらに謝罪する姿は哀れにも見えるだろう。
それを頬杖をついて見つめ、ふぅとフレイヤは息を吐く。
「して、詳細を述べよ。いつまでも泣きわめいてばかりいては、話も理解できぬわ」
「も、申し訳ございません陛下ッ! 先日お渡しした資料ですが一部誤りがあり、もう一度正しい資料をご確認の上でご署名いただければと!」
それは無能を晒した上で、女帝の大切な時間を無駄にしたということ。
間違いなく処刑一択。次の瞬間命を吸い取られてミイラと化すだろう。官僚の震えは、死への恐怖だ。
「……資料の誤り、か」
フレイヤが低く、重厚な声を出す。
官僚は「ひぃっ」と短い悲鳴を上げ、さらに深く頭を下げた。もはや心臓が止まるのを待つばかりといった有様だ。
「ならば――さっさと正しい資料をよこせ。わらわの時間は無限ではないのじゃ。二度手間をさせるな」
「…………え?」
官僚が、間の抜けた声を上げた。
吸い取られるはずの命が、まだ自分の中に残っている。ミイラになることも、首が飛ぶこともなく、ただ「早くしろ」と命じられただけ。その事実が脳内で処理できず、彼は呆然と顔を上げた。
「なんじゃその顔は。わらわの言葉が聞こえなかったのか? 正しいものを、今すぐ持ってくるのじゃ。それとも……本当に命が惜しくないのか?」
「い、いえ! 滅相もございません! すぐに、正しい資料をお持ちいたします!」
官僚は弾かれたように立ち上がると、転ぶようにして執務室を飛び出していった。
静まり返った室内には、フレイヤの呆れたような溜息だけが残る。
「……全く」
フレイヤはつまらなそうにネイルの施された爪を眺めた。
その様子を遠巻きに見ていた官僚や侍女たちの間には、言葉にならない衝撃が走っていた。
女帝フレイヤが、許した。それはあまりに大きな事実である。
彼らが知るフレイヤ・フォン・ローゼンブルグは、慈悲などという言葉とは無縁の怪物だった。
だが今の彼女からは、かつての女帝の影は見えない。
(アレク様だ……。あのお方が、この化物を変えたのだ)
周囲の者達は、この場にいない一人の男の影を全員が幻視していた。
最悪の女帝を徹底的にわからせ、その魂に上下関係を刻み込んだ勇者。
アレクが与えた教えが、帝国の凍てついた時を溶かし始めている。
「……アレロナ、次の書類を。わらわの時間は貴重なもの。少しでも早く仕事を終わらせるぞ」
「は、はっ! しょ、承知いたしました!」
未だ変容したフレイヤを受け止められない侍女のアレロナは、少し呆然とするがすぐに動き出す。
その姿を見ながら、フレイヤは脳裏に今夜の予定を思い浮かべていた。
「んふ……すぐに終わらせて、アレクと……」
少しだけ頬を染め、恥ずかしそうに呟くフレイヤ。
その恋する乙女のような仕草に、周囲は再び戦慄する。
だが確かに女帝は、恋によって変わったのだと全員が理解した。
一時的な変容ではなく、根本から良き皇帝になった。
それを成した勇者へ誰もが敬意を表しながら、明るい未来を幻視していた。