夜一人。瞬光は自室で日記の頁を捲っている。
「覚えてる」
頁を捲る。
「覚えてない」
頁を捲る。
「覚えてる」
頁を捲る。
「覚えてない」
青溟剣の力のせいで記憶が少しづつ朧気になってきている。その事を理解してはいるものの、その恐怖には向き合うまでには時間がかかる。1番の恐怖は最愛のアキラとの記憶も思い出せなくなっているものが幾つか出てきた。
瞬光にとってただそれだけ、ただそれだけは忘れたくない他のどんな思い出よりも忘れたくない思い出だった。
「っ……っっ……ぐすっ……アキラぁ……」
忘れたくないその一心で、アキラへ自分の思いを伝えた時の事は今でも昨日の事のように覚えている。
その時の胸の高鳴りも。自分の仕草も。
その時のアキラの表情も。答えも。
受け入れてくれた事を今でも忘れていない。
「…アキラぁ……っ…アキラぁぁ…!」
だが、この弱い自分だけは未だに打ち明けられていない。
「…………」
そして、夜な夜な啜り泣く幼気な少女の声を、扉越しに師匠たる儀玄は聞き流す事しか出来なかった。
・・・・・・*
「
「え?はい。師匠」
翌日、福福監視の元行われていた修行中。アキラは突然儀玄に呼び出された。呼び出した儀玄の顔に少し影があるように見える。弟子呼びじゃない事にアキラは身構えつつも儀玄の後について行く。
「福福。リンと瞬光を頼むぞ」
「はいっ!お師匠様!さぁ、続けますよ二人ともっ!」
「は〜い!」
「は〜い!」
儀玄とアキラは年相応の笑顔を作る瞬光を見ると頬を緩めた。
・・・・・・*
「それで師匠、お話とは?」
「瞬光とは、上手くいっているか?アキラ」
「っ!?」
お互いに隠そうと決めていた事がいきなり突き出された。そして、アキラが慌てふためいて手足を変に動かすと儀玄は手を口に当てて上品に笑う。
「ああぁ、あの儀玄さん!それは…!その…!」
「ふふっ、いいんだ。咎めるつもりは無い。むしろ感謝しているぐらいだ」
「え?どういう事ですか?」
「あの子はいつも受け止め過ぎる。だから、それを抑えこめる人が私以外に居る事が嬉しいんだ。これからもよろしく頼むよ。アキラ」
儀玄の笑顔を見ると、アキラは安堵した。これから「私の大切な弟子によくも手を出してくれたな?」とシバキあげられる訳ではないらしい。
「でだ。私が言いたいのは一つだ」
「はい…なんでしょう…?」
「あの子のワガママに付き合ってやって欲しい」
「え?」
「普通の事でも、突飛な事でも、あの子があの子で居られるならそれに付き合ってやって欲しい。その時は私も黙認しよう」
「儀玄さん。どうしてそんな事を?」
「私は、君達の師匠だ。君達へ教えるのが私の仕事。そして、君達はそれを移す鏡になって欲しい。だが、青溟剣の力は異常だ。私はそれを封印する事しか出来なかった。それを受け入れろと、瞬光に伝える事しか出来ない。瞬光を支えてやる事はお前さんにしか出来ない」
自分には成すことの出来ない事だ。と、儀玄は困ったような笑顔を浮かべる。
「儀玄さん…」
「だから、頼む。あの子のワガママはなるべく聞いてやってくれ。あの子が少しでも長くあの子で居られるように」
「はい。もちろんです。師匠」
互いに笑顔で頷くと、安心したように儀玄は柱へ身を預けた。
「でも、師匠。どうしていきなりこんな話を?」
「いやなに、私にも思う所があるだけだ。師であるからこそ弟子にあーだこーだ口出しはしたくない。それに、歳の近いお前さん達に話している方が好都合だからだ」
「そうですか。分かりました。瞬光の事は、僕とリンに任せてください」
「たわけ。そこは『僕に任せてください』。だろう?」
「あはは…まだ自信はないよ。僕は瞬光ほど強くないからね」
「それでいい。一緒に強くなろうとしなくていい。寄り添って欲しいだけだ」
その時の儀玄の笑顔はどこか儚げだった。
・・・・・・*
「……ふぅ」
「あ、アキラ戻ってきた!」
「瞬光。修行は終わりかい?」
「うん、今日はもう個人練習。それで、師匠となんの話だったの?」
「え…あ〜…それは…」
瞬光と付き合ってる事がバレて、ワガママに付き合ってくれと頼まれた。と言おうとしたが、何となく儀玄の言い方が引っかかり、言い淀んだ。
「……もしかして、浮気?」
「まさか、師匠である人に恋愛感情は抱かないよ」
「……なら、姉弟子にも?」
「僕は、姉弟子よりも『瞬光』が好きだよ」
その一言に、瞬光は尻尾を子犬のように揺らして飛び跳ね、抱き着いてきた。
「うん!うん!ワタシも、アキラが好き!」
「うん。ありがとう瞬光。僕も君が好きだ」
抱き締め返すアキラの顔は瞬光からは見えない。だから、少し難しい顔をした。青溟剣の力を理解はしている。その強大な力には代償がある。今こうして瞬光が笑顔で居られるのも。どのくらいかは分からない。壊れ物を抱く様に加減していた腕の力が少しだけ強まった。
「アキラ」
「なんだい?」
「あのね。今日…ワタシからも話があるの。だから…その…夜にわたしの部屋に来て欲しいんだけど…いい?」
「あぁ、わかった。夜だね」
「うん。ありがとうアキラ」
瞬光が自分の名前を呼ぶ時。必ずハッキリと伝えてくれる。それはどんな時もそうだった。まるで、自分の中に忘れないように、刻み込む様に、ハッキリとアキラの名前を呼んでいた。
・・・・・・*
その日の夜。言われた時間の通りに瞬光の部屋の前までやって来た。今日は何故か大事な話をよくされる日だとアキラは小さいため息を吐いて、部屋の扉をノックする。
「瞬光。入ってもいいかな?」
『入ってどうぞ』
扉を開けて部屋へ入るともう寝巻きに着替えた瞬光が居た。少し恥ずかしそうに髪を整えてアキラの前に立つ。
「ごめんなさいアキラ。こんな時間に呼び出しちゃって」
「いいさ構わないよ。瞬光の頼みだからね。それで話っていうのは?」
「ぁ……うん…あのね」
早速本題を持ちかけるとさっきまで小さく動いていた瞬光のシリオンたる部分がしゅんと縮こまったように見えた。そして、日記を取り出して頁を開いた。
「怒らないで聞いて欲しいの。それに、ワタシはアキラに謝らないといけないの」
「どういう事だい?」
「最近、この日記に書いてある事が思い出せなくなってきているの」
「っ!?それは…」
青溟剣の力のせいかも。と瞬光は小さく呟いた。開いた頁を慈しむように撫でて瞬光は力無く小さい声でアキラへ謝罪した。途端に見ていられないと日記を閉じて胸に抱える。
「……変だよね。ワタシちゃんと頑張ろうって思ったのに…こわな…。やっぱりワタシはまだ弱いんだ。青溟剣を受け入れる覚悟はしたのに、こんな事をまだ怖がってる…」
瞬光の声が震え始めた。そして、ようやくここでアキラは儀玄の言っていた事に気づく。
「瞬光…」
「でも…大丈夫、大丈夫だから!ワタシもっともっと、強くなって皆を守れる凄い剣士になるから!今日はこれを伝えたかったの!ありがとうアキラ、もう自分の部屋に帰って───」
そうして、悲しみを背負った背中を向けた瞬光をアキラは後ろから抱き寄せた。
「ぁ…アキ…ラ?」
「強がらなくていい。僕は瞬光にそんな苦しい思いをして欲しくない。僕にできることなら何でもやる。君が忘れてしまったことをもう一度再現してもいい。君が君で居られるなら僕は…!」
「………」
抱き締めてくれた腕が暖かい。瞬光を離さんとありったけの力を込めて抱き締めている。しかし、瞬光はここで少しでもアキラの言葉に耳を傾けたら、強い自分へは戻れなくなりそうな気がした。
「だ…だめ…アキラ…」
「ダメじゃない!僕は瞬光が!君が一番大切なんだ!」
「っ…!!」
無理やり身体を振り向かせ、目をしっかりを見据える。そこに居たのは真剣な眼差しの最愛の人。これから何を言ってもきっと受け入れてくれる。けれど、その優しさに甘えてしまったら、きっともうこの人無しでは生きられない。
それでも、この人なら。
幾つも零した記憶の欠片すらも集めてくれるかもしれない。
流れてゆく日々の中で自分の声だけを探し出してくれる事が出来るのかもしれない。
そう思うと、両手では足りない程の思いが瞬光の瞳から溢れてきた。
「瞬光…」
「っ…ひっ…ぐずっ…アキラぁ……」
「あぁ、僕だ。僕はここにいるよ。瞬光」
「ひっ…っ…うぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!」
いつか『その日』が訪れたとしても、枯れ果てたこの涙が冷たくなって地面に乾いたとしても、この人なら、アタシをアタシとして支えてくれるのかもしれない。まだ総て何もかも憶測の域を出ない。でも今のアキラにはそう確信させてくれる信頼と愛が瞬光には感じられた。
・・・・・・*
「落ち着いたかい?」
「ぐすっ…うんっ、ごめんね。泣き出しちゃって」
一頻り泣いた後、二人はベッドに座り向き合っていた。互いに片手を握り合い、アキラは瞬光の頭を撫でている。
「わたし…もうアキラがいないと生きていけないよ」
「そう言われるとなんだか弱るな。僕は君ほど強くないからね」
「ううん。アキラは十分に強いよ。アタシ、こんなに安心してるんだもん」
「そっか…それはよかった。実は師匠との話も。君の事なんだ」
「え?ワタシの事?」
「うん。師匠からも君の事を任されてしまってね。青溟剣の力の事も理解した上で君と過ごして欲しいって」
「そっか。お師匠様…そんな事を…」
「君のワガママにも出来るだけ付き合って欲しいって言われたんだ」
「ワガママって…もぅ〜お師匠様ってば、ワタシの事まだ子供扱いしてる〜」
「師匠にとっては僕らはまだ子供だよ」
撫でる手は止まらずに、瞬光はアキラへ身を預けた。
「瞬光?」
「なら、ワガママ…付き合ってよ。アキラ」
「あぁ、もちろん。何でもするさ」
アキラが頷くと、瞬光は握っていた手を離してアキラの首に腕を回す。そして、そのまま溶け合うように互いの唇を合わせた。
「っは……いいのかい?瞬光」
「うん。ワタシに刻んでアキラ。ずっと頭から離れないように脳裏にも体にも」
「あぁ、わかった」
そこから、重力に誘われるように二人はベッドへ落ちてゆく。食むようなキスを幾度か続けると、アキラが少し強引に舌を入れてきた。
「んんっ!?……んっ……んん…」
あやされるように口の中を舌が這い回る。アキラに回した瞬光の腕がいつの間にかアキラの体へ降りていた。舌を這わせる度に瞬光の体が跳ねて、くねり、妖しく男を誘う女が出来上がっていく。
「ふぁ…っ…アキラぁ……ぁむ…っ…んんんっ…!」
目の前にいる雄が自分をこれでもかと求めながらキスを落としてくる。そうすると段々と体に熱が篭もり口から出る吐息が熱くなる。人肌が触れる生温さが寂しかった瞬光を程よく包んでくれた。
「はぁっ…!んっ…!ぁ……そこ…そんなっ……!」
口の周りが涎だらけになる程のキスを終えると今度のキスは首筋にやってきた。滑らかな肌を堪能するように吸われ、男性たる大きな手は瞬光の胸へ向かっている。
「やっぱり大きいね。瞬光の胸は」
「やだぁ……はずかしいから言わないでよぉ…」
「こんなに魅力的な恋人が出来て幸せだよ。僕は」
「え…へへへ…そ〜ぉ?なら…嬉しいかも…えへへ」
恥ずかしさのあまり顔を手で覆ってしまったが、ニヤける口はその隙間からちゃんと見て取れる。服を捲ってその胸を顕にすると捲った抵抗で何とも瑞々しい弾力の揺れ方をした。アキラはその光景に喉を鳴らして、指を沈める。
「あぁっ…アキラがぁ…ワタシのむねを、さわってぇ…るぅ…!」
手に吸い付くような肌の感触に柔らかさ。少しでも気を抜くと我を忘れてしまいそうな程に夢中になってしまう。しかも、まだキスしかしていないのに胸の先端が分かりやすいほどに立っている。見れば見るほどに綺麗な桃色で何とも甘そうに見えて仕方ない。だから、アキラはついその先端を口に含んでしまう。
「ひゃぅ!ぁ、アキラ…っ!?そこはまだ、ダ、メっ…ひぅっ!」
片方を口で弄び、片方を摘んで弄ぶ。この目の前の絶景を目にして待ってなんて言うほうが無理だ。瞬光の胸は先端の方がより敏感だ。アキラもそれは分かっている。だから瞬光はそういう風に弄られるのが好きらしい。
「ひぁっ…ぁ…んっ…っぅぅ…!あぁんっ…!」
吸って、舐めて、食んで、摘んで、転がして、とめどなくやってくる快感に瞬光は悶えている。甘い声を聞く度にアキラの体にもしっかりと熱が篭もり出す。
「んぅっ…!ァ、アキラぁぁ…も、だ、めぇぇ…ワタシ……っ…ちゃぅぅ…!」
「いいんだ。瞬光。そのまま身を任せていい。ほら」
「ひぃぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっっ!!!」
アキラが瞬光の胸の両端を押し潰すように摘むと、途端に瞬光はときめいた声を上げながら体が反り返るほどの快感に襲われた。自分でも信じられないと、高鳴る胸を抑えながらアキラを見やると『これでここのイキ方は覚えたね?』と頭を撫でられる。瞬光はそれにゆっくりとだが何回も頷いた。
「なら、こっちだね」
「え、やっ、まっ、て、まだ…直接見られるのは恥ずかし……あぁぁんっ!」
アキラの手が瞬光の1番乙女の部分に触れた。散々弄り倒された後なので少し触っただけでアキラの手にはべっとりと愛液が付いている。それを見せられた瞬光は恥ずかしさのあまり顔から湯気が出そうになる。
「んっ…ふっ…っ…はぁっ、ぁぁぁぁ…」
まだ入口をゆっくり撫でられているだけなのに瞬光の腰がアキラの撫でる手に合わせて擦り合わせるように上下に動いてしまう。じんわりとした優しい快感。はしたない動きをしているのは分かっているが、体がどうも抗えない。シリオンとしての本能の部分が剥き出しになっているような感覚だ。
「んんっ…はぁ…アソコなでなでされるのぉ…っ…すきぃ…。ふわふわになって…ぇ…あんしんするぅ…」
「そうかい?でも、僕もそろそろ構って欲しいな?」
「ん…がん…ばる…」
瞬光が蕩けた瞳で頷くと、アキラは自分のズボンを下ろす。ずるりと出てきたソレは瞬光の顔に当てられた。
「ぁ……ふふっ…おっきくなってる……アキラのえっち」
「今の君を見てこうならない訳ないさ。お願い出来る?」
「ん…わかった…」
瞬光は顔に当てられたソレを手で撫でながら、睾丸の袋へキスを落とす。煮えたぎるように大きくなった睾丸を丹念に舐めていく。アキラはこれが好き。瞬光もこれが好き。それは二人とも覚えている。
「ん〜ふふっ…おっきくて、かたくてぇ、あついねぇ。アキラ」
「っ…あぁ、日に日に上手くなっているよ。瞬光」
「ほんとぉ?えへへ…うれしい……はぁむ…」
「っ…!」
今度は睾丸を口に含んで舌で弄ぶ。精液を作れと促すようにぐりんぐりんと口の中で舐め回す。竿を優しく撫でて、最後に睾丸に軽く吸い付くキスを落とした。
「びくびくしてる……辛くない?アキラ…」
「いやっ……もう結構限界かも…」
「ん…いいよ…キて…アキラ…ワタシのナカに……」
アキラはソレを瞬光の入口に当てて、ゆっくりと押し込んだ。いやらしい粘着質な水の音と共に瞬光のナカを掻き分けてアキラが入ってくる。
「は…ぁ…ぁぁぁぁぁ…」
つい漏れてしまう惚けた声が部屋に響く。相変わらずアキラを容赦なく締め付けてくる瞬光のナカに悶えながらも繋がった感触を噛み締めるように互いに見つめ合う。体勢を少しでも動かそうものならすぐにでも射精してしまいそうな程に心地よい快感がアキラを包む。
「入っ…てる…アキラがここに……えへへ…」
愛おしそうに下腹部を撫でる瞬光の色気にあてられて、アキラも辛抱するのが耐えられなくなった。
「瞬光…っ、いいかな?」
「うんっ…いい、よ…好きって…して。アキラ」
瞬光が両腕を広げると、アキラは目の色を変えて腰を打ち付けた。
「っ!」
「んぁぁっ!?」
何度も、何度も、激しく子宮をノックする。しっかりと互いを見つめ合いながら、互いの体に刻んでいく。ベッドが軋む。瞬光が喘ぎ揺れる。少女とは思えぬ女性的な体を支配しているという幸福感。そしてその少女は自分を必死に求めている。これで興奮しない男がどこにいるだろうか。
「んぁっ!ふぁっ!アキ、ラぁ!アキラぁ…んむっ!」
名を呼ばれ、耐えきれず一度目の射精。被せるように瞬光と上の口と下の口を合わせてしっかりと奥まで注ぎ込む。
「んっ……んんっ……ん…」
どくん。どくん。脈打つソレは瞬光のナカをしっかりと白濁に染め上げる。
「っぷぁ…!はぁ…はぁ…んふふ…いっぱい射精されちゃった……アキラのケダモノ……」
「瞬光…あまり煽らないで欲しい。一度や二度では済まなくなる」
落ち着いたかと思ったアキラのソレは瞬光のナカで再び力強さを取り戻した。瞬光は一瞬驚くもアキラへ視線を向けて『えっち』と吐息混じりに囁く。
「っ!どうなっても知らないよ!」
「ひゃぁんっ!」
ぐるり、と瞬光の体勢がうつ伏せに変えられた。
「ア、アキラ?」
「しっかりと刻んであげるよ。瞬光。君の事が好きだってね」
「うんっ…うんっ…!教えて…好きって…教えて…」
瞬光は四つん這いになり、誘うように腰を横に振り出した。宛ら、発情したメスの動物。アキラは辛抱たまらんと勢い任せに瞬光へ飛び付いた。
「ん゛ぉ゛ッ!?」
シリオンの証である尻尾を鷲掴みにしてまるで手綱のように引きながら腰を打ち付ける。瞬光の事など考えていない自分勝手な腰振りを瞬光は獣のような声を上げて受け入れる。
「ぉ゛お゛ッ…!す…ごっ…!アキラのぉ゛…さっきよりもぉ…硬くなっ…でぇ…!ん゛ぉ゛おッッ!」
肉と肉が弾けるように当たる音。部屋から漏れているなんて気にしない程にお互いに我を忘れて、腰を動かして、喘ぐ。
アキラが打ち付ける度に、瞬光の頭の中に軽い火花が弾けるような感覚。全身が性器にでもなったように流れ込んでくる快感。勝手に出てしまう野太い喘ぎ声。
「さ、さっぎより゛お゛ぐっ、届いて゛るっ…ぅぅ…!お゛お゛お゛ッ!!」
忘れられないほどに刻まれる。
快感という記憶。二人の時間という記憶。
本能として訴えかけるこの行為にはもしかしたら意味があるのかもしれない。そう言い出したのは瞬光の方からだった。自分から懇願し、自分から堕ちていった。実際この行為をしている記憶はまだ無くしていない。だからきっと意味がある気がする。
「っ…!瞬、こうっ…!」
「射精し…てぇ!ぜんぶっ…ワタシのナカにぃぃ…!!」
「ッッ!!」
「お゛お゛ッ!…ッッッッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
瞬光を押し潰すかのような最後の一突き。
ビクビクッ!と、瞬光は背筋を震え上がらせて体の隅々までその快感を味わう。ナカに注がれている間その感覚から下りることが出来ず、潰されたカエルのように伸びていた。
「っはぁ…はぁ…はぁ…瞬光…」
「ァ…キラ…んぅ…」
最後に互いに縋り付くように唇を貪ると、二人はゆっくり重なって床へ付く。
・・・・・・*
「体は大丈夫かい?」
「うん。まだちょっと余韻残ってるけど、大丈夫」
事後、瞬光はアキラの腕の中に収められベッドの上で戯れていた。
「あんなに凄いのされちゃったら、忘れられなくなりそう」
「いいじゃないか。忘れないのならそれで。僕はずっと覚えていて欲しいよ」
「普通のやり方じゃ足りなくなっちゃうかも?」
なんとも、乙女な上目遣い。今日は一段と激しめにしてしまった上、アキラ自身も我を忘れる程夢中になってしまった。これじゃぁ、瞬光の性欲を益々刺激するだけだった。
「その時は頑張ろうかな。僕も瞬光との思い出は何一つ忘れたくないからね」
「えへへ…ワタシも。ずっと、ず〜〜っと覚えてるからね」
・・・・・・*
そうして、捲った日記の頁。
そこにいる瞬光はずっとずっと輝いた笑顔をしていた。
「ふふっ」
見返しているだけでこちらも笑顔になってしまうほどに、皆との思い出は大切な物だ。しかし、気になるのは『幾つか破られたような頁』がある事。それに首を傾げていると儀玄がやって来た。
「瞬光。アキラが来たぞ」
「はい!お師匠様!」
うっかり自室の扉を開けたままにしていた。今日はお出かけの日。師匠の儀玄も一日ぐらい羽を伸ばせと許してくれた。鏡を見て髪を少し整えて待っている人の所へ向かう。
「瞬光。やっと来たね」
「お待たせ、アキラ!早く行きましょう!」
「ちょっ…と、そんなに引っ張らないでくれ。僕は何処にも行かないよ」
「だって今日の事、すっごく楽しみだったんだもん!」
きっと今日は良い一日になる。ずっと忘れられない程の一日に。
「『
そういう瞬光の顔は太陽よりも眩しくて、どんな空よりも澄んでいた。今日はきっと、あの日記の自分のように笑える日になるだろう。瞬光は空を仰いで歩き出した。
「行こう、アキラ!」
「あぁ、行こう。二人で」
これ読み終わった後に、ガンダムOOのフレンズを流してください。いい感じに聞こえます。
いずれは、ヒューゴとビビアンの話も書きたい。