絶頂の余韻に浸っていた櫛田が立ち直ったのか、此方に重心をあずけたままゆっくりと姿勢を直す。物欲しそうな瞳と共に顔を寄せてきたので応じてやると頬を擦り付けて甘えてきた。このままゆったりとした時間を過ごしてもいいのだが、その前に汚してしまった彼女と床周りを掃除しないといけない。
ズボン越しに伝わる冷たい感触は櫛田の信頼の証ではあるが、放置しておくと普通に気分がよろしくないものである。本人も温もりに浸りながらも、腰を揺らして気にした様子を隠せないでいた。
色んな女の子を連れ込んでいるので女性用の下着はあるけど、櫛田のサイズってどんなもんだ?今ある分で代用できるだろうか。なんて考えていると、
「うんっ?」
下半身に昇る擽ったい感覚。目を向けてみると小さな手がいきり立つ逸物をズボン越しに包んでいて、彼女の方を見やれば俺に視線を飛ばしながら後ろ手にぎこちなく撫でてきていた。
「すごく固くなってるけど、柊はしなくていいの……?」
純粋な疑問と紫色の期待が混ざった瞳に、思わず獣欲が滾り肉棒が反応した。櫛田の声は無理をしてるとかではなく、お返しをしたい思いと情欲による好奇心を孕んでいて俺を見てる間も慎重に、しかし止めることなく肉棒を触り続けていた。
その声で言われてしまったら此方としても願ってもないことだ。あんな可愛いらしく艶やかな櫛田を見ていたのだから。
「櫛田がしてくれるか?できるならでいいけど」
「ん、あんなにしてもらって、何もしないのはちょっと嫌だから。それに柊のこと、気持ちよくしてあげたいの」
「それじゃあ……」
彼女のちゃんとした意思に頷いた俺は一旦離れてもらい膝立ちになると、パンツごとズボンを降ろしてモノをさらけだした。いきなり過ぎるかもしれないが、こういうのは勢いが時には必要だ。櫛田も自身がどういうことをするのか漠然とは理解しているだろうし。
「ぅわ……おっき、すご……」
その証拠に彼女は目の前に現れた肉棒を驚きながらも視界に収めていて、視線は俺の顔と下半身を行き来している。慣れてはいないが見れないほどでもない櫛田の様子を観察しながら、もう一度胡坐を作ると先ほどまで触れていた手を優しく引く。
華奢な手を太腿の近くまで誘導して、そこで手を引くのを止めた。
「ゆっくりでいいから、触れるか?」
「うん、気持ちよくしたげる」
前傾姿勢になった櫛田がおっかなびっくりといった様子で手が近づけてきて、指先から少しずつ欲望の塊へ触れていく。
「熱くて、すごく固い……」
熱っぽく呟きながらほっそりとした五本の指が巻き付いてきて、感触を確かめるようにさわさわと動いている。竿を握るというよりかは触れるといった感覚で包んでいて、指がざわめく度に昇る焦れったい快感が気持ちいい。
「櫛田、それすげえ気持ちいい」
「そうなんだ……これだけでいいの?もっとして欲しいこととかあったら言ってよ、お返しだから」
しゅるしゅると指を動かす櫛田がぴくりと反応する肉棒に少し驚きながらも積極的な声で見つめてくる。正直、これだけでも達してしまいそうなほど気持ちいいのだが、彼女がしたいというのなら甘えてしまおう。
「片手はそのままで、空いた方で先端を触ってくれ。力加減は同じくらいに。櫛田からも、色々してくれてもいいぞ」
「色々……」
櫛田は艶のある瞳を向けながら手の動きを止めず考えてくれている。肉棒を這う指は不慣れ故にゆっくり扱いていて、亀頭に触れてきた手は先端だけを包むようにして手のひらで撫でており、甘い快感に竿が跳ねると指先に優しく握られて堪らなく心地いい。
「あ、柊の白いの出てきて……ほんとに気持ちいいんだ」
「勿論。正直に言うと、気持ちよすぎてずっとして欲しいから我慢してる」
「ずっとはちょっとやだけど……気持ち良くできてるのは嬉しいから最後までしてあげる」
先端からこぼれる先走りの所為で手が汚れてしまうというのに櫛田は気にした様子もなく、俺の顔を観察しながら手を動かしてくれる。小さな手の中でぬちぬちと粘液の擦れる音が響いて、潤滑油の役割を果たしているのか痺れるような快感が昇った。
「あぁ……櫛田、そろそろイきそう……」
「ん、じゃあ柊、こっちも触っていいよ。好きなんでしょ、おっぱい」
ふつふつと滾る熱流に限界が近いことを告げれば、彼女がとても魅力的な提案をしてくれた。前傾姿勢のせいで重力に引っ張られている乳肉は、櫛田が強調するように肢体を揺らすとゆさゆさと蠱惑的に弾み目が引き寄せられる。母性の象徴を触りながら達するのは、きっととてつもなく気持ちいいだろう。
それでいて、俺を見つめる櫛田の表情が柔らかく甘えたい包容力を持っていて、遠慮しようなどという考えが遠くに消えてしまう。
「うっ、んんっ、やばい、これもう無理だ」
「いいよ、柊のだそ?ん、いっぱい気持ちよくなってよ」
手のひらと指で柔肉を持ち上げるように包み込むと、極上の柔らかさと暖かさが快感を助長させてきて、まだこうしていたい欲求と獣欲の解放したい欲望が同時に迫ってきた。本能のまま乳肉を揉んでも櫛田は擽ったそうに片目を閉じて受け入れていて、嬉しそうに俺の顔を見つめている。
彼女から与えられる甘く痺れる快楽に導かれて、身体の中の熱の奔流が鈴口から解き放たれた。
「ひゃっ、あ、あつ、すごいどくどくいってる……」
小さな指に包まれる肉棒がどくん、どくん、と脈動してもう一つの手のひらにぶちまけていく。櫛田は驚いた声をあげつつも手を離す様子はなく、むしろ射精を手伝うように手を動かしていて蓄積した欲望が吐き出されていった。
充分すぎる量の白濁液を解き放つと絶頂で強張っていた身体に少しずつ力が抜けていき、肺に溜まった酸素をゆっくりと吐き出す。そして、手のひらにある柔肉を弛く揉みしだいた。
「櫛田、ちょっと残ってるから、手伝ってくれるか……」
「ん、すっきりさせたげる」
身体の中から熱量が引いていく余韻を味わいながら櫛田に言うと、彼女は微笑みながら優しく搾り取ってくれた。
下半身が軽くなる感覚と心地良い疲労の中に包まれて一度深い深呼吸をする。思ったより櫛田が積極的ですげえ気持ちよかった。汚してしまった手を綺麗にしてやらないとな。
なんて思いながら視線を動かすと、
「これが柊の……」
櫛田が艶やかな瞳で白濁液にまみれる手を見つめていた。思わず魅入ってしまい眺めていれば、彼女はなんの抵抗もなく顔を寄せる。そして、ちろりと舌を這わせた。
「ん、んんっ……?ちゅる、ちゅるるる、れろ」
精液を口にした瞬間、不思議そうな顔をしたものの次々に舐め取っていき、俺がティッシュを渡すまでもなく綺麗にしていくと細い喉をこくりとならした。
「あー、櫛田?大丈夫か?」
「全然大丈夫じゃない……どろどろしてるし、なんか苦い?し……けど柊のって思ったらなんか、平気だったから」
「そうか。無理してないならいいんだ、櫛田がしてくれたの結構嬉しいし」
「……飲ませて喜ぶなんて変態過ぎ」
別に飲ませてないのだが……。まぁ、男として興奮することをしてくれたのだから、その程度の照れ隠しくらい見逃してやるべきだろう。
自然に口許が弛むのを自覚しながら櫛田の手を引いて胸の中に収めた。彼女は手を掴まれてもなんの抵抗もせず引き寄せられて、当たり前のようにもたれかかってくる。亜麻色の髪を優しく撫で、たまに口づけを落として肌の温もりをひとしきり堪能しあった。
「そろそろシャワー浴びようか。流石にずっとこのままはあれだし」
「……一応聞くけど、下着とか持ってんの?」
「サイズは見てもらう必要があるが貸せる分はある」
「誰の?」
「誰のだと思う?あだっ」
「ほんとにさいってい」
じとりとした目の櫛田に少し意地の悪い質問をするとそこそこ強く叩かれた。勿論わざとである。その程度がじゃれあいの範疇であることを確認するためであり、彼女がちゃんと受け入れていることを再認識させるためでもあった。櫛田の様子をみる限り問題なさそうではあるのでちょっと安心。
「冗談だよ、流石に誰かが使ったのを貸したりしない。ちゃんと未開封のやつだ」
「それはそれで準備が良すぎてキモいんだけど……クズに言ってもしょうがないよね」
はぁ、と諦めたような溜め息をこぼした彼女はてっきり浴室に向かうと思ったのだが、俺に引っ付いたまま動く気配を見せない。まだ人肌が恋しいのだろうか。
「……もっとしないの?てっきり押し倒されるかと思ってたのに。こっちもがちがちのまんまだし」
「んー、まぁ少しぐらついたのはあったぞ。けどそれは今日じゃない方がいいと思ったんだ」
どうやら櫛田はベッドに連れていかれると思っていたらしく、その気のない俺が不思議だったらしい。期待と残念そうな瞳が此方を見ていて、非常に理性にわるい。
確かに最後まで致してしっても櫛田は受け入れてくれるだろうし、俺も彼女の全てを楽しめるのは違いない。しかし、勢いまましてしまうのは勿体ない気がしたのだ。
「櫛田は気づいてないかもしれんけどちょっと顔色悪くなってるしな。色んなことが起きすぎて疲れが溜まってるんじゃないか?」
「ちょっとは疲れてるけど、気になるくらいじゃない」
「そうだとしても、俺が気になっちまうんだよ。折角櫛田を目一杯楽しめるのに、それ以外のことが気になるのは勿体ない。俺が櫛田に夢中になってるって感じて欲しいしな」
「ただの盛った猿じゃん。色欲魔」
「否定はしない。それだけ櫛田のこと大切にしたいし、魅力的ってことだ」
「……ムカつく奴っ」
ぼすっ、と胸に頭突きをしてきてぐりぐりと押し付けてくる彼女を優しく笑いながらさらに言葉を続ける。
「櫛田を抱くのは来週の土曜日だ」
「は?なにいきなり」
突然の宣言と提示した時間に彼女が怪訝な表情を向けてくる。疑惑の瞳には期待を裏切られたように動揺していて、身体が強張っているのがわかった。それを安心させるために頭を撫で口づけを送ってやりちゃんとした説明をしていく。
「来週の土曜日までの一週間、放課後は俺の部屋に来よう。それで毎日今日みたいなことをするんだ」
「今日みたいなって……じゃあなんでわざわざ土曜日なのよ」
勿論、そうした方が気持ちよくなれるからだ。お互いに触れ合って、相手を観察して、温もりを溶け合わせるのだ。しかし、経験が浅く現実主義の櫛田は当然理解できないだろう。だから、想像させてやる。
「明日から櫛田の身体をたくさん触る。胸とか大事なところだけじゃない、それ以外のところもたくさんだ。櫛田にたくさん触れて、喜んでくれるところを探して高め合うんだよ」
「っ……」
腕の中に収まる身体に手を滑らせて、下腹部にそっと触れる。
「想像してみるんだ。この手が櫛田のことを気持ちよくして、身体をずっと喜ばせて、だけど最後の一線はその日まで絶対に越えない」
「ちょっとっ……んんっ」
「櫛田も俺の色んなところを触って理解して、お互いにイかせあいながら一線を越えず我慢し合うんだ」
「うぅんっ……」
櫛田が果たしてどのような想像をしているかは分からない。しかし、子宮をお腹の上から撫でられ、思考を手伝う声にその肢体が反応している。それだけで効果のほどを証明していた。
「二人で高めあって我慢して、そして土曜日に、身体の一番奥で繋がる」
「っ……」
いうなればただの焦らしプレイだ。それもかなり軽めの。けれど初めてであろう櫛田をほぐし、肉体的な意味で繋がる悦びを受け入れさせるにはこれ以上なく効果的のはずだ。現に腕の中の彼女は身体を火照らせながら、ひくひくと震えている。
「あんたっ、最初からそのつもりだったとか言わないわよね」
「なわけないだろ?甘えてくる櫛田を見て、普段通りにしてもあんまり喜んでくれない気がしててな。二人でするなら、お互いに気持ちいい方がいいだろ」
「柊が女の敵なのは分かってたつもりだけど、甘くみてた。ほんとに最低な女誑しじゃん……」
「よく言われる。俺は自分に正直なだけなんだがな」
「天然で言ってることもあるってこと?救いようが無さすぎでしょ……」
顔を赤らめた櫛田が呆れたように言ってきて非難がましい視線を飛ばしてくる。しかし、その瞳は喜びと安堵と期待でない交ぜになっており、俺の提案に一先ずは納得してくれたらしい。
今日だけでも櫛田はとても興奮する姿を見せてくれた。その上で期待と身体の感度を高めあって、来週の土曜日を迎えた時、きっと本人さえ見たことがない櫛田桔梗が見れるのに違いない。うむ、めちゃくちゃ楽しみになってきた。
「なににやけてんのよ……いや、やっぱり何も言わないで。柊って意外と分かりやすいやつなんだった」
「自分で聞いといて自分で納得するなよ。まぁ想像通りのこと考えてたけど」
「はぁ、流石にシャワー行ってこようかな。誰かさんのせいで下が気持ち悪いし」
「櫛田が可愛いかったのが悪いな。明日も楽しみだ」
「……はぁぁ」
心の底から楽しみであることを隠さず口づけを一つ落として彼女を腕の中から解放すれば、何か言いたげな表情と共に離れて、もう一度溜め息をこぼしてから浴室に向かっていく。彼女の姿がなくなったのを見届けて、俺も掃除に取りかかることにした。さっさと綺麗にして、ついでに何か軽いものでも作っておくかな。
「……ねぇ」
「ん、どうした?」
少しすると浴室に行ったはずの櫛田が此方を覗くように顔を見せていて、恥ずかしそうに頬を紅潮させている。俺が反応しても彼女は視線を泳がせながら唇を波打たせており、何かを言いたそうにしているのが可愛いらしい。
「一緒に入らない……?まだ、くっつきたいかも」
「……ふ、分かった。すぐ行くからちょっと待っててくれ」
予想外の嬉しい提案と、頑張って口にする様子が幼く見えて思わず口元が緩んだ。頷いて立ち上がると櫛田は顔を隠すようにさっと浴室の方へと消えていく。思いの外、甘えたがりなのかもしれないな。非常に嬉しいことだ。
彼女の新しい一面とそれを見せてくれることに喜びながら手早く着替えを取ると、俺は櫛田の待つ浴室へと向かっていった。