時系列的には春休み前後の櫛田より前です。
あと身体的不自由の原因がいつのまにか先天性疾患から脚の障害になっててビビりました。結構変えちゃいけないとこだと思うんですけど……
住み始めてもうすぐ一年になろうとする見慣れた一室は、男の部屋とは思えないほどに豊かに彩られている。
規則的に本を敷き詰める棚。
化粧品のような女性の小物を収めるタンスと上に鎮座する大小のぬいぐるみ。
隅に誰のものか分かるように置かれた大きさも種類も異なるクッションたち。
整理はされているものの規則性がなく、多種多様の好みがごちゃ混ぜの部屋はここに訪れる女性の数を示している。そして今日、また一人の女の子の色が加わるのだ。
「あの、本当にするんですか?」
衣服をはだけさせて肌を紅潮させる小柄な女の子、坂柳有栖が胸に手を当てながら不安そうな視線を飛ばしている。
熱っぽい吐息。しっとりと銀髪を張りつかせ火照る白磁の肌は彼女の情欲と期待を表している。しかし、既にできあがった有栖がなぜ今になって不安を覚えているのか。
それはもちろん、俺が手心を加えるつもりがないからである。
「卑下しすぎる有栖が悪い。俺は有栖だからしたいって思うのに、いつまでも自信なさげじゃなねえか。少し強硬手段だけど文句は受け付けんぞ」
「……」
可愛らしく無言で抗議の視線を向けてくるが、口にしたことを覆す気は毛頭ない。俺が有栖という女の子に男として魅力を感じていると証明するためにその肢体を、時間をかけてじっくり、そしてたっぷりと可愛がってやる。
特にコンプレックスを抱えていそうな平坦そのものの乳房を、ちゃんと男を魅了するのに値すると示してやるのだ。
「大体、有栖に惹かれてなかったら俺は何に興奮してるんだよ」
「手癖の悪い人の趣味なんて知りません」
「それだけ魅力的に見える女の子が多いってことだ。当然、有栖もそう見えてるよ」
「そんな調子のいいこと──ん」
僅かな抵抗で先伸ばしにしようとする彼女の唇を優しく塞ぐ。服の裾に手を潜らせ素肌に触れながら唇を啄むように掬い上げれば、うっすらと瞼を降ろす瞳がとろりと蕩けた。
「んふぅ、ちゅぷ、ふうぅ、んん、れろ、ちゅ……」
粘膜と温もりを交換しながら片手で頭から順番に華奢な肢体を撫でさする。銀髪を指で梳き、うなじを擽って、背中と腰を服の上から指先で弄ぶ。素肌に触れる方の手はお腹に添えるだけに留め、あくまでも慰撫であることを示し彼女に官能を植え付けていった。
「んぁ、はふ、ぁんん、んうぅ……」
あっという間に有栖は全身の力を抜いて此方に身を委ねていく。高まる体温は肌に汗を滲ませ、ほんのりと荒い吐息は深く艶っぽい。行き場のない小さな手は俺の腕に引っかけるように添えられていて、すりすりと愛おしそうに撫でてくる。
「脱がすぞ」
背中を撫でる手でブラのホックを服越しに小突く。有栖はぽーっとした表情をした後にこくりと頷くと、肩の高さまで肘を上げた。脱がせやすいようにしてくれた彼女にお礼のキスを一つ落とし、下着と一緒に衣服を脱がせた。
現れた肌は日焼けを知らないのかと疑うほどに白く、起伏の乏しい肢体は少しばかり健康を気にかけてしまう程度には肉の厚みを感じられない。けれど、胸に実る二つのさくらんぼは男にないものであると本能的に理解できて、身体の血流が加速するのを自覚できた。
確かにこの身体が女性らしいかと言えば否であり、小学生のような幼稚な肢体なのが客観的な評価だろう。しかし、その持ち主の顔を見て同じことが言えるだろうか?
「……」
普段の高飛車な性格からは想像できない不安を宿す潤んだ瞳。頬は火照りで赤らんでいて、吐息を吐き出す薄く開いた唇は何を口にされるのかとか細く震えている。
坂柳有栖は自他ともに客観的な価値を見れる人間だ。自分のなにが秀でているのか、或いはどこが劣っているのか。身体に抱くコンプレックスはそれ故の自信の無さなのだ。
見栄を張って誤魔化せる普段とは違い、簡単に想像できる言葉しか頭にないのがその表情から理解できる。ならば、ちゃんと彼女の期待を裏切ってやるのが男の器量というものだ。
「こんなに綺麗なのに、なにを不安になるんだか」
「″合法ロリ″と言った口がなにを言っても説得力なんてありません」
「小さいことがそんなに嫌か?それも一つの魅力だろうに。そう見えるように努力もしたんだろ?」
「……それでも、隣の芝生は青く見えてしまうんです。自分は草木すら生えてないのですし」
「ならその乾いた地面を好む奴もいるって教えてやらないとな」
有栖の身体に対する嫌悪はコンプレックスが分かりやすく表面化したのもでしかなく、本質は別のところにある。
その本質とは障害を持つ故に起こる努力権利の剥奪と、選択肢の矮小化だ。
もし自分の身体が健康体だったら。
もし運動を阻害する脚が満足に動かせたら。
もし身体を成長させるための努力を行うことができたら。
そんな生まれ持った障害に対する嫌悪と、上昇志向の性格による″たられば″が有栖が抱く劣等感の正体だ。
努力を否定し、才能というあやふやな概念に執着するのも、叶いもしない自分の願望から目を背けるための防衛本能によるものだろう。努力なんて無駄であってほしいという願いであり、障害を受け入れるための見栄を張った弱音なのだ。
坂柳有栖という傲慢で高飛車な人間は、そんなどこにでもいる女の子でしかない。だからこそ、人間らしいところが可愛らしく見えるし俺の食指を疼かせる。
「要くんは無駄に範囲が広いだけでしょう?」
「そうだぞ?だから有栖が見せる表情に惹かれるし、肌に触れることが興奮するんだ。身体じゃない、有栖だからだよ」
「本当に節操のない人です。……最初くらいは、優しくしてくださいね?」
「有栖次第だな。あんまり可愛い過ぎると加減を忘れるから」
力加減を間違うことはないが、それはそれとして調整にはいつも苦労している。女の子が可愛らしく魅了してくるのだから、贅沢な苦労の仕方ではあるが。
ほどよく不安と緊張の解けた有栖にキスをして背中を支えるように腕を回す。温もりを伝える抱擁であり、抵抗を許さない抱擁で華奢な肢体を包んだら、少しずつ唇を下の方へとずらしていった。
鎖骨を過ぎて平らな胸まで頭を降ろしたら、薄くありつつも男にはない柔らかな乳房に吸い付いた。
「ん、んっふ、ふ、はぁぁ……」
ちゅ、ちゅ、と何度もリップ音を奏でると有栖が擽ったそうに身を捩り、甘い吐息を溢れさせる。ちゃんと夢中になっているんだぞと口づけを送りながら視線を向ければ、熱っぽい瞳とかち合って彼女の方から胸へと頭を抱き寄せてきた。
有栖に頭を抱かれた状態で乳房に吸い付き、たまに舌を這わせて彼女の身体を目一杯愛でていく。
「ふ、んぅ、くふぅ、ぁあ……」
柔肌を唾液でコーティングしたら薄桃色の突起に近づけたり離したりし、その周りを舌で円を描くようになぞる。起伏は乏しいものの舌を押し返す柔らかな弾力は獣欲を刺激するのに充分な魅力に溢れていて、加減を忘れないようにしながらも夢中になる。
触れてもいない突起がひくひくと震えはじめ、頃合いかと軽く息を吹き掛けた。
「ひゃっ、あぁぁ、ひうぅぅ……あうぅぅ」
何度も震える乳頭へ息を吹き掛け、薄桃色の小さい乳輪に舌で触れて少しずつ距離を詰めていく。
温もりが近づくにつれて有栖の反応も大きくなり、艶のある甘い吐息は堪えるような深い息づかいへと変化した。
硬度を増した乳頭にゆっくりと唇で触れ、そっと舌の上に乗せる。
「あっ?ひぅ、んん、あっ」
口に含むのはまだ早いと判断して触れている面をすりすりと擦り、ちろりと舐めあげると有栖が小さく喘いだ。小さなさくらんぼは舌の上でちょうどよく転がり、先端で掬って離すと魅惑的に弾む。
しばらく舌で遊んでやったら、酸素の温もりを与えて準備をさせながら口で覆った。
「は、ふぁ……あ、はふ、ひうぅ、んぁぁ」
少しずつ快楽により漏れる嬌声を耳にしつつ、舌に乗る乳頭を丁寧に、そして丹念に味わっていく。
「ひぁ、あ、そんな、舐めたら、ひうぅ、吸わないで……ひん、あ、あぁぁ……」
舌の腹でじっくりと舐めあげ、先端で優しく転がし、唇で挟んだら甘く吸い付く。味覚から感じるのは牝の味でいて、有栖の味だった。彼女からしか感じられないそれを堪能し、その姿を有栖にちゃんと見てもらう。
しばらく夢中になって充分に味わったら、薄桃色のさくらんぼを解放した。
数分ぶりに外気に触れた乳頭はぷっくりと大きくなっていて、温度差にひくひくと震えていた。
「これでも、自分のなんかって思うか?」
まだ足りないぞと突起の周りに口づけを送りながら有栖に問いかける。
俺を見やる薄く瞼を降ろした瞳に宿るのは牝としての肉悦か、人として愛されているという実感か。それを決めるのは彼女だ。
頭を抱く腕に力が込められて、触れていない反対側の突起へと導かれる。
「足りません……もっと、証明してください」
艶やかさと切なさを滲ませた声で求めてくる有栖に口づけで答え、目の前に実るさくらんぼを口に含んだ。
まだ柔らかった突起を舌で可愛がればあっという間に固く自己主張が強くなる。
「んぁ、は、あ、あぁ、かなめ、くん……」
執拗ともいえる丹念さで果実を味わっていくと、嬌声の混ざる甘ったる吐息をこぼしながら催促するように頭を撫でてきた。
小さな手の慰撫に心地良さを覚えながら、時間を忘れて有栖と乳頭を愛でていく。
「はふ、ふぅ、んあ、あっ、はぁ……」
「まだ、するんですか?あ、んんっ、っ、あうぅん……」
「ひく、んぅ、いつまで、するつもり……ひん、は、あぁぁ……」
舐めて、つついて、弾いて、挟んで、吸って、転がして、欲望のまま二つの果実を交互に楽しむ。
有栖の肢体に実る甘露はどれだけ味わっても飽きがくることはなくて、耳朶を打つ甘い吐息がさらに獣欲を加速させる。
有栖は弱い快楽に身を捩ったり、耐えるように肌を強張らせたが抱えた俺の頭を離そうとせず、たまに髪の上からキスをしてきて嬉しさを表現しているようだった。
どれだけの時間楽しんでいたのか分からないほど味わい尽くして、ようやく有栖から顔を離した。
「んぁ、は、はぁ……やっと、終わったの、ですか……?」
頬を紅潮させてほんのりと息づかいを荒くする有栖の瞳は喜悦と少しばかりの名残惜しさが宿っていて、満足感と続きを待つ期待を声に滲ませている。
ぴんと正面を向く乳頭と、湿っぽく艶のある吐息は確かに次の段階を求めている。しかし、俺はまだ終わりだと一言も口にしてない。
「あぁそうだな。これからが本番だ」
「え……?」
呆けた様子の彼女の背後に回って股座に収める。華奢な体躯を後ろから抱き締め、少しばかり遠い肩に身を屈めて顎を乗せると控えめな胸肉に手を添える。
「言っただろ、有栖だからって。どれだけ夢中になってるか証明してやる」
「あ……っ」
指先で乳頭を薄く擦りながら耳元でしっかりと言葉にすれば、何をされるのかを予期した有栖がこきゅっ、と可愛らしく喉を震わせた。
自信がないのなら証明してやろう。この身体と有栖という女の子が、どのくらい俺の眼を惹いているのかを。