エレノアママとマルティナときゃっきゃっウフフと過ごしながら四大国会議に出てる分身体に意識を向ける。そろそろ佳境に差し迫ってきたらしい。アーウィンがクレイモラン王とデルカダール王の詰問に応え「勇者は必ずや闇を消し去る。」ユグノアの王として堂々と言い放った。
ここのアーウィンはゲームで見てた時もかっこよかったなと思い出した。流石は勇者の父と言ったところなのか。そういえばアーウィンはエレノアママの護衛隊長だったんだっけ。この貫禄は見習っていきたいものだ。
強精のデルカダール、碩学のクレイモラン、騎士道のサマディー、そして勇者のいるユグノアの四大国が結束したことで今回の会議は大成功の一幕で終わろうとしていたが、
そこに酷く焦燥した様子で息も絶え絶えの様子の兵士が立ち入ってきた。「ア、アーウィン様・・・!」「み…皆様! お逃げ下さい! 魔物が 我が城に....」
そう言葉を残し兵士は事切れた。アーウィンがいっそ陰鬱さすら感じさせる大雨が降りしきる窓の外を眉間に皺を寄せ探ると百鬼夜行と捉えるのも烏滸がましい数の魔物の軍勢がこちらに向けて飛び込んで来ていた。
「皆さん 大変です!
多くの魔物が こちらに向かっています。
どうか ここから お逃げ下さい!」
アーウィンが警告を鳴らすのと同時だった。エレノアママとマルティナがいるこの部屋にもまた、魔物が攻めてきていた。
まだ部屋の中には入ってきていないがもう部屋の中まで攻めてくるのは秒読みだろう。しかし、2人を守るためにここに居る俺がそんなことを許すはずがない。インパスの効果を敵の判別に改変して敵の位置を捕捉し、部屋の前にいる魔物、ほのおのせんしを捕捉し、ヒャドマータを放つ。ヒャド系が弱点のほのおせんしは無数の氷の礫に身体を貫かれその身を煙へと変えた。
ほのおのせんしを倒した経験値だろう。言いようのないむず痒い感覚が身体を通り抜け、なんでも出来るような高揚感が溢れてくる。ゲームだと大樹崩壊後に戦う敵を倒したことでそれなりにレベルが上がったらしい。他にも近場で視認できる範囲の魔物たちをやっつけといた。もうヒャドマータじゃなくてヒャドレインとでも言うべき雹の嵐が吹雪き辺りの魔物は一掃された。
その後はゲームと同じようにアーウィンが入ってきた。
混乱しないように分身体を消し、入れ替わるように本体を分身体が居た場所に被せた。
「時間がない。 ここから逃げよう。 さあ、 私に着いてくるんだ。」
大人しく赤ん坊らしく着いていきアーウィンの部屋へと向かう。そこで立て掛けれていた鎧を着込みはやぶさの剣を装備する。エレノアママとマルティナにもカミュと脱獄した時に被ったように布を頭巾のように付けさせ準備完了。
「倉庫にある地下通路に向かう。もうこの城は奴らに囲まれている。 正面突破は無理だろう。」
城内の魔物は粗方倒したが、外にはまだ無数の魔物たちがいる。原作通りにどんどん進んでいく。所々崩れ、燃えている城内を駆けて倉庫に向かい地下通路へと降りる。ここからでも外の魔物や人間の叫び声が聞こえてくる。そうして脱出まであと一歩という所で後ろからヘルバトラーとアンクルホーンが追いかけて来た。
「ここは 私が食い止める!
君たちは はやく ここから逃げるんだ!」
石の重そうな扉を閉じ殿として俺たちを逃がす。
エレノアママはマルティナの手を取り、駆け出した。地下通路を抜け出した先は森だった。ゲームの始めに2人が雨の中走り続けていた場所だ。雨の泥濘もあり走りにくそうに一生懸命に俺を逃がそうとしてくれる二人だが、「あっ、」 「きゃあっ、」
遂に泥濘にはまってしまい転んでしまう。綺麗なドレスと顔に泥が跳ねられ汚れてしまう。
もう、そろそろいいかと判断してこの状況を脱す魔法を唱え始める。その魔法はルーラ。元の効果は一度行ったことのある場所に飛べるようになる魔法だが、今回は少し効果を修正し思い浮かべた場所に飛んでいく魔法にする。移動先は勿論イシの村。正確にはイシの大滝だ。多分ゲームでも流れ着いてテオに拾われた場所はあそこだろう。発動したルーラは俺たち3人を巻き込んで飛んで行った。