※この作品はR-18です。

密着取材:聖域の裏側で   作:railgunk

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第3章:用心棒の鎧 第12話:鍛錬の証

後日。下見と打ち合わせを兼ねて、丈はいろはの自宅を訪れていた。

閑静な住宅街にある一軒家。玄関をくぐると、ほのかにお香の香りが漂う、塵一つない清浄な空間が広がっていた。

 

「どうぞ、狭いところでござるが」

 

いろはが茶を入れようとキッチンへ向かう。

その後ろ姿を見て、丈は気づいた。彼女の首筋に、うっすらと汗が滲んでいることに。

そして、呼吸がわずかに弾んでいる。

 

「……いろはさん。もしかして、鍛錬の後でしたか?」

「え? あ、はい。日課の素振りを終えたところで……って、まさか汗臭いでござるか!?」

 

彼女は顔を赤くして、自分の袖の匂いを嗅いだ。

乙女としての恥じらいと、客人に不快な思いをさせたかもしれないという焦り。

 

「いえ、匂いはしませんよ。ただ、風邪を引かれては大変だと思いまして。……先にシャワーを浴びてきてはどうですか?」

「し、しかし、客人を待たせるわけには……」

「構いません。俺もこの部屋の落ち着く雰囲気を楽しませてもらっていますから」

 

丈の優しい言葉に、彼女は「かたじけない……!」と頭を下げ、脱衣所へと駆け込んでいった。

 

数十分後。

バスルームの扉が開き、湯上がりのいろはが戻ってきた。

服装は、いつもの隊服ではなく、大きめの白Tシャツにスウェットパンツという、極めてラフな部屋着姿だった。

 

「お待たせしたでござる~」

 

タオルで髪を拭きながら、無防備に腕を上げる。

その瞬間。

だぼっとしたTシャツの裾が捲れ上がり、その下の素肌が露わになった。

 

一切の無駄な脂肪が削ぎ落とされた、引き締まったウエスト。

しなやかに浮き上がる腹直筋のライン。

健康的で、かつ官能的な「機能美」の結晶。

 

丈は思わず視線を奪われ、そしてすぐに目を逸らした――フリをした。

しかし、動体視力に優れた用心棒は、その視線の動きを見逃さなかった。

 

「……あ」

 

彼女の動きが止まる。

自分の腹部と、気まずそうに横を向く丈を交互に見る。

 

「み、み、見たでござるか!? 今、拙者の腹を!!」

 

顔が沸騰したように赤くなる。

恥ずかしい。鍛え上げられた腹筋は武人の誇りだが、異性に見られるとなると話は別だ。

「女の子らしくない」と思われたのではないか。そんな不安がよぎる。

 

しかし、丈は真摯な眼差しで彼女に向き直った。

 

「……ええ、見えてしまいました。申し訳ありません」

 

彼は一歩近づく。

 

「ですが……美しい、と思いました」

「へ……?」

「男性のようにゴツゴツしているわけではない。けれど、しなやかで、力強い。あなたが積み重ねてきた修練の歴史が、その体に刻まれているようでした」

 

その言葉は、彼女のコンプレックスとプライドの両方を、同時に満たすものだった。

いろはは口をパクパクさせ、言葉を失う。

 

「……そ、そんなに褒めても、何も出ないでござるよ……」

「本心ですよ。……もし、嫌でなければ」

 

丈は、彼女のパーソナルスペースに踏み込み、静かに尋ねた。

 

「触れてみても、いいですか?」

 

それは、取材の範疇を越えた、男としての要求。

しかし、心を解きほぐされた彼女に、拒絶の言葉は出てこなかった。

 

「……す、少しだけなら……」

 

彼女の許しを得て、丈の手が伸びる。

Tシャツの裾をゆっくりと捲り上げ、その指先が、鍛え上げられた聖域へと触れた。

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