「あ、あが……っ! もう、無理……! 許して……!」
ついに、壊れたレコードの針が飛んだ。
無限に続く快感の波状攻撃に、ラプラスの精神力は限界を迎えたのだ。
「マッサージ」だの「生理現象」だのといった強がりは消え失せ、ただひたすらに救済を乞う、一人の無力な少女の言葉だけが紡がれる。
「降参……! 降参だ……! 我輩の……負けでいい……! だから、止めてくれぇぇぇ……!」
涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら、なりふり構わず叫ぶその姿。
丈はゆっくりとソファから立ち上がると、玉座の前まで歩み寄った。
そして、彼女の股間で激しく振動し続けるローターをつまみ上げ、意地悪く尋ねた。
「負け、ですか? あの偉大なる総帥が、たかが取材で人間に屈すると?」
「屈する! 屈するからぁ! もう限界なのだ……! おかしくなる……! 頭が、真っ白に……!」
彼女は首をブンブンと横に振り、懇願するような瞳で丈を見上げた。
その瞳には、もはや支配者の威光など欠片もない。ただ、目の前の男に慈悲を求める、雌としての弱々しい光だけが宿っていた。
「よろしい。その素直な言葉が聞きたかったんです」
丈は満足げに頷くと、ローターのスイッチを切る――ことはせず、逆に最大出力へと切り替えた。
「ひぎゃああああああああッッ!?!? な、なぜだぁぁぁッ!!」
「敗者には罰が必要でしょう? これが最後の『取材』です。あなたの限界のその先、記録させていただきます」
「うそつきぃぃぃ! 鬼! 悪魔! 人間じゃな……いぎぃぃぃッ♡♡♡」
最大強度の振動が、限界を迎えていた彼女の神経を容赦なく焼き尽くす。
ラプラスの体は弓なりに跳ね上がり、声にならない絶叫と共に、この日最大にして最後の絶頂を迎えた。
ガクガクと痙攣する太ももから、止めどなく愛液が溢れ出し、玉座を汚していく。
数分後。
完全に意識を飛ばし、ぐったりと項垂れるラプラスの拘束を、丈は静かに解いた。
彼女の体には、もはや指一本動かす力も残っていない。
「……お疲れ様でした、総帥」
丈は彼女の体を抱き上げると、部屋の隅にあった仮眠用のソファベッドへと運んだ。
持参していたタオルで汚れた体を丁寧に拭き取り、散らかっていたパーカーを毛布代わりに掛けてやる。
「……うぅ……ちくしょぉ……」
譫言のように呟きながら、ラプラスは泥のように深い眠りへと落ちていった。
その寝顔は、悔しそうでありながらも、どこか憑き物が落ちたように安らかだった。
丈はアジトの鍵を閉めると、誰にも見つからないように雑居ビルを後にした。
外はすでに夕闇に包まれている。
冷たい夜風が、火照った体を心地よく冷やしてくれる。
スマホを取り出し、スケジュールを確認する。
次の予定は入っていない。いや、予定表には書かれていないが、帰るべき場所は決まっていた。
「……さて、帰りますか」
彼はタクシーを拾い、行き先を告げる。
それは自宅でもホテルでもなく、彼が「港」と定めた場所――宝鐘マリンの自宅だった。
物語は、再び最初のヒロインの元へと還る。
他の女の匂いを纏って帰還した「共犯者」を、海賊船長はどのような顔で迎えるのだろうか。
丈の口元に、嗜虐と愛情が入り混じった笑みが浮かんだ。