ゲームセンターからの帰り道。
「みこのおうち、来る?」という無邪気な誘いに乗り、丈はさくらみこのマンションへと足を踏み入れた。
「どうぞだにぇ! 散らかってるけど、気にしないでほしいにぇ!」
部屋に入るなり、みこはリラックスした様子でパーカーを脱ぎ捨てた。
丈もまた、「自分の家のようにくつろいでください」という言葉に甘え、ジャケットとシャツを脱ぎ、タンクトップ姿になる。
「じゃあ、延長戦だにぇ!」
「望むところですよ」
二人は並んで座り、再びゲームに没頭し始めた。
最初はただの対戦ゲームだったが、負けず嫌いの二人はすぐにヒートアップする。
部屋の温度が上がり、額に汗が滲む。
「……あちぃ。これ、脱いでもいい?」
「どうぞ。俺も暑いんで」
みこはキャミソール一枚になり、丈もまた上半身裸になった。
しかし、そこに性的な湿り気は皆無だった。
まるで本当の兄妹か、長年の悪友のように、互いの無防備な姿を自然に受け入れていた。
「……ふあ」
深夜。疲れが出たのか、丈が大きなあくびをした。
そして、ごく自然な動作で、隣に座るみこの膝――正確には、彼女の柔らかな太ももに頭を乗せて、ゴロリと横になった。
「にぇッ!?」
「すみません……少し、休憩させてください……」
「ちょ、重いんだにぇ! ……まぁ、いいけど……」
みこは文句を言いながらも、膝上の丈の頭を優しく撫でた。
その安心しきった寝顔を見ていると、彼女の中にも「この人は特別な存在だ」という温かい感情が満ちていく。
性欲でも恋心でもない、もっとプリミティブな信頼関係。
みこは、この関係がずっと続けばいいと、心から思っていた。
***
数十分後、丈が目を覚まし、ゲームを再開した頃には、話題はホロライブメンバーへの際どい「いじり」に移っていた。
「やっぱノエルのあれは反則だにぇ。温泉ロケの時とか、重力どうなってんだって思ったし」
「船長の形も芸術的ですよね。……まあ、みこさんも負けてませんよ?」
「にぇへへ、だろー? エリートは全てにおいてエリートなのだ!」
そんな馬鹿話をしながら、丈は自分の股間を指さした。
そこは、リラックスした状態にも関わらず、生理現象として大きく盛り上がっていた。
「……なんか、変な話してたら元気になっちゃいました」
「ぶっ! 最低だにぇアンタ! 女友達だと思ってたのに!」
みこは爆笑しながら彼の肩を叩く。
丈も苦笑しながら、とんでもない提案をした。
「じゃあ、ちょっと船長でも想像して抜きますね」
「はあ!? ここで!? みこの家で!?」
「トイレ行くのも面倒なんで」
丈がズボンに手をかけ、本当に始めようとするのを見て、みこは慌ててティッシュ箱をひっつかんだ。
「だーめーだーにぇ! 床が汚れる! ほら、これ使え!」
彼女は丈の股間にティッシュの束を押し付け、ダムのように構えた。
そのあまりにシュールで、献身的な「アシスト」。
「……ふぅッ!」
丈が果てると、みこは汚れたティッシュをゴミ箱に投げ捨て、顔を真っ赤にして叫んだ。
「何させてんだにぇ!! バカ!!」
「いやー、ナイスアシストでした。さすがエリート」
二人は腹を抱えて笑い合った。
この瞬間、二人の距離は限界まで縮まっていた。
だからこそ、丈は「その時」を選んだ。
賢者タイムの気怠げな空気の中、丈は唐突に切り出した。
「……そういえば、すいちゃんのことなんですけど」
「ん? すいちゃんがどうしたの?」
丈は、まるで明日の天気の話でもするかのように、爆弾を投下した。
「俺、彼女を妊娠させちゃったかもしれないんです」
時が止まった。
みこの笑顔が凍りつき、思考がホワイトアウトする。
「……は?」
「だから、責任を取らなきゃいけない。……でも、あなたには隠したくなかった。信頼していますから」
「し、んらい……?」
みこは混乱した。
親友の妊娠。目の前の男との関係。そして、「信頼」という甘い言葉。
パニックになる彼女の耳元で、丈は悪魔のように囁いた。
「みこさん。……エリートのあなたなら、受け入れてくれますよね?」
その言葉は、呪いだった。
彼女の思考能力を奪い、彼への依存心だけを肥大化させる。
丈は、呆然とする彼女を押し倒した。
「……な、なにを……」
「確認させてください。あなたが本当に、俺を受け入れてくれるのか」
抵抗する間もなく、服が剥ぎ取られる。
先ほどまでの「兄妹」のような空気は消え失せ、そこには捕食者と獲物の関係だけがあった。
「や、やだ……! すいちゃんが……!」
「すいちゃんも、こうやって喜んでくれましたよ?」
丈は彼女の秘部に指を這わせながら、残酷な嘘と真実を混ぜて囁く。
そして、彼は挑発した。
「それとも、エリートには無理ですか? すいちゃんにできて、あなたにできないことが?」
「……っ!!」
その一言が、彼女のプライドを刺激した。
悔しさと、背徳感と、そして抗いがたい快感。
彼女は涙目で彼を睨みつけると、震える手で彼の首に抱きついた。
「……できるもん……! みこは……エリートだもん……!」
それが、陥落の合図だった。
丈は彼女の口を塞ぎ、激しく腰を打ち付けた。
痛みと快楽の波状攻撃。彼女の悲鳴はキスで封じられ、甘い喘ぎ声へと変えられる。
「んんッ……! ひぐっ、ぁ……!」
何度も絶頂を迎え、頭が真っ白になった頃。
丈は彼女の最奥に、自身の全てを注ぎ込んだ。
「あ……ぁ……」
ビクン、と大きく跳ねた後、みこは糸が切れたように意識を手放した。
気絶するように眠りに落ちた彼女。
その顔には、涙の跡と、事後の紅潮が入り混じっていた。
丈は、そんな彼女を冷めた目で見下ろした。
介抱などしない。
服を着せることもしない。
ただ、汚れたシーツと、自分の体液にまみれた彼女を、そのまま放置する。
「……おやすみなさい、みこさん」
彼は手早く身支度を整えると、振り返ることなく部屋を出た。
ガチャリ、と無情な施錠の音が響く。
残されたのは、静寂と、冷えていく空気。
そして、目覚めた時に絶望を味わうことになる、哀れな巫女だけだった。