シャワーを浴び終え、バスルームから出てきたクロヱは、少し大きめのTシャツ一枚という姿だった。
濡れた髪をタオルで拭きながら、彼女は滅道の隣にどかりと腰を下ろす。
「ふぅー、さっぱり! ……あれ? 滅道さんはまだ入らないんですか?」
「ええ。せっかくですから、王様ゲームを先に」
滅道が割り箸を差し出すと、クロヱはニヤリと笑った。
その瞳には、先ほどの羞恥を乗り越え、再び「小悪魔」としての仮面を被り直した強い光が宿っていた。
「望むところです! 沙花叉が王様になったら、すごい命令しちゃいますからね!」
第一回戦。王様は滅道だった。
しかし、彼の命令は「仲の良いホロライブメンバーを3人教えること」という、拍子抜けするほど穏やかなものだった。
クロヱは不満げに頬を膨らませながらも、「YMD、マリン先輩、あと、いろは……かな」と答える。その表情には、仲間への愛着が滲んでいた。
そして、第二回戦。
「よっしゃー! 王様だー!」
ついにクロヱが王様の印がついた割り箸を引き当てた。彼女はベッドの上に立ち上がると、高らかに宣言した。
「命令! 2番の人は、沙花叉の足の指にキスをしなさい!」
それは彼女なりの復讐だった。この真面目そうな男を困らせ、照れさせてやろうという算段だ。
しかし、2番を引いた滅道の反応は、彼女の予想を遥かに超えていた。
「――御意」
彼は恭しく跪くと、クロヱの小さな足を、まるで壊れ物を扱うように両手で包み込んだ。
そして、ためらうことなくその足の甲に唇を寄せ、あろうことか足の指を一本一本、愛おしげに舐め上げ始めたのだ。
「ひゃっ……!? ちょ、そこ、指の間は……っ!?」
予想外の愛撫に、クロヱの余裕は瞬く間に崩壊した。
くすぐったさと、背筋を駆け上がる背徳感。
彼女は顔を真っ赤にして身をよじらせるが、滅道は離さない。
その姿は、忠実な騎士のようであり、獲物を味わう獣のようでもあった。
「……可愛いですね、クロヱさん。内心『ちゃんと洗ったかな』ってドキドキしてます?」
「う、うるさいっ! ちゃんと洗ったもん!」
完全にペースを握られたまま迎えた、運命の第三回戦。
再び王様になったのは、クロヱだった。
彼女は、涙目になりながらも、最後の勇気を振り絞って命令を下した。
「め、命令……! 2番の人は……今夜、沙花叉と一緒に寝なさい!」
大胆な誘い。しかし滅道は、その潤んだ瞳を逃さず、静かに問い返した。
「それは『そのままの意味』ですか? それとも『もう一つの意味』ですか?」
逃げ場のない問い。
クロヱはパクパクと口を開閉させた後、観念したように俯き、蚊の鳴くような声で答えた。
「…………セックス、しよ?」
その一言が、理性の堰を切った。
滅道は彼女をベッドに押し倒すと、両腕を頭上で固定し、露わになった無防備な脇腹や胸元を愛撫し始めた。
「あ、んんっ……! 待って、心の準備が……!」
「待てませんよ。あなたが誘ったんですから」
服が剥ぎ取られ、素肌が触れ合う。
滅道の指が彼女の秘部に触れた時、クロヱは震える声で最後の告白をした。
「……しょ、処女……だし、18歳……です……」
その言葉を聞いた瞬間、滅道の中にあった最後のブレーキが壊れた。
彼は彼女の涙を舐めとり、優しく、しかし確実に、その純潔を散らしていった。
隣のベッドでは、狸寝入りを決め込んでいたはずのマリンが、シーツを握りしめて震えていた。
その背中は、可愛い後輩が「女」になる瞬間を立ち会ってしまった背徳感と、自分に向けられる愛とはまた違う形の情熱への嫉妬に、小さく揺れていた。