※この作品はR-18です。

神剣狩刃の備忘録   作:神剣狩刃

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自由の味

 私はおいしいものを食べるのが好きである。体重が75kgから落ちないのもそのせいである、かどうかは定かではないが、そう思いたくなるほどには好きである。なので最近食べておいしかったものを紹介していく。まずは牛ホルモンの牛ロース巻きだ。これは私の書いている小説の主人公"チョコ"くんがやっていた食べ方なのだが、後書きに描いた通りやったことがなかった。現実での体験こそが小説のクオリティを上げると思っている私として、是非とも試して真偽を確かめたかった。なので近所の食べ放題の焼肉屋で試したのだが、作中で描いた通りの相性の良さだった。ホルモンだけでは油がキツく、かといってロースだけでは少々物足りない、そんな人間の複雑な欲望を丁度満たしてくれた。多分、チョコくんは皆が想像しているよりかはふくよかなのかもしれない。

 

 

 次は某コンビニの炭火焼風鶏肉だ。ただ、これに関しては状況が良かったという前提があると先に書いておく。あの時はオタ活で東京に行き、ついでに寄った面白いコンセプトのメイドカフェを楽しみ、故郷の駅に着いたには夜の10時に差し掛かっていた。そうともなれば疲労は中々の物で、家に帰って料理をしようという気には全くなれなかった。そこで外食をしようと思ったのだが、駅近くの店などどこでもまあまあな値段はするし、何よりこの時間になるとコンビニか酒が絡んでくる店しかやってない。でもせっかくの旅行の帰りなのだからどこかいい店で食べないともったいない、と思っていた矢先にふと何かがよぎった。"旅行の帰りだからこそ自分の食べたい物を食べるべきだ"と。考えてみれば大して飲めない酒よりも、慣れ親しんだコンビニの総菜の方がよっぽど楽しめる。何よりこの時間なら廃棄が迫っていて安くなっている可能性が高い。そう思ったら足が軽やかに動き、いつの間にか買い物カゴをとっていて、某望月さんが如く2割から5割ほど安くなっているコンビニのものを入れていた。私はレシートをとっておかない主義だから記憶だよりになってしまうが、何かの丼とカツサンドと総菜と炭火焼風鶏肉と無料引き換えの炭酸水だったはずだ。ただ、特別に味の記憶が残っていたのが炭火焼風鶏肉だ。口に入れただけであの炭の香りが広がり、噛み締めるたびに鶏の旨味がジュワっと出てきた。それを炭酸水で流せば幸せが口から食堂に走った。それが美味しすぎて他の商品は普通に美味しかったなあ、くらいだったのだろう。

 

 

 最後は某カップ入りの氷菓子と某黒い炭酸飲料だ。これは午前中でもまあまあ暑かった日に、家族から頼まれたお使いの途中に水分補給がてら買った組み合わせだ。昔からやってみたかったのだが、丁度2つが目に入ったタイミングがこの時だった。開封して間もない二つを組み合わせ、即席のキンキンに冷えた飲料を作り出し、火照る体に給油が如く注ぎ込んだ。バチバチと弾ける炭酸の気泡、広がるあの独特なフレーバーと氷菓子に元から付いていた柑橘系の香り、甘さの中にちょっと感じる塩味、それらがすべて組み合わさってさわやかな夏の味になっていた。ガンガンと飲んでしまい、品の無い息を吐き出すのを止められないほどだった。私が買った所が特別安くなければ、200円もあれば再現できる味だ。懐と体調に余裕があるのならばお勧めする。

 

 

 これらの体験から私は"自由の味"とは"規則や常識に縛られながら、己の望むまま楽しむ"だと思った。私にとって規則や常識は生きる方針を定めるのにとても大切なものだと思っている。それを無視して物事を進めようとすると、往々にしてロクな結果にならない。ならば規則や常識を守った上で楽しんだ方がいい。そうすれば誰からも咎められず、後ろ指を指されることもない。ある程度の囲いがなければ、そもそも"自由"など求められない。その中で探し回ってこそ"自由の味"は見つけられる、と私は考えている。皆様もぜひ時間や金銭に問題がなければ、皆様なりの"自由の味"を見つけてみてほしい。食の探求は人間の特権なのだから。

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