※この作品はR-18です。

ゾンビの溢れた世界でハーレムを作る   作:ガンダムラザーニャ

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すみません、投稿遅くなりました。

今回はkitiさんからのリクエストで、柳瀬舞衣と刀堂綺凛の話となります。


2人の剣士

コンビニを出たあと、俺たちは夜明けの街を進んでいた。

 

空気は妙に静かだった。

 

風の音と、遠くで響くガラスの割れる音だけが聞こえる。

 

「……静かですね」

 

斑鳩が小さく言う。

 

俺は前を見たまま答えた。

 

「静かな方がいい。ゾンビが集まってないってことだ」

 

シノンは周囲を警戒しながら歩いている。

 

背中のライフルがわずかに揺れた。

 

やがて、通りの先に校門が見えてきた。

 

フェンス越しに、暗い校舎が立っている。

 

「学校ね……」

 

シノンが呟いた。

 

「生存者がいる可能性はありますね」

 

斑鳩が静かに言う。

 

俺は門に手をかけた。

 

鉄が軋む音が、夜に広がる。

 

ギィ……。

 

門を開けて中に入る。

 

校庭は荒れていた。

 

倒れた自転車、散らばった鞄。

 

そして――

 

校舎の中から、何かがぶつかる音がした。

 

ドン。

 

ドン。

 

「……戦ってる」

 

シノンが小さく言う。

 

俺たちは顔を見合わせた。

 

そして校舎へ向かう。

 

入口のガラス扉は半分開いていた。

 

中へ入ると、薄暗い廊下が続いている。

 

奥から足音が聞こえた。

 

そして次の瞬間、ゾンビが一体、廊下の角から飛び出した。

 

腐った腕を伸ばしながらこちらへ向かってくる。

 

だがその瞬間。

 

銀色の光が走った。

 

斬。

 

一瞬でゾンビの首が落ちる。

 

その後ろに、小柄な少女が立っていた。

 

制服姿。

 

手には日本刀。

 

肩までの髪が揺れている。

 

さらにもう一体のゾンビが迫る。

 

その横から、もう一人の少女が踏み込んだ。

 

長い髪の少女。

 

その刀が、迷いなく振り抜かれる。

 

ズバッ。

 

ゾンビの胴体が崩れ落ちた。

 

……。

 

静寂が戻る。

 

蛍光灯がジジッと鳴る。

 

小柄な少女がこちらを見た。

 

鋭い目だった。

 

「止まってください」

 

刀の切っ先がこちらに向く。

 

「それ以上近づくなら、斬ります」

 

俺は両手を軽く上げた。

 

「待て。俺たちは生存者だ」

 

後ろの長髪の少女が、俺たちをじっと見た。

 

そして言った。

 

「……ゾンビではないですね」

 

刀が少し下がる。

 

「私は柳瀬舞衣です」

 

小柄な少女が言う。

 

「こちらは刀藤綺凛」

 

綺凛と呼ばれた少女が軽く会釈した。

 

その時だった。

 

舞衣の体が、ふらりと揺れた。

 

「……っ」

 

膝がわずかに折れる。

 

「舞衣さん?」

 

綺凛が慌てて肩を支える。

 

舞衣は額を押さえた。

 

呼吸が荒い。

 

「……大丈夫、です」

 

そう言ったが、声がかすれていた。

 

俺は違和感を覚えた。

 

顔色が悪い。

 

異常な汗。

 

そして――腕。

 

制服の袖が、少し破れている。

 

そこから見える皮膚。

 

歯形。

 

俺の背中に冷たいものが走った。

 

その時、綺凛の体も大きく揺れた。

 

ガンッ。

 

刀が床に落ちる。

 

「……っ」

 

綺凛が壁に手をついた。

 

呼吸が荒い。

 

シノンが小さく息を呑む。

 

「まさか……」

 

舞衣が壁にもたれながら言った。

 

「さっきの……ゾンビに……」

 

言葉が途切れる。

 

腕を押さえている。

 

そこにも、噛み跡があった。

 

血が滲んでいる。

 

「……でも」

 

舞衣は歯を食いしばった。

 

「まだ……戦えます……」

 

そのまま刀を拾おうとする。

 

だが手が震えている。

 

綺凛も同じだった。

 

足がふらつき、立っていられない。

 

「……くっ」

 

次の瞬間。

 

ドサッ。

 

舞衣が床に崩れ落ちた。

 

綺凛も膝から落ちる。

 

呼吸が荒い。

 

体が震えている。

 

シノンが俺を見た。

 

「感染……」

 

その言葉が、静かな廊下に落ちた。

 

二人は、必死に戦っていたのだ。

 

感染しているのに。

 

それでも、ゾンビと戦い続けていた。

 

俺は二人の前にしゃがみ込んだ。

 

舞衣の意識はまだある。

 

だが目が霞んでいる。

 

綺凛も同じだった。

 

「……すみません」

 

舞衣がかすれた声で言う。

 

「……もう、限界みたいです」

 

そのまま目が閉じかける。

 

廊下に、重い沈黙が落ちた。

 

 

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