※この作品はR-18です。

男女比1対100の彼女たちの世界で   作:ののじん

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 エッチはちょっとだけです。


166話 ♡白い灯り

 家の音が落ちて、ようやく“今日が終わる”感じがした。

 

「命」

 

 命が俺を見る。

 

「……はい」

「今日、よかったな」

 

 命はすぐに頷かない。

 いつもの間があって、それから小さく頷く。

 

「……はい。皆さまが笑っていて、安心しました」

「俺も」

 

 言葉は短くていい。

 でも、これだけは言う。

 

「命。誕生日、おめでとう」

 

 命の視線が揺れて、すぐに落ち着く。

 

「……ありがとうございます」

 

 俺は続ける。

 

「命がいると、安心する」

 

 命の指先が、俺の袖を軽く摘む。

 強くはしない。逃がさない程度。

 

「……私も」

 

 命が言う。

 

「隼人がいると、落ち着きます」

「それで十分」

 

 命は小さく息を吐いて、ほんの少しだけ口元をやわらかくした。

 

「……はい」

 

 俺は頷く。

 

「今日」

「命が笑ってたの、見えた」

「……少しだけです」

「命が笑顔だと俺も笑顔になる」

「私もハヤトさんが笑顔だと嬉しいです」

 

 俺は声を落とす。

 

「俺は、それで落ち着いた」

 

 命の指先が、膝の上で小さく揃う。

 

「……隼人さんも落ち着いていましたか」

「命がいると、帰る場所って感じがする」

 

 命は一拍置く。

 それから、いつもより小さな声で言った。

 

「……私もハヤトさんがいると……戻れます」

 

 言い切るのに、少しだけ勇気が要る声音。

 だから俺は、すぐ返す。

 

「なら、ずっと戻れる場所を作って待ってる。俺が、そうする」

 

 命の目が、ほんの少しだけ揺れて、落ち着く。

 

「……ありがとうございます」

「礼はいらない」

 

 俺は言う。

 

「ただ、覚えといて」

「……はい」

「俺は命を大切にする」

 

 命が息を止めて、吐く。

 小さく頷いて、ようやく言った。

 

「……私もハヤトさんを、大切にします」

 

 その言葉が、やけに真っ直ぐで。

 俺は視線を逸らさずに頷く。

 

「それでいい」

 

 命の指先が、俺の袖を軽く摘む。

 強くない。けど、離さない意思だけがある。

 

「……もう一つ」

 

 命が小さく言う。

 

「誕生日、おめでとうって……言ってくれて、嬉しかったです」

「言うに決まってる」

「……はい」

 

 短い返事。

 でも、灯りより温かい。

 

 俺は命の歩幅に合わせて言う。

 

「戻ろう」

「……はい」

 

 命が腕を組んでくる、今日は俺の肩に頭を預ける。

 言葉はもう足りてる。

 

 みんながそれぞれ包みを抱えて、リビングの空気がほどけていく。

 千佳の声だけが少し跳ねて、すぐ落ち着く。

 

 俺は席を立って、廊下へ出た。

 次の段取りを頭の中で整えるため。

 

 足音が一つ、後ろに重なる。

 

「ハヤトさん」

 

 振り返ると、恵がいた。

 ツリーの灯りが背中に当たって、輪郭が少し柔らかく見える。

 

「どうした」

「少しだけ」

 

 恵は言う。

 

「お話を」

「うん」

 

 廊下の窓辺に寄る。

 家の中は静かだ。声を落とせば、誰の邪魔にもならない。

 

 恵が先に言った。

 

「今日の流れ、綺麗でしたわ」

「恵が整えた」

「私は、整えただけ」

 

 恵は上品に微笑む。

 

「動いたのは、ハヤトさんですわ」

 

 俺は息をひとつ吐く。

 

「……最近、用事が増えてたの、分かってたろ」

「ええ」

 

 恵は頷く。

 

「だから深掘りしませんでしたの。揺れが増えると、命が困ります」

 

 その言い方が、恵らしい。

 段取りのためじゃない。命を守るための線。

 

「助かった」

 

 俺が言うと、恵の目が一瞬だけ動く。

 表情は崩れないのに、受け取ったのが分かる。

 

「それで」

 

 恵が続けた。

 

「今後は、家の中の共有だけは増やしてくださいませ。驚きが先に立つと、余計な揺れが出ますわ」

「分かった」

「必要な分は言う」

 

 恵が小さく頷いた。

 

「十分ですわ」

 

 沈黙が落ちる。

 嫌な沈黙じゃない。確認の沈黙。

 

 恵が、声をさらに落として言う。

 

「ハヤトさん、今日、命が落ち着いていました。それが、何よりですわ」

「うん」

「……私も」

 

 恵は言葉を選ぶ。

 

「あなたが戻ってくる場所が、ここにあるのは、安心しますの」

 

 俺は恵を見る。

 言葉が真っ直ぐだから、返事も真っ直ぐでいい。

 

「恵も、ここにいる」

「ええ」

 

 恵の声は変わらない。

 

「私はここにおります。席も、役目も。勝手に抜けたりしませんわ」

「それなら」

 

 俺は短く言う。

 

「俺も、抜けない」

 

 恵が目を細めた。

 

「良い返事ですわ」

 

 その一言で、胸の奥が軽くなる。

 恋だとかじゃない。

 背中を預けられる相手がいる、っていう安心。

 

 恵と並んで、リビングへ戻る。

 

 家族との時間も終わり、今度は恋人の時間だ。

 今日も今日とて命と恵と愛を確かめ合っている。

 

 すでに、かわりばんこで五回戦目だ。

 

「はぁ……はぁ……ん、今日の命さんは凄いですわね」

「は♡っっ!ぁ♡っ♡♡んん♡ん♡あ!あぁあ♡あ!ん♡♡っんんああっぁぁ!ん♡♡っっ」

 

 恵が言う通り、今日の命はいつにも増して激しい。

 腰振りのスピードが段違いだ。

 

「はぁ♡♡っ♡…っ……!♡…♡♡……ああ…っっ!っ…っあ…っあっ!んっうっうんん!んあぁ♡っぁ…♡っ……あぁっあぁっ…♡♡…っぁ♡♡っ!」

 

 命の嬌声が部屋に響く。セックスとは言え命がこんな大声を出すのは珍しい。

 

「ぁんん!あ゛あっ♡ぁんんあ♡♡ぁっ!ハヤトさん気持ちいいですか♡?」

「気持ちいい、もうイってしまいッそうだ」

「イってください。私でもっと気持ちよくなってください♡!はぁっ♡ぁあ!ぁっん♡っ♡♡んっ!」

 

 ここまでハッスルしているのは、やっぱり今日一日嬉しかったのっかもしれない。

 まぁ喜んでもらえたのならよかった。

 

 さすがのハイペース命はたまらずイってしまう。

 命の体が一瞬止まりビクンビクンと跳ねるが、すぐにまた動き出す。まだイってる最中なのに俺をイかせようと必死に腰を振る。

 

「命!イくぞ!」

「あっっ♡ぁ!んっ…っ!来てください♡!私の中にたくさん出してください♡ぁ♡♡!あっ♡っぁぁあっっぁあぁんん!」

 

 俺が絶頂すると命もまた絶頂した。

 魂ごと抜け出て行くかのような快楽がそこにはあった。

 命もあまりにも気持ちいのか、めったに見せないあヘ顔を見せていた。

 

「……ハヤトさん……私、今とても幸せです」

「俺も。愛してるよ命」

「はい私も愛しています」

 

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