【侵食される家庭】
1980年7月14日 15:28
ロンドン高級住宅街 とある豪邸
「こちらの植え替えは完了しました」
【ジョン・スミス】は汗も拭わずに言った。
【メアリー・コナー】は半分開いた窓から彼を見下ろしていた。
新しく来た庭師の男──1週間前まで知らなかった男。
しかし今では……。
彼女の頬に微かな熱が残る。
「ありがとう。とても綺麗になったわ」
彼女は穏やかな声で答えた。
「いえ、当然の仕事をしたまでです」
ジョンは丁寧に頭を下げた。
その仕草には東洋の謙虚さが滲んでいる。
だがメアリーは知っていた。
夜の彼は……全く違っていた事を。
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1980年7月13日 22時37分
ロンドン高級住宅街 とある豪邸 夫婦の寝室
枕もとの電球以外の明かりの無い暗闇の寝室にて、ジョンとメアリーは全裸で絡み合っていた。
ジョンが腰を動かす度に、メアリーが喘ぎ声をあげる。
ベッドが軋む音と肌がぶつかる音が部屋中に響いている。
ジョンの腰使いは激しくなりメアリーは「これ凄いのぉ!」「もっと!もっと!」等と叫び、ジョンのペニスを膣で締め付けていた。
暫くしてジョンも限界を迎え射精し、メアリーの中に己の精液を注ぎ込む。
「ふぅ……」
ジョンは溜息をつきペニスを引き抜いた。
メアリーは恍惚とした表情でベッドに横たわっている。
「それにしても…旦那さんは仕事で外国に行ってるっていうのに、悪い奥さんだなあ」
ジョンはニヤニヤ笑みを浮かべながら言った。
しかしメアリーは笑顔でジョンの問いに答える。
「別に良いのよ!だってあの人なんかより貴方の方が良いんだから!」
「旦那なんかより……か…」
「そうよ。私が欲しいのは貴方だけなんだから。貴方が欲しい事は何でもしてあげる♪」
メアリーの笑顔は妖艶であり淫靡であった。
ジョンは欲情が湧き上がるのを感じ、ペニスはすぐに勃起した。
「じゃあ……望み通りにしてもらおうか」
ジョンは再びメアリーをベッドに押し倒した。
メアリーは嬉しそうに彼を迎えた。
彼らは再び濃厚な性行為を開始した。
ジョンは自分の精液とメアリーの愛液で濡れた膣にペニスを挿入し腰を動かし始めた。
その動きに合わせてメアリーも喘ぎ声を上げ始める。
「あぁ……イイわ……アナタのが私の中にぃ……♡」
メアリーの表情からは理性が消え去っていた。
まるで獣のように貪欲に快楽を求めているようだ。
その姿を見てさらに興奮したのか、さらに激しく突きまくるジョンであった。
勿論、本来のメアリーは夫を裏切るような女性では無い。
ジョンが魔法で、メアリーとこの家の住人の認識と記憶を書き換えているからだ。
今から約一週間前、この家に忍び込んだ際、この家の家主の妻【メアリー】を魔法で認識改変し、欲望のままに犯したのだ。
最初は一回ヤって、家の有り金を盗むだけでいいと思っていたのだが、メアリーの容姿があまりにも魅力的なので、数日後再びこの家を訪れ、この家に最近雇われた庭師として忍び込んでいるのだ。
その後、数回にわたってメアリーは彼の虜になっていった。
今では毎晩のように求めてしまうほどであった。
この夜もまた長い時間をかけてお互いを貪り合ったのだった……。
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数日後、出張先から夫【マーク・コナー】帰ってきた。
メアリーがキッチンで紅茶を入れていると夫マークが新聞を片手に現れた。
「私がいない間は、何も無かったかい?」
マークは妻の肩を軽く叩いた。
「ええ」
彼女は平静を装った。
数日前の情事の余韻がバレない様に注意しながら。
マークはテーブルにつきながら新聞を広げる。
「そうそう。あの新しい庭師はなかなか使える男みたいだな」
「そうね」
メアリーは紅茶をカップに注ぎながら答えた。
「彼なら期待できるわ」
「【ジョン・スズキ・スミス】か……」
マークは新聞を読みながら言った。
「確かに仕事は出来そうだが……」
彼は新聞から目線を外さず言った。
「所詮はアジア人だろう?あの年で下働きしか出来ない時点で将来性があるとは思えないがな」
メアリーの手が一瞬止まった。
彼女の顔から血の気が引くのを感じた。
「まぁ……」
彼女は慎重に言葉を選んだ。
「人には色々な生き方があるわ」
マークは気にせず新聞に戻った。
「まぁな。うちの庭を綺麗に保てるならそれでいい」
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その日の夜。
マークはベッドの中で妻を求めてきた。
久しぶりの夫婦の時間だった。
メアリーは努めて微笑んだが、彼の愛撫には以前ほどの喜びを感じられない。
「何か変だ」
マークが囁いた。
「集中していないんじゃないか?」
「そんなことないわ」
彼女は慌てて否定したが、自分の心のどこかで嘘をついていると感じていた。
ジョンの体を思い出す。
彼の荒々しいながらも丁寧な愛撫、そして彼女の体内で爆発する彼の熱さ……比べること自体が馬鹿げているのに。
マークとの行為は思ったより早く終わった。
彼は満足そうに眠りについたが、メアリーは眠れなかった。
夫への罪悪感とジョンへの欲望が渦巻いていた。
「何故……」
彼女は自分に問いかけた。
「どうしてこうなってしまったの?」
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数日後。
マークは早朝の飛行機で海外へ出発した。
アンは祖母……夫の母親の家に泊まりに行った。
家にはメアリー1人。
ちょうどその時、ジョンが庭で剪定作業をしているのが見えた。
「奥様」
彼は箒を置きながら微笑んだ。
「少し休憩されては?」
メアリーは窓枠に手をかけた。
心臓が高鳴る。
「お願いがあるの」
彼女は声を潜めた。
「今日……夫と娘はいません……」
ジョンの目が細くなった。
「もちろん承知しております」
その日の昼下がり。
主人と娘が不在の豪邸の一部屋に卑猥な音が響き渡る。
ジョンとメアリーは獣の様に交尾に興じていた。
何度も何度も体位を変え互いを求め合う。
メアリーは腰を上下させつつも、腰を打ち付けているジョンの舌と唾液を求めてキスをする。
ジョンはそれに答え、お互いの唾液を交換しつつ舌を絡ませ合う。
その間もジョンは腰を激しく振っておりメアリーを責め続ける。
2人はほぼ同時に絶頂を迎えた。
大量の精液と愛液が混ざり合い飛び散る。
メアリーはぐったりとベッドに倒れ込み荒い息を吐く。
一方ジョンはというとまだまだ満足していないようで再び動き始めた。
「もう……無理よ……♡」
メアリーはそう言いながらも、身体は正直なようで再び動き始めた。
「あぁ……イイのぉ……もっと強くしてぇ〜♡」
と言いつつ快楽に身を任せていった……。
彼らは夕方近くまで延々と性行為を行い続けた……
この日以降もメアリーはジョンとの逢瀬を重ねて行った。
最早メアリーにとって夫マークは、愛する家族や夫というよりも、単なる同居人程度になっていった。
自分がどんどん堕落していくのを感じていた。
それでも止められない欲望……それが彼女の全てを飲み込んでいった……
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【崩れゆく家族の幻想】
1993年7月8日 23:19
ロンドン某高級住宅街 コナー邸
トイレからの帰り道、【マリア・コナー】は両親の寝室前で足を止めた。
微かに漏れ聞こえる奇妙な声。
最初は猫の鳴き声か何かだと思った。
「ああっ……!」
だがすぐに女性の声だと気付いた。
母の声だ。
普段の穏やかな声とはまったく違う、震えるような抑揚のある声。
「どうしたの……?」
マリアは小さく呟いた。
「お母さん?」
ノックしようとしたが、次の言葉に凍りついた。
「ジョン……!そこ……もっと奥……!」
知らない男の名前。
しかも母の声は明らかに……喘いでいた。
「嘘よ……」
マリアは唇を噛みしめた。
「何かの間違い……」
だが好奇心と不安が勝り、ドアの隙間からそっと覗き込んだ。
そして目の当たりにした光景に言葉を失った。
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室内は暗く、ベッドサイドランプの淡い光だけが頼りだった。
そこに母メアリーがいた。
裸で。
彼女は巨大なディルドに跨り、腰を激しく上下させていた。
両手を伸ばし、ベッドヘッドに貼り付けられた1枚の写真を見つめている。
見たこともない東洋人系の男性だった。
「ジョン……好き……」
母の声は蜜のように甘かった。
マリアの記憶にある普段の上品な母の姿とはかけ離れている。
「ああ……イく……イくわ……」
母の体が弓なりに反り返った瞬間、マリアは目を逸らした。
それでも耳は塞げなかった。
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暫くして室内が静かになり、マリアは恐る恐る再度覗き込んだ。
メアリーはベッドに横たわり、天井を見つめていた。
「ジョン……どこにいるの……?」
彼女の涙声にマリアの胸が締め付けられた。
「あの子だって、本当の父親に会いたいでしょうに……」
その言葉がナイフのように刺さった。
マリアは自分が見ているものが理解できないまま、息を殺して逃げ出した。
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部屋に戻ったマリアはベッドに潜り込んだ。
心臓が早鐘を打っている。
「何だったの……?あれ……」
彼女は毛布の中で震えた。
思考が混乱する中、いくつかの断片が繋がり始めた。
母が父と話す時に時折見せる一瞬の気まずそうな表情。
姉のアンが時折漏らす意味深なため息。
「まさか……」
マリアは頭を抱えた。
「私の本当の父親……?」
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1993年7月8日 07:00
マリアは一睡もできなかった。
目を閉じると昨夜の光景が蘇る。
母の喘ぎ声、見知らぬ男の写真……
朝食の席に現れたマリアは顔色が悪かった。
「おはよう」
丁度夜勤から帰って来ていた父マークが新聞から顔を上げた。
「どうした?具合でも悪いのか?」
「ちょっと……眠れなくて」
マリアは曖昧に答えた。
母メアリーが湯気の立つ紅茶を差し出してきた。
いつもの微笑み。
だが昨夜の表情を知ってしまった今、すべてが違って見える。
「学校の宿題は終わった?」
メアリーは尋ねた。
「ええ……」
マリアは母の手を見た。
爪に塗られた落ち着いたピンク色のマニキュア。
昨夜、ベッドで乱れていた同じ手とは思えない。
ダイニングには普段通りの朝の喧騒があった。
姉アンが遅れて入ってきて、「もう、バスが来る時間よ!」と慌てている。
マークは時計を見て「急げ」と短く言った。
マリアだけが異質な存在だった。
家族の中で唯一、昨夜の秘密を知っている。
いや、「秘密」だと仮定していいのかもわからない。
もしかしたら皆知っていて自分だけが盲目だったのではないか……
「マリア?」
父が心配そうに声をかけた。
「本当に大丈夫か?医者を呼ぼうか?」
「いいの」
マリアは目を伏せた。
「ホグワーツから戻ったばかりで疲れてただけだと思う」
彼女は嘘をついた。
本当の理由は口が裂けても言えない。
いや、自分の中でも整理できていない。
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数日後の午後。
マリアは自室で教科書を開いていたが、内容はまったく頭に入らない。
代わりに考えるのはこの前の光景と母の最後の言葉だ。
『あの子だって、本当の父親に会いたいでしょうに……』
もしあの言葉が事実なら……自分の父親はマークではない可能性がある。
そんな事考えた事もなかった。
「ありえない……」
彼女は小さく呟いた。
しかし本能的に否定しつつも、心のどこかで納得している自分がいた。
時折感じていた違和感———母が父を見る時の表情、家族写真の中でだけ浮かべる母の儚い笑顔……
母譲りの金髪と顔立ちだが、母にも父にも似ていない異質な瞳……
マリアはこっそり両親の寝室に入った。
「確かこの辺りに……」
母がこの前の夜に、熱い目で見つめていた写真を探す。
写真自体はすぐに見つかった。
見た事もない東洋人系の男性の顔写真……どことなく自分と目元が似ている様に感じる。
マリアは写真を見つめながら、その正体を考えていた。
その夜マリアは自分のベッドの上で考えていた。
『一体私は何者なんだろう……?』
『母は父を裏切っていたのか……?』
そう考えながら眠りについたのだった……