「……もう少し理性的だったら使い道あったのにな。あいつら、本当に馬鹿だったな」
数日後。
芸能事務所の社長室。
重厚なデスクの向こうで、社長が深いため息をつきながら、一枚のSDカードをペンチでバキリとへし折った。
「え……? 社長、どうしたんですかぁ?
ご主人様は? 今日もトイレで待ち合わせのはずなんですけど……」
俺はソファに座り、モジモジと内股を擦り合わせながら首を傾げた。
身体はすっかり開発されきって、今日も「便器」として使われる気満々で、下着もつけていないのに。
横に控えていた柚子さんが、氷点下の眼差しで冷淡に告げた。
「契約違反です。
あろうことか、彼らは昨晩の乱交の様子を動画に収め、裏垢で『オリコン一位のマンコなう』と投稿しようとしていました」
「えっ……」
「投稿ボタンを押す直前に、うちのサイバー監視班が特定し、実力行使で阻止しましたが……。
『バレなければ何をしてもいい』という条件を、彼らは自ら破ったのです」
柚子さんの言葉に、俺はポカンと口を開けた。
あの乱暴で、汚くて、最高に下品だった宴。
それが、そんなあっけない理由で終わってしまったなんて。
「で、でもっ、怒れば許してくれますよね?
また呼んでくれますよね? 私のおまんこ、まだうずいてるんです……!」
俺が身を乗り出すと、社長は憐れむような、それでいて絶対的な決定権を持つ捕食者の目で俺を見た。
「無理だな。あいつらはもう、日本にはいない」
「……え?」
「元気があり余っているようだったからな。その活力を、もっと世界のために役立ててもらおうと思って、新しい就職先を斡旋してやったよ」
社長はニッコリと笑った。
その笑顔は、どんなホラー映画よりも背筋が凍るものだった。
「ど、どこに行ったんですか……?」
「さあな。ここよりずっと南の、暑くて湿気の多い国……だったか、あるいは北の凍てつく大地だったか。
パスポートもスマホも持たずに旅立ったから、連絡は取れんよ」
「そ、そんな……」
「向こうでは、マグロ漁船に乗るのか、地下資源を掘るのか、あるいは臓器……いや、まあ『身体を使った仕事』だ。
お前と同じだな、八重。
あいつらも死ぬまで、身体一つで貢献し続けるんだ」
ヒュッ。
俺の喉から短い音が漏れた。
消された。
俺の「ご主人様」たちは、俺という機密情報を扱いきれずに、社会的に、物理的に、処理されてしまったのだ。
悲しみ? 恐怖?
いや、俺の胸に去来したのは、またしても歪んだ感動だった。
(す、すごい……っ!
わたしのおまんの一つで……男三人の人生が狂って、地図から消えちゃった……!
なんて罪深い……なんて業が深い身体なんだろう……っ!)
俺は打ち震え、その興奮でまたジワリとソファに愛液のシミを作った。
傾国の美女ならぬ、傾国の肉便器。
「さて、八重。お前の『処理係』がいなくなってしまったわけだが」
社長が新しい葉巻に火をつけながら言った。
「お前をこのまま放置すれば、また暴走しかねん。
……柚子。次の候補は?」
「はい。現在二名、少しクセはありますが有力者が挙がっております。
今度は『絶対に記録を残させない』よう、厳重に管理した上で、八重さんの穴を管理させます」
「よし。すぐに手配しろ」
業務連絡のように淡々と進められる、俺の次の「使い手」選び。
俺はぱぁっと顔を輝かせた。
「わぁい♡ ありがとうございます社長! 柚子さん!
次はどんな人ですか? 借金まみれのホームレスですか? 前科持ちのヤクザですか?」
「……お前は本当に、救いようのないド変態だな」
社長が呆れたように吐き捨てた紫煙の向こうで、俺は満面の笑みを浮かべた。
オリコン一位の清純派アイドル、如月八重。
その輝かしいキャリアは、数多の男たちの人生を破滅させ、その屍と精液の上に成り立っている。
「さぁて、次の『トイレ』に行かなくちゃ♡」
俺はスカートの中の湿り気を楽しみながら、軽やかな足取りで社長室を後にした。
★
……というのが、ここ数ヶ月の出来事だった。
「性奴隷になりたぁ〜い」
「またですか。アリーナも埋めたんですからしっかり仕事してくださいよ」
そう言われましても。
あれからVIP会員の選定が中々進まなかったようでそのままお預けをくらっているのである。
ここまで耐えて一心不乱にアイドルの仕事をこなしていたら気付けばトップアイドルと呼ばれる程になっていたのだ。
息抜き……息抜きをください……。
具体的にはゴミ同然に扱ってくれる理想のご主人様をください。
田中は惜しかった……お世辞にも善良とは言えるタイプの人間ではなかったが、俺とはかなり相性が良かった。
あのまま自然にドSクズとして育てていけば世界上位を狙えるクズ男として覚醒していたかもしれないのに。
「…………まぁ、三万人を埋めたライブまで休みもなしでしたからね。そう言うと思って社長と掛け合って来ましたよ」
柚子さんが呆れたようにため息を吐く。
「明日から一週間の休暇をもらいました」
ゆっ、柚子さん!!!!
休み!? ほんとに!?
気分のままに人里離れた混浴温泉旅館とかに泊まっちゃったりして知らないおじさんと交わってもいいのか!?
「いいわけないでしょ」
「えぇ……」
「トップアイドルが混浴温泉とか大問題になりますよ。自重してください」
ですよね〜。言ってみただけです……。
「その代わり、八重さんが好きそうな息抜きをご用意させていただきました」
そう言ってテーブルの上には突っ伏した俺に差し出された一枚のメモ用紙。
「覚悟がおありでしたらココに向かってください。恐らく楽しめるかと」
メモ用紙には、簡素な文字で住所だけが書かれていた。
なんぞこれ。
「言ってしまうと楽しみが減るので……正直あまりオススメはしませんが」
そう言うとさっさと踵を返す柚子さん。
タクシーを手配しに行ったらしい。
「ふーん。……ま、行ってみようかなぁ」
★
翌日。
メモ用紙に書かれていたのは、都心から少し離れた寂れた繁華街のビルだった。
迂闊に顔を出して歩くと人垣になってしまうので、きちんと変装してビルの目の前に立つ俺はちょっと露出気味の服を着た美少女でしかないだろう。
「覚悟って言ってたけど……何があるんだろ」
指定された階……地下二階のところどころ塗装の剥げた、明らかにアダルトなお店の跡地の扉を開く。
「あ、中は結構綺麗」
器具やベッドはそのままに、夜逃げするように店を閉じたのだろうか。
意外にも埃っぽさや劣化感はあるがまぁ寝れないほどではないくらいの汚さではなかった。
潔癖な人は無理かもだけど。
「柚子さーん?」
お店跡地の中に侵入してキョロキョロと辺りを見回しても誰もいない。
柚子さんのイタズラだろうか。
いや、あの人はこういう態度の低いイタズラとか絶対しないだろう。
そう思った瞬間だった。
ガバッ!
ガシャん!
「んえぇっ!? なになになに!?」
突然背後から、黒いビニール袋のようなものを被されて視界を遮られた。
おかげで何も見えない。
しかも、視界を奪われた瞬間に凄まじい力で身体を拘束された。
ア、これ結構ヤバいやつ?
「ふーっ、ふーっ。や、やっと二人きりになれたね……八重ちゃん」
頭から黒いビニール袋を被され、視界を奪われた俺の耳元で、湿り気を帯びた男の声が響いた。
近い。あまりにも距離が近い。
だが、その声には聞き覚えがあった。
握手会で、いつも制限時間ギリギリまで俺の手を離そうとせず、剥がしスタッフに連行されていく常連。
ハンドルネーム『ブヒ山』。
常に汗ばんでいて、独特の酸っぱい体臭を放ち、焦点の合わない目で「八重ちゃん、僕のこと好き?」と繰り返していた、あの要注意人物(ブラックリスト)だ。
(……嘘。まさか、ブヒ山!?
柚子さんが用意した「息抜き」って……コイツゥ!?)
俺の背筋に、恐怖ではなく、電流のような歓喜が走った。
ADの田中のような「仕事としての調教」ではない。
これは、ガチのストーカーによる、ガチの犯行だ。
「んぐっ!? 放してっ! なにするのっ!」
俺は反射的に身をよじった。
だが、男の力は想像以上に強かった。
プロレスラーのような巨体から繰り出される暴力的な腕力が、俺の身体を締め上げる。
「暴れないでよ……。せっかく用意した『愛の巣』なんだからさぁ……!」
ズズズッ……!
俺はそのまま、店の奥へと引きずり込まれていった。
床のコンクリートがヒールの踵を削り、埃っぽい臭いがビニール袋の中に充満する。
ガシャン!
何かに突き飛ばされ、俺は柔らかいが湿った感触のある場所に倒れ込んだ。
おそらく、かつてこの店で使われていた施術用のマットだ。
カビと、染み付いたローションと、古びた精液の臭いが鼻をつく。
「ひひっ……ひひひっ!
夢みたいだ……。あの高嶺の花の八重ちゃんが、僕の見つけた秘密基地の、汚いマットの上に転がってる……!」
男の荒い息遣いが近づいてくる。
ビリッ! とビニール袋が破られ、乱暴に剥ぎ取られた。
「……っ!」
急な光に目を細める。
薄暗い室内を照らすのは、持ち込まれた工事用の投光器だけ。
その逆光の中に、ブヒ山が立っていた。
薄汚れたチェックのシャツは汗で肌に張り付き、伸び放題の髪は脂で束になっている。
その顔には、狂気と性欲が煮詰まったような、ドロドロとした笑みが張り付いていた。
「あ、あぁ……ブヒ山、さん……?」
俺が震える声(演技6割、本気の武者震い4割)で名前を呼ぶと、男はビクンと身体を震わせ、恍惚の表情を浮かべた。
「覚えててくれたんだ……! 嬉しいよぉ、八重ちゃん!
やっぱり僕たちは運命で結ばれてたんだねぇ!」
男は感極まったように叫ぶと、ドシドシと足音を立てて俺にのしかかってきた。
「ひぃっ!? や、やめてっ! 近寄らないで!」
「逃げないでよぉ! 握手会の時はあんなに優しく微笑んでくれたじゃないか!
『いつもありがとうございます』って! 『大好きです』って!」
ドスッ!
百キロを超える巨体が、俺の上に圧し掛かる。
重い。内臓が押し出されそうなほどの圧迫感。
そして何より、臭い。
数日間風呂に入っていないような、チーズの発酵臭と汗のアンモニア臭が、俺の顔面を直撃する。
(くっさ……っ! 嘘でしょ、鼻が曲がる……!
でも……この生理的な嫌悪感こそが……アイドルの私を一番汚してくれるスパイス……!)
俺は心の中でガッツポーズをした。
これだ。この「不快感」こそが、三百万払っても得られなかった本物の「陵辱」だ。
「ずっと……ずっとこうしたかったんだ……。
スタッフに邪魔されずに、時間も気にせずに……八重ちゃんを愛でたかったんだぁ……!」
ブヒ山は、ポケットから取り出した結束バンド(インシュロック)で、俺の手首を頭上で拘束し、マットの金具に固定した。
ジジッ……カチリ。
プラスチックが食い込み、逃げ場がなくなる。
「これでもう逃げられないねぇ……。
さあ、見せておくれよ。オリコン一位の身体を……!」
男の脂ぎった手が、俺の変装用の服に伸びる。
丁寧に脱がすなんて殊勝なことはしない。
彼は持っていた工作用ハサミで、俺の服をジョキジョキと切り裂き始めた。
ジョキッ! ビリビリッ!
「きゃぁぁっ!? やめてっ、服切らないでっ!」
「うるさいなぁ! 服なんて邪魔なんだよ!
僕が見たいのは、その中身なんだからさぁ!」
上着が切り裂かれ、その下のキャミソールも引きちぎられる。
冷たい地下の空気に、俺の豊かな乳房がポロンとこぼれ出した。
白く、血管が透けるほど滑らかな肌。
その頂点にあるピンク色の突起は、恐怖と興奮ですでにカチカチに勃起していた。
「ブヒィッ……!! す、すごい……!
本物だ……グラビアで見たやつより、ずっとデカくて白い……!」
男はハァハァと過呼吸気味になりながら、俺の胸に顔を埋めた。
ネチョォッ……。
「ひギッ……!?」
冷たくて湿った感触。
男の顔面の脂と汗が、俺の清潔な乳房にべっとりと塗りつけられる。
彼は乳首を甘噛みするどころか、掃除機のような吸引力で吸い付き、舌全体で乳輪を舐め回した。
ジュルッ、レロレロレロレロ……ッ!!
「あがっ、んあぁっ! き、汚いっ! 舐めないでぇっ!」
「うめぇっ! 八重ちゃんの乳、甘い匂いがするぅっ!
汗の味もするっ! 最高だぁっ!」
男の唾液が糸を引き、俺の胸はあっという間にベトベトの涎まみれになった。
綺麗にケアされた肌が、汚いおっさんの体液で汚染されていく。
その背徳感に、俺の子宮がキュンキュンと音を立てて収縮した。
「次は下だ……。
国民的アイドルが、普段どんなパンツ履いてるのか……確認させてもらうよぉ」
ブヒ山の手が、俺のスカートの中に侵入する。
太くて短い、クリームパンのような指が、太ももの内側を這い上がってくる。
サワッ……。
「……ん? あれ?」
男の動きが止まった。
彼は俺の顔と、自分の手元を交互に見た。
「八重ちゃん……?
パンツ……履いてないの……?」
そう。
柚子さんのメモを見て「覚悟」を決めてきた俺は、最初からノーパンでここに来ていたのだ。
いつでも犯される準備万端で。
「そ、それはっ……そのっ……!」
「まさか……誘ってたのかい?
こんな汚い場所に、ノーパンで……?」
ブヒ山の目つきが変わった。
「憧れのアイドル」を見る目から、「理解できない淫乱女」を見る目へ。
そして、その困惑はすぐに、爆発的な加虐心へと変化した。
「なんだよ……なんだよそれぇッ!!
清純派ぶってたくせに! 裏じゃこんなビッチだったのかよぉッ!!」
バチィンッ!!
「あぐっ!?」
強烈なビンタが飛んできた。
頬が熱く腫れ上がる。
「騙したな! 僕の純情を騙したな!
許さない……許さないぞ!
こんな淫乱女は、僕が教育してやる! 徹底的に汚してやる!」
男は興奮で充血した目を剥き出しにし、俺の両足を強引にM字に押し広げた。
「いやぁっ! 見ないでっ! 広げないでぇっ!」
「うるせぇ! もう遠慮なんてしないぞ!
お前なんか、僕専用のオナホールだ!」
男は俺の秘部に顔を近づけ、ライトで照らしながら観察し始めた。
「うわぁ……。なんだこれ……。
ビチョビチョじゃねぇか……。
襲われてるのに、こんなに濡らしてやがる……」
グチュッ、クチュッ……。
彼が指を割り入れると、溢れんばかりの愛液が卑猥な音を立てた。
恐怖を感じているはずの状況で、俺の身体は正直に反応し、蜜を垂れ流していたのだ。
「ひぅっ……ち、違うのっ……!
これはっ、怖くてっ……お漏らししちゃっただけでっ……!」
「嘘つけ! 匂いでわかるんだよ!
これは発情したメスの匂いだ!
……ハハッ、そうかよ。八重ちゃんも、僕みたいなキモデブに犯されたかったのかよ」
ブヒ山は下卑た笑い声を上げると、自身のズボンを一気に引き下ろした。
ボロン、と現れたのは、彼の体型に比例した、醜悪なほど太く、そして包茎の短小な肉棒だった。
垢が溜まり、強烈なチーズ臭を放つその凶器。
(うわぁ……っ♡ 最悪っ……!
今までで一番汚いっ……! あんなのがわたしの中に入るの……!?
病気になりそうっ……腐りそうっ……! 最高っ……!!)
「入れてやるよ。この汚いチンポを、お前の綺麗なマンコにねじ込んでやるよ!」
男は俺の足首を掴み、肩に担ぎ上げると、亀頭を俺の濡れた入り口にこすりつけた。
ヌメェッ……。
「ひギッ……!?」
垢と脂のぬめり。
生理的な拒絶反応で、俺の膣がキュッと締まる。
「おらぁッ! 受け入れろッ!」
ズプッ……ズニュゥッ……!!
「んぎぃぃぃぃッ!!!??♡♡」
異物が侵入した。
太い。形が歪だ。
そして何より、粘膜を通して伝わってくる「不潔さ」が、俺の脳髄を犯していく。
「キツいっ! なんだこの名器!
アイドルのマンコって、こんなに気持ちいいのかよぉッ!」
パンッ! パンッ! パンッ!
ブヒ山は俺の腰を掴み、狂ったように腰を打ち付け始めた。
彼の腹の脂肪が、俺の柔肌にペチッ、ペチッとぶつかる。
汗が雨のように俺の顔や胸に降り注ぐ。
俺の口の中にまで、彼の汗がポタポタと滴り落ちてくる。
「んぐっ、んっ、くさいっ、汗くさいっ……!
おじさんの汁っ、いっぱいかかってるぅっ……!」
「泣けよ! 喚けよ!
僕みたいなキモヲタに犯されて、人生終わったって絶望しろよぉッ!」
男は俺の首を絞めながら、さらに激しくピストンを加速させた。
地下室の淀んだ空気の中で、俺の「国民的アイドル」としての尊厳が、音を立てて崩れ落ちていく。
いや、剥がれ落ちたその下から現れたのは、ただ快楽を貪る「ドMのメス」の本性だった。
「あひぃっ、おわったぁっ♡ 人生おわったぁっ♡
ブヒ山さんのっ、汚いチンポでっ、八重の人生めちゃくちゃですぅっ……!!」
「そうだッ! その顔だッ!
一生、僕の性処理係として生きていけぇッ!!」
ズンッ! ズゴンッ! グチュグチュッ!!
男の汚濁にまみれながら、俺は投光器の眩しい光を見つめ、白目を剥いて涎を垂らした。
柚子さん、ありがとう。
これは確かに、最高の「息抜き」だわ。
これから一週間、この地下室で、この汚物のような男に、排泄物のように扱われ続ける日々。
想像しただけで、また新たな愛液が溢れ出し、男の肉棒をさらにヌルヌルと滑らせるのだった。