※この作品はR-18です。

TSトップアイドルちゃんは性奴隷になりたい!   作:東口ゆゆ

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20話 光の狂人

 

 実は気付いていたのだ。

 ブヒ山の監禁事件が、柚子さんからのご褒美ではなく本当の、ガチの監禁だったことに。

 

 初日……というか、ブヒ山に襲われた直後にはもう気付いていた。

 犯し方がガチだったし、完全に犯罪者の顔だったし。

 なんならなんかおかしいな? と思って柚子さんに渡された住所を盗み読んだら普通に俺が間違えて隣の廃ビルに来ていたことも理解していた。

 

 でも、これだけイイ思いできるなら別にいっかー! と思ってそのまま身を流れに任せたのだ。

 

 そしたらどうよ。

 

 ブヒ山がなんか勝手に改心して自首。洗いざらい全てをゲロって緊急逮捕。

 けたたましいサイレンと共にパトカーがこんにちはしたと思ったら被害者として保護されたのである。

 

 俺はブヒ山を失ったショックで涙を流しながら倒れ伏せっていたのも悪かった。憎し加害者、哀れな八重ちゃんの構図が出来上がってしまった。

 

 まぁ、現場に突入してきた男性警官に自然な形で裸を見せられたのは正直ちょっと興奮したが。

 

 合法的に警察官に全裸をお見せする機会なんてないだろ? 役得である。

 

「で、お前の実名報道を揉み消すために相当な労力を使ったわけだが……申し開きはあるか?」

「ありませぇん♡」

 

 逃げようと思えばいつでも逃げられたし、ブヒ山も一人は廃ビルに入っていく俺を見て衝動的に行った犯行だったのもあってかなり杜撰だった。

 社長に次ぐハードなご主人様としてのポテンシャルを買っていたのだが……世は無情である。

 

「死ね」

「ぶべぇ♡」

 

 そして、場所はいつもの事務所。

 事件に対してほとんど報道されず、実名の公表もなく静かに終わったこの事件の背後で散々走り回ったらしい社長が相当お怒りの様子で全裸土下座を決めている俺の後頭部に踵落としをキメてきた。

 

 これこれ、俺が求めてたのはこれだよ。

 やっぱアンタしかいねーよぉ!

 

「……如月 八重の名前で出た利益をほとんど持っていかれましたね」

「クソ豚のおかげで、ウチはまた貧乏事務所に逆戻りだ。そろそろ本当に死ぬか?」

 

 あなたの為なら本望です♡ とか言ったらイカれた人間を見る目をされた。解せぬ。

 

「余すとこなく売り捌くにしても、流通のルート考えねぇと足がつくな……」

「わんわんっ♡」

 

 ナチュラルに内臓やその他もろもろを売り捌くルートを考える社長と、犬で言うところのちんちんのポーズになる俺を見た柚子さんが頭を抱えていた。

 

「頭がおかしくなりそう……」

 

 だいじょぶそ? 俺でよければ話きくよ? あーそれは八重ちゃんが悪いわ。

 

「死んでください」

 

 マネージャーと社長に死を望まれるトップアイドルなんて歴史上においても俺以外いないだろさすがに。

 

「おまけにこれを見ろ」

「わんわん?」

 

 今の俺は謝罪の犬なので、スマホを突き出してくる社長に犬語で返答すると柚子さんが更に嫌な顔をしていた。唆るね♠︎

 

「お前、あのブヒ山と配信したハメ撮りがディープサイトで高値で取引されてんぞ」

「わんわん!?」

 

 スマホに映し出されたページには、紛うことなくハメ撮りで昇天する俺とブヒ山のあられもない姿が映し出されていた。

 ガッツリ無修正である。結合部まで丸見えである。

 思わずはしたなく吠えてしまった八重ちゃんだった。

 

「そう思うなら服着てください」

 

 誠意を見せるために脱いでるので無理です。

 

「顔を隠したのは賢明だったな。顔バレまでしてたらお前のアイドル生命は完全に終わっていた」

 

 それすなわち家畜の如く裏の流通ルートでドナドナが決定していたわけだった。

 

「まぁ……声と身体つきから、如月 八重だと噂するヤツはいるみたいだがな」

 

 そう言ってスマホのページを切り替えると、出るわ出るわこの動画に対する考察の数々が。

 

○これ、如月 八重ちゃんじゃね?

○んなわけねーだろ

○なんで日本のトップアイドルがこんなえげつないハメ撮りにしゅつえんしてるんだよ

○オタクの妄想も大概にしろよ

○でもこの爆乳と身長……あと声もだけど似すぎてないか?

○それは……まぁ……

○それはそれでシコれるだろ

 

「今回の件で、少なくとも警察関係者及び俺が火消ししたマスコミ上層部にはお前がこういうことをされたと発覚したわけだが」

 

 めしめしめしっ、と。

 不吉な音を立ててスマホを握りしめる社長の人相からは、今まで見たことがないほどに虚無の怒りを感じていた。

 あ、コレ本当にマズイやつかもわからんね。

 

「俺は、如月 八重を舐めていた。最終的に暴力か心をへし折れば屈服する奴隷程度の認識しかなかったが……甘かったらしい」

 

 ばきんっ! と派手な音を立ててスマホを素手で粉々にする社長。

 

「お前を再教育する。今後、確実に、俺の意思にそぐわぬことをしないよう、徹底的にな」

 

 そんな宣言の元、遂に魔王が動き出したのだった。

 

 

「まずは服を着ろ。お前に会わせるヤツがいる」

 

 再教育宣言の後、すわ性奴隷調教コースか? と期待していたら、服を投げ渡された。

 

「性奴隷は……?」

 

 こっちはお預けくらいまくって飢えた熊とタイマン張れる自信があるんだが。

 

「お前が耐えられたらしてやるよ。耐えられたらな」

 

 おおっと。そんなことを言われたら耐えるしかなくなっちゃうだろ。

 社長も随分俺の扱いが上手くなったものである。

 

「さっさとしてください。置いていきますよ」

「わんわんお♡」

 

 言われるがままに人類の叡智たる服を着て、社長と柚子さんに促されるままに訪れたのは事務所がある階の上にある、ダンススタジオレッスンルームである。

 

 ここでオリコンチャート一位を獲得した、プラチナ★ポップスの振り付けを鬼コーチに叩き込まれたのは興奮する思い出の一幕として深く心に刻み込まれている。

 

「いいか、お前はしばらくコイツと一緒に行動してもらう」

「紹介します。今日よりスターライト所属のアイドルとなった」

 

 同時に紹介されたのは、端的に言うと、その、……陽の女だった。

 

「はろはろー⭐︎ こんにちはっ! 如月 八重ちゃんだぁー! すごいっ! 本当にほんもの!?⭐︎」

 

 パッと花が咲いたような、という形容がこれほど似合う奴も珍しい。

 

 まず目を引くのは、キャンディのように弾ける桃色ピンクの髪だ。ツヤツヤの毛先が彼女の動きに合わせて元気よく跳ね、スタジオの照明を反射してキラキラと輝いている。

 

 さらに驚いたのはその瞳だ。

 

 単に明るいだけじゃない。好奇心と期待に満ちたその瞳の奥には、まるで漫画のように「☆」の形をした煌めきが浮かんでいる。見つめているだけでこちらの毒気が抜かれそうな、得体の知れないエネルギーに満ちていた。

 

 見たところ、年齢は18歳前後といったところか。

 

 身長は158cmと少し小柄だが、その体躯に詰め込まれた「女」としての完成度は凄まじい。

 

 体にフィットしたレッスンのジャージ越しでも分かる、キュッと不自然なほどにくびれたウエスト。そこからなだらかに広がる安産型のヒップライン。

 

 そして、何より目を引くのはその胸だ。

 俺の爆乳に比べれば一回りほど小振りではあるが、それでも「大きい」と断言できるだけの確かな質量が、彼女が動くたびにプルンと小気味よく揺れている。

 

「星乃 きららですっ! 八重ちゃん、よろしくね⭐︎」

「アッ、ハイ……よろしくお願いします……」

 

 根がインキャな俺は、陽のオーラを当てられてすっかり萎縮してしまっていた。

 影は? 影はどこ? 俺のホームグラウンドにまで陽の光を当てないでほしい。呼吸しづらいんだよ。

 

「この女は、ギャンブル依存症でな。裏カジノで数千万の借金を拵えて海外で『出稼ぎ』するか困ってる人達の為に臓器を『提供』するかの二択を迫られてる時にウチが引き取ったワケだ」

 

 あまりの慈善事業に涙が出そうだった。

 その感じで数千万円の借金抱えてるんだ。しかも完全に自業自得な流れで。

 ダメ女が振り切れててちょっと親近感湧いちゃうだろ。

 

「社長さんのおかげで助かったよぉ⭐︎ さすがに四肢を切り落とされて奴隷になるのは嫌かなぁ⭐︎」

 

 俺は別にいいけど?

 

「変なマウント取らないでくださいね」

 

 俺の考えがわかったのか、コソッと柚子さんが耳打ちしてくる。

 

「彼女、あなたの性癖について何も知らされていないので自重してください」

 

 えー。裏側でくらいありのままでいたいんだけど。

 

「そんなワケで、お前らは今日からユニットを組んでもらう。しばらくは連帯感を高める為に、共同生活もしてもらうぞ。もしバックれたら……わかるよな?」

 

 ……ん? 待て待て待て。

 今聞き捨てならない一言が聞こえたが?

 

「わたしはおっけー⭐︎ 八重ちゃんと一つ屋根の下なんて楽しみ⭐︎」

「えっ!? は!? 共同生活!? なんでぇ!?」

 

 冗談じゃねぇや!

 星乃 きららが俺の性癖を知らないってことは、プライベートにあたる裏でもアイドルの仮面を被り続けないといけないってことだろ!?

 おはようからおやすみまでずっと!?

 

「反対! 断固反対です!」

「え〜⭐︎」

 

 俺の言葉に困ったような星乃 きららと、能面のような無表情の社長。

 

「黙れ、決定事項だ。覆したいのなら、お前が今までやらかした時にかかった費用を全額肩代わりするか? あ?」

「ぐぅっ……!」

 

 それを言われると弱い。

 ここに来て今まで好き勝手に性癖を満たしてきたのが仇になるとは。

 

「きららと一緒じゃそんなに嫌〜?⭐︎」

「いえ、別にそういうわけでは……」

 

 大っぴらにオナニーできなくなるじゃん。

 ディルドとアナルビーズ差したまま生活したり、一升瓶をアナルから飲む練習ができなくなってしまうのが非常に悲しかった。

 

「言ったろ、再教育だ。お前の意思は介入させねぇよ」

「ブラック企業〜⭐︎」

 

 悲しきかな、選択権はないらしい。

 こうしてこのままなし崩し的に、新人アイドル星乃 きららとの新生活が幕を開けたのだった。

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